竹林先生
TOEFL ITP® 「リスニング対策」にはこれが大事!
TOEFL(トーフル) ITP®の問題は、TOEIC(トーイック) L&R®と同じで全て4択問題です。どちらもアメリカのETSという会社が作っていますから、問題形式も似ていますね。なので記述問題が苦手な人には、やりやすいテストです。
さてリスニング問題の問題構成は以下の通りです:
リスニング セクション: ・Part A = 2人の会話(1人1文ほど)を聞く ・Part B = 2人の会話(Aより少し長め)を聞く ・Part C = 基本1人によるやや長めの英文を聞く 合計50問
「英文を聞いて、その内容について答える」という形式が続いていくので、数をこなしてペースをつかめれば決して満点も夢ではないセクションです。
Part AもBもCも、流れる英文の長さは違えど、英語自体の難易度には大きな差は無いので、まずリスニングの理解度を限りなく100%に近づける事が大切です。聞いた英語を心の中でリピートし(声に出してリピートする「シャドーイング」はレベルが高いので、初心者は声に出さなくてもOK)、1回で内容(情景)を把握・イメージできるようにするのを目標にしましょう。
内容さえ正しく理解してしまえば、選択肢のうち誤った選択肢は、明らかに本文と違う内容を言っています。TOEFL®やIELTSのような、イヤな引っかけはほぼありません。「内容さえ理解できてれば満点を狙える」これを常に頭に入れて練習して下さい。
ただ、人間は少ない情報量でも、意外とすぐに忘れてしまう事があります。聞いている時には理解できていても、問題文を聞く頃には「あれ? 何て言ってたっけ?」となる事はないでしょうか。そういう人は、本文の音声を聞いた後にいったん音声を止めて、「今はどんな事を話してたろう?」と思い出す訓練をしてみて下さい。最初は忘れてしまう事が多くても、この練習を重ねていくうちに思い出せる情報量が増えてきます。
更に慣れてくれば、聞きながら「ここの情報は問題で問われそうだ」などと感づく事も出来るようになっていきます。リスニング問題は「聞き取れる」のみならず「聞いた内容を短期間覚えていられる」事も大切だという事を忘れないで下さい。
音声を聞いたらいったん止めて、聞いた内容を思い出してみる! この練習を繰り返す! リスニング問題は「聞き取れる」のみならず、「聞いた内容をいかに覚えていられるか」が勝負。
英語が聞き取れない人はどうしたらいい?
では、そもそも英語が聞き取れない、という人はどうしたらいいでしょう?
英語が聞き取れない最大の要因は「自分自身が英語の音読に慣れていない」こと。自分が英語を声に出して練習した量と、耳で聞き取れる量は比例すると言っていいでしょう。英語が聞き取れない、という人はまず、リスニングのスクリプトを音読してみて下さい。つかえず、スムーズに読めるでしょうか。発音が分からない単語は無いでしょうか。あったら、オンラインの辞書で調べましょう。オンラインの辞書なら、発音を再生して自分でその場で真似てみることが出来ます。
発音が分かったら、文全体を音読する。最初は地道にこの作業を繰り返して下さい。音読に慣れてきたら、音声を流し、ネイティブの速度と同じ速度で音読できるよう心掛けて下さい。それがある程度こなせるようになったら、問題集を解いてみましょう。TOEFL ITP®の問題集をやり尽くしてしまったら、TOEIC®や英検のリスニング問題集も使いながらこの練習をするといいでしょう。
英語が聞き取れない人は「音読」の練習を! 「耳で聞き取れるかどうか」は、「自分がスムーズに発音できる英語の量」に比例する!
TOEFL ITP® 「文法セクション対策」にはこれが大事!
リスニングの次は「Structure and Written Expression」というセクションが始まります。これは完全に文法問題です。イメージとしては大学受験問題に出る文法問題そのものです。そのため、大学受験の英語を勉強した経験がある人なら、満点もあり得るセクションです。ぜひこのセクションで点を稼ぎたいですね。問題構成は以下の通りです。
Structure and Written Expression セクション: ・英文の中の空欄に入れるべき単語やフレーズを4択から選ぶ ・下線が引いてある箇所の中から文法的誤りを含む箇所を選ぶ 合計40問
ただ、「ラクに」満点が取れるかというとそうでもありません。それなりに難しいです。では、どんな事に注意して勉強すればいいでしょうか。
まず、空欄補充の問題で頻出なのが「文構造」と「品詞」の理解が必要な問題です。空欄に入るのが、その文の「主語」にあたるのか、「動詞」にあたるのか、「目的語」なのか「副詞」なのか・・などに気を配る問題です。
例えばこちらの文:In the bookstore, ( ) ……
このような出だしで始まる英文があった時、( )に入るものは文の何にあたるでしょうか。まず、文の最初に「In」があります。「In」は前置詞です。「前置詞」で始まるものは、文の「主語」にはなれない、という文法ルールは把握しているでしょうか。つまり、「In the bookstore」の部分は、文の主語ではないという事が分かります。この前置詞を伴う句が終わる空欄の部分に、初めてこの文の「主語」が入るはず。ここまでは「文構造」の知識で導き出せます。
そしてここからは「品詞」で答えを導いていきます。「主語」の品詞は必ず「名詞」になります。なので、もし選択肢がこうなっていたら:
- A) the staff
- B) is open
- C) convenient
- D) cheaply
品詞で言うと、Aが名詞、Bが動詞、Cが形容詞、Dが副詞、となります。なのでAが正解だろうとなるわけです。空欄の後の文を見なくても、ほぼ答えが分かります(空欄の後を見ないと答えが判別できない問題もあります)。
