2021/08/10

「CD IELTS」とは?コンピューターで受験するIELTS

この記事を書いた人

バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

2019年3月にスタートしたコンピューターで受験するIELTS—「CD IELTS」と呼ばれているこの英語試験は、従来の筆記形式のペーパー受験のIELTSとどのような違いがあるのでしょう。

今回は、そのような気になる点も紹介しながら、CD IELTSについて特徴から問題形式と内容、注意点、対策まで解説します。

目次

CD IELTSとは?

CDは”Computer Delivered”の頭文字の“C”と“D”を取った略で、CD IELTSとはコンピューターで受験するIELTSのことです。

「出題内容」、「質問タイプ」、「難易度」、「採点方法」、「成績証明書」は筆記方式のペーパー受験のIELTSと変わりありません。

IELTSは「リーディング」、「リスニング」、「スピーキング」、「ライティング」の4技能を測ることにより、英語を母国語としない人の英語力を総合的に判断できるため、英語圏におけるほとんどの教育機関で採用されています。
また、英語圏に移住する人を対象とした英語力を測るための試験としてもIELTSは認められているのです。

コンピューター受験のCD IELTSもペーパー受験のIELTSと同様に、用途に合わせて「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類のテストが用意されています。

「アカデミック」はイギリスをはじめアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの英語圏への大学や大学院などの学校へ留学・進学する人が受験するテスト。

「ジェネラル」は英語圏への学業以外の研修を検討している人や移住・永住を希望している人が受けるテストとして知られています。

CD IELTSの特徴は?

コンピューターで受験するCD IELTSの特徴としてまず挙げられるのは、「リーディング」、「ライティング」、「リスニング」のテストがコンピューターを使って行われることです。

すべて選択問題であるTOEFLやTOEICなどのほかの英語試験と異なり、IELTSの場合「リーディング」と「リスニング」でも記述によって解答する問題も出題されます。

「ライティング」だけではなく、「リーディング」と「リスニング」についてもコンピューターのキーボードを使ってタイピングで行います。

選択問題についてはコンピューターのマウスでクリックして選ぶことになります。

そのため、CD IELTSは特に、普段からコンピューターの扱いに慣れている人にはおすすめといえます。

「リーディング」の穴埋め問題はコピペでも解答ができるため、写し間違えを防げます。

また、「ライティング」では、コンピューターのモニターに文字数カウントが表示されるので、瞬時に文字数の確認が可能です。

さらに、タイピングで削除機能も使えるため、筆記テストのように間違えを消しゴムで消して修正する手間が省けます。

「リスニング」では、ペーパー受験のIELTSは試験会場で1ヶ所のステレオから受験者全員がリスニングの問題を一斉に聞く形式ですが、コンピューターで受験するCD IELTSは受験者1人ひとりが専用のヘッドフォンを使って問題を聞き取ります。

そのため、鉛筆で書く音や咳払いなど雑音が一切聞こえなくなり、リスニングの問題がクリアに集中して聞くことができます。

なお、「スピーキング」の受験方法はコンピューター受験のCD IELTSもペーパー受験と同じく、試験官との1対1の面接形式で行われます。

試験結果についても、ペーパー受験の場合はテストが終わってから13日後にわかりますが、CD IELTSは半分以下の3~5日後に試験結果を知ることができます。

また、受験料はどちらも同じく25,380円(税込)です。

CD IELTSの問題形式と内容

CD IELTSのテストは「リスニング」、「リーディング」、「ライティング」の順番で行われ、その後に休憩を挟んで同日または別の日に「リスニング」テストが行われます。

以下に、それぞれのテストの問題形式と内容を紹介しますので、CD IELTS受験に向けてぜひ参考にしてください。

リーディング

リーディングの問題形式は、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールともに、ペーパー受験のIELTSと同じで、3セクションに分かれていて、試験時間は60分です。

問題内容については「アカデミック」と「ジェネラル」で異なります。それぞれの問題内容を以下に紹介します。

CD IELTSアカデミック

【リーディング問題内容】

3つのセクションごとに長文が1つ含まれています。文章はすべて実際に流通している書籍、雑誌、新聞からの抜粋で、特に、イギリスやアメリカ、カナダ、オーストラリアなど、英語圏での大学や大学院への進学をする人に適した学術的な内容です。

