2022/09/15

イギリス留学後の現地就職はできる?内定を獲得した留学生が就活事情を解説

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この記事を書いた人

Y.D
学習院大学文学部卒業
吉田 大輝 Yoshida Daiki
大学卒業後、バークレーハウスでスクールカウンセラーとして勤務。
IELTS対策を中心に、各種試験対策に励む生徒たちをサポートする中で渡英を決意。現在はイギリスのリーズ大学大学院にて翻訳コース、異文化コミュニケーションを専攻。

イギリスの大学・大学院への留学後、そのまま現地の企業に就職したいと考えている人もいるのではないでしょうか。

2021年に就労に関するビザの規制が緩和され、現地で就職することが可能になりました。

しかし、イギリスで就職活動をすることにハードルが高いと感じている留学生もいると思います。

この記事では、イギリス留学中に現地企業へ就職をした経験をもとに、留学中の就職活動について解説します。

吉田さん
吉田さん

留学中に現地企業から内定をゲットしたい方は、ぜひ参考にしてみてください!

目次

イギリスでの就職活動の特徴

まず、イギリス人の就職活動の特徴について紹介します。

私の主観にはなりますが、新卒採用という点においてイギリスの就職活動は日本とよく似ています。

日本とイギリスの就職活動には、以下のような共通点があります。

  • 多くの学生が大企業を志望している
  • 人気企業の倍率は非常に高い
  • 大学の専攻内容が就職活動に影響することはない

それでは3つのポイントについて、現地での体験談を踏まえながら深掘りしていきます。

イギリス人学生も大手志望

日本では就活生の多くが大企業を志望していますが、イギリスの就活生も同じ思考のようです。

イギリスのTarget Job(マイナビのようなもの)が公開した「21年卒の就職人気企業ランキング」によると、やはりイギリスでも大企業が圧倒的に人気です。

同調査におけるトップ10は、以下のような企業でした。

新卒人気企業ランキング(イギリス編)

順位企業名
第1位Google
第2位Cancer Research UK
第3位BBC
第4位GSK
第5位MI6/Secret Intelligence Service
第6位Amazon
第7位Rolls Royce
第8位J.P. Morgan
第9位MI5/Security Service
第10位Civil Service Fast Stream
吉田さん
吉田さん

日本でも聞き馴染みがあるくらい、有名な大手企業もありますね!

新卒人気企業ランキング(イギリス編/業界別)

続いて、業界別の人気企業ランキングについて、内定者が多い学部学科や想定年収もあわせて紹介します。

会計・金融マネジメント

【ランキング】

  • 第1位:PwC
  • 第2位:Deloitte
  • 第3位:EY

【内定者の学部学科】

  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Language(言語学)
  • Physical Sciences(物理科学)など

想定年収:£28,395(約466万円)

銀行・保険・金融サービス

【ランキング】

  • 第1位:Barclays
  • 第2位:HSBC
  • 第3位:Bloomberg LP

【内定者の学部学科】

  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Language(言語学)
  • Historical and philosophical studies(歴史的・哲学研究)など

想定年収:£28,356(約465万円)

建築・エンジニアリング

【ランキング】

  • 第1位:Arup
  • 第2位:Atkins
  • 第3位:Aecom

【内定者の学部学科】

  • Engineering and technology(工学技術)
  • Architecture, building and planning(建築計画)
  • Physical sciences(物理科学)など

想定年収:£27,115(約445万円)

コンサルティング

【ランキング】

  • 第1位:PwC
  • 第2位:Deloitte
  • 第3位:EY

【内定者の学部学科】

  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Social studies(社会科)
  • Computer sciences(計算機科学)など

想定年収:£29,373(約480万円)

消費財メーカー

【ランキング】

  • 第1位:GSK
  • 第2位:Unilever
  • 第3位:L’Oréal

【内定者の学部学科】

  • Biological sciences(生物科学)
  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Engineering and technology(工学技術)など

想定年収:£26,847(約440万円)

エネルギー

【ランキング】

  • 第1位:Shell
  • 第2位:BP
  • 第3位:EDF Energy

【内定者の学部学科】

  • Engineering and technology(工学技術)
  • Physical sicence(物理科学)
  • Biological sciences(生物科学)など

想定年収:£28,727(約471万円)

エンジニアリング・デザイン・製造

【ランキング】

  • 第1位:Rolls-Royce
  • 第2位:British Airways
  • 第3位:Jaguar Land Rover

【内定者の学部学科】

  • Engineering and technology(工学技術)
  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Physical sciences(物理科学)など

想定年収:£27,869(約457万円)

ホスピタリティ・レジャー・観光

【ランキング】

  • 第1位:Hilton
  • 第2位:Marriott International
  • 第3位:TUI Travel

【内定者の学部学科】

  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Creative arts and design(創造アートとデザイン)
  • Social studies(社会科)など

想定年収:£24,774(約406万円)

証券銀行・投資会社

【ランキング】

  • 第1位:J.P. Morgan
  • 第2位:Goldman Sachs
  • 第3位:Barclays

【内定者の学部学科】

  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Social studies(社会科)
  • Languages(言語学)など

想定年収:£31,951(約523万円)

IT・テクノロジー

【ランキング】

  • 第1位:Google
  • 第2位:Amazon
  • 第3位:Microsoft

【内定者の学部学科】

  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Social studies(社会科)
  • Computer sciences(計算機科学)など

想定年収:£27,594(約453万円)

運送・ロジスティクス

【ランキング】

  • 第1位:British Airways
  • 第2位:McLaren
  • 第3位:Boeing

【内定者の学部学科】

  • Engineering and technology(工学技術)
  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Physical sciences(物理科学)など

想定年収:£27,834(約457万円)

