海外留学を検討している方のなかには、海外留学へ行く前に必要なワクチン接種はあるのかどうか知りたい方も多いのではないでしょうか。
海外では、日本にはない病原菌が流行しているケースもあり、知らずに行くと、感染のリスクが高まることがあります。
また、欧州などでも、一時的に治ったはずの病原菌が再び流行するといった事例があるため、つねに最新情報を確認し続ける必要があります。
そのため、海外渡航前に必要なワクチン接種を済ませることが必要不可欠です。
とくに海外留学では、留学先に提出する書類にも関係するため、早めの準備が欠かせません。
本記事では、海外留学の際に必要なワクチン接種や手続き、注意点について解説します。
海外留学の際にワクチン接種が必要な理由
海外留学をする際に、ワクチン接種が必要な理由はなんでしょうか。
これには、いくつかの明確な理由が存在します。
まず、もっとも重要な理由の1つは、渡航先での感染症から身を守る必要があるためです。
そして、もう1つの理由は、海外留学先の学校や機関が「予防接種記録証明書」を提出するよう要求される場合があるためです。
渡航先の感染症から自分を守るため
ワクチン接種を受けることで、感染症にかかるリスクを下げられます。
そのためには、事前に渡航先で流行している感染症を調べ、適切な対策をする必要があります。
厚生労働省では、海外渡航者だけでなく、すべての方々にもインフルエンザと新型コロナのワクチン接種を推奨しています。
「予防接種記録証明書」が要求される場合があるため
留学手続きに必要な書類に「Immunization Form」が含まれている場合、予防接種記録証明書のことを指します。
予防接種記録証明書は、すべての留学生に要求されるわけではなく、国や州の法律や留学先の教育機関のルールによって変わります。
欧米の一般家庭の病院制度について
欧米の一般家庭では、ホームドクターという制度があります。
まず、どんな症状なのかをホームドクターに診察してもらい、症状により専門の医師に送られるというシステムです。
そのため、欧州では、いきなり専門の医師に診察してもらうことはできません。
一般的には、軽症であれば、自然治癒または小さな診療所で予約をとり、処方箋をもらってドラッグストアで薬をもらい治療します。
それでも回復しない場合、再度診療所に行き、専門医に見てもらうか診断してもらいます。
また、診療所までの距離が遠い場合は、管轄の正規看護師に症状を伝え、医師の代わりに診察してもらいます。
留学先の学校が、大都市にあるのか、地方にあるのかでホームドクター、診療所の医師、あるいは管轄の正規看護師に診察してもらうシステムのため、自分で大きな総合病院に自由に行けるわけではありません。
そのため、自己管理と健康維持、そしてワクチン接種を含む事前の準備がとても大切です。
新型コロナはワクチン接種を問わない国がほとんど
2023年9月時点において、主要な留学先であるアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリアなどでは、新型コロナワクチン接種の必要性はありません。
また、日本への帰国時もワクチン接種は不要で、隔離待機期間も必要ありません。
現在、渡航前のPCR検査による、陰性証明書も不要となっています。
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ワクチン接種の証明が求められる主な病気
ワクチン接種の証明が求められる主な病気には、どんなものがあるのでしょうか。
ワクチン接種の証明が要求される一般的な疾患には、風疹、麻疹、おたふく風邪などが含まれます。
そのほかにも、ジフテリア、破傷風、小児麻痺、肝炎、BCG、髄膜炎などの予防接種記録証明書が求められる場合があります。
要件は国によって異なり、感染症の流行も変わるため、留学先の国についての最新情報を事前に調べることがとても大切です。
風疹・麻疹・みずぼうそう・おたふくかぜ
一般的に、風疹・麻疹・水痘(みずぼうそう)・おたふくかぜは、ワクチン接種が求められることが多いです。
日本では、風疹と麻疹が一括して接種できるMRワクチンと、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンの接種が一般的です。
上記のワクチンは、1歳以上であれば何歳であっても接種ができます。
その他
ジフテリア、破傷風、小児麻痺、肝炎、BCG、髄膜炎などの予防接種記録証明書が求められる場合があります。
また、結核については、短期の語学留学を除いて、長期留学の場合は、結核の検査で「結核でない」という証明を求められる場合があります。
