TOEFLとは、母国語が英語ではない外国人の英語力を評価するために、世界中で利用されている英語能力を測るための試験です。
海外の大学や大学院への進学を希望している人にとっては、自身の英語力を証明するための資格となります。
「留学に向けてTOEFLを受けたいんだけど、そもそもTOEFLってどんな試験で何点くらいを目指せばいいんだろう」
と、疑問を感じている英語初学者の方も多いはず。
これからTOEFLを受験される方にとっては、目標とするべきスコアを知ることが、学習をしていくうえでの第一歩となります。
本記事を参考に目標スコアを設定し、TOEFL学習の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
TOEFLとは?
TOEFL試験には、 iBTとITPという2種類のテスト形式が存在します。
一般的には、iBTが主流で、世界中のTOEFL受験者の多くがiBT方式を受験しています。
今回は、 iBTとITPそれぞれの概要を説明したあとに、iBT方式に絞って、平均点や目標点数について解説をいたします。
TOEFL iBTはどんな英語試験?
TOEFL iBTは、主に大学や大学院への進学希望者向けの形式で、iBTとは「Internet-based Test」の略称です。
インターネットを利用したテスト形式で、受験者はテスト会場にてコンピュータを使って受験します。
日本では2006年に導入されたテスト形式で、インターネットの普及に伴って、現在は世界的にスタンダードな形式となりました。
なお、2020年4月より「TOEFL iBT︎ home edition」という自宅でテストを受験する方式も導入されています。
iBTの特徴は、英語をどれだけ「使いこなせるか」に重点が置かれている点です。
大学や大学院への進学に使用されることもあり、単に英語を知っているだけでは回答できない問題も出題されます。
たとえば、出題ジャンルの中には芸術から天文学まで、アカデミックに富んだ内容が含まれ、ライティングセクションでは小論文を書く問題も出題されるため、高い英語レベルを必要とされるでしょう。
どんなセクションが出題されるのか
TOEFL iBTにおける出題セクションは以下のとおり4つに分かれます。
「Reading(リーディング):読むスキル」
「Listening(リスニング):聞くスキル」
「Speaking(スピーキング):話すスキル」
「Writing(ライティング):書くスキル」
スコアについては、各パート30点満点の合計120点満点で評価されます。
気になる試験時間は約3時間30分と、TOEICなどに比べても長丁場となるので、いかに集中力を持続させるかもポイントとなるでしょう。
冒頭でも申し上げたとおり、世界中のTOEFL受験者の大半がiBT方式を受験しており、一般的にTOEFLといえばiBTを指します。
大学や大学院進学のための資格としてiBTのスコアが使用されることはもちろん、ITP方式の場合は個人での申し込みが不可となっていることも、iBTが主流になっている一つの要因でしょう。
なお、TOEFLについて、より詳しく知りたい方は、以下のリンクからご覧ください。
TOEFL ITPはどんな英語試験?
