TOEFLは、世界各国で英語力の証明に使われている英語技能テストです。
TOEFLは海外留学の際にスコア提出を求められる他、自身の英語能力を把握するといった意味でもよく受験されています。
しかし、日本ではTOEICの方が広く普及しているため、あまりなじみのない方もいると思います。
本記事では、TOEFLの種類や試験内容、スコア、TOEICとの違いなどについて解説していきます。
海外留学を検討している学生や社会人、TOEFLに興味がある人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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TOEFLは、Test of English as a Foreign Languageの略称です。
TOEFLは世界中で実施されており、160か国以上で英語力を認定するのに使用されています。
もちろんスコアは公式に英語力を保証するものであり、英語圏の大学への留学・入学時の基準としても認められています。
TOEFLの種類とは
TOEFLには様々な種類があり、受験するべきテストは時と場合に応じて異なります。
間違えずにTOEFLを受験するためにも、ここではTOEFLの種類について解説していきます。
TOEFL iBT
ibtは “Internet Based testing” の略称で、コンピューターからインターネットに接続して受験します。
今は自宅で受験することも可能ですが、基本的には試験会場で用意されたパソコンを使って受験することになります。
試験はリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションで構成されています。
TOEFL ITP
ITPは “Institutional Test Program” の略称で、団体向けの試験です。
リーディング、リスニング、グラマーの3つのセクションで構成されています。
また、Level1と難易度を下げたLevel2があります。
TOEFLを受験するメリットとは
次に、TOEFLを受験するメリットについて、具体的に説明していきます。
海外への留学や移住に役立つ
海外の大学では、英語力の判定基準としてTOEFLを使用しています。
TOEFLやIELTSといった英語能力試験のスコア抜きでは入学を認めないという大学も多く存在します。
つまり、TOEFLを受験しなければ留学することはできないと言っても過言ではありません。
また、オーストラリアやニュージーランドなどでは移住権の申請にTOEFLのスコアを活用できますので、スコアを所持しておくことは手続き上の意味でもメリットがあります。
実践的な英語力が身につく
TOEFLを受験する際には英語の4技能を高めることが必要となり、必然的に4技能を勉強することになります。
そのため、TOEFLを受験することで英語力を多角的に向上させることができます。
特に、スピーキングとライティングは実践的な英語力向上につながります。
また、学校の授業でスピーキングやライティングを学習する機会はなかなか得られないと思います。
その点では、他の英語学習者との明確な差別化ができるでしょう。
大学入試で優遇される
文部科学省による英語民間試験の推奨もあり、AO入試や推薦入試にTOEFLのスコアを活用する大学が増えています。
出願時の条件に含まれていることもあり、注意しなければなりません。
TOEFLのスコア提出によって英語試験が免除になる制度等もあり、大学受験においてTOEFLのスコアを持っていることは有利に働くと言えるでしょう。
TOEFLを受験するデメリットとは
続いて、TOEFLを受験する上で避けては通れないデメリットについて、解説していきます。
試験が長時間に及ぶ
試験時間はおよそ3時間であり、長丁場の試験となります。
そのため、体力的な負担が少なからずあります。
また、写真撮影や身元の確認など、入室前のチェック作業にも時間がかかります。
受験料が高い
TOEFLの受験料は245ドルです。
1ドル100円としても換算すると24,500円、1ドル140円では34300円にもなり大変高額です。
TOEICが7810円、英検1級が11,800円であることを考えれば、TOEFLの受験料が特に高額であることが分かります。
タイミングにもよりますが、円高の時期に受験すると少し料金を安く済ませることができるかもしれません。
金額的にも気軽に受けられる価格設定ではありませんので、一回一回の試験を大事にするという意識を持つようにしましょう。
TOEFL iBTテストの試験内容
次に、TOEFL iBTテストの試験内容について解説していきます。
リーディング(Reading)
リーディングセクションでは、学術的な内容の長文読解が3〜4パッセージ出題されます。
題材は自然科学や社会科学、芸術といった幅広い分野の教養科目から選ばれます。
1パッセージあたり約700語で設問数は10題です。
リスニング(Listening)
リスニングセクションでは、講義形式と会話形式の2種類が出題されます。
講義形式は3〜4題で設問数は各6問です。
会話形式は2〜3題で設問数は各5問です。
講義形式で出題される題材は、リーディングセクションと同様に多岐に渡ります。
会話形式も様々な題材から出題されるのですが、授業の休講連絡や窓口での相談といった大学生活に関係する問題も見られることが特徴と言えるでしょう。
スピーキング(Speaking)
スピーキングセクションでは、マイクで声を録音するという形で試験が実施されます。
スピーキング能力のみを使用する“Independent task”と、他の英語能力を同時に使用する“Integrated task”の2種類があります。
- Independent taskは1問のみ出題され、質問に対して自分の意見を述べることを求められます。
