英語を扱う能力の高さを証明する英検®を受けたいという方もいるのではないでしょうか。
英検®に合格するためには、一次試験と二次試験でそれぞれ合格基準を越えるスコアが必要です。
今回は英検®を受検する方に向けて、英検®のCSEスコアの概要や配点、合格点などについて解説していきます。
この記事を読むことで以下の3つのことがわかります。
●英検®CSEスコアの概要
●英検®の配点や合格基準
●英検®合格のための学習のポイント
今回は、英検®の受験において必要な持ち物や、用意をしておくと役に立つアイテムについて紹介します。
英検CSEスコアの採点基準
英検はこれまで全科目の合計点のうち、何点取れれば合格するという仕組みで合否が決まっていました。
そのため、科目別のバランスが悪くても合計点が必要基準を満たしていれば問題ありませんでした。
しかし、2016年になってから、グローバル化にともなって英語力を国際的な指標で評価できるような仕組みが作られました。
それがCSEスコアです。4つの技能のスコアが均等に割り振られるため、どの技能が苦手なのかがわかりやすくなりました。
CSEスコアが導入されてからの英検®は、自分の成果が数値化できるようになったため、より具体的な目標設定ができ、これまで以上に勉強の計画が立てやすくなりました。
合格までの自分の距離感を把握できるので、どのくらい努力すれば合格に届くのかある程度判断しやすく、効率良く学習を進めることができます。
ちなみに、CSEスコアは統計的な手法を用いてスコアを算出しているため、毎回同じ正答数でも同じスコアが算出されるというわけではない、という点は押さえておいたほうが良いでしょう。
英検の配点や合格点
級 | リーディング | リスニング | ライティング | 合計点 | 合格ライン |
---|---|---|---|---|---|
5級 | 425 | 425 | ー | 850 | 419 |
4級 | 500 | 500 | ー | 1,000 | 622 |
3級 | 550 | 550 | 550 | 1,650 | 1,103 |
準2級 | 600 | 600 | 600 | 1,800 | 1,322 |
2級 | 650 | 650 | 650 | 1,950 | 1,520 |
準1級 | 750 | 750 | 750 | 2,250 | 1,792 |
1級 | 850 | 850 | 850 | 2,550 | 2,028 |
級 | スピーキング | 合計点 | 合格ライン |
---|---|---|---|
3級 | 550 | 550 | 353 |
準2級 | 600 | 600 | 406 |
2級 | 650 | 650 | 460 |
準1級 | 750 | 750 | 512 |
1級 | 850 | 850 | 602 |
英検準2級を受けたとして、一次試験の英検®CSEスコアが1,500だった場合、あと少しで英検®2級が合格できるレベルに自分が到達しているということがわかります。 また、スピーキングだけは二次試験として独立しているので、3級以上の試験を受ける方はスピーキングがある程度できるようになっておくことが必須条件といえるでしょう。
ちなみに、英検には筆記とスピーキングテストは面接で行う通常の英検®の試験とは別に、パソコンを使用して試験を行う「英検S-CBT」という試験もあります。
英検®S-CBTの受験日は、従来の英検®より多く設定されていて、1日でスピーキングを含むすべてのテストを行います。
出題内容自体は変わることはないので、どちらの方式で受けるとしても総合計の点数や合格点は変わりません。
合格点を取るための効率的な勉強法
英検を受ける方は、配点の仕組みを理解してそれに合わせて、効率的な勉強法に取り組むことが大切です。
2015年までは科目ごとに点数のバランスが悪く、採点に偏りがあっても合格することは可能で、特に気にする必要はありませんでした。
先述している通り、2016年からはCSEスコアという評価制度が導入されたため、各科目でバランス良くスコアを獲得することが重要になっています。
合計点は同じでも、スコアのバランスが良いほうがCSEスコアは高くなる傾向にあるといえるでしょう。
以下では、科目ごとの効率的な勉強法について解説します。
リーディング
リーディングは文法問題や短文、長文読解などの問題が出題されます。
どちらを解くとしても、以下の3つは必ず押さえておく必要があります。
- ●単語、熟語の知識
- ●文法力
- ●読解力
単語は基本的に日常で使われる程度のレベルのものが出題されることがほとんどです。
ただ、2級よりも上のレベルになってくると、あらゆる分野における専門用語の単語の知識が必要になってくることがあります。
あまりにも難しい単語は把握しておかなくても問題ありませんが、時事・ニュースで良く見るレベルの単語は押さえておいたほうが良いでしょう。
とはいえ、日常で使われるレベルの単語でも、勉強しないと知らないままのものも少なくありません。
単語帳や実際の過去問を使って復習する中で覚えていきましょう。同じような形式で熟語も身につけることができます。
文法は過去形や現在進行形などといった名称がついたものが多く、それらは英文を組み立てるためのパーツとなるので、何十種類も存在します。
直接的に問題として出題される場合もあれば、英文を読解していく中で必要とされることもあります。
それらは文法問題のテキストを通じて押さえておけば、さほど難しくありません。
