TOEFL ITPテストとは、世界最大規模の非営利テスト開発機関(ETS)により運営されている、大学・企業などの団体を対象としたテストプログラムです。
主に、海外の大学・大学院へ留学するための審査基準として行われる「TOEFL iBTテスト」とは異なりますので、ご注意ください。
この記事では、TOEFL ITPテストの受験を検討している方に向けて、TOEFL ITPテストの概要や特徴、参考書の選び方、勉強のステップ、注意点などを解説いたします。
おすすめの参考書も多数紹介しているので、受験を検討されている方は、是非最後まで目を通してみてください。
TOEFL ITPテストとは?
TOEFL ITPテストは、アメリカに本部を置くテスト開発期間「ETS」によって運営されており、日本においても、高い知名度があります。
ETSが提供するTOEFLテストの1つ
TOEFL ITPテストは、米国ニュージャーシー州に本部があるテスト開発機関「ETS(Educational Testing Service)」が作成、提供する、団体向けテストプログラムです。
現在日本では、 ITPテストを含めて5種類のTOEFLテストが実施されています。
- TOEFL iBTテスト
- TOEFL Essentialsテスト
- TOEFL ITPテスト
- TOEFL Juniorテスト
- TOEFL Primaryテスト
多くの教育機関や企業で利用されているテストプログラム
TOEFL ITPテストは、大学などの教育機関や企業など、世界50か国、2,500以上の団体で利用されています。
受験者は80万人以上に上り、日本においても高校、大学、大学院、官庁、企業など、500以上の団体で受験されている信用性の高いテストです。
TOEFL ITPテストの特徴
TOEFLのなかでも特に知名度の高いTOEFL iBTテストと、ITPテストでは、受験対象や目的が異なります。
テストの構成・試験時間とあわせてご紹介します。
「TOEFL iBTテスト」とは受験対象・目的が異なる
TOEFL(トーフル)というと、TOEFL iBTテストを指すことが一般的です。
TOEFL ITPテストとTOEFL iBT︎テストの違いはさまざまありますが、大きく異なるのは「受験対象」と「目的」です。
テスト種別 | 受験対象 | 目的 |
ITPテスト | 教育機関や企業などの団体向け | 英語力測定 |
iBTテスト | 海外の大学や大学院への進学を希望する個人向け | 留学などの審査基準を満たすため |
TOEFL ITPテストの構成・試験時間
TOEFL ITPテストは、多肢選択式で実施されており、「Level1」「Level 2」の2つのレベルがあり、それぞれ3つのセクションに分かれています。
それぞれのレベルの構成は、以下のとおりです。
Level1の構成
解答時間:約2時間
セクション | 問題数 | 解答時間 | スコアレンジ |
Listening Comprehension (リスニング力測定) | 50 | 約35分 | 31-68 |
Direction and Written Expression (文章表現や文法の知識測定) | 40 | 25分 | 31-68 |
Reading Comprehension (リーディング力測定) | 50 | 55分 | 31-67 |
Level2の構成
解答時間:約1時間10分
セクション | 問題数 | 解答時間 | スコアレンジ |
Listening Comprehension (リスニング力測定) | 30 | 約22分 | 20-50 |
Direction and Written Expression (文章表現や文法の知識測定) | 25 | 17分 | 20-50 |
Reading Comprehension (リーディング力測定) | 40 | 31分 | 20-50 |
なお、難易度はLevel1が「中級〜上級:CEFLA2〜C1」、Level2が「初級〜中級:CEFLA2〜B1」で設定されています。
Level1については、 iBTテストと同じ問題数、スコアレンジで構成されます。
TOEFL ITP対策用の参考書の選び方
TOEFL ITPテスト対策用の参考書を選ぶときには、ITPテストに特化した内容のものを選択するのはもちろん、自分の英語レベルに合ったものを選ぶことも大切です。
文法対策も忘れずにおこないましょう。
TOEFL ITPテスト専用の参考書を選ぶ
同じTOEFLというタイトルですが、iBTテストとITPテストでは、試験内容や難易度などが異なります。
専門用語も数多く出題されるため、TOEFL ITPテストに特化した参考書を選ぶことが必要です。
自分のレベルにあったものを選択する
TOEFL ITPテスト用の参考書はさまざまなものがあり、難易度もそれぞれ異なります。