その内容は、説明的で事実を述べるものから、推論的で分析を要するものまで様々。

表、グラフ、イラストなどの言葉だけではない要素が含まれる問題もあります。

専門知識は必要とせず、一般向けの文章で、専門用語が含まれる場合は簡単な注釈がつけられています。

【主な質問のタイプ】

  • ・選択肢問題
  • ・情報を識別する(真/偽/与えられていない)
  • ・筆者の見解/主張を識別する(はい/いいえ/与えられていない)
  • ・見出しの選択
  • ・情報・内容の一致
  • ・文章、要約、表などの完成
  • ・図表完成
  • ・簡単な質問

CD IELTSジェネラル

【リーディング問題内容】

セクション 内容
セクション 1 2〜3の短い事実に即した文章から出題されます。そのうちの1つは複数の文章が混合されています(例えばホテル広告など、テーマに関連した6〜8の短い文章で成り立っています)。
テーマは、英語圏の国での日常生活に関するものです。
セクション 2 仕事関連(例:応募、会社の方針、賃金と就業条件、職場施設、職員の育成とトレーニング)に焦点を当てた2つの短い文章から出題されます。
セクション 3 一般的なトピックを扱った、比較的長めで複雑な文章から出題されます。

【主な質問のタイプ】

  • 選択肢問題
  • 情報を識別する
  • 見出しの選択
  • 情報・内容の一致
  • 文章、要約などの完成

Reading サンプル問題・答案

Making time for science

Chronobiology might sound a little futuristic – like something from a science fiction novel, perhaps – but it’s actually a field of study that concerns one of the oldest processes life on this planet has ever known: short-term rhythms of time and their effect on flora and fauna.

This can take many forms. Marine life, for example, is influenced by tidal patterns. Animals tend to be active or inactive depending on the position of the sun or moon. Numerous creatures, humans included, are largely diurnal – that is, they like to come out during the hours of sunlight. Nocturnal animals, such as bats and possums, prefer to forage by night. A third group are known as crepuscular: they thrive in the low light of dawn and dusk and remain inactive at other hours.

Questions 1–7

Do the following statements agree with the information given in Reading Passage 1?
In boxes 1–7 on your answer sheet, write

TRUE : if the statement agrees with the information
FALSE : if the statement contradicts the information
NOT GIVEN : if there is no information on this

1 Chronobiology is the study of how living things have evolved over time.
2 The rise and fall of sea levels affects how sea creatures behave.
3 Most animals are active during the daytime.
(引用:British Council

今回はReadingで、典型的なTFNG(True/ False/ Not Given)問題を見ていきます。それぞれ解答は以下のようになります。
. False
. True
. Not Given

ライティング

ライティングの問題形式はアカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールともに、ペーパー受験のIELTSと同じで、60分の試験時間で2つのタスクが与えられます。

ライティングの問題内容もリーディング同様「アカデミック」と「ジェネラル」とでは異なります。以下がそれぞれの問題内容とサンプル問題です。

CD IELTSアカデミック

【ライティング問題内容】

タスク 内容
タスク 1 グラフ、表、図を提示され、情報を要約して自分の言葉で説明するよう求められます。
データの選択と比較、プロセスの説明、オブジェクトの説明、または何かがどのように作用するかを説明します。
タスク 2 意見、論点、問題についてエッセイを書くことを求められます。

タスク1、タスク2ともに解答は、アカデミックかつセミフォーマルでニュートラルな文体での記述が求められます。

Task 1のサンプル問題をご紹介します。

The graphs above give information about computer ownership as a percentage of the population between 2002 and 2010, and by level of education for the years 2002 and 2010.

Summarise the information by selecting and reporting the main features, and make comparisons where relevant. Write at least 150 words.

サンプルアンサー

The bar charts show data about computer ownership, with a further classification by level of education, from 2002 to 2010.

A steady but significant rise can be seen in the percentage of the population that owned a computer over the period. Just over half the population owned computers in 2002, whereas by 2010 three out of four people had a home computer.

