昨今ではオンライン英語学習などが数多く存在しているため、英語の学習環境を整えることは難しくありません。
インターネット上には、初心者にも分かりやすい英文法の解説をしているブログや、リスニング練習用にアップされた英語ネイティブの動画が数多く存在しています。
英語を勉強するだけなら、国内にいながら習得できる時代になっています。
しかし、多くの語学学習者は「一度は海外で語学の学習をしたい」と考えているはずです。
そこで、今回は大学生向けに海外留学の種類、それぞれのメリットとデメリットについて紹介します。
海外留学を検討している人は、本記事を参考にしてください。
大学生向け、海外留学の種類とは?
以前と比べると国内外のグローバル化が進んだおかげで、海外留学のハードルは全体的に低くなっています。
とくに大学生は環境的にも年齢的にも身動きが取りやすいので、在学中に海外留学をする人が多いです。
今のうちに留学の目的をはっきりさせておくと、モチベーションを保つことができるでしょう。
しかし、今の海外留学のプログラムは多種多様の内容となっています。
ここでは、大学生向けの海外留学の種類について取り上げます。
また、それぞれの留学スタイルの目的、必要なご学力についても紹介していきます。
語学力アップを目指す、語学留学
海外留学の中で、もっとも一般的なスタイルが語学留学です。
語学留学はその名の通り語学力の向上を目的とした留学方法で、私立の語学学校や大学が運営している附属の語学コースで学ぶことができます。
在籍する学校によってはTOEFLやIELTSの対策コースも用意されており、受講することで各種英語の資格の取得を目指すことが可能です。
語学留学の期間は2週間程度の短期間から1年以上の長期間まで、プログラムによって異なります。
留学する国や学校、期間の選択肢が幅広く、海外経験がほとんどない人におすすめの留学スタイルです。
語学学校の選び方
留学先で学ぶ語学学校の選び方は、2つあります。
1つ目は在籍している大学のプログラムを使って、海外の語学学校に通う方法です。
大学が提携している語学学校になりますので、留学生向けのサポート体制が整っています。
一方で手厚いサポートに甘えてしまい、語学力が伸び悩む危険もあるので注意しましょう。
2つ目は、自費で語学学校に通う方法です。
留学の手続きから手配まで自力でおこなうことになりますが、自分の通いたい学校やコースを自由に選ぶことができます。
また、煩雑な手続きを自力でおこなうことで自立心も養うことが可能です。
トラブルが起きた場合には、自力で対処する必要があります。
事前に問題が発生した際にどうするか入念にシミュレーションをおこないましょう。
語学留学に必要な語学力
語学留学にあたって、必要となる英語力はとくに決められていません。
語学学校のほとんどは生徒の英語の習熟度別に授業をおこなっているので、極端な話まったく英語が話せない状態で留学して大丈夫です。
ただし、語学の基礎知識を学んでから留学するのと、一切準備をせず留学するのとでは成長速度に大きな差が生まれます。
語学力を伸ばすためにせっかく海外の語学学校に通うのに、まったく成長することなく帰国の日を迎えては、留学の意味がありません。
上記のようなことにならないためにも、語学留学をする前には、最低限中学校で学ぶレベルの単語や文法の知識は身につけておきましょう。
大学のプログラムを活用した、交換留学
大学生の場合、在籍している大学の交換留学プログラムを利用することもできます。
交換留学は、協定を結んでいる海外の大学に一定期間留学できる制度です。
期間はプログラムの内容によって異なりますが、半年から1年以上の長期間の滞在が基本となります。
滞在先の大学では語学以外に、日本の大学で専攻している分野の講義を受講できます。
また大学の制度によっては、留学先の大学で取得した単位を日本の大学に還元することが可能です。
大学によっては交換留学先の中に世界大学ランキングトップ100に入る有名校もあるので、海外留学に興味がある人は積極的に利用しましょう。
大学の提携校を確認しよう
交換留学をする場合は、まず大学に問い合わせて資料の請求をしましょう。
自分が在籍している大学が、どの海外大学と協定を結んでいるのか確認し、自分が留学したい大学を決めます。
交換留学生として海外の大学に行くためには大学側が定めた条件、そして選考試験をクリアしている必要があるので、あらかじめ調べて対策しておきましょう。
また、大学によっては留学を検討している人向けに説明会もおこなっています。
積極的に参加して、交換留学に関する情報を集めましょう。
交換留学に必要な語学力
交換留学生は、提携校の顔とも言える存在です。
そのため、語学力を含めて大学側の厳しい条件をクリアする必要があります。
