英語の資格試験を受験しておくと、進学や就職の時に有利に働きます。
一言で英語の資格試験といってもさまざまで、それぞれに適した目的があるため、自分の目的に合った試験を選ぶことが大切です。
海外の大学への進学や留学には必須といわれている「TOEFL」は、日本国内の大学受験にも役立ちます。
今回は、TOEFLが大学受験に役立つ場面とスコアの活用例、対策などについて詳しく解説します。
TOEFLが大学受験に役立つ場面とは?
TOEFLと聞くと、「留学や海外の大学への進学に活用できる」という印象を持っている方は多いのではないでしょうか。
実は、TOEFLは日本国内の大学受験にも役立つのです。
日本では、英検やTOEICと比較するとTOEFLの知名度は低い傾向にありますが、近年は日本国内の大学でも、主にAO試験などの推薦入試でTOEFL iBTのスコア提出を課す大学が増加しています。
TOEFLのスコアは、大学受験においては英語試験の免除、または点数の加点に用いられ、この優遇の規定が設けられているのは私立大学に多い傾向が見られます。
国公立大学においては、TOEFLをはじめとする外部の英語試験のスコアによって優遇の規定が設けられている大学は少ないため、志望校が国公立大学の場合は注意が必要です。
優遇規定の適用については大学によって異なり、全学部適用されることもあれば、一部の学部のみ適用される場合もあります。
また、基準スコアを満たさなければ出願できない大学もありますので、注意しましょう。
大学受験におけるTOEFLスコアの活用例
大学受験において、TOEFLのスコアが活用できる例を詳しく紹介します。
英語試験の免除の場合
某A大学の入試では、国際社会科学部で、ある程度のTOEFL iBTスコアを取得していれば、英語試験の免除が適用される制度を設けています。
英語試験が免除され、試験科目の英語の点数に換算されるTOEFL iBTスコアは下記の通りです。
- TOEFL iBT42点以上…100点
- TOEFL iBT48点以上…110点
- TOEFL iBT54点以上…120点
- TOEFL iBT62点以上…130点以上
- TOEFL iBT70点以上…140点
- TOEFL iBT100点以上…150点
大学によっては、学部を限定せず、すべての学部で、TOEFLスコアが適用され、英語の点数に換算して、英語試験が免除される大学もあります。
英語試験の加点の場合
TOEFLのスコアが〇点以上の場合、英語試験の点数の〇倍や〇点を加点するといった制度です。
某B大学の入試では、全学部が対象で以下のような、英語試験の得点に加点される制度が設けられています。
- TOEFL iBT42点以上…得点を1.1倍に加点
- TOEFL iBT72点以上…得点を1.2倍に加点
出願要件の場合
出願要件とは、出願するために必要な条件のことを指します。
某C大学の場合は、文学部・経済学部・政策創造学部の中で特定の学科にのみ限り、TOEFLのスコア42点以上を対象とした出願要件を設けています。
条件を満たしていない場合は、出願ができないため注意が必要です。
英語試験免除、加点といった優遇や出願要件の他にも、入試の際に自己PRの1つとしてTOEFLのスコアを参考にしている大学はあります。
TOEFL資格は、大学受験において役立つ場面は多いといえるでしょう。
TOEFLは海外大学の進学にも役に立つ!
