イギリスは本場のブリティッシュ英語が学べる国です。
日本の学校ではアメリカ英語を学んでいますが、世界の多くの国ではイギリス英語を学んでいることから、イギリス英語をマスターすることで世界中の英語話者とスムーズにコミュニケーションを取ることが可能になるでしょう。
この記事では海外留学を検討している方に向けて、イギリス留学のメリット・デメリット、イギリス留学に向いている方の特徴、イギリス留学におすすめの都市などを解説します。
記事を読み終える頃には、イギリス留学についてより具体的なイメージが湧いているでしょう。
海外留学を検討している方はぜひ参考にしてください。
イギリス留学を検討するために知っておきたいこと
まず、海外留学の行き先としてイギリスを検討する場合、下記の2点について知っておきましょう。
- アメリカ英語とイギリス英語の違いを知っておく
- ワーキングホリデーについて知っておく
それぞれの項目について詳しく解説します。
アメリカ英語とイギリス英語の違いを知っておく
TOEICなどの英語試験を受験したことがある方はご存知かと思いますが、英語とはいえ、すべての国で同じ英語が使われているわけではありません。
英語圏の国でもアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドとそれぞれの国で特徴的な英語が使用されています。
なかでもアメリカ英語とイギリス英語はとくに代表的なものです。
アメリカ英語とイギリス英語は下記のようにさまざまな点で大きく異なります。
- 発音
- スペル
- 単語
- 文法
まずはスペルの違いについて例を見ましょう。
アメリカ英語 | イギリス英語 | |
中心 | center | centre |
組織する | organize | organise |
労働 | labor | labour |
カタログ | catalog | catalogue |
次に使用される単語の違いについて見ましょう。
アメリカ英語 | イギリス英語 | |
薬局 | pharmacy | chemist |
ゴミ | garbage | rubbish |
1階 | first floor | ground floor |
映画館 | movie theater | cinema |
ガス | gas | petrol |
エレベーター | elevator | lift |
休暇 | vacation | holiday |
このようにアメリカ英語とイギリス英語は多くの点で異なります。
日本の学校ではアメリカ英語を学んでいるため、イギリスに留学すると聞き慣れない単語や発音を耳にして困惑する方も多いです。
留学に行く前にアメリカ英語とイギリス英語の違いについて知っておきましょう。
ワーキングホリデーについて知っておく
イギリスはワーキングホリデーを受け入れている国です。
毎年1月と7月の2回抽選が行われています。
年間で1,500名ほどの受け入れを実施していますが、毎年1月の募集でほとんどの枠が埋まってしまうため、イギリスへのワーキングホリデーを検討している方は毎年1月に応募することがおすすめです。
イギリスのワーキングホリデーは無条件で2年間滞在することができます。
一般的にはワーキングホリデーでは1年間だけ滞在できる国が多く、2年以上滞在するには、就労の条件を満たす必要があることが多いです。
2年間イギリスに滞在することができれば、英語力を飛躍的に向上させることはもちろんイギリスの文化や歴史についても腰を据えてじっくりと学ぶことができるでしょう。
他にも、イギリスへのワーキングホリデーのメリットは就労や就学に関するルールがないといったことが挙げられます。
語学学校に数ヶ月通う必要があり、1つの雇用先で最大6ヶ月までしか就労できないといったルールを設けている国が多いです。
しかし、イギリスはこのようなルールはないため、自分で好きなように就労と就学のバランスを考えてワーキングホリデーに参加することができます。
しかし、受け入れ人数の枠は他国と比較すると非常に少ないため、競争率が高いという点がデメリットです。
落選した場合に備えて、イギリスへの語学留学に切り替えたり、オーストラリアやカナダなど他の国へのワーキングホリデーに参加するといった代替案を考えておくと良いでしょう。
イギリス留学する6つのメリット
イギリス留学するメリットは下記の6点です。
- 本場でイギリス英語を学べる
- 日本からの留学生が少ない
- 専門分野を学びやすい
- 大学院卒業までが短い
- ヨーロッパ観光ができる
- 留学生もアルバイトができる
それぞれのメリットについて解説します。
本場でイギリス英語を学べる
イギリスはブリティッシュ・イングリッシュの本場です。
日本の教育現場ではアメリカ英語を学びますが、世界の多くの国がイギリス英語を学んでいます。
それは、イギリスはかつて、オーストラリアやニュージーランドなど世界中の多くの国を統治していたからです。
つまり、イギリス英語を学ぶことで世界標準の英語を身につけることができます。
そして、イギリス英語は発音に癖が少ないため聞き取りやすいという特徴があります。
