IELTSとは英語圏の国々に留学や就労、移住を希望している人の英語力を測定するイギリス発祥の英語試験です。
信頼できる英語能力判定試験として世界中に認知されており、受験者の英語力を正確に示すものとして評価されています。
その証拠に、IELTSのスコアが世界中の11,000以上の機関で重要視されているほか、毎年世界各地で350万人を超える人々が受験しているのです。
このように英語力の測定にうってつけのIELTSですが、近年では日本でも受験する人が多くなってきています。
ただ、IELTSについて、どのような団体が運営しているのか、試験はどこで受けるのが得なのかなど、詳しく調べないとわからないこともあるでしょう。
今記事では、IELTSを運営している団体や、IELTSテストセンター会場の選び方についても解説しています。
IELTS受験にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
IELTS運営団体とは?
IELTSは、
・「ブリティッシュ・カウンシル」 ・「IDP」 ・「ケンブリッジ大学英語検定機構」
こちらの団体が主体となって運営をおこなっています。
また、世界中すべてのIELTSに直接関わっているだけでなく、国々の組織と結びついて、それぞれ共同で運営しているのです。
日本でも、上記の運営団体がIELTSを受験するうえでの窓口になっています。
この3つの他にも、いくつかの団体や企業が公式テストセンターとしてIELTSを運営しています。
受験する際は、好きな会場を選んで受けることが可能です。
ただし、受験する運営団体やテストセンターによって受験料や特典が変わるため、注意してください。
試験の形式には「ペーパー試験」と「コンピューター試験」の2種類があり、受験形式によって受けられる会場や費用も違うので、しっかりと調べておきましょう。
ブリティッシュ・カウンシル
英国は、言語としての英語とその学習・指導方法を何百年にもわたり発展させてきました。ブリティッシュ・カウンシルは、その専門知識と経験を活かし、世界の英語教育の質の向上、また、日本の英語教育改革を支援するために活動しています。
ブリティッシュ・カウンシル
ブリティッシュ・カウンシルは、英語文化の公的な国際文化交流機関です。
世界100ヵ国以上に事務所をかまえ、英語の普及やイギリスと諸外国との間の教育・文化交流を目的として活動しています。
IELTSの代表的な運営団体の一つで、日本の主流な団体とともに、日々英語の普及に尽力しています。
IDP
IDP Education(本社:オーストラリア・メルボルン)は国際教育サービス分野における世界的リーダー。50年に渡って事業を展開し、30カ国以上にオフィスを持つ巨大なビジネスネットワークを構築しています。
IDP
IDPはブリティッシュ・カウンシルと並び、IELTSを共同経営する「会社」です。
この会社もIELTSを運営する代表的な団体ですが、日本での普及はブリティッシュ・カウンシルがメインで行っているため、あまり浸透していません。
ただ、オーストラリアではすべてのIELTS受験がIDPによって執り行われているほど、影響力のある団体です。
日本では、一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション、通称JSAFとパートナーシップを組み、試験を実施しています。
日本英語検定協会
実用技能英語英語検定、通称「英検」を運営している公益財団法人です。
英検は、ブリティッシュ・カウンシルとともにIELTSを共同運営しています。
IELTS公式テストセンターについて
IELTS公式テストセンターは、簡単に言えば「主要な運営団体に認められた、IELTSの受験を執り行っている機関」のことです。
IELTSを主に運営している「ブリティッシュ・カウンシル」「IDP」「ケンブリッジ大学英語検定機構」の3つに認定されている機関のみ、IELTS公式テストセンターとして活動できます。
日本では、以下の3つの団体がIELTS公式テストセンターとして、日本国内の実施運営、広報活動をしています。
・英語検定協会 ・JSAF ・バークレーハウス
団体によって受けられる場所や費用など、細かなところが違っており、受験者が希望する条件のテストセンターを自由に選べるようになっています。
受験するならどのテストセンターがいい?
