旅行や留学など海外に赴く際には、かならず保険制度が必要となります。
事前の準備でビザの申請やパッキングなどやることはたくさんあると思いますが、とくに保険の加入は早めにおこなうことをおすすめします。
しかし、保険は1種類ではないので、どの保険に加入すれば良いのかよくわからないという方も少なくないでしょう。
そこで、今回はアメリカへ留学する方向けに、留学前に加入必須の保険について解説します。
保険加入が必要な理由や、保険の選び方なども一緒に解説するので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
留学は保険の加入が基本になる
アメリカに留学するにあたって、保険の加入は必須です。
海外では慣れない環境に身を置くため、病気や怪我などをして病院のお世話になる機会が少なくありません。
その場合、当然ですが日本の健康保険証は利用できないので、万が一に備えて保険に加入する必要があります。
留学生が利用できる保険には、主に3種類に分けられます。
海外旅行保険
海外旅行保険とは、その名のとおり海外旅行用の保険です。
留学生も利用していますが、主に観光を目的に海外へ渡航する方が加入しています。
補償内容は病気や怪我に対する治療費用や救援者費用、そして携帯品損害などが含まれており、目的に応じて補償内容をカスタマイズすることも可能です。
ただし、基本的には海外旅行用の保険のため、保証期間は1ヶ月程度までしか設定できません。
そのため、長期ではなく短期の留学を考えている方向けの保険といえます。
また、保険料は1ヶ月で2万円前後が相場です。
留学保険
留学保険は、海外旅行保険の一種です。
最大の違いは補償範囲の広さで、医療保険や賠償責任保険などの必要最低限のものに加えて、都度自分が必要な補償内容を追加することができます。
また、留学保険のなかには緊急帰国費用が付帯されていることもあり、身内の不幸が発生した場合も費用の補填をしてもらうことが可能です。
リスクを幅広くカバーしてくれるのが魅力的な留学保険ですが、補償範囲が広い分費用はどうしても高くなります。
そのため、海外旅行保険と違い、こちらは中長期間の留学をする方向けの保険といえるでしょう。
ちなみに、保険料は1年で20万円から30万円が相場です。
クレジットカード付帯保険
短期間の留学であれば、クレジットカード付帯保険を利用するのも手です。
エポスカードなど、一部のクレジットカードには海外旅行保険が付帯しているものがあり、加入の手間や費用は一切かかりません。
ただし、補償期間は渡航から3ヶ月間のみで、補償内容や金額は補助程度のものです。
そのため、アメリカの高額な医療費をすべてカバーするのは難しいといえるでしょう。
海外旅行保険や、留学保険と併用しながら取り入れることをおすすめします。
アメリカ留学で保険に加入すべき理由
アメリカ留学に限った話ではありませんが、留学する際は必ず保険に加入するべきです。
しかし、具体的に保険に入らなければならない理由について把握している方は多くないでしょう。
以下、留学時に保険加入が必須の理由になります。
医療費が高額なため
第一に、海外の医療費が日本と比較して圧倒的に高額だからです。
日本の医療費の安さは海外では非常に有名で、わざわざ日本にまで足を運んで治療を受ける海外の方も少なくありません。
ちなみに、アメリカの方がメキシコ旅行ついでに歯の治療を受けるというのもよくあることのようです。
- 一方で海外、とくにアメリカの治療費は高額で、治療費が払えずに破産してしまうケースが多発するほどです。
- 盲腸になった場合、日本では60万円前後の費用で手術が受けられますが、アメリカでは300万円前後の費用がかかってしまいます。
また、日本では無料で利用できる救急車も、アメリカでは有料です。
日本と同じ感覚で救急車を利用した結果、高額の費用を請求されたという話も珍しくありません。
日本の常識が通用しない場面が多いため、保険に加入することでリスクを減らす必要があります。
高額な賠償金の請求があるため
知ってのとおり、アメリカは訴訟大国です。
裁判を起こすハードルが日本より低いため、スーパーで転んだお客がスーパーの親会社に対して治療費を請求するほど、頻繁に裁判が起きています。