イギリス留学をして綺麗なブリティッシュ・イングリッシュを身につけましょう。
日本からの留学生が少ない
ブリティッシュ・イングリッシュ本場のイギリスではありますが、意外にも日本からの留学生が少ないという特徴があります。
これはおそらく留学費用が比較的高額であることと、日本で学ぶ英語がアメリカ英語であるからということが理由として考えられます。
日本人の留学生が少ないということで、英語環境にどっぷりと身を置くことができるため、英語力が着実に向上することが期待できるでしょう。
留学先で日本人との交流をできるだけ避けたい方にイギリスはおすすめです。
専門分野を学びやすい
イギリス留学を検討する場合は、下記のように特定の分野に特化した専門留学をすることも可能です。
- サッカー
- 美容
- アート
- デザイン
- 音楽
- バレエ
とくにイギリスは美容師留学で定評があるため、美容師になって海外で活躍したい方にイギリス留学をおすすめします。
専門留学で英語プラスアルファのスキルを身につけることで、帰国後のキャリアの可能性も広げることができるでしょう。
大学院卒業までが短い
イギリスの大学院の修士号は最短で1年間で習得することが可能です。
これは、イギリスの大学院には日本やアメリカの大学のように一般教養に関する授業や単位がなく、入学してすぐに専門分野について学ぶ教育課程になっているからです。
留学費用の大半を学費が占めることからも、在学期間が短いことで留学費用を抑えることにもつながります。
そして、留学期間が短いことでキャリアの空白期間が短縮化されるというメリットがあることからも、大学院の学位を習得したい社会人にとくにイギリス留学をおすすめします。
ヨーロッパ観光ができる
イギリスに留学すると、交通の便が発達しているためドイツやフランスなどヨーロッパの国々に気軽に旅行することができます。
以前、イギリスで暮らしていた知り合いが、連休が来るたびに「次はどの国に行く?」という話題が友達や会社の同僚の間でもちきりになると言っていました。
格安航空会社や長距離バスも充実しているため、簡単にヨーロッパ諸国を訪れることができるということですね。
留学生もアルバイトができる
イギリスに6ヶ月以上滞在する学生ビザ保持者は週20時間以内であればアルバイトをすることができます。
詳細は後述しますが、イギリスは物価や生活費が高くつくため、他の国々と比較すると留学にはコストがかかります。
しかし、留学中にアルバイトが認められることで、現地での生活費を抑えることにつながり、最終的には留学全体にかかる費用を抑えられるでしょう。
また、現地でのアルバイト経験を通じて、接客英語やビジネス英語を身につけることにもつながるため、現地でのアルバイトを経験することをおすすめします。
イギリス留学のデメリット
イギリス留学のデメリットは下記の3点です。
- 食事が口に合わない可能性がある
- 物価が高い
- 日本からの留学生仲間が少ない
それぞれのデメリットについて1つずつ解説します。
食事が口に合わない可能性がある
イギリス料理と聞いてフィッシュ・アンド・チップスを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
イギリスは昔から食事が美味しくないと言われている国の1つです。
理由としては、産業革命時代の名残りであると言われています。
食事が口に合わないとホームシックに繋がる可能性があります。
また、近年はグローバル化が進んでおり、中華料理や和食料理店など多国籍の食事を楽しむことができるレストランもあるため、外食をすることで食に対する問題を解決できるかもしれません。
しかし、外食は基本的に高いため、毎日外食することは現実的ではありません。
留学に行くまでに料理のスキルを磨いておくことをオススメします。
詳しいイギリス食事情については、こちらをご覧ください。
物価が高い
イギリスは主要な留学先の国々の中でも生活費が高いです。
一般的に、日本でかかるコストの1.5倍はかかることを見込んでおきましょう。
とくに家賃と交通費が高いです。
ロンドンなどの都心部は家賃が高い傾向にあるため、できるだけ大学や語学学校の近くにある大人数のシェアハウスに住むことをおすすめします。
シェアハウスは居住人数が多いほど家賃が安くなる傾向があるからです。
他にも外食を控えて自炊をすることで食費を節約するだけでなく、健康の管理にもつながります。
日本からの留学生仲間が少ない
これは上記のメリットにもありますが、日本からの留学生仲間が少ないということはデメリットにもなります。
日本人の留学生仲間がいることで、大学や語学学校での授業で助け合ったり、日常生活の中で情報交換ができるというメリットもあるからです。
日本人の留学生の仲間がいないと、英語環境にどっぷりと浸かることができる分、得られる情報が限られてしまうでしょう。
日本人がいない環境に対して不安を感じる方は、日本人学生の割合が多い語学学校や大学を探すことでこのデメリットを解決できます。
イギリス留学が向いている人
上記のイギリス留学のメリットとデメリットを踏まえて、イギリス留学が向いているのは下記のような特徴を持つ方です。
