2021/10/29

英検準2級のレベルと求められる英語力とは?

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バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

英検3級と2級の間に設けられている、準2級。

高校中級程度のレベルとされていますが、具体的にどのくらいのレベルなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は英検準2級のレベルについて3級と比較して解説し、準2級の試験内容から、試験対策と合格のための勉強法まで紹介します。

目次

英検とは

英検とは、「公益財団法人日本英語検定協会」が主催・運営する英語検定試験のことで、正式名称を「実用英語技能検定」と言います。

上から順に1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級が設けられ、級位別に試験内容と難易度が異なる検定試験です。

1級から3級までは「リーディング(読む)」「ライティング(書く)」「リスニング(聞く)」「スピーキング(話す)」の4技能を評価します。
一次試験と二次試験があり、一次試験は筆記試験で、リスニング、リーディング、ライティングの技能を測り合格すると、二次試験のスピーキングの試験に進みます。
スピーキングは試験官との面接形式で行われ、一次・二次の両方の試験で基準スコアに到達すれば合格です。

一方、4級と5級は一次試験として「リスニング」と「リーディング」の技能を測り、一次試験のみで合否が決まります。

また、4級と5級の受験者は、一次試験の合否にかかわらず、自宅で受験できるスピーキング試験に挑戦することも可能です。

英検には、筆記と面談で行う従来の試験とは別に、パソコンを使って受験する「英検S-CBT(Computer Based Testing)」という試験もあります。

準2級は従来型の筆記で行う試験と、パソコンで受験する英検S-CBTのどちらの試験でも受験可能です。

受験日は従来型の場合、年3回あり、各回に一次試験は7日、二次試験は3日の日程が設けられます。

英検S−CBTの場合は原則毎週土曜日に試験が行われています。

準2級の受験料は、従来型と英検S-CBTでは違います。

従来型の場合は、個人受験の一般受験者は、主催者が設ける本会場で試験を行い、9,200円です。

英検S-CBTは、8,700円になります。

なお、従来型で学校や塾、企業などの団体を通じて申し込んだ場合は、団体が準備する準会場で実施され、受験料も団体により異なるため、申し込み先の団体に確認をしましょう。

英検がどのような試験なのか、詳しく知りたい方は、こちらの「英検ってどんな試験なの?正式名称は?も合わせてお読みください。」

英検準2級のレベルはどれくらい?英検3級との違いは?

英検準2級のレベルは高校1~2年生の「高校中級程度」とされています。

具体的には、日常的で身近な話題であれば、読んで、聞いて理解することができ、話したり、書いたりもできるレベルです。

必要な語彙数の目安は、日常生活の中でよく使われる単語3,000前後とされています。

英検3級との違い

英検を受験するにあたり、3級かその上のレベルの準2級にするか迷われている方や3級に合格して準2級に挑戦される方もいらっしゃるかと思います。

準2級と3級にはレベルにどのような違いがあるのでしょうか。

3級は、基本的な文法や語彙など英語の基礎力が備わっている「中学卒業程度」のレベルと言えます。

身近なことであれば、英語を読んで聞いて理解するだけでなく、書いたり話したりすることもでき、必要とされる語彙数は2,000前後が目安です。

3級と準2級のレベルは、ともに身近な日々の生活に関わる話題について、理解し、使うことができる点は変わりありません。

違いとして言えるのは、3級は基礎的な語彙・文法、トピックに留まり、準2級になると、基礎的な範囲から少し広がります。

準2級のレベルでは、今何をしているのか、これまで行ったことの経験、これからすることの予定など、日本・海外の文化に加えて、教育や科学、環境など専門的な知識も必要とされます。

英検準2級の試験内容

準2級の試験は、従来型の場合、リーディングとライティングの筆記試験とリスニングからなる一次試験を行い、一次試験に合格した方のみ二次試験のスピーキングの試験を受験できます。

なお、従来型のスピーキング試験は、試験官との対話形式です。

一方、パソコンを使って受験する英検S-CBTでは、最初に録音形式によるスピーキングを行い、次にリスニング、最後にリーディングとライティングの順番で試験が進められます。
ライティングの場合、パソコンのキーボードを使ったタイピングで行うか、筆記で解答するか、いずれかを選び受験することが可能です。

試験問題の内容や難易度、採点基準は、従来型と英検S-CBTで違いはありません。

ただ、問題を配布して筆記と面接で行う場合とパソコンを使用する試験とでは、試験時間が若干異なります。

例えば、スピーキング試験は、試験官との対話形式である従来型が約6分に対して、パソコンから出題され、録音で解答する英検S-CBTでは15分です。

以下に、準2級の問題数や問題に関する試験内容を4技能別にまとめました。

リーディング

リーディングは短文と会話文、長文の空欄に正しい語句を当てはめる問題が合わせて30問。

それに加えて、長文の内容に関する質問に答える問題が5問出題されます。

いずれの問題も4つの選択肢の中から選んで解答します。

ライティング

ライティングは質問に対する答えを英文で書きます。

質問は1つですが、自分の考えや意見を求められるので、それを英作文にしなければなりません。

解答する際の語数の目安は50~60語です。

リスニング

リスニングでは、会話の最後に対する適切な応答と、会話の内容に関する質問に答える問題が各10問、物語や説明を聞いてその内容についての質問に答える問題が10問で、合計30問です。

