2022/08/01

IELTSリーディングは精読で対策すべき!精読のやり方と理由を徹底解説

この記事を書いた人

バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

英語の資格試験を取得していると、進学や就職などで役立ちます。

英語の資格試験は、英検®をはじめさまざまな試験がありますが、海外留学や海外移住を目指す方にとって必須といわれている試験が「IELTS(アイエルツ)」です。

IELTSはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つの技能を測り、英語力を総合的に評価する試験として世界的に知られています。

4技能のうち、リーディングの対策は語彙力を身につけたり、英文を多読したりと色々な対策方法があります。

中でもIELTSのリーディングのスコアを伸ばす対策として、「精読」はおすすめの方法の1つです。

本記事ではIELTSのリーディング対策として精読がおすすめである理由や、精読以外の効果的な対策についても詳しく解説していきます。

目次

精読がリーディング対策になる理由

精読がリーディング対策になるといわれている理由を具体的に紹介します。

「自分で調べる」ことで知識が身につく

独学でIELTSの勉強をする場合、解説付きの参考書を使用して、学習する方が多いのではないでしょうか。

参考書の解説・解答を読み込む学習方法もよいのですが、「完全に理解した」と思いがちです。

記憶力が優れている場合、解説された文法や英単語をすべて頭に入れ理解することができます。

しかし、それ以上のことを学習することはできません。

第三者の解説に沿った勉強方法では、その解説で得られる知識しか身につけることができないため、英語力を伸ばすためには、膨大な参考書をこなす必要があります。

その点、精読は自分で調べることが必須な学習方法です。自分で調べて納得することによって初めて知識は身につくといえます。
よって、精読がリーディング対策になる理由のポイントは、「自分で調べる」ことで知識が身につくということです。

単語の潜在的な意味が理解できる

はじめて精読をする際はまず、わからない単語をしらべることからします。

英単語は、1つの単語が複数の意味を表していたり、後に続く前置詞などによって意味が大きく変化したりすることもあります。

精読の際に英単語1つを調べるだけでも、複数ある意味の中から最も適した1つのものを選ぶ必要があります。

そのため、精読をすることで、「文章でその単語が使われている理由・根拠」まで理解できるようになるといえるでしょう。

解説を丸暗記する学習方法は、答えを覚えることだけにとどまります。

一方で、精読の英単語の意味を調べて最も適するものを選択する、という作業は、解答を丸暗記することとは比較できないほど、頭を使う作業です。

この頭を使う作業をすることによって、調べた英単語の持つ潜在的な意味や、かかわってくる前置詞のイメージも無意識のうちに同時につかむことができます。

自身が見落としている知識に気づける

前述の通り、精読は解説や解答を覚える学習方法とはことなり、調べることが重要なポイントの学習方法です。

すぐに理解して読むことができない箇所には、まだ知らない文法事項や見逃している文法事項が隠れています。

精読で一から調べることによって、見逃していた英語知識を発見することができます。

1つの見逃していた英語知識を解決するために、インターネットや辞書などを使い、試行錯誤しながら調べることによって、いくつものサンプル例文に触れることができます。

そのため、見落としている知識を調べることで、関連項目についても学ぶことが可能です。

精読で1つの疑問を解決するために多くの文法事項に触れることによって、見落としている知識だけでなく、多くの知識を身につけることが可能だという点もリーディング対策として効果的だといえるでしょう。

精読方法の例を解説

精読をより効果的にするために、具体的な方法について詳しく解説していきます。

精読の準備

まず、精読の準備をします。

以下のものを用意しましょう。

●問題集
IELTS公式の問題集がおすすめです。

最新のものから3冊揃えるとよいでしょう。

●マーカー
最低でも4色用意することをおすすめします。

各色は以下の用途別に色分けします。

しっかり色を分けて印をつけることによって、視認性が向上し、脳に記憶させやすくなります。

  • ・わからない単語用
  • ・句動詞(get upやput upなどの動詞に前置詞もしくは副詞、またはその両方が組み加わり、新たな意味を持つ動詞のように働くもの)用
  • ・逆接句(butやalthoughなどの話の展開に直結するもの)用
  • ・その他自分でチェックをつけたい箇所用