そのため、普通に生活をしていただけなのに、いきなり高額な賠償金の請求をされてしまう可能性も否定できません。
とくに留学生にありがちなのが、滞在先のアパートに関するトラブルです。
トラブル例
- 水漏れや火事で部屋にダメージが発生した場合、法外な金額を請求されるケースもあります。
- また、相手に怪我をさせた際にも損害賠償を請求されることもあるので、保険による補償は重要です。
保険の加入が義務化されている場合もあるため
そもそも留学するにあたって、保険の加入が義務化されている場合もあります。
たとえば、シェンゲン協定国である欧州26カ国へ渡航する際は、ビザ取得が必要な場合留学保険の加入も必須です。
もし保険の加入をせずに渡航した場合、受け入れ先の大学や語学学校から入学を拒否される可能性すらあります。
渡航前に、かならず保険には加入しておきましょう。
私物にまつわるトラブルも多いため
日本は、世界でも有数の安全な国です。
そのため、日本人が渡航先で日本と同じ感覚で過ごした結果、トラブルに巻き込まれてしまったという事例が複数発生しています。
保険に入っていれば、被害にあった金額に応じて補償をしてもらうことが可能です。
ただし、補償金額には限度額があるので、過信しないようにしましょう。
さまざまなサポートが利用できるため
アメリカで治療を受ける場合、当然ですがすべての対応を英語で行う必要があります。
しかし、専門用語が多数登場する問診や治療の説明を理解するのは、非ネイティブにとって非常に困難なことです。
そんなとき、加入している保険によっては、24時間365日対応のサポートを受けられます。
アメリカの医療事情とは
世話にならないに越したことはありませんが、どれだけ注意していてもアメリカの病院のお世話になる可能性は否定できません。
そんなアメリカの医療事情は、日本とは大きく異なっています。
順番にアメリカの医療の特徴についてみていきましょう。
アメリカの医療費は日本より高い
アメリカの医療費は日本より高額ですが、きちんとした理由があります。
理由とは?
- 1つ目は、アメリカの場合、医療費は病院側が決定しているからです。
- 結果、価格競争が発生してしまい治療費が値上がりしています。
- 2つ目は、アメリカの医療技術の高さと人材の豊かさです。
- 国内外から優秀な人材が集まり、最新の医療を患者に対して施しているため、必然的に人件費を含めた経費がかかってしまいます。
上記のような理由から、アメリカの医療費は日本以上に高くなっているのです。
日本語が通じる病院もある
基本的にアメリカで病院の世話になる場合、英語でやり取りをする必要があります。
医師との会話には専門用語も多数出てくるので、英語初心者にはかなりハードルが高いでしょう。
しかし、病院のなかには日本語対応可能なスタッフを雇っている病院もあります。
英語に自信がない方は、事前に近隣にある病院のホームページなどを参照して、日本語が通じる病院を探しておきましょう。
アメリカの医療費用の目安
アメリカの医療費は州や地域によって変動しますが、基本的に日本より高額です。
ニューヨークの医療費を例に取りあげると、一般の初診料が日本円で1万5千円から3万円と、日本の初診料が3千円前後なのに対して5倍から10倍近い値段します。
また、救急車を利用する場合はこちらも日本円で3万円以上するので、注意が必要です。
アメリカ留学で加入する保険の選び方
ここまで留学における保険の重要性について紹介してきました。
次は、留学時に加入する保険の選び方について解説します。
注目すべきポイントは、以下の4点です。
補償内容が充実しているか
すでに何度も言及していますが、アメリカは日本とは比較にならないほど診察費や治療費が高いです。
そのため、留学先でかかる医療費負担をしっかり補償してくれる保険を選ぶ必要があります。
とくに、歯科治療費用特約が保険の補償内容に含まれているかは必ず確認しましょう。
保険会社と連携している病院があるか
保険会社のなかには、アメリカの病院と連携している会社もあります。
保険会社が病院と提携を結んでいる場合は、キャッシュレスで診察・治療を受けることが可能です。