TOEFL ITPは、教育機関や企業などの団体へ向けた形式で、ITPとは「Institutional Test Program」の略称です。
筆記形式でマークシートに回答するペーパー版と、インターネットを利用したデジタル版の2種類があります。
なお、団体受験を前提としているため、個人での申し込みはできません。
iBTに比べると知名度は低いのですが、ITPは世界50か国、2,500以上の団体で延べ80万人以上に受験されている社会的信頼も高い試験です。
日本でも、大学などの教育機関や企業など500以上の団体で実施されています。
TOEFL ITP試験ではどんなセクションが出題されるのか、ご紹介します。
TOEFL ITPは、Level 1とLevel 2の二つのレベルに分かれていて、Level 1が約1時間55分、Level 2が約1時間10分で実施されます。
それぞれのレベルの問題構成は、試験順に
●「Listening(リスニング)」
●「Grammar(文法)」
●「Reading(リーディング)
上記の3技能で構成されています。
iBTとは違い、スピーキングとライティングのテストはありません。
また、TOEICに近い構成と言えます。
一般的に文法が得意な傾向のある日本人受験者にとっては、比較的得点しやすいかもしれません。
問題内容はアカデミックコンテンツで構成されていて、Level 1は中級〜上級レベル、Level 2は初級〜中級レベルの難易度となっています。
スコアについては、Level 1が677点満点、Level 2が500点満点で評価されます。
取得したスコアは、大学入学者のクラス分けや、企業において社員の英語力を測定するために利用されています。
海外への進学に利用されるTOEFL iBTに比べると、その利用用途は限定的と言えます。
TOEFL ITP®について解説している記事もございますので、詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
TOEFL iBTの平均スコア
初めてTOEFL iBTであれば、受験をするにあたって平均点数を知っておきたいところでしょう。
まずは一度受験してみて、自分のレベルが相対的にどの程度なのかを知ることで、学習の計画も立てやすくなります。
「TOEFL iBT Test and Score Data Summary 2019」によると、日本人のTOEFL iBT平均スコアは72点となっています。
ちなみに、日本以外の国の平均スコアは下記のとおりです。
国名 | TOEFL iBT平均スコア |
中国 | 81 |
韓国 | 83 |
インド | 95 |
フランス | 88 |
イタリア | 90 |
同じアジア圏の中国や韓国と比較しても、日本人の平均スコアが非常に低いことがわかります。
リーディングとリスニング中心の教育環境で育った日本人にとって、TOEFLで高いスコアを取得するのは、予想以上に難しいのかもしれません。
いずれにしても、TOEFL iBT受験者が目標にすべきは日本人平均スコアではなく、目標とする進学先の応募要項に必要なTOEFLスコアです。
平均スコアは一つの目安として、あくまで自分に必要とされているスコアを目指しましょう。
セクション別スコア平均の目安
各セクションの日本人平均点は、以下のとおりです。
セクション | 日本人の平均点 |
リーディング | 18 |
リスニング | 18 |
ライティング | 18 |
スピーキング | 17 |
リーディング
日本人のリーディング平均スコアは、18点となっています。
スコアごとのレベルについては、下記表をご覧ください。
レベル | 得点 | 概要 |
Advanced(上級) | 24-30 | 大学入試レベルの複雑な英文も理解できる。 |
High-Intermediate(上中級) | 18-23 | 大学入試レベルの英文の大意は理解できるが、複雑な英文構造の理解は完璧ではない。 |
Low-Intermediate(中級) | 4-17 | アカデミックな文章を部分的にある程度理解できるが、全体的な理解度は限定的。 |
Below LowIntermediate(初級) | 0-3 | 中級以下のリーディング能力。 |
リスニング
日本人のリスニング平均スコアは、18点となっています。
スコアごとのレベルについては、下記表をご覧ください。
レベル | 得点 | 概要 |
Advanced(上級) | 22-30 | アカデミックな場での、複雑な会話や講義も理解できる。 |
High-Intermediate(上中級) | 17-21 | アカデミックな場での、会話や講義の大意は理解できるが、複雑な会話内容の理解は完璧ではない。 |
Low-Intermediate(中級) | 9-16 | アカデミックな会話を部分的にある程度理解できるが、複雑な内容については、情報の補足をしてもらわないと理解が困難。 |
Below LowIntermediate(初級) | 0-8 | 中級以下のリスニング能力。 |
