2023/10/24

英検2級の二次試験対策!試験の流れや勉強法・合格のポイントを解説

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この記事を書いた人

バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

海外留学を目指す場合、まずは今の自分の英語力を理解する必要があります。

その際に、とても良いベンチマークとなるのが英検2級です。

英検2級程度の英語力があれば、海外での日常生活を送ることが可能です。

また、留学の際に必要なTOEFLのスコアを取得するにも、英検2級程度の基礎英語力が重要です。

この記事では、英検2級の面接二次試験について紹介します。

二次試験の内容や試験の流れ、勉強方法、合格するためのポイントについても併せて解説します。

目次

英検2級二次試験の内容

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英検2級の二次試験は、約7分間の英語での面接形式によるテストです。

二次試験は個人面接形式で、面接官と一対一で対話を行う必要があり、入室から退室までの間、すべて英語でコミュニケーションをとる必要があります。

面接官は日本人であることもありますが、ネイティブスピーカーであることもあります。

そのため、英語でのコミュニケーションをスムーズに成立させることを心がけましょう。

面接は簡単な挨拶のあと、与えられた問題カードに含まれる文章を音読し、そのあとに質問がされる形式です。

各質問に対して一つひとつ丁寧に応答することが大切です!

音読

入室し着席後、最初に簡単な挨拶と受験級の確認が行われます。

そのあと、60語ほどの英文が書かれたパッセージと3コマのイラスト入りのカードが渡されます。

最初に20秒間の黙読時間が与えられ、そのあと音読を行うよう促されます。

音読の評価は、発音、イントネーション、意味の区切りなどを総合的に判断されます。

評価ポイントがどのように判断されるのか、以下でそれぞれ解説します。

発音のポイントと対策

まず、発音は、よりネイティブに近い発音ができると高く評価されるでしょう。

日本語にない音(“th” など)を日頃から意識し、ゆっくり音読トレーニングすることで改善されます。

1日15分以上は音読トレーニングを通して、発音の向上をしていきましょう。

発音の改善には個人でも取り組めますが、指導が必要な場合は、個別のトレーナーに指導を受けることで、改善が劇的に進むでしょう。

個別のトレーナーを選ぶ際には、とくに日本人の発音に長けたトレーナーに指導してもらうことをおすすめします。

日本語と英語の発音の違いを説明できるトレーナーが、最良の選択となります。

イントネーション・意味の区切りの評価ポイント

次に、イントネーションと文の意味の区切りを理解するために、ネイティブのモデル音読を聞くことをお勧めします。

ただし、単に聞くだけでなく、ネイティブがわずかに息継ぎをする箇所にスラッシュ( / )を入れます。

そのスラッシュから次のスラッシュまでの間を「フレーズ」と呼び、基本的には1フレーズ内で重要な単語に対して適切なイントネーションをもって音読することが大切です。

それでは、以下の3フレーズの例文を見てみましょう。

Many international sports events / are held / in Japan.

この例文において重要な表現は、“international sports events”、“held”、“Japan” です。

ネイティブスピーカーは、これらの表現で強調(イントネーションの山をつける)して読みます。

このように、20秒間の黙読時間を活用して、どの部分が表現上重要であり、強調して読むべきかを事前に準備しましょう。

また、英検の音読において、もう1つ重要なポイントがあります。

それは、「内容をきちんと理解する」ということです。

緊張しているなかで20秒間の黙読をしただけでは、60語近い英文を完全に理解することは難しいことがあります。

そのため、音読をすこしゆっくり読み上げ、内容を理解しながら進めていくことが大切です。

黙読と音読を組み合わせて、内容を正確に把握し、次のパッセージに関する質問に適切に答えるための準備をしっかりと行いましょう。

パッセージについての質問(No.1)

音読のあと、パッセージの内容についての質問をされます。

ここでは、文章を見ながら解答ができます。

解答は、必ず問題カードのパッセージに書いてあるため、質問をきちんと聞き取り、解答箇所を見つけ、解答しましょう。

質問の聞き取りが苦手な方は、質問の最初の5W1Hと、質問の主語を意識して聞き取りましょう。

疑問詞と主語が聞き取れれば、質問内容も理解しやすくなります。

もし聞き取れなかった場合は、“I beg your parden?” などと聞き返してみましょう。

ただし、複数回聞き返すと減点対象となるため注意が必要です。

それでは、英検公式HPより、サンプル問題をみてみましょう。

【A New Service for Parents】
It can be troublesome for parents with young children to go shopping in crowded places.
For this reason, more shopping centers have started offering their customers childcare services.
Some customers with children choose shopping centers that provide these services.
In this way, they do their shopping more easily.
Such services are becoming available even in places such as theaters and hospitals.

