近年はますますグローバル化が進み、英語の資格試験の受験を検討している方も増えているのではないでしょうか。
英語の資格試験と一言でいってもさまざまな試験があります。
国際的に認知度が高いといわれている「IELTS(アイエルツ)」は年間350万人以上の方が受験をしており、年々受験者が増加している傾向にあります。
今回は、IELTSの試験直前・前日にすべきことや、前日までに用意しておきたい持ち物などについて詳しく紹介します。
IELTS試験直前の対策
試験のために勉強してきた力を出し切るため、試験直前の対策もしっかりとおこないましょう。
ここでは、IELTSの試験直前の対策について詳しく紹介します。
模擬試験・演習問題を解き、試験本番の流れに慣れておく
TOEICやTOEFLなどの英語試験では、数多くの予想問題集や模擬テストが出版されています。
過去に実際に試験で出題された過去問も、試験対策では重宝するものです。
しかし、IELTSに関しては、無料のサンプルテストは公開されていますが、過去問の公開は行われていません。
そのため、実際の試験で使用された過去問を解く形式での試験対策を行うことはできませんが、IELTSから公式問題集として出版されている教材はあります。
公式問題集を利用して、本番の試験通りの順番で問題を解く方法が効果的です。
日本でのIELTS筆記試験の場合は、ライティング→リーディング→リスニング→スピーキングの順番です。
自分で本番と同じスケジュールで模擬試験を行っておくと、試験当日の流れに慣れることができます。
ただし、模試の途中でトイレに行くことは避けましょう。
実際の試験では休憩時間はないためです。
トイレに行きたい時は自分の試験時間を削ることになりますので、自宅で行う模擬試験のときから注意をしておくことが大切です。
ここで1つ、問題を解くにあたって注意したいことがあります。
試験直前に解くものは、新しい模擬試験や演習問題ではなく、一度やったものを解くようにしましょう。
新しい模擬試験や演習問題に挑戦してみて、あまり点数が取れなかった場合、自信をなくしてしまうケースもあるでしょう。
テスト直前はメンタルを整えることも大切となりますので、解いたことのある問題で自分に自信をつけるのもポイントです。
単語・文法・熟語を改めてチェックする
IELTSは、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの技能、それぞれの能力を測る試験です。
どのセクションでも、単語、文法、熟語の理解や知識は重要な要素です。
特に、単語を1つでも多く覚えることは、試験の直前までできる対策です。
また、単語と関連付けて文法、熟語を覚えることも大切です。
セクション別に今まで取り組んだ勉強を復習する
IELTS試験の直前に有効な勉強方法の1つとして、それまでに行ってきた勉強の復習をする方法が挙げられます。
すでに学んだことをおさらいすることで、より記憶に定着させることができます。
前述でも触れましたが、一度やったことがある模擬試験や演習問題をもう一度やってみて、同じところでミスをしていないか、点数を落としていないかを確認しましょう。
試験直前にやっても対策にならないこと
直前の試験対策は、がむしゃらに勉強をすれば良いということではありません。
ここでは、試験直前にやっても対策にならないことについて解説します。
新たな課題に挑戦
前述の項目でも触れましたが、試験直前に新たな課題に挑戦することは避けましょう。
試験直前に新たな課題に挑戦し、思うような結果が出ないと自信をなくしてしまったり、フラストレーションがたまったりするだけになってしまうこともあります。
新たな課題に挑戦する時間があるのであれば、今までに勉強したことを復習したり、単語を覚えたりすることに時間を使ったほうが効果的だといえるでしょう。
急な苦手分野の克服
誰しも苦手分野はあるものです。
しかし、その苦手分野を試験直前に焦って克服しようとしても対策にはなりません。
苦手分野を克服するには、相応の時間や努力が必要です。
苦手分野を克服しようとしても、思うような結果が得られず、試験直前に自信を失ってしまうことは良いことだとはいえません。
試験直前の対策は、苦手分野を克服するのではなく、得意分野をさらに伸ばすことのほうが効果的です。
得意分野をさらに伸ばすことによって、自信をつけることができるためです。
試験直前の対策は、苦手分野の克服ではなく、得意分野をさらに伸ばす勉強方法がおすすめです。
セクション別の直前対策
IELTSの試験は、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4つのセクションに分かれています。
ここでは、セクション別の直前対策について詳しく紹介します。
リスニング対策
試験直前のリスニングの対策として効果的な方法は、IELTSのリスニング教材の音声スクリプトを見ながら音読、スクリプトを見ないでシャドーイングを繰り返し行う方法です。
音読や音声を聞いた後、直ぐに復唱するシャドーイングを行う前に、知らない英単語やフレーズなど、覚えておいたほうが良いものは単語帳に書き留めておきましょう。
ここで注意したいことは、英語をバックグランドミュージックのように流す、いわゆる「ながら聞き」をすることは避けましょう。
ながら聞きは、集中して注意深く聞くことができなくなり、ぼーっと聞いてしまうことに慣れる原因になります。