ライティング
日本人のライティング平均スコアは、18点となっています。
スコアごとのレベルについては、下記表をご覧ください。
レベル | 得点 | 概要 |
Advanced(上級) | 24-30 | アカデミックな内容を含めた幅広い分野について、自信を持って正確に英語で文章を書くことができる。 |
High-Intermediate(上中級) | 17-23 | 一般的な話題及び馴染みのある分野についてはうまく英語で文章を書くことができる。 アカデミックで複雑な分野の場合は、その主旨を英語の文章で伝えることができる。 |
Low-Intermediate(中級) | 13-16 | 一般的な話題及び馴染みのある話題について、簡単な内容であれば英語の文章で書くことができる。 |
Basic(中初級) | 7-12 | とても基礎的な内容であれば、英語の文章で書くことができる。 |
Below Basic(初級) | 0-6 | 中級以下のライティング能力。 |
スピーキング
日本人のスピーキング平均スコアは、17点となっています。
スコアごとのレベルについては、下記表をご覧ください。
レベル | 得点 | 概要 |
Advanced(上級) | 25-30 | 幅広い話題について、不自由なく流暢に英語で会話ができる。 |
High-Intermediate(上中級) | 20-24 | 大抵の一般的な話題及び馴染みのある話題について上手に英語で会話ができる。 より複雑な話題やアカデミックな話題でも、自分の意見を英語で伝えることができる。 |
Low-Intermediate(中級) | 16-19 | 一般的な話題及び馴染みのある話題であれば、比較的スムーズに英語で会話ができる。 |
Basic(中初級) | 10-15 | 限定的ではあるが、日常的に馴染みのある話題であれば、英語で会話ができる。 |
Below Basic(初級) | 0-9 | 中初級以下のスピーキング能力。 |
TOEFL iBTを受けたことがない人は、何点取れる?
さて、これからはじめてTOEFL iBTを受けようと考えている方は、初受験で何点取れるのか気になっていることでしょう。
結論から言うと、個人によって英語力は異なりますので、「初めての人であればこの点数が取れる」と断言することは困難です。
ただ、TOEFL iBTをはじめ、英語試験別に難易度の比較表は存在していますので、TOEICなど、ほかの英語試験で取得しているスコア(または級位)があれば、TOEFL iBTの大体のスコアを予想することができます。
下記の表を参考にご自身のスコアを算出してみてください。
TOEFL iBT | TOEFL ITP | TOEIC(L&R) | IELTS | 英検 |
115-120 | 667-677 | – | 8.5-9.0 | |
94-114 | 600-667 | 870-990 | 7.0-8.0 | 1級 |
46-93 | 521-599 | 600-865 | 5.5-6.5 | 準1級 |
32-45 | 450-520 | 450-595 | 4.0-5.0 | 2級 |
20-31 | 390-449 | 290-445 | 3.0 | 準2級 |
-30 | -389 | -285 | 2.0 | 3-5級 |
ただし、これらの難易度はあくまで目安となるため、かならず取得できるわけではありません。
そもそもの問題構成や内容も、各試験でまったく異なりますので、あくまで参考としてご覧ください。
TOEFL iBTを初めて受験する人が目標にすべき点数は?
TOEFL iBTを受験する場合には、目標点数を定めることが必須です。
その際の目標点数は、平均点に関わらず「TOEFL iBTの使用用途」に合わせて決めましょう。
たとえば、大学進学が目的であれば、進学希望の大学が設定しているスコアを目標とします。
もちろん、60点や80点など入学希望者に求めるスコアは教育機関ごとに異なります。
TOEFL iBTの受験経験がない方はまず一度受験をして、「今の自分は何点取れるのか」を明確にすることがおすすめです。
現在のスコアと目標スコアの差、得意パートや苦手パートを理解することで、今後の学習計画を立てやすくなることでしょう。
はじめて受験をすると、思った以上に得点が伸びず自信を失うこともあるかもしれませんが、現在地を知らない状態で勉強の計画を立てることは困難です。
最初の得点に一喜一憂することなく、少しずつ目標スコアに向けて努力していきましょう。
初受験のTOEFL iBTで目標スコアを達成するには?
目標スコアが決まったら、計画的に学習を進めていきましょう。
また、TOEFLの学習はセクションごとの対策からアカデミックな語彙の暗記などすべきことが多く、とくに初学者が計画的に学習することは困難でしょう。
独学で進めるのは難しいと感じ、挫折してしまった人の話も度々耳にします。
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