英検は受験者の英語力に合わせた段階式の検定であり、日本では知名度のある英語資格試験です。
検定の結果は他の英語能力検定と異なり、合格・不合格と結果が分かりやすく、目標の設定にも向いています。
この記事では不合格だった場合、原因を突き止め、次回の試験へどのように活かすべきか、改善していく方法を解説していきます。
英検は不合格になるとどうなる?
受験後は、合格・不合格の判定通知を受け取ることになります。
もし、不合格通知を受けた場合、どのセクションで試験に落ちたかを確認しましょう。
どの段階で不合格になったのかを確認することで、そのあとの対応が変わってきます。
1次試験の段階で不合格の場合、再度1次試験から受験になります。
2次試験を受験して不合格の場合、翌年の回まで1次試験を免除して受験することができます。
どちらの場合でも、しっかりと不合格になってしまった原因を突き止め、改善し、合格を目指していくことが重要です。
不合格でもCSEスコアに注目すべき
2016年から英検の試験結果として自身の合否以外にも、各セクションの数値が算出されるようになりました。
CSEスコアという数値で、自身の英語力が現時点でどのくらい足りていないのかを確認することで、原因を突き止めることに繋がります。
大学入試時にスコアを利用するケースでは、試験結果が不合格でも、CSEスコアが大学の求めている基準を満たしていれば出願時に提出することができ、大学試験に有利にもなる場合となります。
英検の不合格通知書を受け取ったあとにやるべきこと
不合格通知書を受け取ったあと、次回点数を上げ合格するために
3段階あります。
- 1. 不合格通知書を捨てずに、通知書に付属している解答状況表を確認し解答の分析
解答状況表は、試験問題に関する自身の正誤が示されているものです。
この表は試験時の正誤を見ることができ、自身の得意・不得意なパートを再確認することができます。
解答状況表は、どの分野から対策をおこなっていけばよいのか、学習プランを立てるのに役立ちます。
- 2. 受験したあと持ち帰ることができる問題と解答状況表、両方を見ながら、間違えた問題にチェックをしていく
英検では、試験中に問題用紙へ書込みすることが可能であり、長文問題で気になる部分に線を引いたり、自身の解答への道筋を再追認できます。
そして解答状況表と比較することで、自分が解答できなかった不正解の問題を追求できます。
また仮に問題用紙を処分してしまった場合は、英検公式HPから試験日時の問題をダウンロードできます。
問題を紙に印刷する事で、再度見直し分析することができ、今後の点数アップに繋がります。
- 3. 問題と解答状況表のチェックを終えたら、「不正解が多かったのはどの問題なのか」を分析
不正解が多かった問題は、試験中だけでなく、普段から間違える事が多いです。
間違えた問題のセクションと使用されている文法構造・英単語を次回試験までに復習し、分析をすることが重要です。
不合格の原因を特定する方法
不合格の原因は、おもに2つの種類にわけることができます。
まず1つ目は、不正解箇所が特定の問題に集中してみられる場合です。
特定の問題に対して不正解の数が多いのであれば、その問題は「苦手」か「勉強不足」のどちらかに分類されます。
2つ目は、試験全体を通して不正解箇所が多い場合です。
試験問題に対して間違いが全体的にあると、試験に合わせた勉強となっておらず、「勉強の仕方から間違っている」可能性があります。
「苦手」「勉強不足」カテゴリわけをすることで、次回受験への対策をすることができるようになります。
不合格の原因が苦手分野や勉強不足のときの対策
1つ目の対策として、不正解が多かった大問や技能セクションを集中的に勉強することです。
たとえば、リスニング問題の不正解率が多い場合、リスニング問題を中心に勉強に取り組むことです。
集中的に勉強する必要はありますが、英検は各分野わかれて問題が置かれているため、一方に偏らせないようにバランスよく勉強する必要があります。
また言語学習に共通して言えることで、バランスよくそれぞれセクション別で勉強をすることによって、分野同士が補完関係となります。
たとえばリスニング学習をしているいる際に、2次試験でおこなわれるスピーキング内容を予想・準備し、聞き取れない・話せない内容を減らすことで、得点UPに繋がります。
不合格の原因が間違った学習法のときの対策
2つ目の対策として、おすすめの勉強方法を調べて取り入れることが合格に近づきます。
以下の記事は、級ごとに最適な勉強方法を紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。
上記以外にも、勉強が苦手な方や自分に合った勉強法を身に着けたい方は、語学スクールに通ってみるのも一つの方法です。
バークレーハウスでは無料体験レッスンを実施中です。
まずは、無料体験レッスンを受け、自分に最適な対策方法を確立しましょう。
英検の2次試験で不合格になったらどうする?
