MBA留学は、海外企業への転職やキャリアアップを目指す方々に注目されています。
MBA留学といえば、ハイレベルなイメージを強くもつ方も多いと思います。
実際、MBAに必要な英語力はどのくらいなのか、どのような英語力が必要なのか、疑問に思われている方もいるのではないでしょうか。
今回は、MBA留学を考えている方々に向けて、MBA留学の概要、必要な英語力のレベル、MBA留学前の英語学習法などについて解説します。
英語力以外の準備、そして実践的な英語力を身につけるためのポイントも併せて紹介します!
MBA留学とは
MBA留学は、ビジネスリーダーとしての知識やスキルを高めるために、世界各国で人気を集めている留学方法です。
しかし、そもそもMBA留学が一体何なのかわからない方もいると思います。
以下では、MBAの概要やMBA留学で得られることについて、詳しく解説します。
受験資格についても紹介しするため、どのようなスキルが求められるかチェックしてみてください。
MBAの概要
MBAとは(Master of Business Administration)の略で、日本語でいうと、経営学の修士課程です。
1908年にハーバード大学経営大学院(現在のハーバードビジネススクール)によって導入され、現在では世界各地のビジネススクールでMBAプログラムが提供されるようになりました。
MBAは、主に社会人経験が数年以上ある方が対象で、コース期間は1年〜2年と、各大学院によってさまざまです。
マーケティング・経営戦略・人事・財務・会計など、ビジネスやマネジメントの分野で活躍するために必要な知識が学べます。
MBA留学で得られること
MBA留学で得られるのは、経営の知識だけではありません。
海外ビジネスに通用する英語コミュニケーション能力、世界中の優秀な人材とのネットワークなど、MBA留学だからこそ得られるものが多くあります。
さまざまなスキルが得られるMBA留学は、一般的な大学留学に比べ、学生に求められるスキルも高いです。
海外のMBA留学で必要な受験資格を見てみましょう。
MBA留学に必要な受験資格
- 4年制大学卒業資格
- 社会人歴2〜3年以上
- TOEFL/IELTSのスコア
- GMATのスコア
- 大学の成績(GPA)
厳しい入学審査を突破し、経営の知識と広い人脈を得たMBA取得者は、多くの企業にとって、魅力的な人材であることは間違いありません。
実際にMBAの卒業生の多くは、海外企業への転職やキャリアアップ、大幅な収入アップなどに成功しています。
留学時に必要な英語力のレベルと種類
次に、MBA留学に必要とされる英語力とはどのようなものか、そのレベルと種類について詳しく解説します。
自分の英語力と照らし合わせ、取り組むべきポイントをチェックしてみてください。
読解に必要な語彙力と文法の理解
MBAに必要な英語力を身につけるために、まず欠かせないのが語彙力と文法の理解です。
一定レベルの語彙力と文法の理解がなければ、講義を受けたり、教科書の内容を理解したり、課題を提出するといった、最低限の学業さえも難しいでしょう。
語彙力については、TOEFLに必要な英単語を10,000〜15,000語程度覚えることを目標としてください。
MBAでは、経済や金融・マネジメントやリーダーシップなどを中心に学ぶため、専門用語も多いです。
そのため、専門用語もあらかじめ覚えておくと良いでしょう。
文法を理解するには、まず文法の問題集を一通り解いてみてください。
わからない文法項目がある場合は、しっかり解説を読んで知識を定着させましょう。
必要な文法項目を理解したら、日常的に英文を読む習慣をつけることが大切です。
語彙力、文法力を鍛えることで、MBAの膨大な論文も読みこなせるようになります!
授業に欠かせないリスニング力
講義を聞いたり、クラスメイトとディスカッションしたりするためには、リスニング力が必須です。
先生やクラスメイトが話していることを理解できなければ、授業に参加することもままなりません。
ネイティブが話す音声を毎日聞いて英語に耳を慣らし、リスニング力を養いましょう。
聞いてわからないところは字幕やスクリプトなどを確認し、理解できるようになるまで何度も繰り返しリスニングを行いましょう。
論文を書き上げるライティング力
MBAでは多くのレポート提出が課せられ、論文も書き上げなければなりません。
そのため、専門分野のレポートや論文に対応できるだけのライティング力が求められます。
まずは日記やSNSなどを利用し、自分の考えを短い英文で表現する習慣をつけましょう。
英文を書くのに慣れてきたら、論文を書く練習を始めます。
論文の基本構成に沿って書き、結論を先に述べることなどを意識するようにしてください。
ライティング力アップには、書いた英文をネイティブに添削してもらうのがおすすめです。
英会話教室やオンラインサービスなどを利用し、英文をチェックしてくれる方を見つけましょう!
