TOEFL iBT®とはどんな英語テスト?基礎知識を知ろう!

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TOEFL iBT®とはどんな英語テスト?基礎知識を知ろう!
アメリカやカナダなどの英語圏の大学や大学院へ進学する際に、英語を母国語としない学生の英語力を評価する英語試験として、世界的に知られているTOEFL®。テスト方式によって、さまざまな種類が存在しますが、今回は、TOEFL iBT®の試験内容や出題問題、試験対策に加え、TOEFL®のほかの種類についても解説していきます。
TOEFL iBT®とはどんな英語テストなの?

TOEFL®(Test of English as a Foreign Language:トーフル、トフル)は、アメリカ合衆国の非営利教育団体ETS(Educational Testing Service)が、英語を母国語としない人々を対象に開発・制作・運営する、英語でのコミュニケーション能力を測る英語試験です。なお、日本国内においては「CIEE Japan」がTOEFL®の管理をしています。1964年の開始から歴史のある英語試験として、世界150ヶ国以上、11,000を超える大学や機関で実施されており、世界的に認知されています。
TOEFL iBT®のテストは何の役に立つ?
TOEFL®は、主に、アメリカやカナダを中心とした英語圏の大学や、大学院の高等教育機関が英語を母国語としない入学希望者の英語運用能力を判定する際に用いられています。
日本国内においても、早稲田大学や慶応義塾大学、明治大学、法政大学、立教大学、国際基督教大学など、数多くの大学が、大学入試外部検定試験としてTOEFL®を採用しています。アメリカやカナダなどの英語圏の大学・大学院への進学や日本の大学への進学にもTOEFL iBT®のテストは活用できます。
TOEFL®の種類について教えて
種類 | 概要 |
---|---|
TOEFL iBT® (Internet-based Test) | 世界的に主流となっているインターネット方式によるTOEFL®のテスト。 |
TOEFL PBT® (Paper-based Test) | 紙を用いた筆記方式で、一部の国のみ採用されているTOEFL®のテスト。 |
TOEFL CBT® (Computer-based Test) | iBT®と同じくインターネット方式のテスト。iBT®の導入に伴い現在は廃止。 |
TOEFL ITP® (Institutional Test Program) | 教育機関や企業を対象とした、団体向けのTOEFL®テスト。 |
◆TOEFL iBT®(Internet-based Test)
TOEFL iBT®は、インターネット方式によるTOEFL®のテストです。世界では2005年、日本では2006年に導入が開始されました。インターネットが普及している現在は、世界的にTOEFL iBT®が主に採用されています。テスト会場にインターネットを通じて試験問題が配信され、各受験者は、用意されたデスクトップPCもしくはノートPCのいずれかのパソコンを使って解答します。「リーディング」、「リスニング」、「スピーキング」、「ライティング」の英語4技能を評価します。
◆TOEFL PBT®(Paper-based Test)
TOEFL PBT®は、TOEFL®テストが1964年に開始された当初から採用していたテスト方式です。文字通り、紙を用いた筆記方式の受験方法です。現在もインターネットの普及が遅れている、アフリカやアジアの発展途上国での受験は、TOEFL PBT®が採用されています。以前は「リーディング」、「リスニング」、「グラマー(文法)」で試験項目は構成されていましたが、現在は「グラマー」に代わり、「ライティング」の3項目が出題されています。
◆TOEFL CBT®(Computer-based Test)
TOEFL CBT®は、TOEFL PBT®のような紙媒体ではなく、コンピューター(パソコン)を使う方式となります。日本国内で現在主流となっているTOEFL iBT®も、コンピューターを使って解答しますが、「TOEFL iBT®の元祖」とも言えるテスト方式がTOEFL CBT®なのです。紙媒体で行うTOEFL PBT®と同じく、TOEFL CBT®もリスニング、リーディング、ライティングの3つの項目から問題が出題されます。日本におけるTOEFL CBT®は、2000年にTOEFL PBT®に代わり導入されました。その後、2006年にTOEFL iBT®が開始された影響に伴い、TOEFL CBT®は「日本を含めて全世界で廃止」となっています。
◆TOEFL ITP®(Institutional Test Program)
TOEFL ITP®は、TOEFL®テストの団体向けのプログラムです。教育機関を中心に世界50ヶ国、2,500以上の団体で実施されています。日本においても、大学、大学院、高等学校、官庁、企業など500以上の団体で採用されています。筆記で行う「ペーパー受験」と、2020年4月から開始されたインターネットとパソコンを使用して試験を行う「デジタル受験」の2つの受験方式があります。紙ベースのTOEFL PBT®の過去に出題された問題が使用されています。
TOEFL iBT®ではどんな問題が出題される?

セクション | スコア | 制限時間 | 問題数 |
---|---|---|---|
Reading(リーディング) | 0~30点 | 54~72分 | 30~40問 |
Listening(リスニング) | 41~57分 | 28~39問 | |
Speaking(スピーキング) | 17分 | 4課題 | |
Writing(ライティング) | 50分 | 2課題 |
◆Reading(リーディング)
リーディングのセクションでは、学術的な場面で、英語を読むことができ、かつ理解できるかを評価します。約700の単語を使用して作成された、3~4つの英文を読み、各英文に対して質問が10問出題されます。英文は、大学で使用される教科書から抜粋された文章が多くなっています。
◆Listening(リスニング)
リスニングのセクションでは、基本的に毎回北米の大学という設定の元、キャンパスで交わされる会話や大学の講義の英語を聞いて理解できるかを評価します。会話の問題は、話し手2人による4分程の会話を2~3つ聞き、各会話につき5問の質問が出題されます。講義の問題は、話し手1人による3~5分程の講義を3~4つ聞いて、1つの講義に対して6問の質問が出題されます。
◆Speaking(スピーキング)
スピーキングのセクションでは、学術的な場面で、適切な英語が話すことができるかを評価します。大学内外で遭遇する場面を想定した、4つの課題が出題されます。「Independent Speaking Task」と呼ばれる課題1では、自分の考えや意見、経験に基づいた発言が求められます。課題2~4は「Integrated Speaking Task」と呼ばれ、スピーキングにリスニングやリーディングの英語スキルも組み合わせて評価されます。
各課題の前には、15~30秒、準備をする時間が与えられます。その後、45~60秒で発言します。発言は、ヘッドセットのマイクを使って録音され、公平性を保つため、AIと試験官によって採点されます。
◆Writing(ライティング)
ライティングのセクションでは、学術的な場面で書く英語能力が評価されます。課題は2つ提示され、1つは20分の間に、短い英文を読む仕組みです。英語の講義を聞いた後、その内容を記述します。文字数は、150語~225語が目安です。もう1つは、自分の経験や意見に基づいた題材からエッセイを書く課題です。文字数は300語が目安です。採点は、スピーキングと同様、AIと試験官によって行われます。
4つのセクションでスコアは合計で120点満点です。TOEFL iBT®テストをはじめ、英検®やIELTSなど、英語試験として、英語4技能を評価して総合的に英語力を測る傾向が顕著になっています。
TOEFL®のテスト対策をするには?
TOEFL®に限らず英語試験の対策を行う際は、初めに、自分の英語力を把握してから、学習目標を立てることが大切です。何の学習をしないまま、英語試験を受験して、自分のレベルを確認することもできますが、受験するからには準備をして臨むのが良いでしょう。
*TOEFL®TEST, TOEFL iBT®TEST and TOEFL ITP®TEST are registered trademarks of Educational Testing Service (ETS).
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