英検は、TOEIC同様に知名度の高い英語資格の一つです。
5級から1級まで、7つに級が分けられています。
そのなかでも英検2級以上を取得すれば、大学入試や就職などで有利になるといわれています。
英検2級は、ビジネス英語のスキルがあると評価されたり、大学入試の優遇措置を受けられたり、取得するとメリットが大きいのです。
このような背景から、英検2級取得を考えている方が多くいるのではないでしょうか。
この記事では、英検2級の概要、合格率、難易度、勉強法について詳しく紹介します。
英検2級の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください!
英検2級の概要
英検2級の試験は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験に合格しなければ、二次試験に進めません。
英検2級の試験がどのような形式で出題されるのか、合格率や難易度はどのくらいなのか、解説します。
出題形式
英検2級の出題形式は以下の通りです。
一次試験は、筆記85分とリスニング25分の計110分で構成されています。
二次試験は、面接形式のスピーキングテストで、面接委員と約7分間の面接があります。
一次試験
筆記 | リスニング | |
試験時間 | 85分 | 25分 |
求められる技能 | ・リーディング ・ライティング | リスニング |
解答形式 | マーク式 (英作文のみ記述式) | マーク式 |
二次試験
スピーキング | |
試験時間 | 約7分 |
求められる技能 | スピーキング |
解答形式 | 個人面接 (面接委員1人) |
難易度
英検2級の難易度の目安は、高校卒業程度とされています。
大学入試と同程度の難易度と考えると良いでしょう。
試験で扱われるテーマも、日常生活に関するテーマが多い準2級と比べると、テクノロジーなど、社会性のあるテーマが出題されることが特徴です。
合格点
英検では、技能ごとにCSEスコアと呼ばれる指標で合格判定がされています。
一次試験は、リーディング・リスニング・ライティングの合計スコアをもとに、合否を判定しています。
英検2級の場合、一次試験はリーディング・リスニング・ライティングそれぞれ650点満点で、合計で1,520点以上が合格点です。
二次試験は、650点満点で460点が合格点とされています。
ただし、各問題の配点が公表されていないため、自己採点ができないのが特徴です。
合格率
現在、日本英語検定協会の公式ページでは、各級の合格率は非公開となっています。
以前は合格率が公開されており、2016年に発表された高校生の合格率は、一次試験が34%、二次試験は80.4%でした。
一次試験は、約3人に1人しか合格できていませんが、二次試験では80%の方が合格しています。
合格率から考えると、一次試験を突破できれば、英検2級に十分に合格できるといえるでしょう。
英検2級はどれくらいのレベル?
英検2級のレベルは高校卒業程度といわれています。
社会生活に必要な英語を理解し、使用できる英語力があると認められます。
平均的な高校3年生程度の英語力があれば、十分合格できる難易度です。
早い時期から英語学習に取り組んでいる方は、高校1年生や2年生の時点で合格する方もいます。
英検2級の難易度を測るために、下位である準2級、上位である準1級と必要な単語・語彙数を比較してみると、以下のようになります。
必要な単語・語彙数
- 準2級合格に必要な単語・語彙数:2,600〜3,600語
- 2級合格に必要な単語・語彙数 :3,800〜5,100語
- 準1級合格に必要な単語・語彙数:7,500〜9,000語
また、TOEFLやIELTSと比較すると、英検2級はTOEFL iBTが35〜60点、IELTSが4.5点相当となります。
英検2級、TOEFL、IELTSのそれぞれの試験は、「読む・書く・聞く・話す」の4技能を測定し、英語の技能を総合的に評価します。
