就職活動を始めるにあたり、TOEICを受ける方も多いのではないでしょうか。
しかしTOEICスコアが就職活動にどう影響するのか明確な理由がわからない方もいると思います。
TOEICスコアの取得は就活に有利なのか、企業で求められるレベルはどのくらいかなど、把握しておく必要があります。
今回はTOEICスコアが就職活動で有利になる理由や、業界別に求められているTOEICスコアの基準を紹介します。
就職活動のためにTOEICを受験するか検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
就職にTOEICは必要?
現在、就職活動においてTOEICのスコアが重要視されている傾向があります。
グローバル化が進むなかで、海外進出を進めている企業の増加が理由のひとつです。
英語は公用語として必要なスキルになってきています。
インバウンド旅行者が増加している背景から、国内企業であっても接客業などは英語のスキルを必須としています。
また英語のレベルを測る指標だけでなく、TOEICは以下についても判断しやすい資格です。
- 課題に向けて努力できるのか
- グローバル化に対応できるのか
そのため多くの企業がTOEICスコアの取得を推奨しています。
理由は、TOEICのスコアにより入社後の活躍をイメージしやすいからです。
また、経歴が同じでも高スコアを取得していれば、ほかの就活生との差別化が図れます。
TOEICスコアが企業の採用条件になっている場合、入社時までに決められた基準のスコアを取らなければいけない企業もあります。
選考に進む場合は、募集概要を事前に確認しておきましょう。
\履歴書を作る前にチェック!/企業が求めるTOEICスコアと英語レベル
TOEICスコアは業界・職種によって求められるレベルが異なります。
英語活用実態調査によると、企業が新卒に求めるTOEIC平均スコアは545点でした。
では、企業が求めるTOEICスコアと英語レベルについて紹介します。
多くの企業は600点以上
多くの企業はTOEICスコア600点以上を新卒採用で求めています。
日常生活の会話を英語でできるのが前提で、英検でいうと準2級から2級のレベルです。
航空・旅行業界に就職する際の基準となる英語力になります。
部署や職種によって求められる英語力が異なるため、志望する職種のスコアを調べてみましょう。
求められているスコアに達していなければ、早めにスコアを取得しておくことが重要です。
英語を使う職種は700点以上
英語を使う職種では、TOEICスコア700点以上が求められます。
日常業務のコミュニケーションを英語でできるビジネス英語レベルです。
英検でいうと2級から準1級のレベルで、国際部門の職種で求められるスキルになります。
海外支店をもつ大手の自動車業界や旅行業界などの企業では、日常的に英語を使います。
英語の文書や会議資料を取り扱うため、それらを読んで理解できる人材を求めています。
日常会話だけでなくビジネスシーンでも使える英語力は、就活生にとってレベルの高いスキルです。
700点以上であれば海外でも十分活躍できるレベルの英語スキルなため、ほかの就活生と差をつけることができます。
外資系は800点以上
外資系企業はTOEICスコア800点以上の人材を求めています。
英語のみで業務を行える専門的な英語レベルです。
英検でいうと準1級から1級のレベルで、社内公用語が英語であっても問題なく仕事ができます。
ビジネスシーンにおいて英語での意思疎通が問題なくできます。
本格的なミーティングや打ち合わせもスムーズにでき、海外赴任も視野に入れて考えられます。
専門外の分野も理解できるレベルといわれているため、社会人でも取得が難しいです。
このレベルの英語力を身につけていると就職活動ではかなり有利です。
\就活前に自分の英語力をチェックしよう/多くの企業がTOEICスコアを重視する理由
企業は英語力をみる指標として、なぜTOEICを重視しているのか、その理由を解説します。
認知度が高い
TOEICが英語力を判断するうえで重視されている理由のひとつに、認知度の高さがあげられます。
英語技能試験といえば、英検やTOEFL、IELTSなどの試験もあります。
そのなかでも知名度が高いのがTOEICです。
TOEICの受験者数は年間で約200万人と、多くの方が受験しています。
英語力やグローバルな感覚が求められる
2つ目の理由は、企業が英語力やグローバルな感覚をもつ人材を求めているからです。
