2023/11/22

海外留学中に年金の支払いは必要?手続きの方法や特例制度について解説

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バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
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みなさんは、年金の支払いをしているでしょうか。

20歳を超えた方は国民年金への加入が義務付けられており、将来のためにも納付する必要があります。

この年金に関して、海外に滞在中も年金の支払いが必要なのか、疑問に思うことでしょう。

本記事では、留学期間中における年金の支払い義務の有無、手続きの方法や特例制度に関する情報について解説します。

目次

海外留学中は年金を支払う必要がある?

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結論からいうと、留学期間中は年金を支払う必要はありません。

その理由は、国民年金第1号被保険者の条件に「日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者」と定められているためです。

海外で長期留学をする場合、通常は海外転出届を提出することになるでしょう。

住所を海外に移した時点で、年金の支払い義務は発生しなくなります。

ちなみに、海外留学中も被保険者の資格を失いたくない場合は、任意加入制度を利用すれば資格を保持できます。

ただし、海外の大学へ留学した場合は、学生納付特例制度が利用できないため、注意しましょう。

出典:日本年金機構

国民年金と厚生年金

年金は、20歳から60歳までの40年間にわたって支払う制度です。

日本の年金制度は、主に2種類あります。

日本の年金制度は2つ!

  • 国民年金
  • 厚生年金

国民年金とは、日本に住んでいる20歳以上、60歳未満のすべての国民が加入するもので、基礎年金とも呼ばれています。

国民年金の保険料は一律で、所得に関係なく同じ金額です。

外国人であっても、日本で住所登録をしている場合、国民年金に加入する必要があります。

厚生年金は、会社員や公務員などが加入できる年金制度で、国民年金と異なり、保険料は収入によって変動します。

厚生年金の保険料は雇用主と従業員が折半して支払うため、国民年金とは異なり、双方が全額負担する必要はありません。

海外転出届を出せば年金の加入義務はなし

海外転出届とは、現在の住所の市区町村に対して、海外への滞在をお知らせする書類です。

国民年金への加入と支払いは、日本に住んでいる以上は避けられませんが、海外転出届を提出することで、加入の義務を免除できます。

海外転出届を出すと、国民年金だけでなく国民健康保険や住民税の支払いも免除されます。

また、海外留学だけでなく、海外への移住や1年以上の海外出張などでも、海外転出届の提出が必要となる場合があります。

1年以上の海外旅行に出かける場合でも提出が求められるケースもあるため、出国前に役所で確認することをおすすめします。

海外転出届の提出期間

海外転出届の提出期限は、国外へ出国する14日前から出国当日までとなります。

海外転出届には、国外に転出した日付や海外で滞在する住所、連絡先、元々住んでいた国内の住所などを記載します。

届出ができる方は、本人、世帯主または同一世帯、代理人のうちいずれかの方が提出をおこなえます。

また、市区町村によって異なりますが、異動日を14日以上さかのぼって転出届を提出する場合、出国日を証明するためにパスポートやeチケットなどの提出が求められることがあります。

海外転出届に必要な書類

海外転出届を出す際には、届出人の身元確認が必要です。

そのため、マイナンバーカードや運転免許証、パスポート、在留カードなど、届出人の本人確認ができる書類を持参しましょう。

もし、代理人の方が届け出る場合は、委任状と委任者の本人確認書類が必要です。

委任者の本人確認書類は、コピーでも問題ありません。

また、以下の書類を所持している方は、海外転出届の提出時に窓口へ返却してください。

  • マイナンバーカード
  • 住民基本台帳カード
  • 国民健康保険被保険者証
  • 国民健康保険退職被保険者証
  • 後期高齢者医療被保険者証
  • 介護保険被保険者証
  • 印鑑登録証