いずれも1回しか聞くことができず、解答は3~4つの選択肢から選びます。

スピーキング

スピーキングは、50語程度の英文とイラストが記載された問題カードを使って進められます。

従来型は面接官から問題カードが手渡され、英検S-CBTの場合は、パソコンのモニターに映し出されます。英文の音読と英文に関する質問が1問。

その次にイラストについての質問が2問。

続いて、意見を聞かれる質問が2問出題されます。

イラストについての質問は、イラストに描かれた人物の行動の描写と状況を説明する内容です。

意見を聞かれる質問では、問題カードに直接関連しない内容も問われます。

英検準2級の試験対策と合格のための勉強法

ここでは、準2級に合格するための対策と勉強法を紹介します。

各技能を身に付ける上で、必要となるスキルや能力を挙げて、それぞれ解説していきますので、準2級の受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

語彙力

単語や熟語の語彙を覚えるためには、「読む」「聞く」「話す」「書く」のすべてを使って学習しましょう。

語彙力は、準2級のすべての技能において、欠かすことができません。

準2級の語彙に特化した、音声付きの単語帳で勉強することをおすすめします。

勉強時間は1日10~20分程度の短い時間でも良いので、単語や熟語を「目で見る」、「音声を聞く」、「口に出して発音する」、「書く」を繰り返しましょう。

文法力

準2級では、読んで、聞いて理解するだけではなく、正しい文法で書いたり、話したりできることが重要になりますので、中学卒業までに学ぶ英文法をしっかり理解しておくことが必要です。

中学英語や高校受験、高校英語の英文法書を活用して、英文法を基礎からマスターしておきましょう。

長文読解力

準2級の長文読解力を養うためは、英語の書物を読むよりは、試験対策として、なるべく多くの過去問を使って、長文を読むことに慣れることが大切です。

勉強方法は、長文の段落ごとに要点をまとめられるように読む力を身に付けていきます。

リスニング力

リスニング力についても、準2級の過去問で勉強するのが良いでしょう。

準2級のリスニング試験では、英文は1回しか聞くことができません。

1回で聞き取れるリスニング力が養われるようにトレーニングするために、シャドウイングと呼ばれる、英語を聞きながら、まねをして発音する訓練方法を取り入れてみましょう。

シャドウイングをすることで、英語の音を覚えることができ、集中して聞ける力を養える効果があります。

また、正確に英語を聞き取れるようになるだけではなく、スピーキング力の向上にもつながりますので、過去問に収録された音声で、ぜひシャドウイングをしてみてください。

ライティング力

まずは、準2級の過去問で出題された質問を読んで自分の考えや意見をまとめることからはじめます。

どのようにして良いのか自信がないときは、模範解答を読み込んで、考えや意見の伝え方を習得します。

そして、準2級のライティングの構造を理解することが大切です。

準2級では、意見を聞かれる場合は、はじめに「I think~(私は~と考えます)」や「I don’t think~(私は~とは思いません)」と自分の考えや意見を明確に記述します。
そのあとに、「I have two reasons.(理由は2つあります)」と書いて、理由を2つ述べます。
理由を述べる際は、「First,~(第一に~)」、「Second,~(第二に~)」という表現を使います。
最後に結論として「That’s why~(だからこそ~)」を用いて、最初に述べた自分の意見を総括します。

ライティングのポイントとして、意見や理由は本当の考えである必要はありません。

英語で表現しやすい内容を優先して、文章を組み立てることもライティングでは必要です。

スピーキング力

スピーキング力を伸ばすには、リスニング力でも紹介した、シャドウイングを日頃から活用しておくと、英文を声に出して読む問題で効果を発揮します。

シャドウイングとともに、過去問の英文を音読する練習をして、本番に備えましょう。

意見を述べる質問に答える際は、ライティング力で解説した構造に沿って、スピーキングも行っていきます。

ライティングで練習した内容を、スピーキングでも活かして話せるようしておくと良いでしょう。

過去問や書籍を活用して、独学による勉強でも、それなりの成果は出るかもしれませんが、やはり、準2級の合格レベルまで到達するには、英検対策を専門に行っているスクールで学ぶことが効果的かつ効率的です。

バークレーハウス語学センターでは、英検に精通した講師が、1級~5級まで、すべてのレベルに対応し、指導を行っています。

模範解答を見るだけではなかなか上達しないライティングの添削も英検対策の指導経験豊富な講師がします。

詳しくはこちらの「実用英語技能検定」をご覧ください。

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