IELTSを受験するにしても、テストセンターによって料金やサービスが違います。
受験者さんも、なるべく自分の得になるように受験するテストセンターを選びたいことでしょう。
ここでは、バークレーハウスとJSAFの2つのIELTSテストセンターを比較をしています。
それぞれのIELTSテストセンターの違う点を、詳しく見ていきましょう。
まずは、一番ベーシックなIELTSテストである、“Academic and General Training”の料金を比べてみます。
料金比較 | JSAF | バークレーハウス |
コンピューターテスト | 26,400円(税込) | 25,380円(税込) |
ペーパーテスト | 25,380円(税込) | 25,380円(税込) |
バークレーハウスは受験生応援価格として、コンピューター試験の受験料も低く設定しています。
少しでも費用を抑えたいという人は、バークレーハウスのテストセンターで受験すると良いでしょう。
次に、受験を申し込んだ際の特典を見てみましょう。
JSAF IELTSテストセンター
JSAFで受験すると、これらの特典がついてきます。
・IELTSの練習問題
・gymglishオンラインコースへの斡旋
・IELTS Prepareのサービスが利用できる
・スピーキングテストのスコア別サンプル動画が視聴できる
・無料IELTSオンラインコースを受講できる
・会員専用ページが設けられ、受験者専用コンテンツにアクセス可能
・有料の「IELTS Progress Check(模擬テスト)」を受けられる
・オーストラリアの名門、クイーンズランド大学の無料オンライン講座を受けられる
ご覧の通り、かなりの数の特典がついてきます。
JSAFは講座やセミナー、講座などの「IELTSに関する情報やテスト対策のための高品質なコンテンツ」が多いようですね。
「今の自分ではまだ実力が足りないかもしれない」と考える人や、「できるだけ勉強をサポートして欲しい」と考えている人にはピッタリでしょう。
一方で、バークレーハウスで受験した際の特典はどうなっているかというと、以下の通りです。
バークレーハウス IELTSテストセンター
・受験料が最大1,000円OFFになる割引キャンペーン ・ドリンク2本プレゼント ・予約不要!無料留学カウンセリング ・留学エッセイのサンプルプレゼント ・自習室利用可能(※東京限定) ・NEW!スコアアップに役立つ!個別学習サポート
バークレーハウスの特典は、テスト対策の内容も充実していますが、「ご飯や飲み物など余計な費用がかからないような配慮」がされています。
良心的な受験費用に加えて食費も出してくれるとなれば、JSAFと比べると費用はだいぶ割安で済むでしょう。
実力はそこそこあると自負しており、「当日無駄な費用をかけたくない人」や「学習コンテンツとして質の良いものが欲しい」と考えている人にはおすすめです。
受験会場の所在地
JSAF、バークレーハウスのどちらのテストセンターも、大都市を中心として日本全国に会場を構えています。
また、アクセスのよい地域に会場を構えていることがほとんどです。
自分の行きやすい範囲にある会場を探して、受験会場を選びましょう。
ただ、ペーパーテストの会場は多い一方で、コンピューターテストの会場は大都市のみとなっています。
もしコンピューター試験を希望する場合は、扱っている会場が少ないため、しっかり調べて会場を選びましょう。
バークレーハウス IELTSテストセンター
バークレーハウスはブリティッシュ・カウンシルの元講師たちが運営するスクールです。
IELTSやイギリス英語を日本で普及させるため、日々活動しています。
現在、ブリティッシュ・カウンシルと契約を結び、テストセンターの運営もおこなっており、多くの受験者がバークレーハウスを通して受験しているのです。
東京・市ヶ谷と名古屋にテストセンターが設置されています。
ペーパー試験
東京などの会場で実施されます。
日程は随時更新しているため、確認するには公式への問い合わせが必要です。
受験料は25,380円(税込み)で、試験結果は試験の13日後に発表されます。
受験会場はアクセスのよい場所であるのに加え、各会場での感染症対策も万全であるため、安心して受験できますよ。
コンピューター試験
東京・大阪・名古屋で実施しており、どの会場も駅近くの会場で行われます。
開催日程は月に2〜20回以上、土日祝日でも実施しており、試験結果は試験の3〜5日後に発表されます。
“Speaking”の試験時間を自身の都合の良いタイミングを選択し、テストを受けることが可能です。
受験料はペーパーテストと変わらず25,380円(税込み)で、ペーパー・コンピューターどちらも受験料はリーズナブルな価格設定といえるでしょう。
JSAF
JSAFは、英語教育を促進するために設立された財団法人であり、IDPとパートナーシップを結ぶIELTSテストセンターです。
英語普及の為、語学学校としても活動しながら、大手のIELTS公式テストセンターとして活躍しています。
東京と名古屋、大阪、京都にテストセンターを設けており、幅広い地域で受験者を受け入れています。
ペーパー試験
東京・名古屋・大阪・京都に受験会場があります。
テスト日は適宜調整されていますので、自分が受けたい試験がいつ行われるのかはしっかりと確認しておく必要があります。
受験料は25,380円(税込)で、テストの3日前まで申し込みが可能です。
感染症対策も徹底的に行っているため、安心して会場に足を運べます。
コンピューター試験
東京・大阪・京都の会場で実施しています。
コンピューター試験はペーパー試験と違い、名古屋ではおこなわれていないことに注意しましょう。
受験料は26,400円(税込)で、設備や試験の形態によってかかるコストの分、ペーパー試験よりも割高になっています。
まとめ
今回は、IELTSを運営している団体について、そしてテストセンターの選び方について解説しました。
テストセンターとして、おもにJSAFとバークレーハウスの2つがありますが、受験時のメリットと自分の希望を照らし合わせたうえで、選択しましょう。
受験会場の場所のことは考えなければなりませんが、もし両方の受験会場が近くにあるなら、受験特典を軸に、会場を選ぶと良いのではないでしょうか。
「費用を抑えたい」「学習コンテンツも欲しい」と考えている方は、バークレーハウステストセンターを利用すると良いでしょう。
「多くの質の良い学習コンテンツを得たい」と考えている方は、JSAFのテストセンターを利用すると、特典として学習コンテンツが得られます。
ただ、双方の特典を比べたうえで、費用面とコンテンツの質という両面でメリットが得られるバークレーハウスのほうが、得られる恩恵は大きいのではないかと思います。
何にせよ、自分の希望に合うテストセンターを選び、IELTSをより効率的に受験し、良い結果を残しましょう。