TOEFLは世界各国で英語力を証明する際にもちいられる英語4技能テストです。
英語の4技能を身に付けることは難しいですが、中でもスピーキングは対策がしづらく、苦手に感じる方も多い分野です。
この記事では、TOEFLスピーキングにおけるテンプレートの必要性、注意点などについて解説していきます。
TOEFLスピーキングのスコアアップを狙っている方は、是非参考にしてみてください。
TOEFLスピーキングにテンプレートが必要な理由
TOEFLスピーキングの対策法の一つに、テンプレートをあらかじめ作成しておくというものがあります。
たとえば、最初に“ I agree / disagree with this opinion. ”と言って回答を始める、といったようなものです。
ここでは、テンプレートの重要性について解説していきます。
話す内容に集中できる
TOEFLスピーキングでは、短時間で内容を考え、発言する必要があります。
頭の中にあるストーリーを矛盾なく話し切るには文章の構成が重要ですが、一から考えて話すことはあまり現実的ではありません。
一方、テンプレートを使いこなすことができると、構成を考える過程を省略することができるため、本題に集中して考えることができます。
その結果、余計なことを話したり、逆に論理が飛躍したりすることが少なくなり、論点がずれにくくなることも考えられます。
スコアが安定する
テンプレートを用意するためには意見・理由・具体例などをどのような順番で話すのかを前もって決めておく必要があります。
そのため、意見や具体例などが思いついた瞬間にテンプレートに当てはめればよいので、音声が流れてから解答を始めるまでの短い準備時間でも十分に対応することが可能になります。
TOEFLスピーキングにおけるテンプレートの注意点
TOEFLスピーキングを対策する上で、テンプレートは非常に便利です。
ですが、いくつか注意しなければならないことがあります。
ここでは、注意点について説明していきます。
テンプレートはあくまでつなぎ言葉
テンプレートを作ることで話しやすくはなりますが、文章作成の自由度は下がっていきます。
そのため、テンプレートに当てはめることを意識しすぎるとかえってうまく話せなくなる可能性があります。
テンプレートはあくまでつなぎ言葉です。
「流暢さ」での減点を防ぐためのテクニックと言い換えてもよいでしょう。
テンプレートを使用する際には、テンプレートにこだわりすぎず臨機応変に対応する心構えを持つことが重要です。
シンプルにする
TOEFLスピーキングでは採点基準の一つに「流暢さ」があります。
そのため、言葉に詰まって無言になる時間を減らさなければなりません。
あまりに長すぎるテンプレートでは思い出すのに時間がかかる、文章作成の自由度が下がる、といった点からおすすめできません。
構成に必要な内容と、つなぎ言葉だけをテンプレートして記憶するようにしましょう。
全部を覚えようとしない
テンプレートは、試験を受けるうえで心強い味方です。
しかしながら、テンプレートで丸暗記した内容で設問すべてに解答するのはやめましょう。
丸暗記すると応用が利かなくなりますし、採点時に暗記しているのを見抜かれてしまうかもしれません。
もちろん、丸暗記していると判断された場合、高得点を取得することは難しくなってしまうでしょう。
全体の構成と、先に結論から話すことを意識して話すようにしましょう。
Question1の解説
次に、問題の概要とテンプレートの使い方について説明していきます。
まずは、Question1です。
問題の概要
Question1はIndependent Taskという、与えられたお題に対して自分の考えを述べる問題です。
具体的には、「抽象的な質問に対する回答」の問いを読み、問いに対して意見を述べる、という流れになります。
準備時間は15秒、回答時間は45秒です。
テンプレートの流れと得点を伸ばすコツ
Question1では自分の意見を明確にする必要があります。
そのため、まずは自分が賛成、反対のどちらの立場をとるのかはっきりさせましょう。
言い方はさまざまですが、“ I agree/ disagree that〜”“I agree/ disagree with~ ”などが分かりやすくてよいでしょう。
続いて、なぜ賛成 / 反対か、理由を述べます。
“ That’s because〜 ” 、“ To begin with〜 ”などが使いやすいでしょうか。
