2022/10/27

「こんばんは」を英語でいうと?ネイティブがよく使うフレーズと返事の仕方

goodevening_thumbnail
この記事の監修者

山下 恵理子
保有資格:英検準1級、TOEIC920点

英語学、米文学を専攻後、白百合女子大学大学院にて英語圏の児童文学を研究中。大手学習塾で教材作成に携わった経験もあり、現在は複数の私立大学で非常勤講師として活躍。
仕事の合間に、趣味として未訳の児童文学、アメリカン・コミックスを翻訳するのが生きがい。

日本語では「こんばんは」とあいさつをするのが一般的ですが、英語だと何とあいさつすればいいのでしょうか?

おそらく、「こんばんは」= “Good evening.” と習った方がほとんどではないでしょうか。

実はこの表現、かなり丁寧なニュアンスのあいさつになるんです。

仲の良いネイティブの友達にこのあいさつをすると、相手がびっくりしてしまうかもしれません。

では、友達相手や身内に使えるようなフレーズはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は、シーン別に「こんばんは」を伝えるときのさまざまな表現と、あいさつをされたときの返事の仕方を紹介します。

目次

定番のフレーズ

pic4-goodevening

まずは代表的な、夕方から夜にかけて使うあいさつのバリエーションを紹介します。

Good evening!

英語での「こんばんは」といえば、この表現が定番です。

このフレーズが夕方から夜に使うあいさつだと思う方が多いのではないでしょうか。

ネイティブが使わないわけではないですが、あいさつをする相手との関係や場面によってはイマイチなのも事実です。

では、このあいさつを使うのにふさわしいシーンはどのようなときでしょうか。

それは目上の方と言葉を交わすようなフォーマル、もしくはビジネスのシーンです。

また接客業の方が夕方〜夜に来店したお客さんに、「いらっしゃいませ」という意味合いで “Good evening.” と声をかけることもあります。

この “Good…” という表現は、 “Have a good morning / afternoon / evening.” の省略形です。

これらは出会い頭のあいさつとしてだけでなく、別れのあいさつとしても使うことができます。

Good night. について

夜に交わすあいさつとして “Good night.” という表現についても注意点があります。

これは “evening” と同じく “night” という夜の時間帯を指す単語です。

「もしかして『おやすみなさい』の “Good night.” も『こんばんは』として使える?」と思われた方もいるかもしれません。

しかし、“Good night.” はあくまで「おやすみなさい」や「別れのあいさつ」としてのみ使うことができるフレーズです。

“Good evening.” と同じような、出会い頭・別れ際の両方のあいさつ表現として使うことはできないので、注意しましょう。

How are you(doing)?

“Good evening” がすこし固いあいさつであると前述しましたが、もっとカジュアルな表現のあいさつもあります。

カジュアルな表現で使うとすれば、 “How are you?” が良いでしょう。

しかし、「それって『こんにちは』じゃないの?」と思われた方もいるのではないでしょうか。

たしかにこのフレーズには、「こんばんは」としてのイメージがあまりないと思います。

もともとこのフレーズのニュアンスは「元気にしてる?」など相手に尋ねるときに使うフレーズです。

そのため、基本的には朝から晩までどの時間帯に使っても自然な表現です。

このフレーズはとても便利なあいさつで、 “Good evening” と口にするようなフォーマルな場面でも使うことができます。

また、気の置けない友達にも使うことができる、幅広い対象で使うことのできるフレーズです。

そのため、ある意味これがもっとも無難なあいさつであるといえるかもしれません。

「こんばんはって英語でなんて言うんだっけ?」というような場合でも、ひとまず “How are you(doing)?” と伝えれば大丈夫です。

家族や友達とカジュアルに使えるフレーズ

pic3-goodevening

ここからは、前述した「こんばんは」の一連の表現よりも、よりカジュアルなものを紹介します。

特徴として “How are you(doing)?” と同じく、時間帯を問わない表現が目立つところにあります。

Hello!