英語の場合、留学先の大学によって基準は異なりますが、最低でもTOEFLで50点以上のスコアは取得できるようにしておきましょう。
TOEFLの50点は英検で換算すると、準2級から2級レベルです。
このレベルであれば日常会話だけでなく、興味のある分野であれば多少複雑な会話もこなすことも可能といわれています。
快適な海外生活を送るためにも、留学前にしっかりと語学学習に精を出しましょう。
自分に合ったスタイルで留学する、短期留学
留学を検討している方の中には、長期の滞在に不安を抱えていたり、費用の問題で二の足を踏んでいる人もいるでしょう。
そんな人におすすめしたい留学スタイルが、短期留学です。
短期留学は、その名のとおり1週間から1ヶ月の短期間でおこなわれる留学方法です。
費用も安く、参加しやすいので、初心者や長期留学前の予行演習にもってこいです。
短期間ではありますが、事前にしっかりと目標を立てさえすれば十分、語学力は伸ばせます。
また留学のプログラムの内容によっては、語学以外にもスポーツや異文化体験などのアクティビティにも参加可能です。
短期留学は、以下のスタイルが一般的です。
現地体験ができるホームステイ
短期留学でもっとも一般かつ人気が高いのがホームステイです。
渡航先の一般家庭に滞在し、現地の生活を体験しながら語学力を伸ばすことができます。
留学生の受け入れに慣れているホストファミリーは、多少の言葉の不自由は気にしない傾向があるので、語学に不安を抱えている初心者におすすめの留学スタイルです。
もちろん語学力は高いに越したことはありませんので、事前勉強はきちんと行いましょう。
現地企業で就業体験できるインターンシップ
最近は大学の春休みや夏休みを利用して、現地の企業で就業体験を行うインターンシップも人気です。
社会人になる前に語学力と実践的なスキルを身につけることができるので、就職活動の予行演習としてインターンシップに参加する人もいます。
短期留学の形式の1つですが、実際に就業体験をおこなうため一定レベルの語学力は必要です。
求められる語学力は企業によってまちまちなので、事前にプログラムの情報を確認しておきましょう。
世界の人と協力するボランティア
大学生の中には、海外ボランティアに参加する人も多いです。
国境を越えてボランティアをおこなうことで語学力が磨かれるだけでなく、人間性も成長させられる大きなチャンスです。
ボランティアの内容はチャイルドケアや環境保護活動、日本語教師のアシスタントなどさまざまです。
特に語学力は求められませんが、当然語学力が高い方が現地の人との交流も深められるので、出発前の予習はしておきましょう。
海外大学・大学院に進学する、正規留学
語学力と学力に自信がある場合、思い切って海外の大学へ直接進学する正規留学を目指すのもよいでしょう。
正規留学なので4年制の大学であれば4年間、2年制の大学であれば2年間現地に滞在することになります。
4年制の大学へ正規留学する場合、最初の2年間は一般教養を学び、残りの2年間で専攻分野の勉強をおこないます。
情報収集と出願手続きからはじめよう
正規留学を目指す場合は、事前の情報収集が大切です。
進学先の大学で自分が学びたい分野はあるのか、進学するためにはどの程度の語学力が必要なのか、語学力を証明するためにはどうすればよいのかしっかり調べましょう。
また、留学エージェントを活用するのも有効な手です。
煩雑な手続きの代行以外にも、留学の目的を明確にするためのカウンセリングや留学後のサポートなどのサービスを提供してくれる留学エージェントもあります。
専門スキルを伸ばせる、専門留学
最近は自分のキャリアプランに合わせて、得意分野を伸ばすための専門留学も人気です。
留学期間は通う学校によって異なりますが、短いものでは数ヶ月で終えられるコースもあります。
専門留学は専門分野を英語で学ぶので、最低でも中級レベル以上の語学力が求められますが、帰国後に活かせる経験、知識を得たい人にはおすすめの留学スタイルです。
海外留学のメリット
ここまで海外留学のそれぞれのスタイルの特徴について取り上げてきました。
無理に海外へ行かずとも語学を習得できる昨今、なぜ海外留学をするのか改めてその目的と意義について考えてみましょう。
メリット1. 語学力の向上につながる
まず大きなメリットとして、語学力の向上が期待できます。
語学を習得するうえで大切なのは、なんといっても勉強時間です。
日本国内にいる間は意識しない限り毎日外国語を聴きながら過ごすことはできませんが、海外に滞在すれば普通に生活しているだけで外国語が耳に入ります。
人によっては3ヶ月程度で耳が慣れ、不自由なく日常会話をこなすことが可能です。
メリット2. 世界の人と交流できる
海外留学をすると、現地の人や自分と同じ留学生と交流する機会が増えます。
現在ではインターネットも発達し、日本国内にいても海外の文化を知ることはできますが、それはあくまで知識でしかありません。