適切な参考書を選択するためにまずは腕試しとして、ETS公式の過去問を解いて自分の英語レベルを確認しましょう。
現在の実力を把握したうえで、自分に合った参考書を選択しましょう。
文法問題に特化した参考書も用意する
TOEFL ITPテストでは、文法問題が40問出題されます。
点数のなかでも、大きな部分を占めるため、事前に対策しておくことが必要でしょう。
なかでも、誤文訂正問題は慣れていないと得点することが難しいので、文法問題集をもちいてきちんと演習を積んでおくことが大切です。
TOEFL ITPテスト対策おすすめの参考書【リスニング編2選】
まずは、リスニングセクション対策におすすめの参考書を2冊ご紹介します。
TOEFL ITP TESTリスニング完全攻略
リスニングの練習問題260問と、リスニング模試1回分(50問)を収録した参考書です。
リスニングセクションにおける出題傾向を18パターンに分類しているので、効率的に学習を進めることができます。
圧倒的なボリュームがあるため、 この一冊をやり切るだけで、実力の底上げを狙っていけます。
TOEFL ITPテストリスニング問題攻略
- 攻略ポイント+練習問題
- Practice Tests
- 重要語彙リスト
上記3つのパートで構成されています。
「攻略ポイント+練習問題」のパートは、リスニングセクションにおける頻出会話・講義パターンの練習問題で学ぶことができます。
「Practice Tests」では、模擬試験を3回分収録しています。
日本語訳はもちろん、詳しい解説もついているので、本番さながらの良い練習になるでしょう。
「重要語彙リスト」では、 本書で登場した「口語・定型・キャンパス表現」のなかでも、とくに覚えておきたいものが、わかりやすくリスト形式でまとめられています。
TOEFL ITPテスト対策おすすめの参考書【文法編2選】
TOEFL ITPテストで高得点を獲得するには、文法対策が必須です。
次に、文法対策におすすめの参考書を2冊ご紹介します。
全問正解するTOEFL ITP TEST文法問題対策
Powerful Code(パワフルコード)と名付けられた、文法問題攻略のコツが27個紹介されています。
Powerful Codeを軸に、的確で丁寧な解説がついているのもポイントです。
難易度も、実際の試験と同じレベルで設定されているため、これを2周すれば文法問題への対策はバッチリです。
TOEFL ITPテスト文法問題攻略
基礎文法の復習から始まり、文法問題における頻出ポイントと、解くためのコツがわかりやすくまとめられています。
練習問題と合わせて解いていくことで、文法問題で高い点数を取るために必要な基礎英語力を高めることができるでしょう。
また、本番形式のPractice Testも5セット収録されています。
1冊解き切ったときには、基礎力はもちろん、本番に対応するための実践力も確実に高めることができるでしょう。
TOEFL ITPテスト対策おすすめの参考書【リーディング編2選】
ここでは、リーディング対策におすすめの参考書を2冊ご紹介します。
TOEFL ITPテスト リーディング問題攻略
リーディングセクションに特化した参考書で、10個の出題パターン別に講義が収録されています。
それぞれの講義で、練習問題と解き方のポイントが紹介されているので、ITPテスト攻略のための型を身につけることができます。
模擬試験も3回分入っているので、実際の試験に慣れるのにも一役買ってくれる万能な一冊です。
完全攻略!TOEFL ITPテスト リーディング
リーディング模試を4回分、さらに例題を含めれば、5回分の模試を解くことができます。
「文頭からの英文理解」と「速読力アップ」といった基本的な事柄から、リーディングセクションに対抗するための詳しい解説も載っています。
音源付きなので、シャドーイングや音読といったアプローチでリーディングセクションの対策を進めたい方にもおすすめです。
TOEFL ITPテスト対策おすすめの参考書【問題集2選】
ITPテストで高得点を獲得するためには、実践的な問題集をたくさん解いて、受験の経験値を高めておくことが必須となります。
ITPテストにおすすめの問題集を2冊、ご紹介します。
TOEFL ITP︎テスト 公式テスト問題&学習ガイド
ETSが監修して作成された、日本初の公式ガイドブックです。
ITPテストを受ける方であれば、かならず一度は解いておくべき1冊と言えます。
内容としては、実際に出題された問題が収録されており、出題形式の把握のため、そしてご自身の実力を試すにも最適な参考書です。
初学者の英語力把握、試験直前におこなう対策など、さまざまな用途で使えます。
【CD2枚付】TOEFL ITPテスト本番模試 改訂版
こちらの本では、模擬試験が2回分収録されています。