上記にも記載しましたが、2次試験に落ちても1年以内に再受験すると、1次試験は免除された状態で2次試験にのぞむことができます。
この1年のあいだで2次試験突破を狙い、合格を取れるように対策をしましょう。
2次試験に合格するためのポイント
次に、2次試験を突破する上で重要な対策方法をご紹介します。
模範解答の音読
模範解答(モデルエッセイ)の音読を繰り返し行うことで、パッセージの内容への深い理解に繋がり、設問を正確に解答することができます。
英文は理解する際に英語→意味→日本語、という理解するためのプロセスをおこない、声に出すことで英文音読になります。
一連の流れを高速化し、意味を考えながら読むと英語→意味→理解になり、英語を英語のまま理解できるようになると試験中にわざわざ翻訳を必要とせず、理解する速度が早まるため、非常に効果的です。
一連の音読は英語脳獲得の一歩でもあり、1次・2次試験だけではなく、英語学習にも役立つはずです。
また、音読をする際には、主語・動詞に意識を向けて2文以上の解答を常に心がけることが重要です。
理由としては単語のみで答えてしまうと、減点の対象とみなされてしまう可能性があるからです。
一つの設問に対して、回答で用いる動詞は必ず一致させることがポイントとなっています。
発音を意識する
発音は以下の5つの要素を重点的に行うと二次試験に効果的です。
1. 試験での頻出単語の発音をチェックしておく 2. 文章内に書かれている通りに、流れで正しく発音できるようにする(リエゾンなどの音声変化に対応するため) 3. 学習の際は各級で問題が微妙に異なる点に注意(文章、言い回し、単語が級によって難易度が異なるため) 4. 過去問集に掲載されている正答と流れを確認し、型を身に着けておく 5. 英語能力が高い方が知り合いに居れば、発音や解答に誤りがないかチェックしてもらう
英検の不合格に関するよくある質問
不合格A・不合格B・不合格Cの違いは?
近年導入された結果通知の表示で3つの違いがあります。
合格に至るまで、自身の点数が不合格の中でも3段階存在しています。
それぞれの違いについて以下を見てください。
●不合格A
不合格Aは合格とされる点数まで25点不足していることを表しています。
たとえば、-1と表記されている場合、自身の点数が25点足りておらず、あともう少しで合格のラインに届く可能性が示されています。
●不合格B
不合格Bは合格とされる点数まで50点不足していることを表しています。
もう少しで合格の不合格Aとは異なり、少なくとも50点以上離れているため、次回合格まで勉強方法の見直しやさらなる単語学習に取り組むことが重要です。
●不合格C
不合格Cは合格とされる点数まで75点不足していることを表しています。
合格まで75点以上失点している場合、既に行っている対策方法では試験に対応しておらず、闇雲に行っている可能性もあるため基本的な分野から見直しが早急に必要になってきます。
英検は不合格でも大学入試に利用できる?
英検は不合格でも大学入試に利用できるケースがあります。
それは各大学の基準によって制定されています。
CSEスコアが各基準を満たしていれば出願時に利用することができます。
試験当日に欠席してしまうと不合格になる?
1次試験・2次試験の当日に欠席してしまうと、不合格になってしまう可能性があります。
その際、次回以降に開催される試験に繰越そうと考える方も居ますが、日程の変更・検定料の返金は行っていません。
欠席した場合は、再度新たに試験に申し込む必要があります。
しかし二次試験を欠席した場合のみ、救済措置があります。
検定料は再度支払う必要はありますが、再度一次試験から受け直す必要はありません。
試験を受ける前の段階で、じゅうぶんに緊急事態への対応策を知っておくことが必要です。
まとめ
英検の不合格通知書が届いたからといって、悲観する必要はありません。
通知書の解答状況表をしっかり分析して、次の試験に繋げましょう。