- 本場の英語を身につけたい人
- ヨーロッパを楽しみたい人
- イギリスの文化に興味がある人
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
本場の英語を身につけたい人
イギリスは上記にもありますが、ブリティッシュ・イングリッシュ、つまり英語発祥の地です。
日本の学校ではアメリカ英語を学んでいるため、スペルや単語の違いなど留学して間もない頃は、違いに戸惑いを感じるかもしれませんがすぐに慣れます。
世界の標準英語であるイギリス英語もマスターすることで、多種多様な英語に対応ができるとともに英語の表現の幅も広がることは間違いありません。
しかし、イギリスのすべての語学学校でイギリス人の先生から英語を学べるとは限らないため、事前にリサーチをしておくことをおすすめします。
ヨーロッパを楽しみたい人
イギリス留学のメリットの章でもお話ししましたが、気軽に他のヨーロッパの国々に旅行できることがイギリス留学の醍醐味の1つです。
LCC、電車、長距離バスなどさまざまな交通手段が発達しているため簡単に、かつ安く旅行することができます。
また、日本から旅行することと比較すると時差も少ないため、時差ボケで貴重な旅行の時間を無駄にしてしまうといったこともないでしょう。
旅行好きの方にイギリス留学をおすすめします。
イギリスの文化に興味がある人
イギリスは歴史のある国であるため、ユニークで興味深い文化が数多く見られます。
例えば、スポーツに関してはサッカーだけでなく、クリケットというスポーツが非常に人気があります。
他にも社交場としてのパブ(日本の居酒屋のような場所)や午前10時と15時のティータイムの時間を設けるなど独特な文化があるため、留学中にそのような文化を楽しむことが可能です。
これらのイギリスならではの文化を堪能したい方にイギリス留学をおすすめします。
イギリス留学で人気の都市と特徴
イギリス留学で人気の都市は下記の3つです。
- ロンドン
- オックスフォード
- ケンブリッジ
それぞれの都市の特徴についてご紹介します。
ロンドン
ロンドンはイギリスの全人口の15%が暮らす街でイギリスの首都です。
世界中から多くの留学生や移民が来ており、ロンドンに暮らす人々の国籍は300近くにも上ると言われているため、多様な文化を体験することができるでしょう。
また、教育機関が多く集まっているため、語学学校や大学の選択肢が多いというメリットがあります。
イギリスの文化やファッションの中心地であるとともに歴史的建造物や、緑豊かな公園も数多くあり美しい街です。
ロンドンでの留学生活は飽きることがなく楽しいものになることは間違いないでしょう。
オックスフォード
オックスフォードはオックスフォード大学をはじめとする多くのカレッジや語学学校を構えるこじんまりとした学園都市です。
ロンドンから南に電車で1時間半ほどの場所に位置する街で、治安も良いため、静かな環境でじっくりと腰を据えて勉強に励みたい方におすすめします。
大学や図書館といった学生向けの施設だけでなく、美術館や博物館といった施設も数多く揃っており、観光地としても有名です。
娯楽施設も数多くあるため、留学中も楽しく過ごせるでしょう。
ケンブリッジ
かの有名なケンブリッジ大学がある街ケンブリッジ。
この街の人口の10%がケンブリッジ大学に通う学生であると言われており、街の様さまざまな施設で「学割」を使用することができる学生街です。
ケンブリッジ大学だけでなく、質の高い教育を提供していることで定評のある語学学校も数多くあります。
ロンドンからは電車で1時間と少し離れているため、落ち着いて勉強に集中したい方におすすめの街です。
また、イギリスは日本と同様に、地域によって同じイギリス英語でもアクセントや訛りがありますが、ケンブリッジはイギリス国内でも訛りが少ない地域であるという特徴もあります。
イギリス留学には英語力があったほうがよい
英語力が全くなくてもイギリス留学をすることは可能ですが、その場合留学して数ヶ月は、日常生活、学校生活、そして事務手続きなどさまざまな点で苦労することが予想されます。
世界中から移民を受け入れている国であれば、外国人のつたない英語であっても理解しようと試みてくれる人が多いものですが、イギリスの場合は英語でのコミュニケーション能力が低い人に対する対応が冷たいと評判です。
そのため、現地での生活をスムーズに進めるためにも、できるだけ英語力を高めてから留学することをおすすめします。
目標としては、中学レベルの英語力を身につけておくと安心です。
オンライン英会話や英会話スクールなどを活用して、しっかりと英語力を高めましょう。
まとめ
イギリス留学がどのようなものであるかより鮮明にイメージすることができましたか?
この記事では、イギリス留学の特徴、そしておすすめの都市をご紹介しました。
海外留学を検討しており、イギリスも留学先の候補に入っている方はこの記事を参考にしながら留学先を決めてください。
また、留学生活を充実させるためには出発前の英語の学習が鍵を握ります。しっかりと英語の勉強をしてから留学しましょう。