英語圏の大学(または大学院)へ進学するには、ほとんどの学校で「英語力の証明」が必要です。
この証明には英語試験が使用されますが、「英語力を正しくはかれる」という理由から、TOEFL iBTを採用する学校は数多く存在します。
留学に必要となるスコアは学校ごとに異なりますが、概ね90点以上のスコアを取得できれば、ほとんどの学校に留学できるでしょう。
今回は最高スコアが120点のTOEFL iBTにおいて、90点を目指す難易度や勉強方法などを詳しく紹介します。
TOEFL iBTで90点以上のスコアを狙っている方や、90点を目指せる対策方法などが知りたい方であれば、当コンテンツをぜひご参考ください。
TOEFL iBTの90点はどのくらいのレベル?
具体的な勉強方法を解説する前に、TOEFL iBTの90点と他の英語試験との難易度を比較しましょう。
TOEFL iBT90点の難易度 | |
---|---|
CEFR | B2 |
IELTS | 5.5~6.5 |
TOEICL&R | 1560~1840点以上 |
英検 | 準1級~1級 |
文部科学省が公開している「各資格・検定試験とCEFRとの対照表 」によると、TOEFL iBTの90点はCEFR換算でB2レベル相当となります。
さらに、このB2を他の英語試験に置き換えると、IELTS5.5~6.5、TOEICL&R1560~1840点以上、英検は準1級~1級レベルになる計算です。
ただし、英語試験は試験ごとに問題形式や出題傾向が異なるため、難易度の比較はあくまで目安である点は留意しておきましょう。
なお、TOEFL iBTのオフィシャルサイトには、「B2レベルはどのくらいの英語力なのか」が、セクション別に掲載されています。
試験の難易度を間接的に把握できるため、試験に挑戦する前に目を通しておくのも良いでしょう。
他の試験と比較をしても、TOEFL iBTで90点を取得できれば「高い英語力を証明できる」ことに変わりありません。 この域にまで達すれば、英語におけるネイティブスピーカーとも対等にコミュニケーションができます。 そのため、TOEFL iBTの90点は留学だけではなく、英語圏への移住においても目標となり得るスコアです。
セクション別の勉強方法
TOEFL iBTで90点以上を取得するには、4つのセクションで22点から23点の取得が目安となります。
以下では、「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」のセクションを分けたうえで、90点以上を目指せる勉強方法を解説しましょう。
リーディングの勉強方法・対策方法
- ・高いスコアを得るには「よどみなく英文を読める力」が必要
- ・単語を学ぶ際は、単語の意味と使い方を同時に学習する
- ・試験の解答後は不安な問題を読み返して解き直す
リーディングは、英語の長文を読んで問題に解答するセクションです。
そのため、リーディングで高いスコアを得るには、「よどみなく英文を読める力」が必要となります。
読めない単語を調べる癖をつけたり、短い英文を読んだり、読解のスピードを上げる訓練を行いましょう。
スムーズに読めるようになれば、解答時間にも余裕が生まれやすくなります。
なお、単語を学ぶ際は例文を併せて調べるのがおすすめです。
単語の意味と使い方を同時に学習できるので、英語の読解力を効率的に上げることができます。
英文が読めるようになった後は、文章の読み方にも工夫を凝らしましょう。
特にリーディングの問題は、「筆者の考え」や「一番伝えたいポイント」などを問われる問題が多いため、要点を絞って読むことが重要です。
ちなみにリーディングは、30~40問の問題を、制限時間54~72分で解くセクションです。
長文1つにつき18分の時間を費やせるため、「1問あたり2分以内」を目安に解答してください。
解答後に時間の余裕がある場合は、不安な問題を読み返して解き直すことをおすすめします。
リスニングの勉強方法・対策方法
- 公式問題集や過去問演習を繰り返しシャドーイングする
- 単語の意味を調べつつ、発音の違いについて学ぶ
- 問題のパターンを覚えて要点を聞き取りやすくする
リスニングは、5分前後の会話や講義を聞いた後、問題に解答をします。
まずは「会話や講義の内容を正しく理解する力」を身につけなければ、高いスコアを目指すのは困難です。
公式問題集や過去問演習の音源を聞きつつ、シャドーイングで訓練をしましょう。
正しく発音できるようになれば、英語を聞き取る力も向上しやすくなります。
また、リーディングセクションと同様、意味のわからない単語を調べるように心掛けてください。
特に英語は、単語と文章で発音が異なる言語なので、単語の意味を調べつつ、発音の違いについても学ぶと良いでしょう。
なお、リスニングの問題は「この講義の主題は何か」「会話の内容を要約したものはどれか」等、ある程度パターン化しています。 リスニングセクションは5分前後の会話を聞く必要こそありますが、内容をすべて丸暗記しようとするのは非効率です。 よほどの集中力を備えた方でもない限り、事前にパターンを覚えて要点を聞き取りやすくすることをおすすめします。
スピーキングの勉強方法・対策方法
- ・課題に対する自分の答えとその理由、具体例、結論の順番で話す
- ・実際に英語で会話する機会をつくってアウトプットする
- ・ネイティブスピーカーのような発音を意識する
スピーキングは、提示された問題に対して45~60秒間のスピーキングを行う試験です。