まずは友達へのあいさつとして丁寧な表現に分類されるフレーズの、“Hello!” を紹介します。

「このフレーズは “How are you(doing)?” よりも『こんにちは』として使う表現なのでは?」と思う方が多いと思います。

ここから紹介する表現はいずれも「こんにちは」としてのイメージが強いものばかりです。

英語のあいさつ表現の大半は、時間帯を問わず使うことができるフレーズです。

これは、以下の時間帯を表す単語表現全般にいえます。

  • morning
  • afternoon
  • evening など

“Hello.” について辞書をひくと、「一日中使えるあいさつ」といった説明が添えられています。

そのため、あいさつをする際に「今の時間帯はどのフレーズを使うべき?」と考え込む心配はないです。

いつでも使える表現であれば間違いはないため、積極的に使ってみましょう。

Hi!/ Hi there!/ Hey!/ Hiya!/ Heya!

ここで紹介する一連のフレーズは、先ほどの “Hello.” に比べるとだいぶカジュアルです。

いずれも時間帯を問わずに使うことができ、かつ短いフレーズばかりのため遅い時間帯にも使用できます。

また、それぞれのフレーズにはすこしずつ特色があります。

Hi!

1つ目の “Hi!” は、先ほどの “Hello!” をよりカジュアルにした表現で、良く耳にするあいさつのひとつだと思います。

単体で使うこともできますが、大体は相手の名前をくっつけて “Hi, ◯◯!” と呼びかけるのが一般的です。

Hi there!

2つ目の “Hi!” のうしろに “there” を合体させた “Hi there!” は、名前を付ける必要はなく単体で使用できます。

ちなみに、このフレーズの “there” の解釈には二通りあります。

「そこ」を表す副詞的な意味合いと、「ねぇ!」と相手の注意を引き付けるための間投詞的な意味合いの両方が考えられます。

そのため離れたところにいる相手に呼びかけるような意味合いで、この表現を使うこともできます。

Hey!

3つ目の “Hey!” は、 “Hi!” よりもさらにカジュアル感が強いフレーズです。

ニュアンスとしては、道でばったり出会った友達に「やぁ!」と呼びかけるようなものと考えてください。

Hiya!/Heya!

そして残りの2つ “Hiya!” と “Heya!” は、意味合い・ニュアンスともに “Hi!” と同じような表現です。

この2つはどちらかというと、イギリス英語でよく使われるフレーズです。

前者は “Hi you!” 、後者は “Hey, you!” の省略形になります。

What’s up?

今度はアメリカ英語で良く使われるフレーズを紹介します。

“What’s up?” は日本語でいう「よっ、元気?」というとてもフランクなあいさつにあたり、映画やドラマなどで聞いたことがあるかもしれません。

正確なニュアンスとしては、「最近どう?なにか新しいニュースある?」という意味合いです。

これもまた時間帯を問わず使えるあいさつ表現の一つですが、とてもカジュアルなフレーズになります。

そのため、ごく親しい相手のみに使うのがおすすめです。

余談ですが、親しい相手限定で使うことができる朝のあいさつに “Morning!”(フランクなおはよう)というものがありますが、 “Evening!” や “Afternoon!” という言い方はないです。

やはりこういう不思議なところに、英語を勉強するうえでの面白みがあります。

メールで使えるフレーズ

pic2-goodevening

ここまでは、直接的に相手とあいさつを交わすことを想定したフレーズを紹介しました。

今度は、メールなどで間接的に相手とやり取りをする際に使えるフレーズを紹介していきます。

基本的には、面と向かってあいさつをする際のフレーズと変わりません。

しかし、ビジネス相手や目上の方にやむを得ない事情でメールをしなくてはならないケースも出てくると思います。

遅い時間帯に連絡することを相手へお詫びする表現を「こんばんは」のフレーズにセットで添えることが重要です。

Good evening / How are you?