No. 1
According to the passage, how do some customers with children do their shopping more easily?
― By choosing shopping centers that provide childcare services.

出典:英検公式HP(2級の過去問・試験内容)

前述したように、下線部をしっかり聞き取れれば、答えに関連する箇所はすぐに見つけられるでしょう。

しかし、答えになる下線部分を読み上げるだけで正解になるわけではありません。

残念ながら、英検2級の場合、単なる英文の読み上げでは大きく減点されることがあります。

英検2級では、通常「二つの置き換え」が求められます。

1つは、主語の置き換えです。

たとえば、“some customers with children” は、“they” に置き換える必要があります。

また、“how” の質問に対する回答は、解答例のように “by〜” といった形で置き換えることもできます。

もう1つの置き換えは、代名詞を元に戻す必要があります。

この例題では、代名詞の “these services” を “childcare services” に戻す必要があります。

上記2つをしっかりとおさえれば、No.1の質問は正解できるでしょう!

 イラストについての質問(No.2)

パッセージについての質問が終わったあとは、イラストの展開を説明する問題です。

20秒間考える時間が与えられるため、ストーリーの展開を理解し、それらを英語でストーリーテリングをします。

英検公式HPのサンプル問題を参考にみてみましょう。

多くの場合、以下の問題のように3コマのイラスト説明になります。

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応答するべき内容は、以下のようになります。

応答する内容

  • ①与えられたセンテンスの読み上げ
  • ②1コマ目の内容について1点
  • ③2コマ目の内容2点
  • ④3コマ目の内容2点

2コマ目と3コマ目は、登場人物それぞれについて言及する必要があります。

無理に難しい表現を使う必要はないですが、英検準2級レベルの単語や熟語を用いて表現しましょう。

時制は、過去形や過去進行形で一貫して使いましょう。

また、日常の動作を表現できるように、日頃から「脳内英語つぶやき」を練習すると良いです。

日常語彙・熟語一覧

次に、日常語彙・熟語の一部を紹介します。

二次試験対策の参考にしてみてください。

【英単語】

単語日本語訳
Put on着ける
Take off脱ぐ
Grab掴む
Collect 集める
Carry持つ
Lift持ち上げる
Drag引きずる
Slide滑る
Toss投げる
Push押す
Pull引く
Hoist持ち上げる
Turn回す
Drop落とす
Place置く
Set down置く
Hang up掛ける
Plug in挿す
Unplug抜く
Lock閉める
Unlock開ける
Open開ける
Close閉める
Pick up拾う
Drop off運ぶ
Put away片付ける
Fetch持ってくる
Sort分ける
Organize整理する
Stack積む

受験者自身の意見を問う質問(No.3)

次の質問の前に、問題カードを裏返すようにと指示されます。

裏返して、机の上に置きましょう。

これ以降の質問への受け答えでは問題カードは見れないため、自分の意見にもとづいて質問に答える必要があります。

No.3の質問は、問題カードのトピックに関連した内容で、ある事象・意見についての自分の意見を述べるよう求められる問題です。

英検公式HPのサンプル問題をみてみましょう。

No. 3
Some people say that parents today give too much freedom to their children.
What do you think about that?

賛否を直接問われているわけではありませんが、まずは主題に同意するのかしないのかを表明しましょう。

そして、そのあとにその理由や具体例を2文以上述べます。

解答例は以下のようになります。

― I agree. These days, parents are not strict enough.
  As a result, children’s manners are getting worse.

― I disagree.
  I think many parents control their children too much.
  Children feel a lot of pressure from their parents.