問題構成はもちろん、マークシートも本番とよく似た作りになっているので、本番さながらの気持ちで対策をすることができます。
丁寧な解答解説が付いているのはもちろん、学習アドバイスも充実しているので、普段の学習の質を高める効果も期待できます。
TOEFL ITP︎テストに向けた勉強のステップ
ここでは、TOEFL ITP︎テストに向けた勉強のステップをご紹介します。
まずは公式問題集を解いて、自らのスタート地点を把握し、学習の計画を立てましょう。
そのあとは、先ほどご紹介した参考書を使いながら、目標の点数達成に向けて、適切な学習を継続していくのみです。
現在の自分の英語力を把握する
ITP︎テストを受験したことのない方は、まず公式問題集を解いて自己採点してみましょう。
スタート時点の得点によって、今後の学習方法は大きく変わってきます。
また、 テスト全体の問題構成をあらかじめ把握しておくことも、学習を効率的に進めていくための重要なポイントです。
今後の学習のスケジュールを立てるためにも、 まずは一度問題を解いておきましょう。
試験までのスケジュールを立てる
問題を解いて、自分の英語力を把握したあとは、学習のスケジュールを立てていきます。
自分の現在の英語力と目指す点数を比較して、どれくらいの勉強時間が必要かを考えてみましょう。
試験日から逆算し、 1日何時間の学習が必要かを割り出してみることが大切です。
たとえば、初心者が500点を取得するには、約200時間程度の学習時間が必要と一般的に言われます。
学習の計画を立てるときのポイントは、 詰め込みすぎないことです。
余裕を持ったスケジュールで、学習時間が確保できるように設定しましょう。
単語や熟語、文法などの基礎を固める
とくにリーディングと文法セクション攻略のためには、単語や熟語、および文法の基礎力が必須となります。
TOEFL ITP︎テストの英文はアカデミックなものが多く、専門的な単語、熟語を覚える必要があるので、TOEICで高得点を取得したことのある方などでも、あらためて対策が必要となるでしょう。
文法セクション対策のためには、 高校レベルの文法基礎を押さえ確実にスコアを取得していきましょう。
不安な方は、しっかりと復習をしておきましょう。
各セクションの対策をおこなう
単語や熟語、文法といった基礎学習と並行して、各セクションの対策も進めていきます。
学習の計画を立てる時点で、 リスニング、文法、リーディングのなかで自分が苦手とするセクションを把握しておき、そのセクションを重点的に学習していきましょう。
公式教材などで繰り返し実践する
目標の得点を達成するには実践的な問題集を繰り返し解き、受験に対する苦手意識を取り除いていくことが大切です。
問題集を解くときは、本番同様の時間を計って、試験当日を想定し解くことが大切です。
何度も繰り返し解くことで、知識が身につくのはもちろん、試験本番のシミュレーションをすることができます。
間違えた問題はそのままにせず、かならず見直しをしておきましょう。
TOEFL ITPテスト受験の注意点と勉強のポイント
TOEFL ITPテストで得点するためには、各セクション別の対策はもちろん、長時間の試験に対応するための集中力など、さまざまな注意点が存在します。
長時間の試験には集中力が必要
TOEFL ITPテストは長時間に及ぶテストです。
合計115分で行われるLevel 1の場合、約2時間の間休憩なくテストが実施されます。
目標となる点数を獲得するためには、 具体的な英語力はもちろん、 高い集中力も必要となります。
実際の試験を想定して、時間を計り問題集を解くなど、事前にきちんと対策をしておきましょう。
もちろん、試験当日に向けた体調管理も大切です。
専門用語の対策は必須
繰り返しになりますが、TOEFL ITPテストはアカデミック(学術的)な内容が多く出題されます。
普段馴染みの薄い単語や熟語も頻出するため、事前の対策は必須です。
TOEFL ITPテストに特化した単語帳などの参考書を必ず用意して、記憶に定着するまで、繰り返し復習しておきましょう。
参考書を何度も復習する
TOEFL ITPテストに限ったことではありませんが、試験対策のポイントは、「参考書を繰り返し使用すること」です。
以前の間違いも、何度も復習することで正しい解答が記憶に定着していきます。
確かに新しい問題をたくさん解いていくことも大事ですが、まずは1冊から得られる知識を確実に自分のものにしましょう。
まとめ
以上、TOEFL ITPテストの概要や特徴、参考書の選び方、勉強のステップ、注意点などについて紹介してきました。
まずは、公式問題集を解き、目標スコアと自身の立ち位置を把握し、目標点に到達できるように学習プランを立てましょう。
各セクション別の対策をするときには、本記事で紹介した参考書を参考にしてみてください。
また、繰り返し復習をし、確実な英語力を身につけていくことが大切です。