IELTS対策で時間をかけて勉強しているのに、スコアがなかなか伸びないとお悩みの方は、英文法力の強化が必要な可能性があります。
英語は、「文法が難しいから苦手」という方も少なくありません。
しかし、IELTSでは、リーディングやライティングのセクションはもちろん、リスニングやスピーキングでも文法力が必要です。
つまり、IELTSでのスコアアップには、文法力が必要不可欠ということです。
そこで今回は、IELTSでスコアアップするための英文法能力をつける方法を紹介します。
IELTSで文法力が求められる理由
IELTS対策において、文法力は必須です。
大学入試のように文法の知識を問うような問題の出題はないにもかかわらず、なぜ文法力が求められるのでしょうか?
IELTS対策で文法力が求められる理由を解説します。
問題設計
IELTSで文法力が求められる理由の1つとして、問題設計が挙げられます。
IELTSでは、文法ができなければ、スコアが伸びない問題設計になっております。
また、ライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4つの英語スキルが必要とされます。
ライティングに文法力が必要であることは明確ですが、実はリーディングでも文法力がなければスコアが伸びないように問題が設計されています。
単語力があれば理解できると思われがちなリーディングの問題でも、きちんと勉強して文法力を持っていなければ、解けないようなひっかけ問題が用意されているのです。
英文の構造を見抜く力が必要
IELTSで求められる文法力は、英文の構造を見抜けるようになることです。
英文の構造は、日本文の構造とは異なります。
そのため、英語の長文の中から主語と動詞を見つけることさえも難しい場合があるのです。
IELTSでは、簡単に思える中学校で習った英文構造を見抜けなければなりません。
しかし、単語が難しくなっただけで、簡単な文法も難しく捉えてしまう状況に陥ることがあります。
限られた時間の中で問題を解くためには、英文の構造を見抜く力を強化することが必要です。
IELTSでは、受験者が文法を理解していないと、意味がわからないような複雑な文を入れて英語力を判断します。
英語の要は英文法
リーディングとライティングに英文法が必要であることは、明確です。
英文法を理解できていなければ、長文読解や英作文は難しいでしょう。
さらに、リスニングでも英文法を理解していることは必須です。
文法力がなければ、いくら単語力があっても文章を理解することなく、ただ聞き流されてしまいます。
しかし、文法を理解していれば、流れてくる英語が頭にしっかり入ってくるのです。
IELTSの文法対策のポイント
IELTSでスコアアップを狙うためには、文法対策のポイントを押さえることが重要で、演習問題を解いたら答え合わせをして、必ず復習をしましょう。
せっかく演習問題を解いても、復習をしなければ何の意味もありません。
問題を解く→答え合わせをする→復習をするという流れで勉強してください。
復習の際には、文法用の参考書を端から端まで読むのではなく、効率良く勉強を進めるためには、必要なところだけを参照することもポイントです。
ライティングの際に、難しい文法を使おうとすることもおすすめしません。
無理に難しい文法を使ってミスするよりも、簡単な英文法からマスターして、使うほうが、スコアを下げるリスクを避けることができます。
簡単な単語と英文法を使って確実に正解することもスコアアップのポイントとして挙げられます。
ここでは、学習を優先すべき英文法と、後回しにしても良い英文法について詳しく解説します。
学習を優先すべき英文法
IELTSに必要な英文法対策としては、中学から高校で学ぶ文法力があれば、十分にスコアを稼ぐことができます。
学習に優先順位をつけましょう。
しかし、何から始めたら良いのかわからないという方も少なくないでしょう。
以下の順番で学習することをおすすめします。
- 1. 文法用語を理解する
- 英文法を学習する前に、文法用語を理解していなければ参考書の内容を理解することは難しいでしょう。文法用語は専門用語です。細かい文法用語の説明を求められることはありませんが、構造を正しく理解するために、文法用語を理解しておく必要があります。
- 2. 文型
- 英語の文を構成する主な要素は「S(主語)」「V(動詞)」「O(目的語)「C(補語)」の4つです。これらの要素を組み合わせた5つの文型をしっかりと理解しましょう。5つの文型は「SV」「SVC」「SVO」「SVOO」「SVOC」。この文型を理解できていないと意味を取り違えてしまう可能性があります。逆に、単語の意味がわからなくても文の構造を理解することで、意味の推測がしやすくなります。