高いスコアを狙うには、課題に対する自分の答えとその理由、具体例、結論の順番で話す必要があります。
難しい単語を使うことよりも、論理的に英語を話すことを意識しましょう。
沈黙や思考の時間を減らすことでも、スピーキングで減点を防ぎやすくなります。 公式問題集や過去問演習を使って英語をスムーズに話せるようにトレーニングをする他、実際に英語で会話する機会をつくってアウトプットしていくことも重要です。
この他、スピーキングは発音や文法の正しさが採点に影響をします。
正しい発音や文法を身につけるためには、ネイティブの方に協力を仰ぐのも手です。
トレーニングの効率性を求める方であれば、TOEFLの試験に精通している方に依頼すると良いでしょう。
ライティングの勉強方法・対策方法
- ・既定の文字数で文章を書くことを目標とする
- ・意見の骨子となる根拠や具体例などを記述する
- ・シャドーイングやオーバーラッピング(音読)を繰り返す
ライティングは、満点を目指すレベルの方を除いて、高度な語彙力は必要ありません。
まずは、既定の文字数(Independent taskであれば300文字)で文章を書くことを目標としてください。
意味が通る文章であれば、15点前後のスコアを目指すことは可能です。
そこから20点や25点を目指す場合は、理論的に文章やパラグラフ(文章の段落構成)を構成できる力を養う必要があります。
公式問題集や過去問演習などを活用して、文章を書く力を身につけましょう。
自分の意見を述べる箇所では、意見の骨子となる根拠や具体例などを記述する必要があります。
またライティングは、問題の中に英文を読み聞きする箇所があるため、リーディングとリスニング力を強化することも重要です。
シャドーイングやオーバーラッピング(音読)などを通じて、英文や英会話を正しく理解する力を養ってください。
TOEFL iBTの90点を目指すのに役立つ参考書は?
TOEFLをはじめ、英語試験は試験別に参考書や教材が存在します。
「英語試験の対策を行える」点は同じでも、出題傾向や採点基準などを加味した内容となっているため、対策の際は必ずTOEFL用のものを選ぶようにしましょう。
TOEFL iBTの教材は、日本語訳付きの教材を取扱っている「TOEFLテスト公式教材オンラインショップ 」で入手をすることをおすすめします。
「総合的に対策を行いたい」「本番前に弱点を克服したい」という方であれば、「ETS公認ガイドTOEFL iBT」が良いでしょう。
セクション別の演習問題とわかりやすい日本語訳が掲載されており、英語初心者をはじめ90点を目指す英語中級者・上級者の方にも最適な教材です。
この他、苦手なセクションを克服して90点を目指したい方であれば、「Z会編集部」から発行されている、以下の各セクションのエッセンスシリーズが活用できます。
TOEFL iBT TEST リーディングのエッセンス
TOEFL iBT TEST リスニングのエッセンス
TOEFL iBT TEST スピーキングのエッセンス
TOEFL iBT TEST ライティングのエッセンス
一方、TOEFL iBTのセクションによっては、教材や参考書だけだと学習が上手く進まないケースもしばしばです。
特に、TOEFL iBTをはじめとした英語試験は、高いスコアを目指そうとするほど独学だと行き詰まる方が少なくありません。
英語試験によって採点基準が大きく異なる分、試験の採点基準を考慮した英語学習が必要となります。
採点基準を考慮した対策を行う場合は、TOEFL iBTに強い英語スクールの受講を検討しても良いでしょう。
留学や移住、就職対策に向けて90点突破を目指したい方であれば、バークレーハウスのレッスンプランを検討してみてはいかがでしょうか。
TOEFLに精通した講師陣を揃えるバークレーハウスでは、受講者の英語力に合わせてTOEFL iBTの採点基準に則したレッスンプランを提供しています。
バークレーハウスのレッスンプランの内容やご利用までの流れなど、より詳しい情報を知りたい方であれば、以下のページをご確認ください 。
90点よりも高いスコアを目指すには?
TOEFL iBTにおける90点は、英語圏への留学や大学入試、就職活動など幅広い場面で英語力を証明しやすいスコアです。
一方、一部の難関大学では入学条件にTOEFL iBT100点以上を指定しているケースも珍しくありません。
更なる高いスコアを目指す方に向け、満点を目指せる勉強法を記した以下のページをご参照ください。
ただし、TOEFL iBTで90点以上を取れたとしても、TOEFL iBTのスコアは有効期限が2年間となっています。
取得から2年を経過した時点で、スコアは無効化されるため注意が必要です。
スコアの無効化を防ぐには、期限内に再度受験をして90点以上の取得を目指してください。
どの英語試験を受けるにしても、高い英語力を維持するには、目標達成後も英語力を磨くことが欠かせません。
今回は、TOEFL iBTで90点以上を目指す勉強法や参考書などを紹介しました。
大学や大学院への留学に役立つTOEFL iBT(120点満点)は、90点以上のスコアを取得できれば、英語圏における多くの学校で英語力を証明できます。
とはいえ、TOEFL iBTで90点以上のスコアを取得するのは、かなりの英語力が必要となるのは言うまでもありません。
留学のためにTOEFL iBTの受験を検討している方であれば、教育機関が発表しているスコアなどを参考に、目標設定をすると良いでしょう。
学校によっては70点や80点のスコアでも、留学に必要な英語力を証明できます。