海外の大学進学を希望している場合は、TOEFLやIELTSといった英語試験を避けて通ることはできません。
海外の大学の入学審査ではTOEFLやIELTSなどの英語テストのスコアと高校での成績が必要になるためです。
要求されるスコアは大学によって異なるため、確認はかならずしてください。
目安としては、TOEFL iBTでは70点〜100点が求められるケースが多く見られます。
たとえば、アメリカの大学に進学を希望していて、TOEFL iBTのスコアが60~70点の場合は、受験できるアメリカの大学はほとんどが州立大学になります。 私立大学ではほとんどの大学が80点以上のスコアを要求しているため、70点以下の場合は、受験が可能な大学が限られてしまう可能性があるでしょう。
TOEFLスコアが80点以上の場合、受験ができる大学は日本でも知名度が高く合格率が低い、いわゆる競争率が高い大学が増加します。
しかし、いずれも人気の高い大学のため、大学側で提示されているスコアは最低ラインと考えておきましょう。
全米でトップ50位内にランクインするような私立大学は、ほとんどの大学で100点以上のスコアが求められます。
アイビーリーグの1つであるプリンストン大学では108点という非常に高いスコアが要求されます。
全米大学ランキングにおいて、常に上位ランキングに入る大学への進学を目指すのであれば、非常に高い英語力が求められます。
TOEFLでも満点に近い点数を取る必要がある、と認識しておきましょう。
海外の大学進学や留学において、TOEFLのスコアは必須といっても過言ではありませんが、アメリカの大学は基本的に学力を重視しています。
もっとも、大切なのはこれまでの学校(高校や大学など)の成績で、英語力はその次です。
TOEFLにのみ注力し、学校での成績や他の教科がおろそかになってしまっては本末転倒ですので、注意しましょう。
TOEFLスコアで英語力を見られるということは、大学での英語授業についていけるか、スムーズにキャンパス生活を送れるかということを判断する材料にするためなのです。
海外大学の進学を考えている方は、ぜひ以下のページをご一読ください。
海外の大学進学までの流れや海外大学に進学するメリット・デメリットなど、海外大学への進学について詳しく紹介しています。
TOEFLの対策はどうすべき?
日本国内の大学受験、海外の大学進学のどちらにおいてもTOEFLは役立ちます。
では、TOEFLを受験するのにあたり、具体的にどのような対策が効果的なのでしょうか。以下では、TOEFL対策について、解説していきます。
セクション別の対策を立てることが大事
TOEFLは「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」の4つのセクションで構成されている英語の試験です。
そのため、セクション別の対策を立てることが大事になってきます。
リーディング
リーディングセクションでは、試験が始まるとメモ用の紙3枚と鉛筆を渡されます。
そして3〜4の長文を読み、30~40問の質問に解答します。
試験時間は、54〜72分です。
リーディングセクションの対策として効果的な方法は、日頃から論文などの著者が意見を述べている英文に触れておくことです。
英文をスピーディーに読めるかどうかが、リーディングで重要なポイントの1つです。
リスニング
リスニングセクションは、講義形式と会話形式の2つのタイプがあります。
試験時間は、41〜57分です。
問題数は28~39問で、講義や教室での議論・会話に関する質問に答えます。
リーディングとは異なり、リスニングでは講義や会話の内容を確認し直すことができないため、注意が必要です。
対策としては、試験で出題される講義や会話の内容に合わせた、アカデミックな音声に日々触れておくことが効果的です。
聞いている時にメモを取ることができるため、メモを取る力も必要であるといえるでしょう。
スピーキング
TOEFLのスピーキングセクションは2つのタスクが出題されます。
身近な話題について意見を述べるIndependent Taskと、読んだり、聞いたりした内容を要約するIntegrated Taskの2つです。
試験時間は17分で、問題数はIndependent Taskが1問、Integrated Taskが3問の合計4問で構成されています。
スピーキングセクションは配布されたマイク付きのヘッドホンを装着して、PCに自分の声を吹き込む形式です。
Integrated taskではリーディングとリスニングの能力も必要です。
対策としては英語の講師やネイティブスピーカーを相手に話す練習をして、発音やイントネーションの間違えを指摘してもらい、正しい発音とイントネーションを身につけていくことが効果的です。
また、流暢さが求められるため、沈黙したり、言葉に詰まったりすることは避けなければいけません。
日頃から英語でコミュニケーションを取ることが必要不可欠といえるでしょう。
ライティング
TOEFLのライティングセクションは、スピーキングと同様のIntegrated Task とIndependent Taskの2つのタスクによって構成されています。
試験時間は合計50分で、問題数はそれぞれのタスクから各1問、合計2問です。
Integrated Taskでは、読んだり、聞いたりした内容を要約する設問が出題され、Independent Taskでは自分の意見を記述することが求められます。
Integrated Taskは、与えられた文章を3分で読み切り、音声の内容を英語で20分以内にまとめます。
Independent Taskでは、自分の考えを30分でまとめて、書いていく必要があります。
どちらも文字数の規定が設けられているため、それを満たさなければなりません。
Integrated Taskでは、書くだけでなく、リーディングとリスニングのスキルも必要で、Independent Taskにおいては、自分の意見をまとめる際に、語彙力も求められます。
対策としては、ネイティブスピーカーや英語の先生などに添削してもらう方法がおすすめです。
また、どのセクションにおいても共通している重要な対策は、語彙力の強化です。
知らない単語があると、答えられない問題も多いため、重点的に語彙力のアップを図る勉強をするようにしましょう。
必ず問題集・過去問を解き、試験に慣れておくことが大切
TOEFLの対策として、TOEFLの問題集や過去問を解いて、試験の慣れておくことが大切です。
問題集や過去問を使って、勉強する際には、実際の試験時間を計って、問題を解いていきます。
そして、問題集や過去問を解き、答え合わせをして、間違えた箇所は、繰り返し復習して、最後には違えないようになるまでにしましょう。
TOEFLの最新の形式の説明やそれぞれのセクションの詳細な対策は以下のページで紹介しています。
TOEFLスコアで何点を目指すのがベストなの?