海外転出届時に必要な書類の情報は、お住まいの市区町村によっても異なるため、事前にホームページで確認しておきましょう。

海外留学の期間が1年未満の場合

留学の期間が1年未満の場合、海外転出届を提出する必要はありません。

ただし、留学期間が1年未満でも、年間の収入が103万円以上ある場合、国民健康保険料や住民税の支払いが必要となります。

そのため、住民票の転出手続きをおこなうことが望ましいです。

海外転出届を提出しない場合、住民票は国内のままとなるため、海外にいても国民年金の支払いが必要となります。

海外転出届を提出する際の注意点

国民健康保険が未加入になる

海外転出届を出すと、国民健康保険からの脱退が必要となります。

これにより、日本に一時帰国した際に、医療サービスが保険の対象外となります。

もし、大きな怪我や病気で病院に入院した場合、高額な医療費を全額自己負担しなければなりません。

そのため、留学期間中は、かならず海外旅行保険に加入しておきましょう。

海外留学保険には、一時帰国中の担保特約が付帯されているプランもあります。

特約があるプランに加入していれば、日本での一時滞在期間が30日以内であれば海外と同等の補償が提供されます。

そのため、海外旅行保険に加入する際は、かならず特約の有無をチェックしておきましょう。

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クレジットカードや口座を作れなくなる

海外転出届を提出し、住民票がなくなると、本人確認書類も失効となります。

そのため、クレジットカードや銀行口座の開設など、本人確認書類の提出が求められる手続きをおこなうことができなくなります。

そのため、本人確認が必要になりそうな手続きは、渡航前の準備期間中に済ませておきましょう。

とくに、クレジットカードは極めて重要です。

海外は、日本以上にキャッシュレス化が進んでおり、クレジットカードでの支払いしか対応ができないお店もあります。

また、クレジットカードは身分証明書の代わりとして利用できる場合もあります。

そのため、クレジットカードを持っていない方は、かならず取得しておくことをおすすめします。

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年金の免除月によって支払いの額が変わる

前述したとおり、海外転出届を提出することで、年金を支払う義務はなくなります。

ただし、異動日によっては、年金の免除月に影響するため、注意が必要です。

年金の支払い義務がなくなる「資格喪失日」は、住民票を異動した翌日と決められています。

たとえば、異動日が9月1日の場合、資格喪失日は9月2日となります。

この場合、9月分の健康保険料と年金を支払う必要があります。 

海外留学中に学生納付特例制度は利用できる?

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学生納付特約制度とは、学生が申請によって年金の支払い期間に対する猶予を受けられる制度です。

この制度を利用することで、将来の年金受給資格や、不慮の事故によって障害を負った場合に利用できる障害基礎年金の受給資格を確保できます。

この特例制度の対象は、大学、大学院、短大、高等学院など、各種学校に在籍している学生です。

また、一部の海外大学の日本校もこの特例制度の対象に含まれています。

学生納付特例制度は利用できない

学生にとって便利な学生納付特例制度ですが、留学中は利用できなくなります。

学生納付特例制度を利用するためには、日本国内に住んでいるという条件を満たす必要があるためです。

実際、海外留学期間中は、学生納付特例制度の強制加入の対象から外れます。

そのため、年金の支払いを免除したい場合は、海外転出届を提出するか、免除や納付猶予の申請をおこなう必要があります。

海外留学中も年金を支払う場合

年金の支払いは、65歳から受け取る年金の金額にも影響するため、海外留学期間中も年金を支払う方は一定数います。

その場合は、以下の方法を利用するのがおすすめです。

継続加入

国民年金に継続加入する場合は、家族や国内にいる協力者に頼んで支払う方法もあります。

一般的には、日本国内の預貯金口座から引き落としてもらうか、クレジットカードで支払う方法があります。

クレジットカードで支払う場合は、留学期間中にカードの有効期限が切れないことを事前に確認しておきましょう。

年金の継続支払いの手続きは、住んでいる市区町村の窓口でおこなえます!

後納制度

国民年金は、2年前まで遡って支払う後納制度があり、帰国後に年金を支払う方法として利用されています。

ただし、2年以上前の期間の年金については、あとから支払うことはできません。

この方法は、短期留学や2年以内に帰国する予定がある、長期留学者向けの方法といえるでしょう。

高齢任意加入

選択の優先順位は低いですが、高齢任意加入を利用する方法もあります。

高齢任意加入とは、60歳以降の5年間で未納期間分の年金の支払いができる制度です。

ただし、将来支払う金額がいくらになるかは、その時期にならないとわかりません。

ここ数年の国民年金の納付金が上昇傾向にあることを考えると、今のうちに払っておいた方が安心できるでしょう。

海外留学における国民年金の期間

海外留学期間中は、国民年金を納付する必要はありません。

ただし、年金を支払わない期間も年金受給に必要な年数にカウントされます。

年金を受け取るためには、10年以上の保険料納付期間が必要です。

年金受給に必要な年数に対して支払いがおこなわれていない分は、将来的に受給できる年金の金額が下がるため、注意しましょう。

海外留学における年金手続き

1年以上海外留学をする場合、渡航前後で海外転出に関する手続きが必要になります。

以下では、手続きをおこなう場所、帰国後の手続きについて解説します。

手続きする場所

年金に関する手続きは、各市区町村の役所の窓口や年金事務所でおこなえます。

年金事務所を利用する際は、事務所ごとに管轄区域が決まっているため、あらかじめ公式サイトで自身の管轄の年金事務所がどこか調べておきましょう。

ちなみに、年金に関する相談であれば、原則全国どの年金事務所を利用しても問題ありません。

もし、窓口や年金事務所へ行く時間が取れない場合は、代理人を通じて申請をおこなうことも可能です。

帰国後の手続き

留学を終えて日本へ帰国すると、再び国民年金の強制加入対象者となります。

そのため、帰国後は14日以内に住民票の手続きをおこないましょう。

14日を過ぎてしまうと、住所不定からの転入扱いになります。

年金や国民健康保険など、各種手続きは居住地の役所にある国民年金窓口から可能です。

時期によっては窓口が混んでいる場合もあるため、余裕をもって手続きを完了させましょう。

まとめ

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日本人である以上、年金に関する問題はつねについて回ります。

特例制度などを利用しながら、上手に年金と向き合いつつ、留学の準備をしましょう。

もし、留学に関する疑問や不安を抱えている方は、バークレーハウスにご相談ください。

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