An analysis of the data by level of education shows that higher levels of education correspond to higher levels of computer ownership in both of those years. In 2002, only around 15% of those who did not finish high school had a computer but this figure had trebled by 2010. There were also considerable increases, of approximately 30 percentage points, for those with a high school diploma or an unfinished college education (reaching 65% and 85% respectively in 2010). However, graduates and postgraduates proved to have the greatest level of ownership in 2010, at 90% and 95% respectively, 20 percentage points higher than in 2002.

The last decade has seen a substantial growth in computer ownership in general, and across all educational levels.
(引用: British Council)

CD IELTSジェネラル

【ライティング問題内容】

タスク 内容
タスク 1 与えられた状況にあわせて、情報を要求したり、状況を説明する手紙を書くように求められます。手紙は、個人的なものである場合もあれば、セミフォーマル、フォーマルな文体を求められる場合があります。
タスク 2 意見、論点、問題についてエッセイを書くように求められます。エッセイは、アカデミックライティング・タスク2と比較すると、個人的で、改まった文体は求められません。
簡単に採点基準を見ると
「Task Response/ Task Achievement(データを上手く要約できているか)」
「Coherence and Cohesion(一貫性とまとまりがあるか)」
「Lexical Resource (語彙や表現の精度と幅広さはあるか)」
「Grammatical Range and Accuracy (文法の精度と幅広さはあるか)」
という4つのポイントになります。

リスニング

CD IELTSのリスニングの問題形式はペーパー受験のIELTSと同じで4つのパートに分かれています。

試験時間がCD IELTSのほうが若干短くなり30~34分程度。ペーパー受験のIELTSは、最後に答えを解答用紙に書き込む時間が「10分」設定されていますが、CD IELTSはタイピングで解答するため、その分短くなります。

問題内容はアカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュール共通です。以下に問題内容とサンプル問題を紹介します。

【CD IELTSリスニング問題内容】

パート 内容
パート 1 日常生活における2人の人物による会話が出題されます。 (例:宿泊施設の予約など)
パート 2 日常生活におけるモノローグが出題されます。(例:地域の施設に関する描写、または会議の食事の手配に関する説明など)
パート 3 教育や研修現場での最大4人の会話が出題されます。(例:課題を議論し合う大学教授と学生、またはプロジェクトを計画するグループ内での議論)
パート 4 学術的なテーマに関するモノローグが出題されます。 (例:大学の講義)

リスニング サンプル問題・答案

Section 1 Question 1-10

Question 1-5
Complete the note below.
Write no more than two words and / or a number for each answer.

今回は試験の最初のパートであるPart1を使用します。このパートは典型的にこのような穴埋め問題が出題されます。

音声を聞きながら該当箇所にワードを入れていく問題で、IELTSのListeningの中では最も難易度が低いものになります。

では、スクリプトを見ながらいくつか問題を見ていきましょう。

まずはの問題です。スクリプトの該当箇所はこちら。

Woman: Well, if you catch a railway express, that’ll get you there in under an hour … Let’s see – yes, if you can make the 9.30am express, I’d recommend you do that.

(電車を使用すれば一時間以内に到着することが出来るでしょう。もし9時30分の急行に乗ることができるのであれば、それをおすすめします。)

とあるので、解答は「9:30」です。

次に、2の解答は「Helendale」となっています。この問題はIELTSで特徴的な問題タイプなのでぜひカバーしておきましょう。

パート1ではかなり高い確率でこのようなスペリングの問題が出てきます。書き取るものは人や場所の名前、電話番号など様々ですが、特徴としては、一度フルで単語を読み上げてから一つずつスペルや数字を読み上げてくれるというところです。スクリプトでの該当箇所はここです。

Man: Great. Which station does that leave from?
Woman: Helendale is the nearest train station to you.
Man: Did you say Helensvale?
Woman: No, Helendale – that’s H-E-L-E-N-D-A-L-E

この問題は読み上げた音を書き取るだけで点数が取れるので、必ず落とさないように練習しておきましょう。

最後に3の問題を見ましょう。

解答は「Central Street」ですが「Shopping Centre」と入れてしまった人は少なくないと思います。

該当箇所のスクリプトを見ていきましょう。

Woman: Well, hang on a minute while I look into that … Now, it seems to me that you have two options. Option one would be to take the 706 bus from the Bayswater Shopping Centre to Central Street. When you get there, you transfer to another bus which will take you to the station. Or, the second option, if you don’t mind walking a couple of kilometers, is to go directly to Central Street and get straight on the bus going to the train station.

