意外と知られていないのが、英検では飛び級に関する制約などは明記されていないため、誰でも英検1級を受けることが可能です。
また、英検1級は大学上級者程度という難易度になっており、高難易度な試験内容であることが伺えます。
今回は英検各級の難易度目安や、飛び級に関する疑問について解説しています。
本記事を参考に、実際に受ける英検級を事前に調べておきましょう。
英検の飛び級はできる?
英検では飛び級に関する制約は明記されていないため、極端にいうと英検を受けたことがない人がいきなり英検1級を受けることも可能です。
ルール上、英検は何級から受けてもよいですが、最初は自分のレベルにあった級を受けることをおすすめします。
たとえば、3級を受けて不合格だった場合、1級を受けて合格することはレベル的にはとても難しいからです。
英検は級によって、英語の難しさだけでなく出題範囲も変わってくるので、英検を受ける前に飛び級のコツや英検各級の傾向について知る必要があります。
英検飛び級のコツ
英語の飛び級をするなら、まずは英語の基礎を徹底的に押さえる必要があります。
英語の試験は英語の基礎と各試験の特徴を押さえることがで、初めて対策することができます。
たとえば、英検は日常会話で使えるカジュアルな英語表現が多く、TOEICは主にビジネスで使う英語力が求められますが、どちらも英文法や構文などの基礎がなくては対策することができません。
そのため英語で飛び級を目指すなら基礎を固めなければなりません。
英語の基礎を固める方法は様々ありますが、学校で使っている教科書やノート、問題集を使って復習すると参考書選びで迷うことなく、早く英語学習に取り掛かることができます。
基礎をある程度覚えて復習をした後は、あなたが受験する級の過去問をやりこんでください。
受験する級のテキストや問題集で分からない単語や熟語、慣用表現を見つけたら分からないままにせずに、英単語帳を活用したり、ネットで検索して単語を少しずつでもいいので覚えていきましょう。
バークレーハウスでは、英検対策に最適な記事もありますので、より詳しく英検対策の効果的な勉強方法を知りたい方はこちらを参考にしてみてください。
英検各級における出題レベル
英検は5級~1級まで7段階にレベル分けされていおり、最上位の1級に近づくほど難易度が上がっていきます。
下図が各英検の級とその難易度、出題形式を表しています。
英検の出題範囲 | レベル | 出題形式 |
1級 | 大学上級者 | 筆記、リスニング、対面で面接 |
2級 | 大学中級程度 | 筆記、リスニング、対面で面接 |
準2級 | 高校中級程度 | 筆記、リスニング、対面で面接 |
3級 | 中学卒業程度 | 筆記、リスニング、対面で面接 |
4級 | 中学中級程度 | 筆記、リスニング、録音形式のスピーキングテスト |
5級 | 中学初級程度 | 筆記、リスニング、録音形式のスピーキングテスト |
英検各級の試験範囲は、学校で習う英語の学習範囲に対応しています。
上の表を見ると、英検4・5級は録音形式のスピーキングテストで3級以上は対面で面接をすることになるなど英検は級によって出題形式が違います。 それ以外にも英検3級以上は対面でのスピーキングテストが追加されるなど、各級によって出題形式が変わるため、受験する級にあたった対策や勉強が必要になります。
次に、英検各級の内容と勉強のポイントを紹介していきます。
英検5級の内容
英検5級は、英検の試験の中で1番簡単な試験です。
中学1年生で習う基礎的な英文法や単語が出題され、英語学習初心者や小学生の方も多く受ける試験です。
覚えておく必要がある単語数は約300~600語程度で、その多くは一度は誰でも聞いたことがあるような単語が出題されます。
合格率も70%前後と勉強をすれば、そこまで難しい試験ではありません。
出題の形式は、1次試験にリーディング25分とリスニング20分、2次試験に録音形式のスピーキングテストが3分あります。
2次試験のスピーキングは合否に関係なく任意で受けることができ、1次試験を突破すれば英検5級に合格することができます。
英検3級のスピーキングは必須ではないですが、英検3級以上を狙う方は、英語で話すことに慣れるために受けることをおすすめします。
英検4級の対策など、より詳しい対策や問題の構成については以下のページで紹介しています。
英検4級の内容
英検4級は中学中級程度とされており、中学2年生レベルの英文法や単語が出題され、身近なトピックを題材とした読解問題も含まれます。
覚えるべき単語数も1,600 ~ 1,800 語程度と英検5級と比べ、約3倍の単語量が必要になり、より実用的な表現が増えてきます。
合格率は英検5級と同じく70%程度で、こちらもしっかりと勉強をすれば、そこまで難しい試験ではありません。
出題の形式は、リーディングが35分とリスニングが30分で、2次試験に録音形式のスピーキングテストが4分程度おこなわれます。
英検4級の2次試験のスピーキングも任意で受けることができ、合否に直接関係することはありません。
過去問題集で傾向をつかむことで、試験時によく出題される質問はほとんど予測することができます。
詳しい対策や、問題の構成については以下のページで紹介しています。
英検3級の内容
英検3級は中学卒業程度とされており、中学英語の集大成となる級です。
高校入試を受ける中学生を中心に幅広い層が受験する級で、英語を使ったコミュニケーション力も必要になります。
また、英検3級からは1次試験にライティング、2次試験に録音式と代わって実際に英語での面接が加わります。
中学卒業レベルの基礎と話す力が必要になってくることから、英検3級を取得することができれば、英語の基礎を理解している証明にもなります。