英検2級に合格することは、海外留学や移住を考える方にとって自分の英語力が今どれくらいなのかを判断する一つの指標にもなるでしょう。
英検2級で出題される内容
次に、具体的にどのような問題が出題されるかみてみましょう。
前述したとおり、一次試験は「リーディング・ライティング・リスニング」の3技能、二次試験は「スピーキング」の試験が実施されます。
リーディングの内容
リーディングは、次の3つの形式で出題されます。
準2級と比べると、出題される内容は社会的なテーマが多いことが特徴です。
出題形式 | 出題数 | 詳細 |
短文の語句の空所補充 | 20 | 会話文や短文の空所に合う語句を補う (単語、熟語、文法が問われる) |
長文の語句の空所補充 | 6 | 長文の空所に合う語句を補う |
長文の内容の一致選択 | 12 | 長文内容に関する質問に答える (トピックはEメールや歴史・環境、社会などの説明文) |
ライティングの内容
ライティングは、指定されたトピックについての英作文を書く問題が1問のみ出題されます。
ライティング以外の解答方式は、マーク式ですが、ライティングは記述式問題です。
質問に対する自分の意見と、その理由を80〜100語の英文で書きます。
準2級と比べると出題形式は似ていますが、指定語数が多くなっています。
そのため、より詳細に英文を書く力が試されます。
リスニングの内容
リスニングは次の2種類の形式で出題されます。
放送は1回のみのため、聞き逃さないようにしましょう。
出題形式 | 出題数 | 詳細 |
会話の内容一致選択 | 15 | 2人の会話のあと、その会話に関する質問に答える |
文の内容一致選択 | 15 | スピーカーによるナレーションのあと、そのナレーションに関する質問に答える |
スピーキングの内容
スピーキングテストは、二次試験で実施されます。
面接委員1名と一対一の面接形式で、試験時間は約7分程度です。
出題形式 | 出題数 | 詳細 |
音読 | 1 | 60語程度のパッセージを20秒で黙読したのちに音読 |
パッセージについての質問 | 1 | 音読したパッセージについての質問に答える |
イラストについての質問 | 1 | 3コマイラストの展開を説明する |
受験者自身の意見など (問題カードに関する意見) | 1 | トピックに関して受験者自身の意見などを述べる |
受験者自身の意見など (問題カード以外に日常の一般的なトピックに関する意見) | 1 | 日常の一般的なトピックに関して受験者自身の意見を述べる |
英検2級を取得する意義
英検2級では、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能すべてのスキルが問われます。
合格すれば、高校卒業レベルの4技能すべてをバランスよく身につけていることの証明となり、大学受験、就職、海外留学などに活かせるでしょう。
大学によっては、英検2級取得者に対してAO入試や推薦入試で一定の点数を加算するなどの優遇措置を取っている大学もあります。
また、英検2級は履歴書でも評価されるレベルです。
英語力が必要な外資系企業ではなくても、語学力が求められるシーンはどの業界でも考えられます。
英検2級を取得すれば、転職先の幅も広がるでしょう。
さらに、海外留学にも有効です。
現在、アメリカを含む大学約400校で、英検準2級以上が留学時の英語力証明として認められています。
英検2級合格に必要な勉強時間
英検2級合格に必要とされる勉強時間は、学習開始前の英語レベルによって左右されます。
一般的な勉強時間の目安は、以下となります。
- 高校生や大学生:100時間前後
- 社会人:150時間前後
1日2時間のペースで勉強すると仮定すると、試験の3か月ほど前から勉強すれば、合格のための対策をひと通りできるでしょう。
英検2級の勉強法
ここからは、英検2級に合格するための勉強方法を解説します。
語彙や表現をマスターし、過去問を繰り返し説いて出題パターンに慣れることが合格へのカギです!
