英語の「リーディング」、「リスニング」に加え「ライティング」と「スピーキング」の4技能を測り、英語能力を総合的に判断できる英語試験として知られているIELTS。
そのIELTSのスコアが、海外留学奨学金を利用する際に活用できるのを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
今回は海外留学奨学金や利用する際の注意点、IELTSスコアで応募できる奨学金制度などについて紹介します。
海外留学奨学金とは?
奨学金には、お金を借りて留学後に働きながら返済する「貸与型」と一定額を援助してもらってそのお金を返す必要がない「給付型」があります。
貸与型の奨学金は「利息あり」と「利息なし」が用意されていて、いずれにしても学業が終わってから長期にわたって返済しなければなりません。
海外留学の奨学金においては、「返済不要」の「給付型」がほとんどです。
給付型海外留学奨学金には、年齢や留学先、求められる語学力などの要件、援助してもらえる金額、語学研修や芸術の技術分野は不可で修士や博士を取得することが条件など様々な種類があります。
語学力については、英語をはじめとする語学試験を受験して高いことを証明する必要がある場合もあるので語学力を身につけておくことが必要です。
海外留学奨学金制度を利用する際の注意点
応募は年に1度だけ
給付型の海外留学奨学金は、年に1度しか応募できず、期間も限定されているケースが多くみられるため、なるべく早く情報を集めて、必要書類を用意したり語学試験を受験したりするなど準備をしておくことが大事です。
余裕のある資金計画を立てよう
また、留学に必要な資金には、授業料や登録料などの学費のほか滞在費、食費、交通費などの生活費、航空運賃やビザ手数料などの渡航費などがあります。
すべての費用を賄える奨学金はごくわずかなので、一部は自身で準備することを念頭にギリギリの計画ではなく、余裕のある資金計画を立てるようにしましょう。
IELTSスコアで応募できる奨学金制度を教えて
英語の「リーディング」、「リスニング」、「ライティング」、「スピーキング」の4技能を測り、総合的に英語力を判断する試験として世界的に知られているIELTS。
イギリスやアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの英語圏の大学や大学院への留学を考えている人で、一定のIELTSスコアを有し英語力が証明できると、海外留学奨学金の応募が可能なことをご存じでしょうか。
以下にIELTSスコアで応募できる給付型海外留学奨学金制度を紹介しますので、英語圏への留学を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
British Council Japan IELTS 奨学金
イギリス政府が設立した国際文化交流機関「British Council(ブリティッシュ・カウンシル)」が主催する異文化交流を目的とした奨学金制度です。
IELTSを受験して、IELTSスコアの提出を入学条件とする大学および大学院へ留学する日本人学生を対象に、一定の金額が学費の補助として援助されます。
ブリティッシュ・カウンシルはIELTSを運営している機関でもあります。
IELTSスコアの提出を入学条件とする大学または大学院への留学をする人を対象に、毎年1回、4名を募集して、30万円が学費補助として支給されます。
応募締め切りは、2019年が6月20日、2020年が6月19日、2021年が7月10日となっているので目安として6~7月が応募締め切りとして考慮しましょう。
「British Council Japan IELTS奨学金」に関する応募要項や条件などの詳細はこちらをご覧ください。
日本学生支援機構JASSO
日本で最も知られている文部科学省運営の奨学金機関が独立行政法人 日本学生支援機構JASSO(Japan Student Services Organization:ジャッソ)です。
憲法、教育基本法に定める「教育の機会均等」の理念のもと、経済的理由で修学が困難な優れた人に学資の貸与と給付を行う様々な種類の奨学金制度を実施しています。
海外留学のための給付型奨学金として利用できるのが、以下の3種類の海外留学支援制度です。
協定派遣
日本と海外との大学や大学院などの高等教育機関で学生交流の協定を結んでいる学校へ短期派遣する学生を対象に留学費用の一部を支給する制度です。
グローバル社会において活躍できる人材の育成と高等教育機関の国際化・国際競争力強化を目的としています。
語学力の水準で英語の場合、IELTSアカデミック・モジュールのスコアが5.0以上取得していれば、この制度に応募することが可能です。