回答する際のポイントは、2つあります。

1つ目は言い換えです。

質問で、“give too much freedom” とありますが、解答例では “are not strict enough” と言い換えています。

内容は同じようなことを述べていても、適切なパラフレーズができていれば良い解答となります。

一方で、面接官の質問をそのまま繰り返すような応答は減点となるため、気を付けましょう。

もう1つのポイントは、客観的な意見を述べることです。

自分の意見を述べる際に、“I” という主語を使うのではなく、解答例のように “many parents” や “children” などの主語を用いて一般的な観点から述べる話し方にしましょう。

英検2級は高校卒業レベルであるため、個人的な意見ではなく、社会性を感じさせる客観的意見が必要になるでしょう。

このようなアプローチは語彙や熟語を高度に活用し、スコア向上に繋がります。

脳内英語トレーニングを行う際に、客観的な英文を構築できるように心がけましょう。

たとえば、“they〜 because…” や “many people〜 although some …” など、客観性の高い英文を作るように心がける練習をすることがおすすめです。

受験者自身の意見を問う質問(No.4)

最後の質問は、カードのトピックに直接関連しない内容も含め、日常生活の一般的な事柄に関しての意見が求められます。

サンプル問題と解答例をみてみましょう。

No. 4
Today, many people buy secondhand goods such as used books and used clothing.
Do you think more people will buy secondhand goods in the future?

解答例

【Yes. →Why?】
― People can save money by buying used goods.
  Also, I think secondhand stores will sell more kinds of things.

【No. → Why not?】
― I think most people like to buy new things.
  They do not want things that other people have used.

解答例のように「主張→理由」を組み合わせて述べましょう。

この「主張→理由→(具体例)」という発言パターンは英語圏では一般的なものです。

そのため、試験対策として考えず、留学やコミュニケーショントレーニングの一環として日常的に「脳内英語トレーニング」を行いましょう。

試験本番では、No.3同様に英検準2級レベルの表現で十分です。

普段からこの応答パターンに慣れていない場合、試験本番で固まってしまう可能性があります。

とくに沈黙時間が長いと、質問が打ち切りになる可能性もあるため、しっかりトレーニングして試験に臨みましょう。

英検2級二次試験の難易度

英検2級の二次試験の問題内容がわかったところで、難易度について紹介します。

以下は、2016年に発表されたデータです。

二次試験は、一次試験合格者にのみ受験資格がありますが、二次試験の合格率は 80.4%でした。

一次試験に合格した受験者にとって、しっかりと対策を行えば合格の可能性はかなり高いでしょう。

気になる合格点については、2012年以降発表されていません。

しかし、2016年以降からは英検CSEスコアにもとづく判定が導入され、650点満点のうち460点が合格基準となると発表されています。

詳しくは、以下のページを参考にしてみてください。

評価ポイント

試験本番ではどういった点が評価に結びついているのでしょうか。

英検公式HPによると、以下のような観点で評価がされます。

評価の観点

  • 応答内容
  • 発音
  • 語彙
  • 文法
  • 語法
  • 情報量
  • 積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度

また、英検の面接の大きな特徴として、アティチュード(態度)が挙げられます。

アティチュードは、服装や行動ではなく、「英語のコミュニケーションを積極的に行おうとする姿勢」がポイントになります。

そのため、声の大きさ、表情、目線なども含まれます。

これらの要素も日頃からトレーニングしておくことが大切です。

\ 英検アティチュードの詳しい解説はこちら!/
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英検二次面接の流れ

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ここからは、再度面接試験の流れを確認しましょう。

面接官とのやり取りのサンプルが英検協会より公表されているため、スムーズに応答できるように準備しておきましょう。

1. 入室

係員の指示に従い、面接室に入ります。

ノックをして、入室します。

“May I come in?” などと入室の許可をとっても良いです。

2. 面接カードを渡す

指示されたら、面接カードを手渡します。

“Can I have your card please?.” と言われたら、“Here you are.” などと言葉を添えてカードを渡しましょう。

3. 着席 

“Please have a seat.” などと着席を促されるため、“Thank you.” と言って着席します。

4. 氏名・級の確認、挨拶

最初に、面接委員が氏名とこれから受験する級の確認をし、そのあと簡単な挨拶があります。

“Mr./Ms.●●, this is the Grade 2 test, OK?” と、これから受験する級の確認があります。

間違っていなければ、“Yes.” と答えましょう。

5. 問題カードを受け取る

問題カードを受け取ります。

面接委員が、“Now, let’s start the test. Here’s your card.” とカードを渡してくるため、“Thank you.” と言って受け取りましょう。