業務で英語を取り扱う企業や職種では、高い英語スキルが採用の必須条件になっています。
その人材がどれくらいの英語力があるのかを測るためにTOEICを重視しているのです。
企業の募集要項にも実際に「TOEICスコア700点以上」などと記載されています。
ビジネス英語力を測れる
3つ目の理由は、ビジネス英語力を測れる試験でもあるからです。
TOEICは「グローバルビジネスにおける、生きた英語力を測定する世界共通のテスト」といわれています。
英検やTOEFLとは異なり、TOEICはビジネスに重点を置いている試験です。
そのため、企業側が必要とするビジネスの英語力を判断しやすいのが特徴です。
ビジネスシーンに特化しているTOEICの試験は、ビジネスの現場で英語力を測る基準として活用されています。
スコア形式でレベルがわかりやすい
最後の理由は、英語レベルの詳細がわかりやすい形式だからです。
TOEICの結果は合否ではなく、990点満点のスコアで結果が出ます。
業務で英語を利用する企業は、英語ができない人材を採用するリスクを避けたいはずです。
そこで、詳細な英語力を把握できるTOEICを採用基準としています。
TOEICを取得するメリット
TOEICを取得すると、英語力を示す以外に就職活動でどのようなメリットがあるのでしょうか。
就職活動でアピールできるメリットについて紹介します。
グローバル人材であるとアピールできる
TOEICを取得するメリットの1つ目は、グローバル人材であるとアピールできることです。
グローバル化が進んでいる現代では、日系企業でも海外進出を視野に入れた企業が増加しています。
高い英語力は、今後のグローバル業務に対応できる即戦力として判断されやすいです。
そのため、TOEICのスコアは実際の業務で使えるスキルとして取得しておくことをおすすめします。
目標に向けて努力できる人材に映る
メリットの2つ目は、目標に向けて努力できる人材であるとアピールできることです。
「TOEICを600点以上とる」などといった目標に向け努力ができる方は、向上心もあるという印象をもたれます。
また、TOEICスコアが基準に満たしていなくても、今後どのような計画・方法で目標を達成しようと考えているかが重要です。
説得力のあるビジョンをもっていれば、採用の検討枠に入る可能性もあります。
【業界別】TOEICを重視している業界
TOEICスコアを取得していることで、就職・転職に有利になる業界を紹介します。
下記に業界別で必要なスコアも記載しているため、ぜひ参考にしてください。
商社
英語力を必要としTOEICを重視している業界として、海外との事業を行う商社があげられます。
商社は海外企業とのやりとりが非常に多い業界です。
商談から契約まで、さまざまな場面でビジネスレベルの英語力が求められます。
商社に就職を考えている方は、730点以上のTOEICスコアが必要です。
メーカー
メーカーでも英語力が必要なため、TOEICを重視しています。
海外拠点をもち、製品を海外で販売する必要があるためです。
メールのやり取りや取引先との電話などでは、英語を使う機会が多々あります。
メーカーに就職を考えている方は、600点以上のTOEICスコアが必要です。
物流業界
物流業界では、海外とのやりとりもあることから英語力が必要になります。
B to Bの企業は顧客がメーカーや商社になるため、英語を使ったコミュニケーション能力が求められます。
商社志望者が物流業界も志望する傾向があることから、英語レベルが高い志願者が多いのも特徴です。
物流業界に就職を考えている方は、最低でもTOEICスコア600点が必要です。
旅行業界
旅行業界では、旅行者や旅先でのコミュニケーションのために英語力が求められます。
宿泊施設や公共交通機関の手配、国内外の旅先でのアテンダントなどを担当する業務があるためです。
その際に、現地の方と英語でのコミュニケーションが必須になります。
旅行業界に就職を考えている方は、TOEICスコア600点が必要です。
航空業界
航空業界では海外の方とのコミュニケーションが必要なため、英語力が求められます。
B to Cにおける英語での会話力が重要な業界です。
空港内や機内でのコミュニケーションを取る機会が多いです。
航空業界に就職を考えている方は、TOEICスコア600〜700点が必要です。
金融業界
金融業界では、海外企業投資や為替において英語力が求められます。
専門性を磨くにあたって重要なスキルのため、TOEICも重視されます。