海外留学支援制度「協定派遣」の概要や応募要項、条件などの詳細はこちらからご覧いただけます。
学部学位取得型
日本から海外の大学へ留学する人を対象に学修活動に必要な費用を支援します。
この制度の目的は、日本と海外との相互理解と友好親善を増進させ国際的にも指導的立場で活躍できる優秀な人材の育成やグローバル人材の育成に必要な海外留学の促進による日本の国際化・国際競争力強化です。
この制度を利用する際、留学先の大学で主となる言語が英語の場合、IELTSアカデミック・モジュールのスコアが6.0以上であれば応募できます。
海外留学支援制度「学部学位取得型」の概要や応募要項、条件などの詳細はこちらからご覧いただけます。
大学院学部取得型
海外留学支援制度の「大学院学部取得型」は「学部取得型」と同じ目的で、「大学とりまとめ応募」と「個人応募」の2つの種類があります。
原則はJASSOとの窓口となる在籍または卒業した日本国内の大学を通じて行う「大学とりまとめ応募」です。
「個人応募」は海外の大学で勉強をしていて日本の大学に在籍していない、卒業する大学が「大学取りまとめ応募」を実施していないなどの場合に直接JASSOと各種手続きや照会を行い、適用されます。
いずれの応募も留学先の大学での主要言語が英語の場合、IELTSアカデミック・モジュールのスコアが7.0以上あれば申請できます。
海外留学支援制度「大学院学部取得型」の概要や応募要項、条件などの詳細は、こちらを参照してください。
経団連(日本経済団体連合会)
日本を代表する企業や製造業やサービス業などの主要な業種団体、地方団体を中心に構成されている経団連でも、いくつかの奨学金事業を主催しています。
以下の3つが、一定のIELTSスコアを取得していると利用することができます。
グローバル人材育成スカラシップ事業
国際化に取り組む日本の大学62校を対象に、将来において日本企業に就職し、グローバルに活躍する意思を持つ学生に奨学金を支援する制度です。
年に1回、200人を募集し、1人200万円の奨学金が支給されます。IELTSスコア5.0以上を取得していれば応募可能です。
概要や募集対象大学一覧などは、こちらのグローバル人材育成スカラシップ事業でご覧いただけます。
日本人大学院生奨学事業
将来、研究機関で研究者として活躍することが期待されている日本人の大学院生を対象に、海外の大学院へ留学するための奨学金を支給する事業です。
2022年度の募集では、専攻分野や留学先を問わない人1名、専攻分野は不問ですが留学先はイギリスに限定した人1名を対象としています。
支給される奨学金は年間300万円です。英語圏への留学を希望する場合、IELTSスコア6.5以上が条件になります。
概要や募集要項、対象大学一覧などの詳細はこちらの日本人大学院生奨学事業をご覧ください。
皇太子明仁親王奨学金
皇太子明仁親王殿下(現在の上皇陛下)のご成婚とハワイご訪問を記念して、昭和35(1960)年、ハワイ在住の日系人やホノルル商工会議所、日本の経済界の協力により創設された奨学金です。
奨学金を支給する目的は、日本とハワイの大学院生を互いに派遣することにより、日本とアメリカとの相互理解、友好親善関係を推進することです。
募集人数は1名、学費が免除され、上限はありますが渡航旅費と生活費として年間25,000ドルが奨学金として支給されます。
応募するためにはIELTSスコア6.5以上が必要です。
応募資格や応募方法などの詳細はこちらの皇太子明仁親王奨学金上学生募集要項でご覧いただけます。
留学奨学金はどれくらいの倍率なの?
JASSOの「学部学位取得型」と「大学院学位取得型」の過去の選考結果をみてみると、倍率はそれぞれ2.2倍と4.2倍になっています。
「学部学位取得型」では、2人に1人の確率で選考されるという感じで、決して狭き門ではありません。
ただし、留学先の大学で主な言語が英語になる場合は、6.0以上のIELTSスコアが必要になってきます。
「大学院学位取得型」になってくると、確率は4人に1人とややハードルは高くなり、主要言語が英語である大学では、IELTSスコアも7.0以上が求められます。
出典
JASSOの「協定派遣」や経団連の「グローバル人材育成スカラシップ事業」の海外留学奨学金に応募するにはIELTSスコアは5.0以上、そのほかの奨学金は、IELTSスコア6.0~7.0以上あれば応募が可能です。
海外留学奨学金の応募にトライすることを考えている人には、英語力を総合的に測り、その判定の適確さは世界で認められているIELTSを受験することをおすすめします。
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