●カラーボールペン
最低でも3色は用意します。

以下の用途別に色分けをすると良いでしょう。

  • ・英文の構造用
  • ・代名詞用
  • ・it構文用

精読の流れ

最初に、問題文を普通に読みましょう。

次に、1文ごとにマーカーとボールペンを使って、英文の構成を色分けします。色分けの仕方は、前述で紹介したマーカーとボールペンの通りです。

すでに知っていることは書かないという方も多くいますが、知っていることでもチェックしておきましょう。

これは、後述する多読の際に役立つためです。

この時、わからない単語・熟語・文法は都度調べて覚えるようにしましょう。

本文中に日本語で書き込みをしてもよいですが、こちらも後述する多読の際には書かないほうがよいため、避けます。

どうしても意味を書きたい場合は、後で消すことができる鉛筆などを使用するのがおすすめです。

わからない単語などを調べ終えたら、本文中に使われている同義語と、they、itなどの代名詞が何を指しているのかをチェックします。

抜け漏れがないように、解説書・解答も参考にするとよいでしょう。

すべて完了したら、英文の構造を意識しながら、もう一度英文を一通り読みます。

英語能力にもよりますが、1つの長文を理解するのに1〜2時間程度かかるでしょう。

精読以外でリーディング対策を行う方法

精読以外の方法でも、リーディングの対策を行うことができます。

よりスコアアップを目指すために、精読と並行して行うと良い方法を紹介します。

英文を多読する

精読後に多読を繰り返し行うと、速読力を身につけることができます。

リスニングの設問を速く読み取る力にもつながりますので、おすすめです。

方法はまず、精読後にもう一度問題を解きます。

このときに間違えた場合は、精読が不十分ということになります。

すべての設問が解けるようになったら毎日繰り返し多読しましょう。

大体の目安ですが、1パッセージ3〜5分で読めるようになることを目標にしてください。

この多読をする時に役立つのが、精読をした際にカラーで書き込んだ文法などのメモです。

一目で文法の構造を理解することができるため、読解力が上がると同時に速読のスピードを上げることもできます。

作者の意図をつかむ

IELTSのリーディングにおいて、作者の意図をつかむことは重要なポイントの1つです。

タイトルを把握したうえで、パッセージを通して作者が何を伝えたいのかということを常に意識しながら読み進めるようにしましょう。

作者の意図をつかむことによって、段落の組み立てや、例を出した理由なども把握することができます。

英文を読む時は、常に作者の意図をつかむことを意識しながら読むことが大切です。

リーディングの速度を上げていく

IELTSのリーディングは、問題が多いため速読力を伸ばすことも欠かせません。

速読テクニックを磨くうえで、注意をしたい点は以下の通りです。

  • ●音読・黙読(頭の中で音にして読む)はしないこと
  • ●文字を指でなぞりながら読まない
  • ●文字を追う時、顔や首を同時に動かさない
  • ●同じ場所に戻る繰り返し読みはしない

速読力を磨くにはスラッシュリーディングがおすすめです。

スラッシュリーディングとは、英文を意味のかたまりごとにスラッシュで区切って読んでいく方法。

スラッシュで区切っておけば、前から後ろにつなげるように意味をとっていくことができるため、関係代名詞の箇所で後ろから戻る、などの時間の浪費を避けることができます。

問題集・参考書以外の英文にも触れる

ずっと問題集や参考書などのアカデミックな英文に触れていると、英文を読むことに飽きてしまったり、疲れが生じてしまったりすることもあります。

また、読んでみて難しい英文が続くと、自信を失ったり、つらくなったりしてしまいます。

そういった場合には、問題集や参考書以外の英語に触れましょう。

たとえば英語の小説がおすすめです。
あまりレベルが高くないもので自分の好きなジャンルを選ぶようにしましょう。
小説を読むことで読解力だけでなく、想像力を高めることにもつながります。

ある程度、リーディング能力に自信がついてきたら、論文などの難易度の高い英文にも触れてみましょう。

IELTSのリーディングでは学術的な英文が使用されます。

そのため、TOEIC®などと比較すると難しく、しっかりとした対策が必要だといわれています。

英文を読み慣れていても、普段使わないボキャブラリーが頻出するため、理解できないこともあり得ます。

論文などの学術的な英文に触れることによって、最低限必要になるボキャブラリーを学習できます。

論文で学術的な英文に慣れたら、イギリス英語とハイレベルなボキャブラリーを取得するために、BBC Newsも読んでみましょう。

BBC Newsのサイトは、イギリスの英国放送協会が運営する、知名度の高いニュース番組のWebサイトです。

IELTSはイギリス英語なので、対策として効果的です。

BBC Newsを抵抗なく読めるレベルを目指すと良いでしょう。

参考書の問題をとにかく解く

前述の速読と精読を意識しながら、参考書の問題をとにかく解くこともIELTSのリーディング対策として効果的です。

まずは、問いを読んで何について聞かれているのかということを記憶します。

次に本文を速読して、問いの根拠となる箇所を素早く探しましょう。

根拠となる箇所を見つけたら、その箇所を精読し、解答します。

この流れを意識して問題を解くことによって、速読・精読の技術を着実に使えるようになります。

また、問題を解く時に目標を立てることもおすすめです。

たとえば、今回の演習問題はパラグラフタイトルを当てる問題の正答率を上げたい、などといった具体的な目標です。

なんとなく一通り解くのではなく、どこに力を入れて解くかということを明確にしましょう。

演習問題を解き終えた後に、目標が達成できているか確認してみます。

さらに、設問の種類や、間違いの種類を分類することも大切です。

苦手な設問の種類の把握やケアレスミスを防ぐことにつながります。

自分がしやすいミスを明確にし、対策方法を考えてみましょう。

リーディング問題の解答を誰かに添削してもらう

独学での学習でスコアが伸びない、という方は、解答を添削してもらう方法もおすすめです。

第三者に添削をしてもらうことによって、自分では気づきにくい間違いや、理解できていない文法などに気づくことができます。

ミスをしやすい傾向などもわかりやすくなり、重点的に強化するポイントも見つけやすくなるでしょう。

学校や塾の先生、英語が得意な友人などにお願いができる場合はぜひ添削をしてもらいましょう。

身近にそういった方がいない、という場合は、IETLS対策を専門に行っている語学スクールに通ってみるのも1つの手です。

バークレーハウスでは、IELTS演習問題の解答の添削やIELTS対策専用のレッスンプランをご用意しています。

以下のページでは、IETLS9.0満点取得の講師によるIELTS対策のレッスンプランのサンプルを紹介しています。

ぜひご参考のうえ、実際のIELTS対策講座が体験できる無料体験レッスンにお申し込みください。

まとめ

IELTSのリーディングでは学術的な英文が出題されるため、他の英語の資格試験と比較すると難易度が高いといわれています。

しかし、精読で学習することによって、効果的に対策ができるようになります。

精読は、自分で調べる学習方法のため、参考書の解説や解答を暗記する学習方法とは異なります。

同時に英単語の複数の意味を覚え、自分が見落としている英文法の知識が身につきます。

そのため、同じ時間学習をしたとしても、さまざまな知識を習得することができるのです。

精読をする際には、マーカーやカラーボールペンを使い分けるなど、より効果的な方法で取り組むと良いでしょう。

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