できれば、ライティングのことも視野に入れて、ただその文法の答えがわかるというだけでなく、自分が組み立てる文章にも多用できるようにしておいたほうが良いでしょう。
読解力は過去問などを通じて、文章の読み方を掴むことが何よりも大切です。
学校の英語の授業などでは、英語をわざわざ日本語に置き換えて答えを発表するようなこともありますが、それを試験でもやっていくような時間はありません。
単語を見て、頭の中でそれがどんな意味なのかをイメージして、ざっとした文章の意味を把握して読み進めていくことが必要です。
同時に、文章全体が起承転結で構成されているのか、それとも結論から始まって文章が展開されているのか、といった文章の構造を意識しながら読めるようになると、問題が解きやすくなります。
大抵の場合は、どのスキルや知識でも過去問で身につけることが可能なので、過去問を積極的に使っていきましょう。 ただし、1級を受けるとなるとあらゆる分野の知識を身につけることが求められるため、英字新聞を読んだり、字幕なしで洋画を観たりするなど、英語を生活レベルに落とし込んでいくことが必要となってきます。
リスニング
リスニングは受ける試験のレベルが上がるにつれて、読まれる英語のスピードや使われる単語のレベルも上がってきます。
1級にもなると、リスニングの内容が時事・ニュースやその他専門分野の内容が増えてきて、普段から英語に馴染みがないとわからないような単語も多数出題されます。
しかし、そこまでのレベルでなければ、リスニングの基礎的なスキルを身につけて、過去問のリスニングの内容が聴き取れれば問題なく解けます。
過去問や参考書などを活用しつつ、繰り返し聞き取りの練習をしましょう。
自分自身である程度自然な発音で読み上げられない単語は聴き取ることができません。
赤ちゃんが日本語で話している周囲の会話を聞いて、少しずつ話せるようになってはじめて、日本語が扱えるようになることと同じです。
そのため、リスニングの過去問の本文を何度も読み、繰り返して聴くことが大事です。
リスニングはリーディング以上に速く、単語から情景をイメージすることが求められます。
単語から情景をイメージすることに時間がかかるという方は、まずは視覚的に単語が見えているリーディングでそのスキルを身につけてから、リスニングの速度で文章の内容が掴めるように練習していくと良いでしょう。
また、本番でのリスニングの解き方として、聞き取れなかった単語はスルーして、推測で埋め合わせるスキルも必要です。
聴き取れなかった単語にとらわれてしまうと、他の単語が聞き取れなくなり、何も情報が入ってこないことにつながってしまいます。
聴き取れた単語をつなぎ合わせて話の流れを推測する、という意識を持ち、普段からリスニングの学習に取り組んでみてください。
ライティング
ライティングは日常生活で起こりうるトピックについて、自分の意見やそれに基づく理由を50~60語程度の英文でまとめる形式で解答していきます。
英作文を作るには単語や文法の知識が必須となり、その知識があれば、ある程度文章を組み立てることはできます。
しかし、それだけでは満点を取ることはできません。文章全体の構成を意識しながら英文を作っていくことが必要です。
次の3つの流れを意識して英文を作っていくと読みやすい文章になります。
- 質問に対する意見とその理由を簡潔に箇条書きでまとめる
- 結論、その結論を支持する理由2つ、結論を簡潔にまとめた結びの文の流れで英文を書く
- 文章全体を見て、矛盾がないかどうか、文法やスペルミスがないかどうか確認する
解答時間の目安は20分とされていて、1と3を5分程度、残った時間で2を行っていくのが理想的といわれています。
その時間内でこなせるように意識しつつ、過去問を使って自分よりも英語が得意だという方に添削してもらいながら、何度もトレーニングしてみてください。
それと同時に、過去問等を活用してどのようなトピックが良く出題される傾向にあるのか、ということにも注意しておいたほうが良いでしょう。 そうすると、どんな単語の知識や専門的な知識を身につけておけば良いのかはっきりするため、ライティングの練習がしやすくなります。
スピーキング
スピーキングは二次試験に出題される項目で、面接形式で行われます。
まずは、問題が記載されているカードに書かれたパッセージの音読をして、それからパッセージにかかわる質問がいくつか面接官から質問されます。
その後、イラストに関する問題が出題されて、それに関する自分の意見を聞かれます。
他にも、問題を出題される前には面接官とのちょっとした会話もあります。スピーキングは、他のどの項目よりも経験によって大きく左右されやすい傾向にあります。
そのため、英語が得意の友人や知り合いなどに頼んで面接官役をしてもらって、英語での面接に慣れていく練習をすることをおすすめします。
英語を話す時には、ただ単に思い浮かんだ文章をそのまま読むのではなく、意味のまとまりごとにわかりやすく伝えてあげることで、相手にとっても自分にとっても会話がリズミカルに進んでいきやすくなります。
また、英語での言葉のやり取りも大事ですが、入退室のあいさつやアイコンタクト、聞き取りやすい声などのコミュニケーションの仕方といった面も評価対象として見られます。
いくらうまく英語で会話ができても、相手が不快に感じてしまう態度を取ってしまうと、その分減点されてしまいます。
相手にとって心地良いとまではいかなくても、それなりにきちんとした態度で面接に望むようにしましょう。