6. パッセージの黙読(20 秒)

パッセージ(文章)を黙読するように指示されます。

黙読時間は20秒です。

落ち着いてパッセージを読み、内容・意味の切れ目・イントネーションを確認しましょう。

7. パッセージの音読 

次に、パッセージの音読をします。

面接委員から音読するように指示されるため、英語のタイトルから読みましょう。

パッセージの音読は、すこしゆっくりでも問題ありません。

内容を確認しながら、個々の発音、意味の切れ目、イントネーションを意識しましょう。

8. パッセージについての質問(No. 1)

音読のあと、面接委員が質問をしてくるため、聞かれた質問に答えます。

解答部分は、パッセージの後半にあることが多いです。

前述した解答パターンをしっかり理解して応答しましょう。

9. No. 2 の考慮時間(20 秒) 

イラストの展開説明をする質問では、考える時間が20秒間与えられます。

イラストのストーリーを理解し、表現方法を頭のなかで確認します。

10. イラストの展開説明(No. 2) 

はっきりとした口調で、各イラストの触れるべきポイントを表現してください。

11. 問題カードを裏返す 

面接委員から “Please turn over the card and put it down” などと指示されるため、問題カードを裏返しましょう。

これ以降は、回答の際に問題カードを見ることができません。

12. 受験者自身の意見を問う質問 (No. 3, No. 4) 

次に、自分自身の意見を問う質問がされます。

前述したように、2文以上で理由や具体例を交えて応答しましょう。

13. 問題カードを面接委員に返す 

“This is the end of the test. Could I have the card back, please?” と問題カードの返却を促されます。 

“Here you are.” などと言いながら返却しましょう。

14. 退室 

“You may go now.” などと言われるため、“Thank you, have a good day.” などと言って退出しましょう。

英検2級二次試験のための勉強方法

過去問題集を繰り返し解く

過去問はかなりの数が公表されています。

公式HPに掲載されているものはもちろん、書籍も販売されているため、たくさん練習しましょう。

また、予想問題集を利用することも効果的です。

旺文社を中心に、多くの予想問題が販売されています。

予算と時間に合わせて、できる限りたくさん取り組みましょう。

シャドーイングを取り入れよう

ネイティブのモデル音読など、シャドーイングの練習を取り入れましょう。

リスニングとスピーキングの学習効果が見込まれます。

英検2級二次試験に合格するためのポイント

英検2級の二次試験に合格するのためのポイントを確認しましょう。

前述したとおり、二次試験ではアティチュードも大切になるため、忘れずに意識することが大切です。

礼儀正しい態度をくずさない

英語のコミュニケーションを積極的に取ろうとする態度を示しましょう。

途中で諦めたりせず、最後まで前向きに取り組んでください。

面接官の目を見て話す

目線を適度に面接官に合わせ、コミュニケーションへの積極性を示しましょう。

積極性をアピールする

声の大きさ、表情、ハンドジェスチャーなども有効に使いましょう。

シンプルな英文で受け答えする

前述したように、英検準2級レベルを使えば十分です。

英検準2級の単語帳などをチェックするのも効果的です。

覚えておくと役に立つ英文

試験本番で役に立つフレーズを紹介します。

二次試験までに暗記して、試験本番で使ってみましょう。

二次試験で役立つ英文フレーズ

  • “May I come in?”
  • “I’m doing OK.”
  • “Could you say that again, please?”
  • “I beg your pardon?”
  • “I agree with〜. I disagree with〜.”
  • “In my opinion,〜”
  • “Thank you. Have a good day.”

まとめ

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英検2級の面接は、きちんと準備すれば合格率をグッと高められます。

また、試験対策だけでなく、英語の自然なコミュニケーション力も高められるため、留学や将来の英語運用に役立つでしょう。

今回紹介した内容を参考に、英検2級の二次試験の合格を目指しましょう。

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