また、本来一旦全額負担すべき医療費を立て替える必要もありません。
サポート体制が充実しているか
保険を利用するときは、基本的に緊急事態のときです。
そのため、事前に24時間365日、サポートセンターに相談できるかを調べておきましょう。
また、現地の保険会社とやりとりをする場合は英語を話す必要があります。
英語に自信がない方は、日本語対応が可能かも確認しておくと安心です。
契約期間と留学期間が合っているか
留学時に加入する保険は、留学中の一部期間だけの加入や、留学後の新規加入は基本的にできません。
自宅を出発してから、帰国して自宅に到着するまでの期間が補償期間に入っているか事前にチェックしておきましょう。
また、留学期間によって加入できない保険のプランがある場合もあるので、そちらも併せて注意してください。
アメリカ留学におすすめの保険5選
留学時に利用できる保険の数は膨大です。
そのため、保険に関する知識がほとんどない方は、候補を絞ることすらできないでしょう。
そこで、アメリカ留学におすすめの保険を5つ紹介します。
AIG損保
AIG損保は留学保険に必要な治療費の補償のほかに、手荷物や航空機に関するトラブルの補償も対象になっているのが特徴です。
また、365日24時間日本語対応のコールセンターがトラブル発生時にサポートしてくれます。
ジェイアイ傷害火災
ジェイアイ傷害火災は、オンライン上のマイページから保険金の請求が可能な保険です。
請求すると、最短で2営業日で支払ってもらえます。
また、トラブル以外にも旅行時の現地に点在しているサポートデスクが大きな魅力です。
東京海上日動
留学からワーキングホリデーまで、渡航内容に応じた保険プランを選択できます。
期間も最長で2年まで設定できるので、長期留学をする方におすすめの保険会社です。
損害保険ジャパン
個人プランや留学プランなど、シチュエーションに応じた保険プランを多数用意している保険会社です。
緊急一時帰国費用などもしっかり完備されているので、幅広いトラブルに対応することが可能な保険会社といえます。
三井住友海上
三井住友海上には保険の専任アドバイザーがおり、保険の契約前にプランの不明点などを洗い出すことができます。
もちろん、相談料は無料です。
細かい疑問点を事前に解消しておきたい方には、ぴったりの保険会社といえるでしょう。
アメリカで医療を受ける際の注意点
アメリカで医療機関を利用する場合、日本とは一部の流れが異なるので注意が必要です。
気をつけるべきポイントを、いくつか紹介します。
補償内容は保険により異なる
加入した保険のプランによって、補償内容、範囲は異なります。
海外旅行保険では歯の治療は補償外であるパターンが多いですが、特約などで追加できる保険もあるので、積極的に利用しましょう。
また、運転による自動車事故の損害賠償は保険ではカバーできません。
現地で車の運転をする場合は、細心の注意を払いましょう。
アメリカの病院は事前予約が必要になる
アメリカの病院は、基本的に事前予約制です。
予約が数日先まで取れないことも珍しくないため、早めに予約しましょう。
ちなみに、予約をする際に配偶者の有無や希望するドクターの名前などを聞かれます。
予約をする前に、聞かれる質問の内容に対する答えをシミュレーションしておくと良いでしょう。
まとめ
以上、アメリカの医療事情や留学保険の基本知識について取りあげてきました。
日本とはシステムが異なるため、アメリカの病院を受診することに対して不安を抱いている方も多いでしょう。
しかし、あまり心配しすぎては、せっかくのアメリカ留学を楽しむこともできません。
不安を解消するためにも、事前に保険やアメリカの医療制度の関して調べておきましょう。
もちろん、英語が話せればなお良いです。
ちなみに、日本ではじめてアメリカへの正規留学を実現させた語学スクールであるバークレーハウス株式会社では、留学を予定している学生向けの英語レッスンも行なっています。
英語スクールとして創業50年のノウハウを有し、IELTS公式テストセンターを運営する企業が提供する対策レッスンを受講することが可能です。
興味をお持ちの方は、以下のリンクからご覧ください。