2023/02/08

英語の過去進行形とは?使い方や過去形との違いを例文付きで解説

past-progressive_thumbnail

この記事を書いた人

講師
上原 彩 Aya Uehara
大学ではTESOLプログラムを修了。英検をはじめ、TOEFLやIELTS、SATなど、さまざまな資格英語の指導経験もあり。 現在は、資格英語専門講師として活躍する傍ら、都内私立大学で講義も担当。

中学生のときに学習する英文法に「過去進行形」があります。

名前自体は聞いたことがある、という英語学習者が大半ではないでしょうか。

実際に過去進行形を使うときはどのようなイメージで使うのか、過去形との違いは何かと問われると曖昧になってしまいがちです。

今回は、過去進行形の使い方や過去形との違いにフォーカスして説明します。

英語の基礎から学び直そうと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

過去進行形とは

past-progressive1

過去進行形とは、過去のある時点で継続していた出来事について述べるときに使う表現です。

過去進行形は以下のような形で表します。

過去進行形の形

  • be動詞の過去形+動詞のing形

「過去のある時点で」継続していた出来事のため、“When” や “then” などある時点を表す英単語と一緒に使われることが多いです。

When my mother came home, I was watching TV.

母が帰宅したとき、私はテレビを見ていました。

I was playing soccer then.

私はそのとき、サッカーをしていました。

過去進行形の使い方

過去進行形には5つの使い方があります。

過去進行形の5つの使い方

  • 1.過去のある時点で継続していた出来事について述べるとき
  • 2.過去のある時点から状態が変化しているとき
  • 3.過去から見た未来について述べるとき
  • 4.過去の反復動作や一時的に習慣として行っていたことについて述べるとき
  • 5.過去のある期間から継続していた行為について述べるとき

多くの英語学習者にとって、過去進行形は一つ目の意味で理解されていたり使用されていることが多いです。

そのため、一つ目以外の使い方は全く知らなかった、ということも多くあります。

広く学習されている現在形・過去形やそのほかの時制と比較しても、過去進行形はあまりフォーカスされない分野です。

そのため、なんとなく理解している学習者が多いのが特徴です。

以下で、過去進行形の5つの使い方を順番にみていきましょう。

過去のある時点で継続していた出来事について述べるとき

「過去進行形」と聞いて、多くの方が思い浮かべる使い方です。

When my grandmother called me, I was studying for my final exam.

祖母が電話してきたとき、私は期末試験に向けての勉強中でした。

この場合、「祖母が電話をかけてきた」という出来事の前から私は期末試験の勉強を開始し、その動作をずっと継続しています。

ずっと継続しているため、祖母が電話をしてきたときも勉強中ということになります。

過去のある時点から状態が変化しているとき

過去進行形は過去に徐々に進行した(変化した)出来事を表すときにも使用できます。

It was getting darker.

だんだん暗くなっていきました。

一つ目の例文は、明るかった辺りが徐々に暗くなっていく変化を表しています。

My dog was dying when the doctor arrived at my home.

医者が私の家に着いたとき、犬は死にかけていました。

二つ目の例文は、生きている状態だった犬が医者が来たときには死にそうな状態に変化していることを意味しています。

このように、過去進行形で状態の変化も表すことができるのです。

過去における未来の動作

「過去における未来」とは困惑するタイトルかもしれません。

過去のある時点において未来の予定について述べたり、過去のある時点において何かが起ころうとしている状態を表すときに使う表現です。

I was taking an English exam the next day.

私は翌日英語の試験を受ける予定でした。

「英語の試験を受ける予定」があったのは過去のことですが、その時点で試験はまだ受けていないため、未来について話していることになります。

The bus was stopping.