なので「文構造」と「品詞」を勉強し直してみましょう。とはいっても、この2つをしっかり勉強させてくれる問題集って意外と少ないものです。問題集を解いて学ぶ、というよりは、リーディングの文を読む時にこの2つを意識してみましょう。なんとなく文の意味がわかる、ではなく、「ここからここまでが主語で、これが動詞で、ここからここまでが副詞句で・・」みたいに、文構造を解釈しながら読んでみる。また、品詞に関しても、単語を辞書で調べる時に必ず品詞も見て、品詞を今まで以上に意識して下さい。ちなみに品詞は、動詞なら「動」、形容詞なら「形」と、単語の意味の隣に書いてあるはずです。
文法問題では「文構造」をまず意識! どこからどこまでが主語なのか、どこに動詞や副詞があるか、等。選択肢の単語の「品詞」もよく把握し、品詞が分からない単語は辞書で調べよう。
誤りを含む下線を選ぶ正誤問題では、名詞と代名詞に特に注目しましょう。「代名詞」は身近な単元に感じるかもしれませんが、them, their, theirsなどの違いを混同している人が時々いるので、しっかり区別できるようにしておきましょう。
例えば問題で「their office」という部分に下線が引いてあったとする。
「their」という代名詞は複数形の名詞の代名詞な訳ですから、その複数形の名詞が何なのか、文をさかのぼって探してみましょう。複数形の名詞が無ければ、その「their」が間違っているということです。
また、「go to house」のような、名詞を含む箇所に下線が引いてあった場合。可算名詞が単数形だったら、冠詞(a/the)や所有格などを付けないといけないという文法ルールがあります(go to schoolのような一部熟語を除く)。なのにこの「house」にはそれが付いていません。したがってここが間違いだとすぐにわかります。代名詞と名詞に関する問題は、正誤問題では頻出なので特にお気を付けください。
特に復習し直すべき文法単元は?
もちろん、ここで挙げたのは「特に頻出」問題です。それ以外の文法も、例えば助動詞、動名詞、不定詞、分詞構文、比較、接続詞、関係詞などの項目は必須と言えます。他にも受動態、現在完了、過去完了、仮定法、特殊構文などの知識も、英文を読むのに大切ですから、できれば復習したいところです。これらを学ぶのは、大学受験用の文法問題集が一番良いかと思います。
一方で、TOEFL ITP®には、英訳和訳問題は出ませんから、「和訳」に注意が必要な、無生物主語、名詞構文、部分否定、関係詞の非制限用法などの和訳の仕方については、復習は特に無用かと思います。
TOEFL ITP® 「リーディング対策」にはこれが大事!
リーディングの文章は、5つのパッセージが出され、それぞれ300語程度の長さです。一般的な日本の高校生が読み慣れていない長さだと思うので、しっかり対策をしてから試験に臨みたいですね。
リーディング セクション: ・長文1:10問 ・長文2:10問 ・長文3:10問 ・長文4:10問 ・長文5:10問 合計50問 (うち問題の種類:) ・文の内容に関するもの:6~7割ほど ・単語の意味や、代名詞が何を指すか問うもの:3~4割ほど
学術系の内容なのに専門知識は不要?
文章の内容は学術的なものになるので、生物、歴史、科学などにまつわる文章もある程度読みこなす必要があります。とはいえ、いわゆる専門用語を覚える必要まではありませんし、歴史や科学の知識が無くても文意を理解することは可能です。よく「自分の専攻科目と違う内容だから読みにくかった」と言う人がいますが、基本的にはどんな分野の人でも全ての文意が理解できるはずです。背景知識や専門単語を増やすよりかは、この長さの英文(1長文300語ほど)を読み通せるようになる事の方が大事です。
単語力に自信がある人は、単語の問題で点を稼げます。代名詞「it」や「they」が何を指しているか問う問題を含めると、単語系の問題が10問中4問を占める長文も少なくありません。つまり単語問題が分かるだけで、半分近く得点出来てしまうのです。単語は英検準1級レベルのものが多いので、このレベルの語彙に強くなっておきたいです(熟語はあまり出題されない)。
文の内容に関する問題が半分以上を占めるわけですが、本文の内容をきちんと理解できていればさほど怖くありません。誤りの選択肢は、明らかに本文と違う事を言っているからです。意地悪なひっかけはまずありません。ただ、この「本文の内容をきちんと理解」するのが大きな壁となる人も多いでしょう。さっきも述べたように、内容が学術的だからです。
学術的な文章では、複数の事柄や名前が出てくることが多くなります。例えば歴史の文章なら、○○革命やら××戦争など。これらの情報が頭の中でこんがらがらないように、1つ1つ「これはこれ、それはそれ」と整理しながら読むことが大切です。
また、読めているつもりでも正しい和訳を頭の中で作れていない時がよくあります。時間を気にせず、1回文全体を日本語訳してみましょう。たいていの問題集は日本語訳が付いているので、自分の和訳(および理解)が正しいか、1文1文確認してください。「どうしてこの英文がこの日本語訳になるんだろう?」という箇所があれば、先生などに聞いて解決しましょう。「和訳できない英文が1つも無い」状態に近づけることを目指して下さい。
リーディングに専門単語や背景知識を覚えるのは無用! 文章をしっかり読めていれば誰でも問題を解ける! 読めてない感じがする時は、1文1文和訳してみよう。TOEFL ITP®は単語問題が3~4割を占めるので、英検準1級レベルの単語を覚えるのもスコアアップの近道。
TOEFL ITP®のスコアの算出方法は? 何点満点?
竹林先生
TOEFL ITP®でお勧めの教材は?
竹林先生
TOEFL ITP全般の対策をするなら
TOEFL ITPリスニング強化なら
文法を総復習するなら
TOEFL ITP リーディング強化なら
まとめ
竹林先生