しかし、金融業界は英語力だけで判断されることはありません。
高いTOEICスコアを取得していれば評価されやすい、という意味です。
金融業界に就職を考えている方は、TOEICスコア800点以上が必要です。
\800点が取れるポイントをチェック/小売業界
顧客への商品販売において観光客などに向けた直接販売の際には、小売業界でも英語力が求められます。
訪日外国人が増加していることで、海外の方に接客する機会が多くなっているためです。
そのため、日常会話レベルの英語力が必要です。
小売業界に就職を考えている方は、TOEICスコア600点が必要です。
IT業界
IT企業は世界中を取引先にできることから、英語力があればより多くの知識を得られます。
そのためIT企業に就職している方も英語が使えるだけで強みになります。
プログラミングスキルを磨くと同時に英語力の向上が重要です。
IT企業に就職を考えている方は、TOEICスコア600点以上が必要です。
マスコミ業界
マスコミ業界では英語力があれば海外赴任もできるため、高い英語力があると強みになります。
海外赴任ができるかどうかの判断基準として、TOEICスコアが採用されています。
そのため、将来的に海外赴任を視野に入れている方は高得点を取得しておくと有利です。
マスコミ業界に就職を考えている方は、TOEICスコア700点以上が必要です。
TOEICと就活に関するよくある質問
TOEICテストの種類や受験期間など、TOEICと就活に関するよくある疑問に答えていきます。
TOEICのどのテストを受ければいい?
就職活動や転職活動のために受けるなら、TOEIC Listening & Reading Testの受験がおすすめです。
TOEICテストといっても、大きく分けて下記の2つのテストがあります。
- TOEIC 公開テスト
- TOEIC IPテスト
TOEIC 公開テストは個人で申し込んで受験するテストです。
このテストは受験後に公式認定証が送付されるため、就活や転活の証明におすすめです。
TOEIC IPテストは学校や企業が団体受験制度を利用して受験するテストです。
個人的に申し込んで受験するのであれば、TOEIC 公開テストを受けましょう。
また、就職活動や転職活動で求められるのは、TOEIC Listeing & Reading Testです。
企業がTOEIC Speaking & Writing Testsを求めることは基本的にありません。
\TOEIC受験はオンラインでもできる/いつまでに受験すればいい?
就職活動でTOEICスコアを活用する場合、就職活動が解禁される1か月前までに受験しておきましょう。
理由としては、試験を受けたあと結果が出るまで時間がかかるためです。
就職活動が始まる日程、TOEICの受験スケジュールを確認し、計画的に受験しておきましょう。
TOEICの結果が出ていなければ履歴書に記載することもできないため、注意しましょう。
何点以上とれれば就活で有利になる?
一般的に就職活動でアピールできるTOEICスコアは、700点以上といわれています。
700点以上あれば英語で日常会話ができるレベルです。
ビジネスシーンでも自分の担当業務や限定された範囲であればコミュニケーションが取れるレベルだからです。
上場企業が社員に求めるレベルがTOEIC700点以上であるため、就職活動でも有利になる可能性が高いスコアだといえます。
理系でもTOEICは必要?
理系企業でも、TOEICを評価している傾向があります。
そのため、入社後や昇格の際にTOEICスコアが必要になるケースが増えています。
とくに自動車メーカーや自動車部品メーカーで、TOEICスコアを重視している傾向があります。
また、理系学生が理系職ではなく文系職につきたい場合にも、高スコアを取得しておくと有利です。
就職活動の前にTOEICを受験しよう
今回はTOEICが就職活動で有利になる理由や業界で求められているスコア基準を紹介しました。
就職活動において、TOEICスコアは採用基準に大きな影響をもっています。
グローバル化が進む現代では英語力は欠かせないスキルであり、TOEICスコアを重視している企業が多いです。
TOEICスコアが低すぎると就職活動に不利になってしまう可能性もあるため、就活前に基準以上のスコアを獲得することが重要です。
また、自分が就きたい業界・職種によっても求められる英語力が異なります。
企業に求められているTOEICスコアを取得し、就職活動を有利に進めましょう。