TOEFLの4技能のなかでも、日本人の方はリスニングセクションが苦手な方が多いようです。
TOEFLのリスニング試験は、TOEICや実用英語技能検定と比較して、難しいといわれています。
本記事では、TOEFLのリスニング対策をしたい方に向けて、おすすめの勉強方法、おすすめの教材・レッスンまで解説します。
TOEFL リスニング試験の基本情報
TOEFLは世界中で実績のある英語能力測定試験です。
とくに、海外の大学や大学院へ留学する際には必須のスコアといわれています。
リスニング試験の問題形式は、大きく分けて講義形式と対話形式の2種類です。
問題数は、講義形式が3題、対話形式が2題の合計28問です。
リスニングの試験時間は、36分ほどになります。
リスニングの音声が流れるのは一度のみのため、最後まで集中力を切らさないことが大切です。
リスニング試験のスコア・採用方式
TOEFLのリスニングスコアは0〜30点で、ほかの3技能と同様です。
各点数を評価に置き換えると以下のようになります。
スコアレンジ | レベル |
22〜30点 | Advanced |
17〜21点 | High-Intermediate |
9〜16点 | Low-Intermediate |
0〜8点 | Below Low-Intermediate |
海外大学へ入学する際に求められている合格ラインが80点といわれているため、リスニングで20点近くは取りたいところです。
リスニングが苦手な方でも、17点以上を獲得し、ほかの技能でカバーできるようにトレーニングしましょう。
リスニングは、リーディングのあとに実施されるため、集中力の維持が必要です。
リーディングで考えすぎてエネルギーを浪費しないよう、リーディング対策を十分に行いましょう。
TOEFL リスニング試験の流れ
TOEFLリスニング試験の構成は、講義問題と会話問題の2種類に分けられます。
2種類の問題形式について、以下でそれぞれ解説します。
1. 講義問題
講義形式の問題では、大学の講義(教授のレクチャーや生徒の質問、授業中のやり取り)を聞き取り、設問に答えます。
講義内容は、幅広い分野の教養科目であり、専門性はさほど高くありません。
ただし、出題されるジャンルは、生物学・人文・自然科学・物理・歴史など、幅広い分野から出題されます。
そのため、幅広い一般教養の知識があると、聞き取りが容易になるでしょう。
各講義は通常3〜5分の長さで、設問が6問続き、これらのセットが3題出題されます。
2. 会話問題
対話形式では、大学キャンパス内の会話(教授と学生、司書やアドミッションオフィスなどの職員と学生、学生同士)を聞き、設問に答えます。
大学教授に学生が質問をする場面や大学寮の施設利用に関する会話、大学生同士が課題について話し合うような、キャンパス内の想定される対話が出題されます。
各対話は3分から5分ほど続き、設問が5問続きます。
対話形式は、2題出題されます。
TOEFLのリスニングが難しい理由
TOEFL リスニング試験は、英検やTOEICよりも難しいとされています。
以下では、TOEFLのリスニングが難しい理由と、効果的なメモの取り方について解説します。
ほかの試験と比べると音声が長い
前述したとおり、TOEFLのリスニング試験は、ほかの試験に比べて音声が長いという特徴があります。
講義形式では3〜5分にわたり、対話形式は3分ほどの長さがあります。
TOEICと比較してみると、TOEICでは会話文や説明が1分以内で収まることが一般的で、メモを取らなくても問題に答えられる場合が多いです。
また、TOEICは、1つの会話文や説明文に複雑なやり取りがあまりない点が特徴です。
一方、TOEFLでは、講義形式の場合複数の学生が質問したり、論理的な内容や理由・背景知識を織り交ぜながら話が進むため、1つの問題が長くなります。
専門性の高い内容が多い
TOEFLでは、大学レベルのアカデミックな内容が出題されます。
そのため、専門用語や日常であまり使われない表現が頻繁に登場します。
TOEFL専用の単語帳を活用し、高度な語彙を習得することが必要です。
単語帳には必ず専門用語の説明があるため、対策しているなかで理解すれば問題ありません。
また、リスニングでは、講義形式も対話形式もメモを取ることが可能です。
設問は事前に知ることはできないため、整理しながらメモをとる必要があります。
メモを取る際は、登場人物ごとに発言内容を整理しましょう。
また、重要な単語は頭文字を使って簡潔にし、スピーディーに追いつけるよう心がけましょう。
肯定的な内容には丸印、否定的な内容にはバツ印、未確定な内容にはクエスチョンマークなど、記号を使ってわかりやすく整理しましょう。
問題を先読みできない
ペーパーテスト型の英検などでは、あらかじめ問題や設問を見ることが可能です。
設問を事前に確認することで、リスニングテストの戦略を立てやすくなり、試験時の助けになります。
しかし、TOEFLでは残念ながら問題を事前に把握することはできません。
そのため、どの部分が問われても良いように、メモの取り方が非常に大切になります。
前述したように、メモ取りテクニックを高めておきましょう。
聞き取る内容は同じものでもかまわないため、日常的にリスニングメモのトレーニングを行いましょう。
日々のトレーニングを通じて上達を実感し、繰り返し実行しましょう!
