英検とは、日本英語検定協会が運営している、英語能力を測るための試験です。
英検は5級から1級まであり、受験や就職などで評価されるようになるのは、高校卒業程度の英語力が必要とされる2級からといわれています。
英検2級の合格を目指すにあたって、具体的な対策法がわからない方も多いでしょう。
本記事では、英検2級の合格の目安や対策法、勉強法について解説します。
また、対策におすすめの教材も紹介するため、英検2級の受験を予定している方はぜひ参考にしてください。
英検2級にギリギリ合格できる点数は?
英検2級に合格するためには、一次試験と二次試験を突破する必要があります。
合格基準点は、一次試験が1,520点、二次試験は460点です。
そのため、約6割程度の正解率であれば英検2級に合格できるといわれています。
なお、英検は合格の基準となる正答数の目安は提示しておらず、上記の合格基準点は、あくまで参考数値として認識しておきましょう。
英検2級のスコアの算出方法
英検の詳しい配点は公表されておらず、スコアも英検独自の基準によって算出されます。
スコアは「CSEスコア」と呼ばれ、試験ごとにスコアの値が変動することが特徴です。
正答数(素点)との換算表も存在しないため、現在でも英検2級の合格基準として必要な正答数が具体的にはわかっていません。
英検CSEスコアとは?
英検の合格基準であるCSEスコアは、CSEは「Common Scale for English」の略であり、英検の各級で利用される統一されたスコア表記です。
CSEスコアは、国際的な言語能力の基準であるCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)にもとづいています。
CEFRは、言語能力を初級者から上級者までの6つのレベル(A1からC2)に分類し、各レベルをさらに細分化しています。
英検のCSEスコアは、CEFRの基準に対応しており、受験者の英語能力をCEFRのレベルとして明確に示すことが可能です。
技能ごとにスコアが配分されており、スコアは試験が実施された回によって異なることが特徴です。
\ CEFRについて詳しく知りたい方はコチラ!/英検2級の合格率
英検の合格率は2015年までは公開されていましたが、2016年の英検CSEスコア導入以降は公開されなくなりました。
2015年以前から合格率が変化していなければ、英検2級の合格率はおおよそ25%程度といわれています。
英検2級合格に必要な英語力
高校卒業レベルの英語力が身についていれば、英検2級には問題なく合格できるとされています。
必要な語彙数は約3,800〜5,100語程度で、高校卒業までに習得する文法知識も必要です。
なお、英検2級をTOEICスコアに換算すると、約550〜775点ですが、英検とTOEICは試験形式が異なるため、参考程度にしてください。
英検2級に合格するメリット
英検2級に合格することは簡単ではありませんが、一度合格すればさまざまなメリットを享受できます。
具体的にどのようなメリットがあるのか、以下で詳しく解説します。
高校・大学の受験に活用できる
英検2級を取得すると、高校や大学の入試で優遇措置を受けられることもあります。
大学によっては、英語の試験を免除してくれる場合もあり、受験科目が少なく済むということは大きなアドバンテージになるでしょう。
また、入学後も奨学金を受けられたり、入学金や学費の免除、英語科目の単位認定などに役立つケースもあります。
履歴書に記入できる
英検は、履歴書に記入できる資格として知られており、学生だけでなく社会人も受験しています。
近年では、一定以上の英語力がある従業員を求め、企業が英検やTOEICのスコアを尋ねることも珍しくありません。
一般的に、履歴書に記載できる英検の級は2級以上とされています。
そのため、英検2級を取得すれば、就職や転職を有利に進められるでしょう。
【一次試験】英検2級に合格に必要な対策
一次試験では、リスニングとリーディング、そしてライティングの能力が試されます。
英検2級に合格するためには、3技能の対策が必要です。
以下では、英検2級の一次試験に合格するために必要な対策法について解説します。
リーディング
リーディングの問題数は38問で、以下のような問題が出題されます。