大学受験において、TOEFLのスコアを活用する場合は、受験予定の大学が公開している受験要項を参考にします。
求められるスコアは大学によって異なるためです。
目安としては、日本国内の大学ではTOEFL iBTスコアで、45〜70点以上、海外の大学では70〜100点以上といわれています。
帰国子女の方の大学受験においても、出願の際にTOEFLのスコア提出が義務となっている学校がほとんどです。
帰国子女大学受験では、東京大学などの最難関大学は、TOEFL iBTスコア105点以上、早稲田大学・慶應大学などでは100点以上が求められます。
それぞれの状況はもちろん、志望する大学が、日本国内の大学なのか、海外の大学なのかということでも異なるため、志望校や希望する進路が決まったらすぐに、必要とされるTOEFLスコアを確認しておくようにしましょう。
TOEFLの試験勉強は一般入試でも役立つのか?
大学入試に役立つTOEFLのスコアですが、一般入試において、TOEFLの勉強は役立つのでしょうか。
TOEFLの試験勉強はあくまでも「TOEFLの試験対策」のため、一般入試に直接役立つとは限りません。
大学受験に必要な語彙力や知識とは異なるため、TOEFLの試験勉強を一般入試の勉強に置き換えることはおすすめできないといえるでしょう。
しかし、ますますグローバル化が進むことは間違いない状況で、将来外資系企業への就職や海外移住を検討している方にとっては、英語力を伸ばすことは大切なことです。
TOEFLは4つの技能を測り、総合的に英語力を評価できる英語の資格試験であることから、英語力を証明するために、受験をしておくことはメリットであることに間違いありません。
まとめ
TOEFLは海外の大学進学や留学を希望している受験生にとって必須である英語の資格試験として知られています。
最近では、日本国内の大学受験においても役立つことが認知されています。
日本国内の大学受験でTOEFLのスコアは、英語試験の免除、英語試験の加点などの優遇や出願要件として活用できます。
海外の大学へ進学する場合は、日本国内の大学受験で求められる目安のスコアよりも高いスコアが必要になるため、学校での成績や他の教科の勉強はもちろん、TOEFLの対策もしっかりと行うことが大切です。
求められるスコアは大学によって異なるため、目標とすべきスコアは受験予定の大学が公開している受験要項を参考にしましょう。
受験勉強とTOEFLの対策を同時に進行することが難しい、という方は、TOEFLの対策を専門に行っている語学スクールに通うことも1つの手です。
TOEFL対策講座を専門に行っているバークレーハウスでは、過去2年、500名以上の卒業生で、TOEFLの目標スコア達成率95%以上の実績があります。
プライベートレッスン、グループレッスン、Zoomレッスンなど、さまざまな形態の中から、レベルや都合に合わせてレッスンを選ぶことができます。
バークレーハウスのTOEFL対策講座について詳しくは、以下のページをご覧ください。
実際のTOEFL対策講座が無料でお試しいただける「無料体験レッスン」もご用意しています。
レベルをチェックするうえでも、ぜひ一度無料レッスンをお申し込みください。