- 3. 関係代名詞・分詞
- 関係代名詞と分詞は、どちらも名詞を修飾する役割があります。また、文章と文章をつなぐ役割もあるため、文章が長くなればなるほど、関係代名詞と分詞の理解力が必要です。
- 4. 受動態
- 受動態とは、「主語+be+過去分詞」の形で、主語が「〜される」という動詞の用法です。文章を読むうえで、主語が何かをする側なのか、される側なのかによって、内容が大きく変わることがあります。そのため、受動態を理解しておくことは英文法を学習するうえでの優先順位が上位になるのです。
- 5. 比較級・最上級
- 英語の比較級・最上級は、他と比べた場合の程度の違いを表現する言い方です。英語での比較表現は、一定の法則に基づく語形変化によって表現されるため、法則を覚えることで英文の理解度を上げることができます。英文の中で何と何を比較しているのかが理解できるようにしましょう。
学習を後回しにしても良い英文法
- ● 冠詞
- 「the」「a」「an」といった冠詞を気にする方が多くみられます。しかし、冠詞には例外が多くはっきりとした文法でのルールが決められていません。もちろん、完全に無視をするわけにはいきませんが、冠詞に時間をかけることはおすすめできません。冠詞を間違えても文章の意味はさほど変わりません。冠詞は、重要度が低いと考えたほうが良いでしょう。
IELTS文法対策の勉強方法
IELTS対策としての英文法の具体的な勉強方法を紹介します。
IELTSスコアに伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
英文法の参考書を読む
参考書を1冊選んで、徹底的に一通り理解しましょう。
多少の時間はかかりますが、1冊すべてをインプットします。
何冊も手をつけるのではなく、必ず1冊にすることがポイントです。
人に教えることができるくらい、徹底的に理解することを目標にします。
実際に、人に教えることで自分がどれくらい理解できているのかを知ることができるからです。
また、人に教えることで自分の頭にも定着させることができます。
英文法の問題集を解いて答え合わせをする
参考書を理解したら、次は問題集を解いてみましょう。
参考書から頭に入れたものを、実際に問題を解くことで理解度を測ることができます。
問題集も参考書と同様に、必ず1冊に決めてやり遂げてください。
答え合わせをして、自分の得意分野と苦手分野を洗い出しましょう。
苦手分野も反復学習を行うことで、克服できます。苦手分野をなくすことは、確実なスコアアップにつながります。
IELTSの問題集を活用する
IELTSの問題集に挑戦し、実際に即した問題を解いて、自分の現状の力と目標との差を理解することが大切です。
IELTSの問題集を活用して、演習問題を解くことでゴールが明確になります。
現段階のスコアがわかることはもちろんですが、どの分野を特に勉強すれば良いのか、戦略を立てることができます。
問題集の演習問題を繰り返し解くことで、IELTSの出題パターンに慣れることができます。
また、問題を解く際には、必ず実際のテストと同じ時間配分で行いましょう。
わからない文法があれば、その都度調べる
問題集の演習問題を解くと、わからない文法が出てくるケースがあります。
問題の答え合わせが終わって、間違えたり、わからなかったりした文法があった場合は、必ずその都度調べるようにしましょう。
その都度調べることで、次回その文法が出てきた時には、知らない文法ではなくなります。
それでも解けなかった場合には、知っているけれど活用できていないということになります。
活用できていない場合には、演習問題を解くことで克服できます。繰り返し問題を解いて定着させましょう。
バークレーハウスでは、目標とするIELTSスコアを達成するために、受講生1人ひとりのレベルに応じた柔軟なレッスンプランをご用意しています。
文法や単語の学習指導をはじめ、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング、それぞれの技能の最適なレッスンプランでIELTSスコアアップを目指します。
ますは、ご自身のレベルを知るためにも、IELTS対策講座の「無料体験レッスン」をぜひお申し込みください。
詳しくは、以下のリンクからご覧いただけます。
「文法がわからない!」どこまで戻って復習すべき?