シャドーイングができるようになったら、英語を塊で区切り、聞いた英語を反復するリテンションの練習にも挑戦してみましょう。
リテンションとは、聞いた音声を口頭で再現することで、聞いている音声が右から左へ流れてしまうという方には、効果的な勉強方法です。
リテンションは、即座に音声についていくだけのシャドーイングと異なり、英語の塊を一時的に記憶させ、何度か再生して繰り返してアウトプットするトレーニングです。
その分、シャドーイングに比べると難易度は上がります。
しかし、リテンションでは、文章を組み立てる力を身につけることができ、リスニング力を上げるだけでなく、スピーキング力の向上にも効果的な方法といわれているので、ぜひ取り入れてみてください。
リーディング対策
リーディングの対策は、問題形式を改めて確認するためにも、一度やったリーディングの教材を古いものからやっていく方法がおすすめです。
試験本番を意識して、なるべく早く解くことを心がけましょう。
一度やった教材で、つまずいてしまう箇所を確認し、間違った問題を分析することも大切です。
同じところでミスをしてしまうのであれば、それを掘り下げていきましょう。
また、気分転換に小説や子ども向けの英語の本などを読むことも効果的です。
教材の問題などの内容はアカデミックな内容が多いため、そこから離れてリーディングを楽しむことや想像力を高めることにもつながります。
難しい内容のものではなく、読みやすいものを選ぶようにしましょう。
ライティング対策
ライティングの対策は、ライティング問題の解答例を読み込み、暗記することが効果的です。
実際に書くことから離れて、IELTSのエッセイタイプ(Discussion, Opinion, Discussion/Opinion, Direct Question, Cause and Solution)別の高得点サンプルを何度も読み、構成や言葉の使い方、論理の展開に注意して、暗記するまで読み込みましょう。
ライティングの課題集などを使用して、大まかな構成だけでも考えてみることが大切です。
ライティングにおいて重要なことは、論理的な文章を作成できているかということです。
メインのアイデアを、論理的な考えで説明できているのかということに注意しましょう。
アイデアが出ない場合は、トピックに関係するニュース記事や論文、他のエッセイサンプルなどを見て、どのような考えが一般的なのかを確認しておきましょう。
また、ライティング問題の解き方をある程度固めておくことも大事です。
課題の内容によって、どのように書くかというアイデアを持っていることが、時間の短縮につながります。
多くの課題を見ることによって、アイデアのバリエーションを増やすことができます。
アイデアとともに、エッセイで使える型や定型表現を覚えておくとなお良いでしょう。
スピーキング対策
スピーキングの対策は、パート別の頻出質問を確認し、解答をパターン化しておくことが効果的です。
たとえば、「What is your favorite book?(あなたの好きな本は何ですか?)」のように、本のことについて聞かれるとします。
その場合は、この本のことについて話す、ということが頭にある状態が理想的だといえます。
ただ、一文を暗記するのではなく、頻出する質問に対しての考えを持っておくということが大切なのです。
自動的に暗記した答えだと判断されてしまうと、点数が取れなくなりますので注意しましょう。
用意している解答パターンの正誤を改めてチェックすることも重要です。
また、スピーキングの復習をする時は、必ず声に出すことを心がけてください。
普段口に出していない言葉を、試験当日にいきなり口に出そうとしても口が回りません。
話す内容を書くだけにとどめることはせず、頭の中だけで考え、必ず声に出してみることを意識しましょう。
試験対策は直前だけでなく、日々の積み重ねが大切です。
試験当日までの対策は、バークレーハウスにお任せください。
バークレーハウスでは、生徒の方1人ひとりに合わせた柔軟なレッスンプランをご用意します。
以下のページでは、IETLS9.0満点取得の講師によるIELTS対策のレッスンプランのサンプルを紹介しています。
ぜひご参考のうえ、実際のIELTS対策講座が体験できる無料体験レッスンにお申し込みください。
\オンラインでも受講可能!/前日までに用意しておきたい持ち物
直前まで試験の対策をすることも大切ですが、持ち物を用意しておくことにも注意が必要です。
IELTSの試験当日に必要な持ち物は、以下の通りです。
パスポート
英語の資格試験の申し込みと試験の当日には、不正行為防止の観点から、本人確認のために身分証明書が必要です。
運転免許証や学生証などが身分証明書として認められる英語試験もありますが、IELTSにおいて、身分証明書として使用できるものはパスポートのみです。
IELTSを申し込む際には、必ず事前にパスポートを取得しておきましょう。
申し込みに使用したパスポートを忘れた場合、いかなる事情があっても受験できなくなってしまうため注意が必要です。
また、パスポートを持っている方は、パスポートの有効期間についても確認しておくようにしましょう。
IELTSの身分証明として使用できるものは、試験当日に有効なパスポートです。
前日に確認し、期限が切れていた、ということがないよう注意しましょう。
パスポートはいつまでに発行すべき?