バスは今にも止まろうとしていた。

こちらも過去の時点について話していて、「バスが止まろうとしていた」ということはまだ止まってはいないため、差し迫った近い未来について述べている文です。

過去における反復的な動作

過去進行形は、過去のある時点で行っていたことについて述べることができます。

しかしそれだけではなく、過去に繰り返し行っていたことや過去の習慣についても述べることができます。

以下の文は、過去の習慣について述べている文です。

Throughout my childhood, I was reading books.

私は幼少期に本を読んでいた。

幼少期の間ずっと本を読み続けていたわけではなく、「習慣として読んでいた」という意味になります。

また、過去の習慣を表していることから、今はその習慣がないことも示唆できます。

Last night, someone was calling me.

昨晩、誰かが私を呼んでいた。

上記の文は反復動作を表しています。

昨晩(過去)、誰かが私の名前を呼ぶという動作を2回、3回と繰り返し行っていたことを意味しています。

過去のある期間から続けていた行為

過去進行形は、特定の動作が起こる前から始まっていたことを表すこともできます。

When we arrived at the auditorium, the CEO was talking.

私たちが講堂に着いたとき、CEOは話していました。

「私たちが講堂に着いた」という過去の時点よりも前にCEOの話は始まっていたことがわかります。

過去進行形の否定文

過去のある時点において、「その動作を行っていなかった」と言いたいときに使います。

When my mother visited me, I wasn’t watching TV.

母が訪ねて来たとき、私はテレビを見ていませんでした。

過去進行形の否定文の作り方は、以下の形で表します。

過去進行形の否定文

  • 主語+be動詞の過去形(was, were)+ not +動詞のing形

be動詞の過去形と “not” は短縮して “wasn’t” , “weren’t” にすることが可能です。

過去進行形の疑問文

過去のある時点において、その動作を行っていたかを聞くときに使います。

When you called Tom, was he studying English?

あなたがトムに電話をしたとき、彼は英語を勉強していましたか?

疑問文の作り方は以下の形で表します。

過去進行形の疑問文

  • be動詞の過去形(was, were)+主語+動詞のing形

過去形と過去進行形の違い

past-progressive3

過去形と過去進行形の一番の違いは、その動作が終了しているかどうかです。

過去形の例文からみていきましょう。

【過去形】
When we visited my aunt, she welcomed us warmly.

私たちが叔母を訪ねると、彼女は暖かく私たちを迎えてくれました。

「暖かく迎える」という動作はすでに完了しているため、過去形を使用します。

また、起こった出来事も「まず私たちが叔母の家に着き、そのあと叔母が暖かく迎えてくれる」という出来事が起こります。

この2つは同時に起きてはいません。

【過去進行形】
When we visited my aunt, she was talking on the phone.

私たちが叔母を訪ねると、彼女は電話中でした。

上記は「私たちが叔母の家に到着したこと」と「叔母が電話をしていたこと」が同時進行で起こっています。

私たちが到着したその時点で彼女は電話をしていた、ということになります。

丁寧な依頼をするとき

過去進行形はためらいを含む丁寧な依頼を表すことができます。

I was wondering if you could help me with this document.

この書類についてお力をお借りできないかなと思うのですが。

これは「過去にお願いしようと思っていたんです」と伝える文ではなく、今お願いしたいときに使います。

なぜ今お願いしているのに過去進行形を使うのでしょうか?

過去進行形を使うと「今私がお願いしていることは、過去にお願いできないかな?と思ったことがあることなのですが…」と、過去に一時的に思っただけ、というニュアンスでいえるのです。

“Can you?” よりも丁寧さを表します。

まとめ

past-progressive2

今回は過去進行形の使い方や過去形との違いについて解説しました。

多くの方が過去進行形と聞くと過去のある時点で行われていた動作を表す、という一つの意味を思い浮かべると思います。

また、ほかの時制や不定詞・動名詞・関係詞などのほかの文法と比較しても、すこし目立たない位置にいる英文法です。

しかし、過去進行形は多くの意味を表すことができます。

今回の記事を参考にして、この機会にぜひ見直してみてください。

Page
top