- Integrated taskでは、文章を読み、それに関連した英文を聞き取り、最後に質問に対して話の流れに合うように答える問題が2問出題されます。
また、文章を読み、内容に基づいて質問に答えるという問題も1問出題されます。
ライティング(Writing)
ライティングセクションでは、キーボードを用いてタイピングすることでパソコンに解答するという形式で試験が進行します。
リスニングと同様に、“Integrated task”と“Independent task”の2種類が存在しますが、1問ずつの出題です。
- Integrated taskでは、短いパッセージを呼んだ後に英語で反対意見が述べられます。読み取った文章と聞き取った意見とを対比させつつ、150〜225語程度でまとめることを要求されます。
- Independent taskでは、トピックに対する自分の意見を300語以上で述べることが求められます。
TOEFLのスコアの目安とは
TOEFLスコアについて、あまり詳しくは知らないという方も多いと思います。
そこで、TOEFLスコアと目安について解説していきます。
日本人のTOEFL平均点
TOEFLの運営元であるETSによると、TOEFL iBTテストにおける日本人の平均スコアは120点満点中73点です。
点数の内訳はリーディングとリスニングが19点、ライティングが18点、スピーキングが17点となっています。
英語で発信する能力に弱みを抱える日本人が多いのかもしれませんね。
また、TOEFL ITPテストにおける日本人の平均スコアは677点満点中473点です。
点数の内訳はリーディングとリスニングが48点、グラマーが47点となっており、各セクションに差がないことが特徴的と言えます。
TOEFLで目指したいスコアの目安
TOEFL iBTの50〜60点が英検2級に相当すると言われています。
海外の大学に出願する際の最低ラインが60点ですから、最低でもこれくらいの点数はとりたいところです。
一般的には70〜80点が入学時の基準ですが、こちら英検では準1級に相当します。
TOEFL ITPの場合では、460〜542点でよく使われる語彙や表現、説明文を理解できるレベルとされます。
日本人の平均スコアはこの範囲に含まれます。
337〜459点で英検準2級から2級、627〜677点で英検1級に相当します。
TOEFL対策のポイントとは
TOEFL対策のポイントは3つ挙げられます。
一つ目に、「頻出単語を覚えること」です。語彙力を高めることで長文読解中につまずく箇所が少なくなり、リーディングセクションで安定した成績を残せるようになります。
また、類義語をまとめて覚えておくとライティングセクションで同じ単語を使い続けることがなくなり、高評価に一歩近づくことができますよ。
二つ目は、「問題集を繰り返し解いて傾向や苦手分野を把握すること」です。
難しい文章が数多く出てきますので、問題に慣れておくことは非常に重要です。
また、タイピングが遅いとライティングの際に困ってしまうので、英作文をパソコンに打ち込む練習も忘れずに行っておくとよいと思います。
ラスト3つ目に、「セクションごとに対策を立てて学習すること」です。
たとえば80点を目標にするとき、すべてのセクションで20点を目指す必要はありません。
外国語である以上、どうしても人によって4技能の中に得意不得意があると思います。
長所を伸ばし、短所を無くしていくかが、スコアを伸ばす秘訣です。
どのような得点配分を目指すのか、ある程度考えてから勉強をスタートすることをおすすめします。
TOEFLとTOEICの違いとは
最後に、TOEFLとTOEICとの違いについて紹介します。
TOEICとは
TOEICは“Test of English for International Communication”の略称で、英語でのコミュニケーション能力を判定するための試験です。
使用目的としては、日常生活やビジネスの場を想定しています。
TOEFLとTOEICの違い
TOEFLとTOEICの違いとしては、次のようなものが挙げられます。
活用目的
TOEFLは海外留学に利用されることが多く、入学時に英語力を判定、証明する目的で使われます。
また、移住権の申請などにも関わってきます。
一方、TOEICはビジネスでの活用を目的としています。
就職の選考基準や昇格昇進の条件として使用されることも多いですね。
試験の内容
TOEFLは4技能の試験を一度に受験します。
一方で、TOEICはリスニングとリーディング、スピーキングとライティング、スピーキングのみ、の3種類の試験にわかれています。
試験問題の傾向
TOEFLは留学を目的としているため、学術的な内容を取り扱います。
会話などもありますが、その内容は大学生活に関連したものに限られます。
一方、TOEICはビジネスの場、および日常生活をテーマにした出題となっています。
まとめ
TOEFLは世界共通の英語能力測定テストで、スコアを英語能力の証明として留学などのシーンで用いることができます。
4技能試験であり、学術的な文章を読み解き、耳で理解し、意見を述べ、正確に書き記すことを求められます。
TOEFLは4技能試験であり、学術的な場面での英語運用能力を問う試験です。
そのため、2技能試験であり、日常生活やビジネスシーンを念頭に置いたTOEICとは明確に区別する必要があります。
TOEFLは受験料が高額であり、また試験に長時間を要することから、気軽に何度も受けられるというものではありません。
したがって、対策を練り、努力を正しく積み重ねたうえで、一発本番のような気持ちで試験に臨まなければなりません。
しかし、TOEFLの知名度は日本ではあまり高くなく、参考書選びや勉強法などに困ることがあるかもしれません。
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