こちらの2つは、一緒に使うことも可能です。

フォーマルなシーンと目上の方に向けてのあいさつとして紹介した “Good evening.” は、メールでも使うことができます。

また、目上の方であっても仲の良い上司の方にメールを送る場合は、 “How are you?” を一緒に添えても良いです。

この2つが、遅い時間帯に連絡する際の定番フレーズと捉えて大丈夫です。

さらに下記のような表現を追加すると、より丁寧な文面になります。

Sorry to bother(for bothering)you so late at night.

こちらは、上記の「こんばんは」とセットで使うと良いフレーズです。

2つとも日本語でいう「夜分遅くに申し訳ございません」といった意味の表現にあたる言い回しで、いずれもメールや電話で使うことができます。

また、前者の “bother” は「煩わせる」という意味で、後者の “contact” は「連絡する」との意味になります。

Sorry to bother(for bothering)you so late at night.


夜分遅いお時間に失礼いたします。

Sorry for contacting you so late at night.


夜分遅くにご連絡をしてしまい、申し訳ございません。

頭の “Sorry to (for)…” を “I’m sorry to (for)…” に置き換えることも可能で、こちらの方がより丁寧な言い回しになります。

(I’m)Sorry to bother(for bothering)you.


お忙しいところすみません。

ビジネスシーンでは、メール(もしくは電話)を夜にする際は上記のようなフレーズを添えると良いと前述しました。

できれば友達相手にも、同じように「遅くにごめんね」といったフレーズを添えると親切かもしれないですよね。

そこで使えるのが、このフレーズです。

目上の相手に使う言い回しの省略形といったところでしょうか。

“Hi!” などのあいさつのうしろにこれをくっつけると、「気を遣ってくれているんだな」と相手に誠意が伝わり、関係を良好にする手助けになるかと思います。

「こんばんは」への返事に使えるフレーズ

pic1-goodevening

ここまで、さまざまなパターンの「こんばんは」フレーズを紹介してきました。

では今度は、もし相手からこのようなあいさつを投げかけられた際に、どのような返事をすればいいのかを紹介していきます。

前述した表現だけでもさまざまなバリエーションがあるため、「この返事にはどう返すのが正解なんだろう?」と悩まれる方もいると思います。

もちろん「これ以外はダメ!」というほど厳しいものはありません。

それぞれのあいさつに合った返事ができると、より円滑なコミュニケーションに繋げられるため、ぜひ参考にしてみてください。

Good evening. に対しての返答

人に会ったときこのフレーズを言われたら、こちらも同じく “Good evening.” と返すのが無難です。

注意する点として、このフレーズを別れ際に投げかけられた際は、“You, too.” と返事をしましょう。

別れのあいさつとしての “Good evening.” には、「(それでは)良い晩をお過ごしください」とのニュアンスが含まれているため、「あなたも、良い晩を」と伝える意味での “You, too.” となります。

Good evening.


(それでは)良い晩をお過ごしください。



→You, too.


 あなたも、良い晩を


How are you? に対しての返答

“How are you?” は、今までに紹介したあいさつのなかでとても便利なフレーズだと思います。

では、相手から言われた際はどうしたら良いでしょうか。

このフレーズは、もともと「ご機嫌いかがですか?」という意味合いの言い回しのため、それに答える形の返答が妥当でしょう。

以下のような返答で、自分の現在の状態を伝えればOKです。

How are you?


ご機嫌いかがですか?



→I’m fine, thank you.


 良好です。ありがとうございます。



→So-so.


 まぁまぁです。



→I’m okay.