直接自分と違う文化圏の人間に会って会話をすることで、視野は大きく広がります。
メリット3. 将来につながる
海外留学の経験は、その後の人生に大きな影響を与えます。
たとえば、就職活動をする人は留学期間中に苦労して経験が、そのまま自己アピールに使用可能です。
また、海外留学を経験することで海外移住や就職など、人生の選択肢を増やせます。
自分が生活できる場所が日本以外にもある事実は、あなたにとって大きな自信になるでしょう。
海外留学のデメリット
デメリット1. 努力しないと成長できない
海外留学をする人にありがちな問題が、現地に行っただけで語学力を伸ばすことなく帰国の日を迎えてしまうことです。
当然ですが、現地に行って自然に語学力が伸びることはありません。
あったとしても、それは日本で事前に一定レベルの語学力を習得した人だけです。
留学をすることを目的にするのではなく、留学をとおして自分が何を学びたいのか明確にしておきましょう。
デメリット2. 費用がかかる
海外留学は、とにかくお金がかかります。
語学学校や大学に支払う学費だけでなく、現地での生活費や交際費なども必要です。
ビザによっては現地でバイトをすることも可能ですが、生活費を稼ぐことに必死になって肝心の語学の勉強がおろそかになってしまっては本末転倒といわざるをえません。
事前にどの程度の費用がかかるのか想定し、準備しましょう。
デメリット3. 海外生活に馴染めない可能性も
実は、海外留学期間の途中で日本に帰国する人は珍しくありません。
費用の問題などもありますが、その主な原因は孤独です。
語学の勉強が思ったようにいかない、現地の生活に馴染めないなど理由はさまざまですが、誰にも頼れない環境は大きなストレスにつながります。
昔とは違い今ではSNSやチャットアプリを使えば日本の友人や家族と連絡を取ることもできるので、必要に応じて使いこなしましょう。
海外留学にかかる費用の目安
続いて、海外留学に必要な費用について紹介します。
留学の期間やスタイルによって費用は異なるので、事前にどの程度のお金が必要なのか知っておくことは大切です。
以下、それぞれ留学スタイルの費用の目安になります。
語学留学の費用
語学留学の場合、渡航先の国や期間、通う語学学校の学費によって大きく費用は変動します。
たとえば、英語を学ぶ場合アメリカが候補地として名前を挙げられやすいですが、1年留学をするならアメリカは250万円から400万円必要です。
同じく候補地になりやすいイギリスでも1年間の留学で300万から400万円の費用が必要なので、かなり高額な出費を覚悟する必要があります。
一方で、同じ英語圏でもフィリピンなら1年間で125万円から250万円程度で済むので、費用に不安を抱えている場合は渡航先の変更も考えておきましょう。
交換留学の費用
交換留学の費用ですが、実は自費で語学留学をおこなうより圧倒的に安く済みます。
何故なら交換留学制度を利用する場合、現地の学校に授業料を払う必要がないからです。
そのため、基本的に交換留学で必要な費用は渡航費や現地の生活費となります。
参考として、アメリカの大学に1年間交換留学する場合に必要な費用の目安は、300万円前後です。
短期留学の費用
短期留学は滞在期間が短い分、費用を安く抑えられるのが大きなメリットです。
高額な留学費用が求められるアメリカでも、1ヶ月の短期留学の場合は30万円から50万円程度で済みます。
正規留学の費用
正規留学の場合は生活費に加えて高額な学費を払う必要があるので、これまで紹介してきたどの留学方法よりもお金がかかります。
たとえば、アメリカの大学に正規留学する場合、学費と生活費などを合わせて650万円前後かかることも珍しくありません。
正規留学を目指すのであれば、物価の安い国や地域を選ぶか、奨学金を活用するなどの工夫が必要です。
留学の費用について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてみてください。
まとめ
以上、大学生向けの海外留学の種類、そして語学留学や短期留学の特徴について解説してきました。
さまざまな留学方法が確立されたことで以前よりも海外留学のハードルは下がっています。
しかし、その分明確な目的を持たずに海外へ向かう人も増えています。
安くない費用を払って海外に行くのであれば、学びや経験を得て日本に帰って来るのが理想です。
留学へ行く前に、改めて自分が何故海外に行きたいのか、本当にそれは海外でしか成し遂げられない目的なのか自分に問いかけましょう。
目的がはっきりとしていれば、たとえ留学先で苦しい思いをしても乗り越えることができるはずです。
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