リーディングの問題内容
- 短文の語句空所補充:20問
- 長文の語句空所補充:6問
- 長文の内容一致選択:12問
制限時間は、リーディング・ライティングを合わせて85分です。
時間は十分あるため、落ち着いて解答すれば時間が足りなくなることはほとんどありません。
前半の穴埋め問題は、単語がわからなくても、選択肢を減らしていくことで答えにたどり着けることもあります。
また、後半の長文では、前後の文脈からわからない単語の意味を推測できるため、諦めずに読み続けてみましょう。
ライティング
ライティングは1問のみ出題され、指定されたトピックに対して自分の意見を80〜100語で述べます。
ライティングの配点は非常に高いため、ライティングセクションで点数を落とすと、英検2級に合格することが難しくなります。
採点は減点方式のため、自信のある単語や文法のみを使用して、失点を最小限に抑えましょう。
また、トピックに対してつねに自分の素直な意見を述べる必要はありません。
本当は賛成でも、反対意見の方が書きやすければ、反対の立場で意見を述べてみましょう。
リスニング
リスニングの問題数は30問、制限時間は25分です。
以下のような問題が出題されます。
リスニングの問題内容
- 会話の内容一致選択:15問
- 文の内容一致選択:15問
1問あたりの時間はわずか80秒程度しかないため、あらかじめ選択肢から本文と質問の内容を予想して、解答の準備をしておくことが重要です。
また、リスニングの音声は1問につき1回しか再生されません。
もし聞き逃してしまった場合は、時間を無駄にしないためにも、すぐに気持ちを切り替えて次の問題に取り掛かりましょう。
【二次試験】英検2級に合格するコツ
二次試験では、約7分間の面接によってスピーキング能力が評価されます。
面接で出題される問題内容は以下のとおりです。
二次試験の問題内容
- 音読:1問
- パッセージについての質問:1問
- イラストについての質問:1問
- ある事象・意見について自分の意見:1問
- 一般的な事柄に関する自分の意見:1問
二次試験に合格するためには、以下のポイントをおさえましょう!
試験の流れを覚える
まずは、試験の流れを頭に入れておきましょう。
二次試験の基本的な流れは、以下のとおりです。
- 入室し、着席する
- 氏名と受験級の確認をおこなう
- 問題カードの黙読、および音読をする
- 面接官の質問に対して解答する
- 退室する
面接対策を個人でおこなうのは難しいため、先生や友人に頼んで一緒に練習することをおすすめします。
もし1人で練習する場合は、英検の公式サイトで提供されているバーチャル二次試験を活用してみてください。
\ 英検2級の二次試験対策についてはコチラ!/かんたんな英文で答える
二次試験の採点は、減点方式でおこなわれます。
単語や文法に誤りがあると減点されるため、基本的には複雑な単語や文法を使うよりも、自分が確実に使える英文で回答することが重要です。
また、二次試験では60語程度の英文の音読が必須になります。
スムーズに音読できるように、過去問などを活用して英検2級レベルの文章に事前に慣れておきましょう。
アティチュード(Attitude)に注意する
二次試験では、アティチュード(Attitude)に注意しましょう。
アティチュードとは、「態度」「姿勢」のことで、二次試験では以下の項目が採点対象となっています。
アティチュードの評価基準
- 積極性
- 明瞭な音声
- 自然な対応
面接時は最低限のマナーを守りつつ、元気よく試験に臨めば、大幅に減点されることはないでしょう。
それでも不安な方は、英検の教本などに記載されている面接のマナーを事前にチェックしておくことをおすすめします。
\ アティチュードについて詳しく解説!/英検2級に合格するための勉強法
英検2級に合格するためには、効果的な勉強が欠かせません。
以下では、おすすめの勉強法や学習のポイントについて解説します。
単語・熟語
英検2級に合格するためには、語彙力を向上させる必要があります。
単語や熟語を覚えるコツは、何度も繰り返して取り組むことです。
間違えた単語や熟語をまとめたノートを作成し、何度も読み返して覚えましょう。