リーディングの勉強法
リーディングの点数を伸ばすには、英検2級の語彙力をつけることが重要です。
英検2級用の単語帳や過去問を使って、知らない単語を集めた単語帳を作るとよいでしょう。
また、長文を素早く理解することも大切です。
日頃から英語のニュースを使って長文を読む訓練をしてみましょう。
長文を読むスピードが上がり、余裕をもって回答できるようになるでしょう。
英検2級の語彙力を増やすのであれば、以下の単語帳がおすすめです。
「英検2級 でる順パス単」は、過去5年分の過去問から出題されやすい単語順に効率的に覚えられます。
単語を単体で覚えるのではなく、その単語を使った例文を自分で作ってみましょう。
自分で単語を使ったほうが記憶に残りやすく効果的です。
\ これを見ればリーディング対策が網羅できる!/ライティングの勉強法
ライティングは唯一の記述式問題であるため、英作文が必要です。
単語のスペルも正しく書けなければなりません。
過去問や問題集を使用し、出題されるテーマの難易度をつかみ、「意見→理由→まとめ」の解答構成パターンを覚えましょう。
解答構成は以下のパターンが基本です。
目安の単語数は80〜100語です。
構成のポイント
- 意見:トピックに対して賛成か反対か立場を明確にする
- 理由:具体例を挙げながら、自分の意見を根拠づける理由を2つ述べる
- まとめ:最後に意見をまとめる
単語のスペルも正しく書けなければなりません。
日々の出来事を英文で書く習慣をつけると、ライティング力と語彙力がグッと向上します。
また、試験では難しい単語を使って書く必要はありません。
正しくスペルアウトできる使い慣れた単語と基本構成を使って、明確に伝わる英文が書けるようにしましょう。
\ 英検2級ライティング問題の難易度ってどれくらい?/リスニングの勉強法
リスニング力向上には、英文を聞きながら自分で発声する、シャドーイングという学習方法が適しています。
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら続けて英語を復唱していくことです。
シャドーイングを繰り返すと、英語を英語の語順のまま理解する訓練になるのです。
また、リスニング力だけではなく、選択肢を素早く読み取るリーディング力も必要です。
試験でリスニングの音声が流れる前に、選択肢を先読みし、どのような内容か予測しながら音声を聴くことがカギとなります。
問題集を使って、選択肢の先読みと内容を予測する訓練をしましょう!
スピーキングの勉強法
二次試験で求められるスピーキング力は、ほかの技能のように机上の勉強ではなかなか身に付きません。
一番効果的なのは、英語力のある方に面接官の役を演じてもらい、話す訓練をすることです。
身近にそのような方がいない場合は、オンライン英会話を活用し、英会話講師に面接練習をお願いしましょう。
練習をする際は、自分の音声を録音し、文法の間違いや正しく答えているかを確認し、改善点を見つけましょう。
二次試験対策としては、以下の問題集がおすすめです。
10回分の二次試験を動画で体験できるため、試験の流れを体に覚えさせることができます。
また、二次試験で使えるフレーズ集について、以下で詳しく紹介しています。
面接前に、ぜひ確認してみてください。
\ 二次試験で使えるフレーズを紹介!/英検2級は入試や就活に役立つ?
英検2級を取得すると、大学入試や就職などで有利になると前述しました。
そのほかにも、英検2級を取得すると、以下のようなメリットがあります。
- 高校生が受験すると、勉強自体が大学入試対策になる
- 高校生が英検2級に合格すると大学入試において、出願資格が得られる、英語の試験が免除される、得点に加算される、などの優遇措置が受けられる
- 大学生が英検2級に合格すると単位が認定される、海外留学に必要な英語力があると証明できる、就職活動で履歴書に記載すれば英語力をアピールできる
- 社会人では英語が必要な仕事に就くときに有利になる
- 英語が求められる職場では英検2級以上がのぞましいとされているため、キャリアップにもつながる
もちろん、英検2級よりもさらに高い級位のほうが英語力を証明しやすくなるため、2級をステップとして準1級、1級を目指すのも良いでしょう。
英検対策するならバークレーハウス
今回は、英検2級の概要、合格率、難易度、勉強法について解説しました。
英検2級は、市販のテキストを使った独学でも合格は目指せると思います。
しかし二次試験対策は、独学で身に付けるのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
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