パスポートの受領は、申請から1週間ほどの日数がかかります。
前日に受領することがないように、日程にゆとりを持って発行するようにしましょう。
また、パスポートの申請にはさまざまな書類が必要です。
戸籍謄本(または戸籍抄本)や、住民票の写しなどが必要です。
直前になって、慌てることがないように、余裕を持ってIELTS受験申し込みの1ヶ月前までには、申請することをおすすめします。
IELTS受験で必須となるパスポートに関する情報は、下記のリンクから詳しく紹介しています。
IELTS受験を検討中で、パスポートを取得されてない方は、ぜひ合わせてご一読ください。
筆記用具
IELTSの試験で使用できる筆記用具は、黒鉛筆のみです。シャープペンシルの使用は不可ですので、要注意。
また、鉛筆にキャップをつけること、消しゴムのカバーも不可になります。
事前に外しておくようにしましょう。なお、試験室には鉛筆削り器が用意されています。
飲料
IELTSの試験に持ち込める飲料にも決まりがあります。
無色透明な容器に入っている水のみが持ち込み可能ですので、それ以外の飲料を準備することは避けましょう。
試験に持ち込めない意外なもの
前述の項目で触れた通り、IELTSの試験では持ち物が厳しく定められています。
以下のものは持ち込み禁止とされていますので、注意が必要です。
- 腕時計
- ハンカチ類
- コート類
- ひざ掛け
- 財布
- スマートフォン・携帯電話
- メガネケース
- 黒鉛筆と消しゴム以外の筆記用具すべて
- 水以外の飲食物すべて
試験室内に時計が用意されているため、腕時計がなくても時間を確認することは可能です。
貴重品を含む私物は試験会場内に持ち込むことができません。
私物は、テストセンターに預けることになります。
万が一、私物を紛失してもテストセンター側では責任が取れないため、貴重品は必要最低限のもの以外は持っていかないほうが良いでしょう。
試験当日までにしておくべきこと
試験の対策や持ち物の準備以外に、試験当日までにしておくべきことについて紹介します。
生活リズムを朝型にする
朝早く起きることに慣れていない方は、1週間前くらいから早起きをして、朝に勉強する習慣をつけるようにしましょう。
朝起きてすぐに頭が働くようにしておくことが重要なポイントの1つです。
睡眠時間をしっかり確保
一夜漬けで勉強をして、睡眠不足で受験をしても試験に集中することができません。
試験前日は早めに就寝し、心身を休めることを心がけましょう。
テスト会場・アクセスのチェック
IELTSの試験で、遅刻した場合テストを受験することができなくなるため、注意が必要です。
テスト会場の場所をきちんと確認しておくようにしましょう。
また、電車やバスなどの公共の交通機関を利用する場合は、遅延が発生しても大丈夫なように、余裕を持って到着するようにしましょう。
朝食は必ず食べる
試験で頭をしっかり働かせるためには、朝食は必ず食べることをおすすめします。
一方で、朝食を食べた直後は、胃が張ったり、もたれたりすることがあり、集中しにくくなります。
試験の2〜3時間前には、いつもと同じ内容の朝食を摂ることを心がけましょう。
IELTSの試験は特殊!準備段階から気をつけて
IELTSの試験直前・前日にすべきこと、用意しておきたい持ち物などについて紹介しました。
試験を受けるために勉強した力をすべて発揮できるよう、直前の対策は効果的な方法で勉強することが大切です。
試験を受ける時の自信につながるよう、新しい課題に挑戦するのではなく、これまで勉強してきた復習をメインに学習するようにしましょう。
また、IELTSの試験当日は持ち物にも細かい決まりがあります。事前に確認し、準備をしておくことが大切です。
特に、パスポートは重要な持ち物ですので、注意が必要です。
今まで勉強してきたことを出し切れるよう、試験当日までは生活習慣を整えることも心がけましょう。