覚えるべき単語数は約2000語程度と言われていおり、合格率は50%程度と3級から難易度が上がってきます。
出題の形式は、1次試験が筆記試験でおこなうリーディングとライティングの50分で、リスニングが25分の合計75分で構成されています。
2次試験の面接は5分の面接で、日常の身近なことに関する話題などについて出題されます。
2次試験の面接では、発音も評価の対象なので、正しい文法と単語の発音を覚え、2次試験を突破しましょう。
詳しい対策や、問題の構成については以下のページで紹介しています。
英検準2、2級の内容
中学卒業レベルの基礎が分かっていれば英検準2級を飛び級して2級に挑戦してみるのもアリです。
英検2級の対策を行なえば、必然的に準2級は飛び級することができるため、自信のある方は2級を受けるのもよいでしょう。
英検2級を取得できれば、大学のセンター試験対策ができるだけでなく、海外留学の選考に通過しやすくなります。
覚えるべき単語数は準2級で2,600~3,600語程度と言われており、2級が3,800~5,100語程度です。
上記を鑑みると、かなり専門的な英語表現が多く出題されることが予想できますね。
合格率は準2級が約29%、2級が約25%で、どちらも4人に1人程度と決して簡単な試験ではありません。
ここからは主に英検2級の対策について紹介していきます。
英検2級は高校卒業レベルの級であり、大学のセンター試験レベルの問題が出題されます。
出題される内容も、身近なトピックだけでなく、医療やテクノロジーなどより専門性の高い問題が出題されます。
英検2級の出題の形式は1次試験が、筆記試験で行なうリーディングとライティングの85分で、リスニングが25分の合計110分で構成されています。
2次試験の面接は7分程の面接で、環境やエネルギー問題などより専門的な内容が出題される傾向があります。
英検2級の問題はアカデミックな単語が多く、あまり聞きなれない単語が多く出題されます。
単語をできるかぎり多く覚え、試験に備えておきましょう。
英検2級の音声のスピードは速く、シャドーイングで耳に入ってきた英語をそのまま読みスピードに慣れることが大切です。
また、実際に過去問題集を解いてみて、使えそうな表現を覚えておきましょう。
スピーキングの対策も過去問を使って問題に慣れることが大切です。
スピーキングは毎年問題の傾向が決まっているため、早めに慣れて対策をしておきましょう。
より効率的に英語を身につけたい人は、英会話スクールやオンライン英会話を利用することがおすすめです。
英検準2級・2級の詳しい対策や、問題構成については以下のページで紹介しています。
英検準1、1級の内容
英検準1・1級は英検の中で最も難易度が高い試験です。
特に英検1級は、ネイティブレベルで世界で活躍できる英語力を証明する資格として利用できます。
英検1級の対策を行なえば、必然的に準1級は飛び級することができるので英検1級の勉強をすることをおススメします。
ではまず、英検1級と準1級のレベルはどのくらい違うのかについて説明します。
覚えるべき単語数は、英検準1級が7,630語程度で、1級が10,030語程度と言われており、約2500単語以上も準1級と比べて覚えなければなりません。
合格率は準1級が約10%、1級が約15%で、10人に1人程度と狭き門になります。
ここからは主に英検1級の対策について紹介していきます。
英検1級の出題の形式は1次試験が、筆記試験で行なうリーディングとライティングの100分で、リスニングが35分の合計135分で構成されています。
2次試験の面接は10分程の面接で、世界経済についてや遺伝子組み換えの話など非常に高度な内容が出題されます。
英検1級の問題も、他の試験と同じように過去問を活用して対策をします。
それ以外にも、時事問題やアカデミックな英語に慣れるため、ニュースや新聞などを英語で読む習慣を付けてください。
また、海外のニュースを聴いてリスニング力を上げるのも効果的です。
表現の仕方に慣れるためにも、実際に問題を解いてみて、英語で自分の意見をはっきりと伝えられる文章を書けるようにしておくとよいです。
英検準1級・1級についての詳しい対策や、問題の構成については以下のページで紹介しています。
意外に簡単?英検の飛び級とは
ここからは、英検の飛び級について解説していきます。
学校で習う英語知識の範囲内で受験をすれば、覚えることが少なくて済むため飛び級しやすくなります。
塾や英語スクールで予習をしているなら、そのレベルに合った級が受かりやすいでしょう。
下記の表を見て、自分に最適な英検の級を確かめましょう。
級 | 英検の出題範囲 |
1級 | 大学上級者 |
準1級 | 大学中級程度 |
2級 | 高校卒業程度 |
準2級 | 高校中級程度 |
3級 | 中学卒業程度 |
4級 | 中学中級程度 |
5級 | 中学初級程度 |
中学生の場合は5級~3級の中学初級~中学卒業の範囲で受けることがおすすめです。
高校生の場合は3級~2級の中学卒業~高校卒業の範囲で受けると飛び級しやすくなります。
大学生の場合は3級~1級の中学卒業~大学上級者の範囲で受けると飛び級しやすいです。
難しいと考えられる飛び級
前述の表をご覧いただくとわかりますが、小学生の場合は5級以上の4級~1級の飛び級をしようとすると、難しくなります。
これが中学生の場合、3級以上の準2級~1級の範囲になります。
高校生の場合は2級~1級の範囲が難しいと考えられています。
まとめ
英検の飛び級そのものには、制度的な問題はありません。
しかし、飛び級をすることに意識を向けすぎると、自身のレベルに合った級を選ばないと合格することが難しくなり、結果として遠回りになってしまうでしょう。
受験をする英検級の選択は過去問などを解いてみて、内容を知り受ける級を慎重に選びましょう。