45秒間という回答時間を考えると、理由は二つ述べることが望ましいですが、難しければ一つでも構いません。
最後に、結論として自分の主張をまとめます。
“ Therefore, these reasons are why I agree / disagree that〜 ”としてもう一度賛成か反対かを述べ、回答を締めましょう。
Question2の解説
次に、Question2について述べます。
問題の概要
Question2では、課題文を読む時間が取られたあと、生徒どうしの会話が流れてきます。
そして、文章から読み取った内容と音声から聞き取った内容とを整理して要約することを求められます。
45秒間のリーディング、リスニングの後、30秒間の準備時間を経て、60秒間の回答にのぞむという流れです。
テンプレートの流れと得点を伸ばすコツ
Question2は“Integrated Task”であるため、他者目線で主張を展開する必要があります。
課題文の種類、主張、理由の順で述べていきましょう。
たとえば、課題文の種類と生徒の主張は“ The man / woman agree / disagree with the announcement which says〜 ”とすることで回答することができます。
理由を答える際には、Question1と同じテンプレートを使用することができます。
また、Question2ではリスニングの内容を正確に把握することが必須です。
集中して会話を聞き取るのはもちろん、自分にとってわかりやすいメモのとり方を研究しておくとよいでしょう。
一つ目の理由と二つ目の理由とをひと目で分かるように書き残すことが重要です。
Question3の解説
次に、Question3について述べます。
問題の概要
Question3では、課題文を読む時間が取られた後、講義音声が流れてきます。
そして、文章から読み取った内容と音声から聞き取った内容とを整理して要約することを求められます。
45秒間のリーディング、リスニングの後、30秒間の準備時間を経て、60秒間の回答に移ります。
会話と講義という違いを除けば、Question2と同じと言えるでしょう。
テンプレートの流れと得点を伸ばすコツ
Question3では、リーディングに関係する内容を前置きしてから話を展開していきます。
前置き段階では“ From the reading passage, ~ ”からはじめると話しやすいです。
その後、講義で提示された具体例について話しましょう。
“ The first / second example describes / demonstrates / illustrates ~ ”といった要領でまとめていけば問題ありません。
最後には要約です。
“ The two examples demonstates ~ ”として、示された例がどのようなものなのか、一文でまとめてください。
メインのトピックと説明する理由、具体例などについては確実にメモを取るようにしましょう。
Question4の解説
最後に、Question4について紹介します。
問題の概要
Question4では、講義を聞いて要約することができるかが問われます。
リーディングがなく、リスニングのみであることが特徴です。
リスニングの後、20秒間で回答の準備をおこない、60秒間で回答します。
テンプレートの流れと得点を伸ばすコツ
Question4では、サブトピックについて説明するパターンと、単語のコンセプトについて説明するパターンとがあります。
そのため、テンプレートは用意しづらく、無理して使う必要はありません。
講義の主題、一つ目の説明、二つ目の説明、という順で話を進めていけばよいでしょう。
Question4の肝はリスニングです。
リスニングをどれだけ正しく聞き取ることができるかがすべてですので、メモを取りながら講義音声に傾注しましょう。
テンプレート以外のTOEFLスピーキングの勉強法
テンプレートの作成のみでTOEFLスピーキングを攻略することはできません。
ここでは、別のTOEFLスピーキング勉強法についても紹介していきます。
過去問題を解いておく
TOEFL iBTではパソコンを使用することが大きな特徴です。
CD-ROMやDVD-ROMの付属したテキストで勉強することで、本番の環境に慣れておいた方がよいでしょう。
また、他の試験と同様に、TOEFLにも出題傾向が存在します。
傾向を知っておくことは、スコアを上げるためには欠かせません。