また、覚えたい単語や熟語が入った文章を丸暗記することも有効で、単語の意味だけでなく、使い方も同時に覚えることが可能です。
さらに、既存の文章ではなく、オリジナルの文章を作成して覚えると、より効果が高まります。
\ 単語対策はこちらをチェック!/英作文
英検2級の英作文は、最近話題になっている社会的なトピックについて問われるケースが多いです。
そのため、過去問の模範解答を参考に、自分の意見と理由を述べつつ、説得力のある英文の書き方を身につけることが重要です。
英作文は、おおむね解答文の型が決まっているため、事前にしっかり練習をしておけば合格点を確保できます。
また、同じ表現を繰り返し使用すると減点の対象になるため、できるだけ多くの表現や単語を使うように心がけましょう。
\ 幅広いライティング表現を身につけよう!/長文読解
英検2級の長文に対応するためには、長文に慣れておくことが重要となります。
まずは、過去問を中心に長文を繰り返し読みましょう。
長文を読むスピードが向上すれば、解答時間も確保できます。
また、長文を理解するためには、語彙力や文法の知識が必須です。
過去問でわからない単語や文法が登場したら、その都度復習するようにしてください。
リスニング
リスニングでは複雑な内容の文章は登場しないため、ネイティブの英語スピードに慣れれば十分対応可能です。
スピードに慣れるための有効な練習法として、シャドーイングが挙げられます。
シャドーイングとは、英語の音源を聞きながら音声を真似して発声するトレーニング方法です。
英語を英語として理解できるようにするために、過去問を使ってシャドーイングをおこなってみましょう。
スピーキング
スピーキングは、多くの英検受験者が対策に苦労している分野です。
過去問や参考書から質問と解答のパターンを学びつつ、実際にほかの人と英会話をおこないながら慣れていくのが効果的な練習方法になります。
しかし、人によっては英会話の相手を見つけることが難しい場合もあるでしょう。
そのような場合は、英会話学校へ通うことも一つの方法です。
バークレーハウスでは、英語スクールでありながら、英検対策講座も提供しているため、興味がある方はぜひ無料体験レッスンを試してみてください。
\ 効果的なスピーキング対策は?/英検2級対策におすすめの教材
最近では、さまざまな英検2級対策の教材が販売されているため、どれを選べばよいか迷う方もいると思います。
以下では、おすすめの教材をいくつか紹介するため、教材選びの参考にしてください。
英検2級 出る順パス単
単語や熟語を重点的に勉強したい方は、「英検2級の出る順パス単」がおすすめです。
本書は、過去5年分の英検過去問を徹底分析しており、1,700語の単語と会話表現を出題される順番に網羅しています。
また、音声データコードが付属しているため、スマートフォンに読み込めば、いつでも単語の発音を確認できる便利さもおすすめポイントです。
英検2級総合対策教本
英検2級の対策本選びに迷った際は、「英検2級総合対策教本」を選べば間違いありません。
本書は、文法から長文読解まで幅広い内容が網羅されており、最低限の試験対策が可能です。
さらに、申し込みから一次試験、二次試験に関する情報も含まれているため、英検を初めて受験する方や久しぶりに受験する方にもおすすめです。
英検2級過去6回全問題集
英検2級に合格するためには、過去問を繰り返し解いて試験形式に慣れることが大切です。
本書は、過去6回分(2年分)の過去問が含まれています。
付属のリスニング用CDには、実際の試験と同じ音声が使用されており、本番に近い形式で試験対策をおこないたい方におすすめです。
英検2級の対策をするならバークレーハウス
英検2級は、高校卒業レベルの英語力があれば合格できる試験です。
合格すれば入試や就職活動で好待遇を受けられる可能性もあるため、積極的に英検2級の取得を目指してみましょう。
また、独学に自信がない場合は、英語教室に通って試験対策をすることがおすすめです。
バークレーハウスでは、英検対策講座を提供しています。
生徒一人ひとりのレベルに合わせたカリキュラムが用意され、段階的に英語力を向上させることが可能です。
無料体験レッスンも実施中のため、英検2級の合格を目指している方は、ぜひ一度体験レッスンを試してみてください。