予防接種記録証明書の発行時に必要な記録
前述したとおり、ワクチン接種の証明が求められる要件は国によって異なります。
予防接種記録証明書(Immunization Form)を発行するとなった場合には、以下のいずれかの記録が必要になります。
証明書発行時に必要な記録
- 予防接種を受けた記録
- 抗体検査で免疫があることが証明できるもの
- 病気にかかった記録
予防接種を受けた記録
予防接種を受け、正確な日付が必要です。
予防接種を受けた記録は、母子手帳や接種を受けた病院などで確認しましょう。
もし接種が完了していない場合、渡航に間に合うよう、早めに接種を受けましょう。
抗体検査で免疫があると証明できるもの
抗体検査を受けて、結果が陽性であり免疫があることが確認された場合、「予防接種記録証明書」に記載ができます。
病気にかかった記録
病気にかかった記録がある場合、それを記載できますが、その際に病気に罹患した正確な日付が必要です。
ただし、麻しん(はしか)とおたふくかぜにのみ適用されるため、風しんは含まれない点に注意しましょう。
海外留学のためのワクチン接種の手順
適切なワクチン接種を受ける手続きを確実におこなうために、以下のステップを踏みましょう。
1. 留学先に必要なワクチンを確認する
留学先の国や州、教育機関によって、必要なワクチンの種類が異なることがあります。
また、必要なワクチンの接種回数が日本と異なる場合もあるため、かならず確認しましょう。
必要なワクチンについては、留学先の学校や大使館、領事館などから情報を入手しましょう。
2. すでに接種しているワクチンを確認する
母子手帳やかかりつけの病院などで、自分がすでに受けているワクチンを確認しましょう。
また、ワクチンを接種した正確な日付も確認が必要です。
3. トラベルクリニックに行く
トラベルクリニックは、大学の保健センターにある場合が多いです。
クリニックを訪れる際には、母子手帳やかかりつけの病院で確認したワクチン接種の記録を持参しましょう。
ワクチン接種前には、自分の現在の健康状態やアレルギーについて、医師に正直に告げることが大切です。
特定のワクチンが自分の健康問題と相性が合わない場合も考えられるため、医師の指示にかならず従いましょう。
4. ワクチン接種を受ける
ワクチン接種はスケジュールに余裕をもたせて受けましょう。
英文の接種記録証明書の発行が必要であるため、発行に時間がかかる場合もあります。
医師に相談し、できるだけ早い日程でスケジュールを立て、必要なワクチン接種を受けましょう。
5. 英文の接種記録証明書を受け取る
英語で記載された接種記録証明書を発行してもらい、受け取ります。
接種記録証明書を発行してもらったあとは、留学先の要件に合致しているか再度確認しましょう。
ワクチン接種の注意点
ワクチン接種を受けるためには、いくつかの注意点があります。
まずは、早めにワクチン接種の計画を立てることが必要です。
ワクチンの種類によっては複数回接種する必要があったり、証明書発行までに時間が必要だったりする場合もあるため、スケジュールに余裕をもつことが大切です。
また、ワクチン接種には費用がかかることもあるため、あらかじめ考慮しておきましょう。
早めに準備を進める
ワクチンによっては、数か月の間隔を空けて、複数回の接種が必要なものもあります。
早めに情報を集め、必要な予防接種証明書がわかり次第、早めに行動しましょう。
ワクチン接種には費用がかかる
留学には、さまざまなお金がかかり、ワクチン接種も例外ではありません。
ワクチン接種は保険適用外のため、1本あたり5,000円から数万円といった、高額な費用がかかることもあります。
また、必要な証明書の発行にも、数千円の費用がかかります。
ただし、留学先によっては、無料で受けられる場合もあるため、かならず事前に確認するようにしましょう。
スケジュールに余裕をもたせよう
留学前に必要なワクチン接種については、自身の体調や体質も考慮したうえで、早めの行動を心がけましょう。
ただし、留学先の国や地域、お住まいの国の公衆衛生規則や個別の状況によって、要件が異なる場合があります。
留学計画を立てる際には、留学先の大使館や領事館のHP、医師などから情報を収集し、余裕をもってワクチン接種のスケジュールを立てましょう。
また、ワクチン接種に関する要件や注意事項は変更されることもあるため、かならず留学前に最新情報を確認しましょう。
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