スクリプトの赤い部分を見ると、
一つの選択肢はBayswater Shopping CentreからCentral Streetへ行く706のバスを使うこと
とあります。つまり、このバスは
Central Street行き
ということになり、Shopping Centreは出発地になります。

スピーキング

スピーキングの問題形式はCD IELTSもペーパー受験のIELTSと同様、試験官による1対1のインタビュー形式になります。

「アカデミック」、「ジェネラル」双方のモジュールで問題内容は同じで、以下のとおりです。

【CD IELTSスピーキング問題内容】

パート 所要時間 内容
パート 1 4~5分 自己紹介とインタビュー:
試験官の自己紹介、パスポートのチェック、本人確認が行われます。試験官は身近なテーマ(家族、仕事、研究、興味など)に関して一般的な質問をします。
パート2 3~4分 スピーチ:
試験官からタスクカードが渡され、準備時間1分が与えられます。タスクカードには特定のテーマとスピーチでカバーできるポイントが書かれています。鉛筆と紙が渡されるのでメモをとることが出来ます。準備時間が終わったら、テーマについて1~2分間で話します。その後、試験官が1つか2つの質問をします。
パート3 4~5分 ディスカッション:
試験官はパート2のテーマに関連した質問をします。受験者は一般的な問題や意見を述べる機会が与えられます。

CD IELTSを受験する際の注意点

コンピューターを使って受験するCD IELTSの注意点は、コンピューターの扱いに慣れていなくて、キーボードを使ったタイピングがあまり得意ではない場合は不利になることが挙げられるでしょう。

タイピングで書く「ライティング」はもちろん、「リーディング」では解答をマウスでクリックするだけでなく、タイピングによる記述も行います。

また、「リスニング」は、従来のペーパー受験のIELTSでは、音声を聞いたあとに、解答用紙へ答えを書き写す時間が10分間与えられますが、CD IELTSは音声終了後、解答の見直し時間として、わずか2分しか与えられません。

問題を聞くと同時に解答するか、各パートを聞き終わるごとにかなりのスピードのタイピングで解答する必要があります。CD IELTSを受験するためには、コンピューターがある程度使いこなせてタイピングが問題なくできるようにしておくことが大事です。

CD IELTS試験対策を教えて

CD IELTSの試験対策は、コンピューターやキーボードの扱いが十分にできるようになること以外は、従来のペーパー受験のIELTS試験対策と違いはありません。

前述のとおり、コンピューター受験、ペーパー受験、両方の問題形式や内容は同じです。

ここでは、IELTSの試験対策として、以下のブリティッシュ・カウンシルが運営する無料で利用できるIELTS練習試験サイトを紹介します。

IELTSの運営機関ブリティッシュ・カウンシルが実施するIELTSのテストが練習できるサイトです。

「リーディング」、「ライティング」、「リスニング」の問題はオンラインで出題され、解答は解答用紙をダウンロードして鉛筆で記入する方式で練習を行います。

「スピーキング」のテストも練習できるようになっていて、問題とスピーキングの解答例が音声とスクリプトでも確認できるようになっています。

独学でIELTSの練習試験サイトを利用して、IELTS対策を行うのもよいですが、ある程度のスコアを狙うためには、IELTS対策を専門にしているスクールで教わることで効果を実感できるでしょう。

IELTS対策なら、IELTS満点講師も在籍するバークレーハウス語学センターにお任せください。問題を解くためのテクニックや学習法なども徹底的に教えます。

https://berkeleyhouse.co.jp/wp-content/uploads/2024/01/ielts_free-counseling-2401_cta.jpg
Page
top