 良いですよ。


Hi!などのカジュアルなあいさつに対しての返答

今度は、カジュアルな言い回しの「こんばんは」への返事の仕方を紹介します。

こちらは、相手に言われたあいさつをそのまま返しても全く問題ないです。

より自然な返答を目指す場合、相手とは異なる「こんばんは」を言えば、こなれた感じの会話ができるためおすすめです。

“Hi!” と話しかけてきたら、こちらからは “Hello!” や “Hey!” と返してみましょう。

What’s up? に対しての返答

この言い回しは主にアメリカ英語で触れる機会が多いですが、 “What’s up?” にはさまざまな返答の仕方があります。

まず、「よっ、元気?」といった意味の “What’s up?” とあいさつをされた際の返しは、「そっちも元気?」というニュアンスで、そのまま “What’s up?” と返すのが一般的です。

もしくは、「最近どう?何か変わったことない?」といったニュアンスである場合は、「とくに変わりはないよ」という意味の “Nothing much.” もしくは “Not much.” と返すことも可能です。

ただ、このあいさつをされたら “Nothing much.”( “Not much.” )と返すのが無難だと思います。

What’s up?


最近どう?



→Nothing much./Not much.


 とくに変わりないよ。


両者の違いの見分け方として、後者の意味を含んでいる “What’s up?” は、若干語尾が上がるのが特徴です。

深夜の時間帯のあいさつは、「こんばんは」と「おはよう」のどちらを使うべき?

さまざまなバリエーションの「こんばんは」を紹介してきましたが、「 “Good evening.” は、深夜の時間帯にも使える表現なの?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

これは、相手に会った時間帯によっては、日本語でも迷ってしまうときもあるかと思います。

この問題に関しては個人の感覚が大きいとは思いますが、迷ったときの参考にしてみてください。

まず “evening” という単語は、夕方から晩(日没から就寝時まで)にかけての時間帯を指す単語となっています。

具体的な時間については「夕方6時~夜の9時頃」を指しているため、夜の9時頃までは何の問題もなく “Good evening.” の表現を使うことができるといえます。

では、それ以降の時間帯についてはどうでしょうか。

英語には一応決まりがあり、「夜の9時頃~朝の4時頃」までが “night” とされています。

しかし先ほど説明したとおり、“Good night.” はあくまで「遅い時間帯に相手に伝える別れのあいさつ」のため、「こんばんは」というニュアンスにはなりません。

上記の点を踏まえると、いっそのこと “Good morning.” を使ってもいいんじゃないかという考えになると思います。

“morning” の具体的な時間帯は、「深夜0時~正午」までを指します。

この点を考慮すると、深夜0時を回っているならば “Good morning.” を使ってみるのも手かもしれません。

では「深夜の時間帯には “Good evening.” は使えない?」というと、そうでもないです。

“evening” という単語でも説明しましたが、この単語には「日没から就寝時まで」という意味合いもあります。

そのため、個人の感覚が大いにモノを言います。

「夜9時頃」という “evening” の時間帯を過ぎてしまっていたとしても、その人が就寝しない限りは “evening” である、と考えることができます。

これを踏まえると、深夜の時間帯に人と会った際のあいさつは、時刻を基準にするならば “Good morning.”

自身がまだ寝ていないことを基準とするならば “Good evening.” を使うなど、どちらでもOKであるといえます。

「こんばんは」のフレーズを使い分けてみよう

今回は「こんばんは」のさまざまなフレーズを紹介しました。

英語での「こんばんは」の特徴として、この時間帯特有の表現というのはそこまで数がありません。

基本的には「こんにちは」としても使うことができるフレーズや、時間帯を問わず使うことができるフレーズを使うことが多いです。

一部のフォーマルなシーンを除いて、「『こんばんは』を表すフレーズって何だっけ?」と考え込む必要はないです。

「こんにちは」として馴染みのある表現をそのまま使えば、一日の終わりに顔を合わせた相手でも肩肘張らずにコミュニケーションがとれるのではないでしょうか。

相手と夕食をとるときなども、今回紹介したフレーズを活用しつつ、ネイティブの方と楽しいひと時を過ごしてみてください。

Page
top