ディスカッションに求められるスピーキング能力
MBAでは、クラスメイトとディスカッションしたり、プレゼンテーションしたりする機会が多くあります。
日常英会話はもちろん、自分の意見を相手に論理的に伝えられるだけのスピーキング力が必要です。
まずは短時間でも良いため、毎日英語で話す機会をつくり、英語で話すことに慣れましょう。
また、ビジネス英語が学べる英会話スクールに通うのも一つの手です。
TEDなどを活用して、世界的な著名人によるプレゼン動画を見るのも良いでしょう。
どのような表現が使われているか、話すスピード、表情や身振り手振りなどを参考にしてみてください。
MBAで必要なスコアの目安
MBA留学では、海外MBAの各大学院の受験資格である英語試験のスコアをクリアする必要があります。
それに加えて、大学院レベルの専門的な学びに対応する高い英語力が要求されます。
各英語能力試験で必要なスコアの目安を見ていきましょう。
TOEFL iBTのスコア
TOEFLは、アカデミックな場面で必要とされる英語力を測る試験です。
これまでに世界中で3,500万人以上が受験した実績があり、主に海外の大学や大学院の入試などに活用されています。
MBA留学に必要なTOEFLのスコアは、100点〜110点です。
英検でいうと1級レベルで、ネイティブに近い英語力が求められます。
TOEFLは出題される単語も難しいため、徹底的な試験対策が必要といえるでしょう。
IELTSのスコア
IELTSは英語圏の国々に留学、就職、移住などを希望する方のための英語テストです。
世界各国10,000以上の機関に採用されており、世界最大級の受験者数を誇っています。
MBA留学に必要なIELTSスコアは、6.5〜7.5です。
オックスフォード大学やケンブリッジ大学が入学要件として提示しているIELTSの最低スコアは7.0です。
また、オックスフォードの大学院はIELTS 7.5とされています。
MBA留学には、世界最高レベルの大学入学と同等の英語力が必要といえるでしょう。
GMATのスコア
GMATとは「Graduate Management Admission Test」の略で、ビジネススクールに入学を希望する方を対象にした試験です。
高い英語力に加え、経営学の修士課程を学ぶのに必要な数学の知識、論理的思考能力、決断力などが求められます。
MBA入学に必要なGMATスコアは、600〜720点です。
GMATは、ビジネススクール入学希望者全員が受験しなければなりません。
ネイティブ向けに作られた試験のため、非ネイティブの留学生にとっては非常にハードルが高い試験といえるでしょう。
GMATの対策法について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
\ GMATの対策法やおすすめ問題集を紹介!/TOEICのスコア
TOEICは、ビジネスシーンや日常生活での英語コミュニケーション能力を測るテストです。
TOEICスコアは多くの国内企業において、就職試験や昇進、海外赴任などの選抜の際の参考にされています。
MBA留学に必要なTOEICスコアの目安は、970〜990点です。
TOEICで満点近いスコアをとれるレベルまで英語力を高める必要があります。
MBA留学前からできる英語の勉強法
MBA留学にはネイティブに近い、高い英語力が求められることがわかりました。
では、MBA留学前に日本国内で高い英語力を身につけるにはどうすればいいでしょうか?
リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能を鍛えるための効果的な勉強法とおすすめの教材を紹介します。
リーディングを習慣化する
リーディング力を鍛えるには、英文を読むことを習慣化させることが大切です。
最初は、短文のリーディングから始めましょう。
そして徐々に長い文章に挑戦していき、最終的には複数ページの英語の論文を読み、スムーズに理解できるようになれば理想的です。
リーディングを習慣化すると、語彙力、文法理解力が身につきます。
読解力がアップし、読むスピードも早くなるでしょう。
わからない単語はリストアップして辞書を引き、別途覚えるようにしてください。
知らない単語をそのままにせず、しっかりインプットすることが大切です。
おすすめのリーディング教材
毎日のリーディング教材として、おすすめのものを紹介します。
- 英語のニュース記事
- 英語能力試験の長文問題
- インターネット検索でヒットした論文
英語のニュース記事
英語のニュース記事は、リーディング学習に最適な教材です。
最新の生きた英語に多く触れることで、時事英語、ビジネス英語の勉強に繋がります。
リーディング学習の最初の段階では、日本語翻訳がある記事がおすすめです。
単語が難しくて理解しにくい記事でも、内容を確認しながら無理なく読み進められるでしょう。
英語能力試験の長文問題
TOEFLやIELTSなどの英語能力試験の長文問題に取り組むのも良い方法です。
英語試験の問題集には詳しい解説がついているため、正確に英文を理解できます。
インターネット検索でヒットした論文
気になるキーワードをインターネットで検索し、ヒットした論文を読むのもリーディング力の向上に効果的です。
たとえば、アメリカ経済の論文が読みたい場合は「US economic paper」と入力し検索してみましょう。
ネット上に公開されているアメリカ経済に関する論文が見つかるはずです。
論文のスタイルや書き方、専門用語の習得にも役立ちます!
リスニングで英語に耳を慣らす
リスニング力をアップさせるには、できるだけ多くの時間、英語の音声を聞き、ネイティブの英語に耳を慣らすことが大切です。
毎日継続してリスニングすることで、英語を聞くことに抵抗がなくなります。
聞き取れない単語が出てきたら、できるだけスクリプトなどを読んで確認するようにしてください。
MBA留学までに、ネイティブのスピードでも、何を話しているのか概要を掴めるようにしておきましょう。
おすすめのリスニング教材
日々のリスニング教材としてぜひ活用して欲しいのが、YouTube・スマホアプリ・Podcastです。
英語学習者向けの易しいものからネイティブ向けのものまで、内容も幅広く充実しています。
無料で利用できるものが多いため、本場の英語をたくさんインプットしましょう。
YouTube、スマホアプリ、Podcastの選び方のポイントは以下の3つです。
- ネイティブが話している動画、音声であること
- 学びたいシーンのリスニング教材であること
- スクリプトがあること
リスニング教材として動画や音声を選ぶときは、ネイティブが話しているものを選んでください。
カジュアルな日常会話、講義、プレゼンなど、自分が学びたいシーンに合ったものを探しましょう。
実際にMBAの授業が行われている様子なども、インターネットで検索すれば出てきます。
音声を聞きながら同時に読めるスクリプトがあると、内容の理解が深まるためおすすめです。
YouTubeには文字起こし機能や字幕機能もあるため、リスニング学習にぜひ活用してください!
ライティングスキルを身につける
ライティングスキルを身につけるためには、英語で文章を書く経験を積み重ねる努力が必要です。
短文の英語ライティングから始め、留学前までに基本的な論文の書き方を身につけておきましょう。
リーディングで読んだ記事の感想を書いたり、リスニングで聞いた内容を自分の言葉でまとめるなど、ほかの教材を活用するのもおすすめです。
おすすめのライティング教材
英文ライティングの教材として活用してもらいたいのが、ネイティブの添削サービスです。
ライティング力を独学でブラッシュアップするのは、なかなか難しいです。
添削サービスを使って、自分のライティングスタイルとお手本の書き方を比較し、間違えやすいところを把握しましょう。
指摘された点を次のライティングに活かすことで、確実にライティング力の向上に繋がります。
ネイティブと話す機会を作る
スピーキング力を鍛えるには、留学前からネイティブと英語で話す機会をたくさんつくる必要があります。
日常的に英語で会話することで、ネイティブと話すことへの不安がなくなります。
簡単な日常英会話から始め、徐々にレベルアップし、ネイティブと意見交換できるスピーキング力を身につけましょう。
英語を話すのが難しいと感じる場合は、まず口を英語に慣らすことが大切です。