過去問を使用して問題傾向を理論的に、もしくは感覚的に理解しておきましょう。
他にも、過去問を解くことで、スピーキング力はもちろん、要点をまとめるコツをつかむことができますよ。
短文をつなげてテンポよく話す
TOEFLスピーキングでは、採点基準の一つに「流暢さやテンポ感」があります。
そのため、短文を重ねていく癖を身に付けておきましょう。
なぜなら、長文を一つ作るよりも短い文章を複数作る方が簡単だからです。
日常的に自分の主張や考えを短い英語で話す習慣をつけるとよい練習になります。
自分の声を録音して聞き返す
TOEFLスピーキングではマイクに向かって話すため、慣れるためにもICレコーダーやスマートフォンなどに録音することをおすすめします。
また、作成したテンプレートの分量と話した秒数の確認もしておきましょう。
もしテンプレートで余りにも長い時間を消費してしまっているのなら、テンプレートの文章量を削減する必要があります。
加えて、録音した音声を聴くことで、発音や話すテンポの確認にもなります。
自分の声を録音することに抵抗がある方もいると思いますが、何度もやるうちに気にならなくなります。
ぜひ、一度だけでも試しに録音してみてください。
効率的にメモを取る練習をする
Question2〜4は“ Integrated Task ”であり、音声を聞いた上で回答します。
そのため、スピーキング、リーディング、リスニングのスキルだけでなく、効率的にメモを取る力も求められます。
限られた準備時間で考えをまとめる必要があるため、要点や重要な単語に絞ってメモしなければなりません。
また、メモの精度が上がると、最初から一貫した構成を貫くことにもつながります。
自分なりのメモの取り方を決めておくなどして、安定して話す内容を決めることができるようになると良いです。
リスニング力をつける
TOEFLスピーキングではほとんどの問題で音声をもとに答えをつくります。
そのため、英語を聞き取ることができなければ、たとえ淀みなく英語を話すことができたとしても、スコアが伸びないという結果に終わってしまいます。
スピーキングに力を入れることも大切ですが、リスニングも怠らずに勉強しましょう。
TOEFLスピーキングの判定基準
最後に、TOEFLスピーキングのスコアがどのように算出されるのか紹介します。
TOEFLスピーキングでは、適切な回答ができているか(General Description)の他、3つの観点から総合的に評価されます。
Delivery(話し方)
“Delivery”は流暢さを見る項目で、話すテンポや発音、イントネーションなどで評価されます。
全体として聞き取りやすいかが重要です。
オドオドせずに、ハキハキと話すだけでも採点者に伝わりやすくなりますので、自信を持って話すようにしましょう。
Language Use(言葉の選び方)
“Language Use”は言葉の選び方を見る項目で、単語や熟語の選択から語彙力を判断されたり、文法の理解度を確認されたりします。
表現や語彙を適切にもちいることの他にも、文法ミスをしないよう心掛けることが重要です。
しかし、文法に気を取られるあまり話せなくなってしまうことも考えられますから、ある程度は仕方ないと割り切ることも必要です。
Topic Development(話題の構成)
“Topic Development”は話題の構成を見る項目で、話した文章の構成が適当かどうかを評価されます。
わかりやすい構成になっているかが重要であり、文章の順番に気をつけなければなりません。
また、主張に一貫性を持たせることも大切です。
一貫性があると、文章に説得力が生まれます。
問題を繰り返し解き、反復練習をおこなうことで対策することが可能です。
まとめ
TOEFLスピーキングはテンプレートを巧みに使用することで、高いスコアを狙うことができます。
テンプレートには構成を考える時間を省くことができる、スコアが安定する、といった利点があります。
しかし、テンプレートはあくまでつなぎ言葉であり、テンプレートを暗記するだけでは効果は見込めません。
- 過去問を解く
- 自分の音声を録音する
上記の対策学習をおこない、着実にスピーキング力を向上させていきましょう。
また、TOEFLスピーキングには採点基準が存在します。
自信を持ってはっきりと話すだけでも減点を避けられるので、練習の段階から採点基準を意識できると良いでしょう。
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