IELTSでは、文法力が必要不可欠です。
では、文法が苦手な方は、どこまで復習すべきなのでしょうか?
IELTSに必要な基礎英文力とは?
英文法が「わからない」「理解できない」場合は、基礎知識が十分ではないことを疑うべきです。
IELTSには、中学から高校で学ぶ文法力が必要とされます。
どこまで戻ったら良いのかお悩みの方は、中学生レベルの英文法まで戻って復習することをおすすめします。
まずは、中学生レベルの文法をカバーできるようにします。
IELTSでは、さらに上の英文法力を求められるので、中学レベルの文法が定着したら、高校レベルまで正確に使いこなせるように文法知識を身につけましょう。
IELTSの文法対策におすすめ教材・テキスト
IELTS対策におすすめ教材・テキストを4つ紹介します。
アルク「新装版 英文法のトリセツ じっくり基礎編」
「親切で丁寧な英文法の取扱説明書があったらいいのに」と思ったことはありませんか?英語の文法が苦手だという方はたくさんいます。
この本は、英文法が苦手な方に向けて作られた教材です。
この本の著者は、高校時代の英語の偏差値が40前後だったため、英語が苦手な方の思考回路を知り尽くしています。
だからこそ、丁寧で親切な取扱説明書が作れたのです。
英文法の基本中の基本をベースに、使い方や注意点をまとめていますが、ページ数は300を超えています。
この本に書かれている知識を身につけることで、英文法力が上がることが期待できます。
アルク「キク英文法」
大学入試に必要な212項目の英文法を、7週間でマスターできる問題集です。
1日の学習時間3〜9分を7週間続けることで、無理なく無駄なくマスターできるように作られています。
内容は、主要100大学とセンター試験の過去問に加えて、出る・使われるものが絞り込まれています。
本の題名となっている「キク」には、「効く」「聴く」の2つが掛けられています。
英文法の212項目をマスターすることで、難関大学合格や海外留学などに効くということが1つ、さらにCDが2枚付属しているので、聴くことで耳からもインプットできます。
読み・書きにプラスして、耳から入れることで聞く・話す力を身につけることができます。
桐原書店「Next Stage 英文法・語法問題」
初版刊以来、大学入試の頻出項目を効率的に身につけられるベストセラーとして好評を博している問題集です。
難関大学の合格ラインに到達できる情報量と入試に必要な情報を網羅しています。
英文読解、英作文問題で必要な情報が一目でわかるようになっています。
Part1の第1章から第16章まではすべて英文法の項目となっており、細かく学習することが可能です。
左側が問題、右側が解説の2ページ構成になっているため、わからないところをすぐに調べることができます。
付属のCDで、会話表現や発音・アクセントも学習できます。
アルク「Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル」
中学3年間の英文法を学習できるドリルなので、IELTS英文法対策にぴったりです。
英文法が苦手で、基本から学び直しを検討している方におすすめします。
3つのステージが29項目に分かれています。
1日1項目の学習で、1ヶ月後には中学レベルの英文法を学び終えることができます。
最後に修了テストが付属しているので、達成度の確認も可能です。
まずは簡単な英文法から徹底的に!
IELTSでスコアをアップさせるためには、英文法の学習が必要不可欠です。
リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つの英語スキルが必要とされます。
正確で適切な英文法が求められることは、ライティングだけでなく、どのスキルにも値する問題設計になっています。
英文法が苦手な方は中学生レベルから、より高いスコアを目指す方はさらに高校レベルまで正しく使いこなせるようにしましょう。