メディア・広告

【ランキング】

  • 第1位:BBC
  • 第2位:ITV
  • 第3位:Sky

【内定者の学部学科】

  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Social studies(社会科)
  • Computer sciences(計算機科学)など

想定年収:£26,476(約435万円)

公共サービス

【ランキング】

  • 第1位:BBC
  • 第2位:MI6/Secret Intelligence Services
  • 第3位:MI5/The Security Services

【内定者の学部学科】

  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Social studies(社会科)
  • Languages(言語学)など

想定年収:£25,651(約421万円)

リテール

【ランキング】

  • 第1位:Amazon
  • 第2位:ASOS
  • 第3位:Apple

【内定者の学部学科】

  • Business and administrative studies(経営管理)
  • Computer sciences(計算機科学)
  • Social studies(社会科)など

想定年収:£26,372(約433万円)

このように、イギリスにおいても大企業はとても人気が高いです。

日本と同様内定を得ることが難しい状況になっています。

イギリスでも新卒採用の倍率は高い?

日本では、春になると就活生が企業にエントリーを開始しますが、イギリスでも秋に同じような光景がみられます。

イギリスでは、大企業を中心に「Graduate Programme / Graduate Scheme(大学/大学院卒業生のための訓練制度)」を設け、新卒の採用に力を入れています。

Graduate Programme / Graduate Schemeとは、大学を卒業する学生にトレーニングを提供する形で、新卒向けのポジションを募集するものです。

多くの企業は約2年間の雇用期間を設けており、トレーニング終了後はそのまま正社員として再雇用されるケースが一般的です。

選考フローの点でも、日本の新卒採用と同様の流れになっており、書類審査・適性検査・オンライン試験・面接などがあります。

新卒向けのプログラムは、イギリスにおいても非常に倍率が高く、ネイティブの学生でも内定を得るのが難しいレベルです。

そのため、留学生が挑戦をする場合は入念な準備が必要になります。

大学での専攻は就活に関係する?

イギリスでの就職活動において、大学での専攻内容は就職活動にほとんど影響しません。

イギリスでは「大学で何を学んだか」よりも「どのような経験をしてきたのか」という点を重視します。

そのため、大学でよい成績を取ろうとするよりも、インターンシップやアルバイトなどの課外活動に力を入れる学生が多いです。

実際、先ほど紹介した「新卒人気企業ランキング」においても、幅広い学部学科から内定者が出ています。

吉田さん
吉田さん

自分の専攻よりも勉強以外での職歴や経験が重視されるとおさえておきましょう!

新しくなったGraduate Route VISA

イギリスで留学生が就職しやすくなった理由の一つに、新しくなった卒業ビザがあげられます。

これまでイギリスに留学した学生は学位を取得できても、就労ビザを手に入れることが困難でした。

そのため、留学後にそのまま現地で就職することは現実的ではありませんでした。

しかし、2021年7月よりイギリスの大学・大学院を卒業した留学生は、Graduate Route VISA(Post-Study Work Visa)に応募することが可能になりました。

これによりイギリスの大学・大学院を卒業したあとも、最長で2年間までイギリスへの滞在と就労が認められました。

そのため、卒業後に現地で就職活動ができるようになりました。

新しいビザ制度は、専攻分野に関係なく、現地の大学を卒業すれば誰でも申し込めます。

さらにPhD(博士課程)を修了した留学生は、最長3年間イギリスで就労することが可能です。

吉田さん
吉田さん

これから現地での就職を考えている人にとっては嬉しい情報ですね!

イギリスで現地就職するためには?

イギリスで就職活動をするにあたり、さまざまな疑問や悩みが出てくることもあります。

そんなときは、大学のキャリアセンターや海外の就職エージェントに相談するのがおすすめです。

以下では、それぞれの相談窓口について詳しく紹介します。

イギリス大学院のJob Centreに相談する

イギリスの大学には、学生の就職活動をサポートする “Job Centre” という部署が存在します。

“Job Centre” は、その大学に通う学生であれば誰でも利用できます。

また、イギリス人の学生だけでなく、留学生の就職活動も支援してくれます。

“Job Centre” では、主に以下のようなサポートを受けられます。

Job Centreのサポート
  • 履歴書のチェック
  • 面接練習
  • 1対1での就活相談
  • Job Centreのイベント紹介

Job Centreのサイトには、その大学の学生しか見ることができない求人サイトがあります。

一般には公開されていない仕事を発見できるため、ぜひ一度チェックしてみましょう。

私もリーズ大学限定の求人サイトから現地企業の日本人向けポジションに応募し、内定を獲得できました。

吉田さん
吉田さん

就職活動を無料でサポートしてくれるので、利用しないのはもったいないです!

海外の就職エージェントを利用する

現地就職の場合、海外向けの就職エージェントを利用するのも一つの手です。

とくに、ロンドンには数多くの日系企業が進出しており、現地での採用活動も盛んに行われています。

また、Graduate Route VISA(新卒業ビザ)が開始されてから、現地で就職した就活生も増えているようです。

以下で紹介するエージェントは、Graduate Route Visaで現地就職の実績をもっています。

吉田さん
吉田さん

Job Centreや就職エージェントをうまく利用できると、内定への近道になります!

現地就職を目指すなら早めの準備を

イギリスの就職活動は競争率がかなり高くなっているため、現地での就職を希望する場合は、早めの準備をするよう心がけましょう。

また、大学限定の求人サイトや就活サポート、海外向けの就職エージェントの利用をおすすめします。

これらのサービスをうまく利用することで、現地就職の可能性が大きく上がります。

イギリスでの就職活動は、分からないことだらけで大変なことも多いと思います。

利用できるサポートはすべて使って、諦めずに夢を実現してください。

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