音声変化が多い
TOEFのリスニング音源には、英語のアクセントがさまざまな地域のものが含まれています。
たとえばイギリス、北米、オーストラリアなどの音源があります。
日本人の多くはアメリカ英語に耳が慣れているため、イギリスやオーストラリア英語にも慣れておく必要があります。
また、教授や生徒によっても話し方や語彙使用が異なることもあります。
リスニング教材を選ぶ際には、多様な英語のアクセントやスタイルが録音されているものを選ぶようにしましょう。
リスニング試験対策におすすめの勉強法
TOEFLのリスニング対策におすすめの勉強方法を紹介します。
リスニングスキルの向上は、TOEFLだけでなくほかの英語試験においても非常に重要です。
学習方法をしっかりと理解し、リスニング力向上に役立てましょう。
1. 語彙・フレーズを増やす
自分が知っている単語やフレーズの数を増やすことで、問題内容を簡単に理解できるようになります。
TOEFLは、大学留学を想定して問題が作られているため、大学キャンパスで使われる英語が中心に出題されます。
そのため、“librarian(司書)”、“dormitory(寮)”、“antholopology(人類学)”といった名詞や、“munadne(ありふれた)”、“irresolute(優柔不断な)”といった英検1級レベルの形容詞も登場します。
TOEFL専用の単語帳を活用し、語彙力を高め、自信をもってテストに臨めるようにしましょう。
単語帳を選ぶ際のポイントは、音声・例文付きのものがおすすめです。
目で見て覚えるだけではなく、耳で聞き、自分で発音し、書いて覚えるようにしましょう。
2. ディクテーションをする
ディクテーションとは、英語を聞いてそのまま「正確に書き取ること」をいいます。
ディクテーションを行うことで、自分が聞き取れた部分とできなかった部分が明確になります。
とくに、英語独自の発音の変化がある文章や、ネイティブの速いスピーチから聞き取れなかった部分を何度もディクテーションしてみましょう。
ディクテーションをするタイミングは、答え合わせをする前のスクリプトを見る前に行いましょう。
TOEFLのリスニングは一度きりのため、聞き取れなかった部分を何度も聞いてディクテーションすることで、集中力とリスニング力が同時に向上します。
毎日5文程度、ディクテーションに取り組んでみましょう!
3. シャドーイングをする
リスニング力を向上させるための王道的トレーニング方法、シャドーイングです。
シャドーイングは、スクリプトを見ずに音声を影のように追いかけながら声に出す方法です。
シャドーイングをすることで、正しい発音・イントネーション、リンキングを確認でき、スピーキング力の向上にも役立ちます。
ただし、シャドーイングには以下のような準備が必要です。
シャドーイングの準備
- 音声を何度も聞き、内容を理解する
- スクリプトをしっかりと読み込み、スラッシュ(/)を用いて意味を区切り、強調すべき単語やフレーズをマークし、音読のヒントにする
- スクリプトを読みながら音声を聞き、リンキングや音の変化を理解する
- スクリプトを見ながら音声を再生し、同時に音読する(オーバーラッピング)
- スクリプトを見ずに音読し、ネイティブと同じ速さで読めるよう繰り返す
- オーバーラッピングを何度も繰り返し、ネイティブの速さやイントネーションをマスターする
- シャドーイングを行う
また、シャドーイングに取り組む際は、短めのスクリプトを選びましょう。
長めのスクリプトであると、準備に時間が取られてしまい、シャドーイングができずに終わってしまうことがあるためです。
TOEFLの講義問題の一部分や、対話文の一部で練習してみるのも一つの手です。
まずは、自分のレベルに合う内容で取り組んでみましょう。
4. 多聴をする
さまざまな英語のアクセントに慣れるためには、英語を頻繁に聞くことが大切です。
講義やインタビュー・ニュースなど、できる限り多くの英語コンテンツを聴くようにしましょう。
しかし、毎日新しいコンテンツを聴く必要はありません。
同じコンテンツを繰り返し聴きながらメモを取ったり、ディクテーションやシャドーイングを行うことが、TOEFL対策として非常に効果的です。
これにより、自身のリスニング力向上を実感できるだけでなく、ライティングやスピーキングのスキルも同時に高めていけるでしょう。
リスニング対策に使えるおすすめの教材
最後に、TOEFLのリスニング対策に使える、おすすめの教材やレッスンについて紹介します。
これから教材を購入しようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ETS公認ガイド TOEFL iBT <第5版> DVD-ROM付
TOEFL iBTの開発元「Educational Testing Service(ETS)」による公認ガイドです。
本書は、演習問題1セットと実戦模試3セットが収録されています。
日本語での解説がついているため、とくにTOEFL対策を始める初心者の方におすすめです。
また、公認ガイドのため、本番の問題に近い内容であることが特徴です。
TEDICT
TEDICTは、TEDの動画を利用しながら、初級者・中級者向けのディクテーションができるアプリです。
取り扱っている分野が多岐に渡るため、TOEFLリスニング試験の対策にも活用できます。
また、アプリには時事的な内容も多く含まれており、一般教養を向上させるにも役立つ内容です。
日常的にレベルの高い英語を聞き、「英語耳」を作りたい方にはおすすめのアプリです。
まとめ
TOEFLのリスニングは、多くの日本人学習者が苦戦するセクションです。
ほかの技能と異なり、リスニング対策はやり方を間違ってしまうと効果が薄れ、伸び悩むケースが多いといわれています。
自分の学習レベルや語彙力、最適な対策方法がわからない方は、バークレーハウスのTOEFL対策講座を受講してみることをおすすめします。
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