リーディング教材を読み上げる、リスニング教材をシャドーイングすることから始めてみると良いでしょう。
おすすめのスピーキング教材
スピーキング練習のための教材として、おすすめしたいのが英会話アプリです。
英会話アプリは、スマホさえあれば、いつでもどこでも自分のペースでスピーキング練習ができます。
人前で話すのに自信がもてないという方でも、アプリならAIが相手のため、気軽に練習できるのではないでしょうか。
スピークバディは、AIとの英会話でスピーキング力をアップできるアプリです。
スピークバディについて詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
\ AIとの英会話なら恥ずかしくない!/TOEFLやIELTS対策
MBA留学には、TOEFLやIELTS対策が必須といえます。
バークレーハウスでは、MBA留学に役立つTOEFLやIELTSの対策講座を提供しています。
経験豊富なネイティブ講師、各試験に精通した日本人講師などによる、質の高いレッスンが受けられます。
日本人に合った教材を作成しており、受講生の方のニーズに合わせて徹底的にカスタマイズ可能です。
バークレーハウスのTOEFL、IELTS対策講座の詳細については、以下のページをチェックしてみてください。
英語力以外に必要な対策
ここまで、MBA留学に必要な英語力について解説しました。
MBA留学では、英語力以外にも対策が必要なものがあり、出願時のエッセイ対策や面接対策も必要となるでしょう。
エッセイ対策
MBA出願の際、もっとも重要といっても過言ではないのがエッセイです。
エッセイでは、以下のような内容を書くことが求められます。
エッセイで書くこと
- 受験者のこれまでの経験
- 今後の目標
- 出願校を選んだ理由
- MBAの志望動機
MBAの受験者は優秀な方が多いため、これまでの経歴や学校の成績、試験のスコアでは、差別化が難しいケースも少なくありません。
受験者の意欲や人間性がわかるエッセイは、選考において、ますます重要性を増しています。
自己分析や出願先のスクール調査をしっかりと行い、確実に準備を進めるようにしましょう。
面接対策
海外のMBAに出願し、書類選考に通った場合、多くの大学院では最後に面接選考が行われます。
オンライン面接が多いですが、直接会って行われるケースもあるため、各大学院の面接形式に合わせた対策が必要です。
エッセイ同様、受験者の明確な目的意識や、独自性、インパクトが重要となります。
これまでの仕事を通して得た経験や、今後のキャリアプランなど、しっかりアピールできるようにしましょう。
使える英語を身に付ける3つのポイント
最後に、MBA留学で使える英語を身につけるための3つのポイントについて紹介します。
毎日勉強を続ける
使える英語力を身につけるために1番大切なことは、毎日地道に英語の勉強を続けることです。
当たり前に感じるかもしれませんが、忙しい社会人の方からすると勉強の時間を取ることは、簡単ではないと思います。
通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を利用して、英文を読んだり、聞いたりを日々継続するようにしましょう。
わからないことをそのままにしない
次に重要なのが、勉強中にわからないことをそのままにしないということです。
ニュース記事や論文を読んだり、ネイティブ向けの音声を聞いたりしていると、わからないことがたくさん出てくると思います。
わからないことはそのままにせず、その都度調べ、きちんと理解するようにしましょう。
そうすることで、MBA留学に必要な英語力はおのずとついてきます。
疑問点をしっかり解消しながら学ぶ姿勢は、MBA留学後も必ず役立ちます!
日本語の専門書を読む
最後のポイントは、日本語の専門書を読んでおくということです。
MBAプログラムでは、経営に関する大学院レベルの知識を英語で学ぶため、ビジネス、マネジメントに関する専門用語がたくさん出てきます。
そのため、いきなり英語で専門書を読むと、理解できないことが多く出てくるでしょう。
MBA留学前に日本語で経営学の専門書を読んでおくことをおすすめします。
日本語で知識をつけておけば、英語での授業もかなり理解しやすくなるでしょう。
MBA留学前に英語力をつける計画を立てよう
今回は、MBA留学の概要、留学時に必要な英語力のレベルや、MBA留学前からできる英語勉強法などについて解説しました。
MBA留学には、各種英語能力試験でハイスコアを取れる、高い英語力が求められます。
英語でレポートや論文を書く力、ネイティブとのディスカッションやプレゼンテーションに対応できる力が必要です。
そのためには、日本にいるうちから対策をすることが大切です。
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