2021/03/05

IELTSとケンブリッジ英検は何が違う?どっちを受験すべき?

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バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

日本で英語試験と言えば、真っ先に英検やTOEICを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

ご存知の通り、英検は日本の英語試験です。

TOEICは世界で年間約700万人に実施されている英語試験ですが、受験者数の65%近くが日本人と韓国人で占められています。

英語を母国語としない人を対象とした英語試験として、ヨーロッパ圏を筆頭にIELTSとケンブリッジ英検が世界的に知られていることをご存知でしょうか?

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目次

ケンブリッジ英検はどんな英語試験?

ケンブリッジ英語検定(Cambridge English Qualifications)は、その名の通り、イギリスの名門大学として知られる「ケンブリッジ大学」が開発と実施を行っている英語検定です。

ケンブリッジ英検は、世界130ヶ国以上の大学や企業、省庁など、20,000を超える機関で採用されており、年間約550万人に実施されています。

言語能力評価の国際指標であるヨーロッパ共通参照枠CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)に準拠しており、習得している英語の知識をきちんと使いこなす能力があるかどうかを判断します。

日本の英検と同様に、ケンブリッジ英検は合否で結果を判定し、級位のように以下の5つのレベルが設けられているのが特徴です。

英語力の評価 名称
最上級レベル CPE (Certificate of Proficiency in English)
上級レベル CAE (Certificate in Advanced English)
中級レベル FCE (First Certificate in English)
初級レベル PET (Preliminary English Test)
基礎レベル KET (Key English Test)

それぞれのレベルが、具体的にどの程度の英語力に該当するのかは、ほかの英語資格との比較をした以下の図をご確認ください。

ケンブリッジ英検とほかの英語資格との比較
CEFR IELTS ケンブリッジ英検 英検 TOEIC
C2 9 CPE
C2 8.5 CPE
C2 8 CPE 980
C1 7.5 CAE 950
C1 7 CAE 1級 870
C1 6.5 CAE/FCE 1級 800
B2 6 FCE 1級 730
B2 5.5 PET 準1級 650
B1 5 PET 2級 600
B1 4.5 PET 2級 550
A2 4 PET 準2級 450
A2 3.5 PET 3級
A2 3 KET 3級
A2 2.5 KET 4級
A1 2 KET
A1 1.5 KET
A1 1

ケンブリッジ英検の最上級であるCPEは、IELTSやTOEICの最高スコアに匹敵する極めて高い難易度です。

ただし、各試験は試験内容や形式がそれぞれで異なるため、上記の比較はあくまで目安として確認してください。

ケンブリッジ英検とIELTSと何が違う?

IELTSは、世界140ヶ国、10,000以上の機関が採用している世界的に知名度が高い英語試験で、受験者数は、年間250万人程になります。

TOEICやTOEFLのように、スコアで英語能力を判定する試験で、英語圏への移住や大学・大学院進学のために求められる英語能力を判断するために活用されます。

IELTSは、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏への移住の際の申請や大学・大学院などの学校に進学にする際に活用できます。

目的別にジェネラルとアカデミックの2種類のモジュールが用意されていて、スコアは0から9.0満点で、0.5刻みで評価される仕組みです。

ケンブリッジ英検は、前にも述べたように、世界中の多数の機関で採用されており、英検のように「合否」で判定されます。

英語圏での生活やビジネスに必要な英語能力を総合的に測ることができる検定です。

また、試験結果の有効期限は、IELTSのスコアが2年間有効なのに対し、ケンブリッジ英検は各レベルに合格すれば、一生有効です。

ケンブリッジ英検を受験して、一度で好成績を残すことができれば生涯有効となります。

IELTSとケンブリッジ英検は、どちらもイギリス生まれの英語試験ですが、有効期限や合否判定の有無、年間の受験者数などの細かい点で違いがあるのです。

このほか、それぞれの試験内容に関しても異なる点があるため、以下の項で紹介します。

試験内容にも違いがあるの?

これまで、IELTSとケンブリッジ英検の大まかな違いについて、紹介してきましたが、ここでは、具体的にそれぞれの試験の違いを説明します。

試験内容

IELTSとケンブリッジ英検は、どちらも英語の4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)を測ります。

ケンブリッジ英検に関しては、「Use of English」という文法力(グラマー)を測るテストが加わります。

IELTSには、英語圏の大学や大学院で学位取得を目指す学生を対象としたアカデミック英語を使用する「アカデミック・モジュール」と、仕事や移住を目的とした人を対象とした一般英語を使用する「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類があり、リーディングとライティングの試験で出題内容が異なります。

これに対して、ケンブリッジ英検は、一般英語のみが用いられています。

試験時間

IELTSの試験時間は、リスニング、リーディン、ライティング合計2時間40分で、各試験の間に休憩はありません。

スピーキングは、ほかのテストと同日もしくは前後1週間以内に実施されます。

同日にスピーキングが実施されない場合は、事前にスピーキングの試験日が通知されます。

スピーキングの時間は、15分程です。

ケンブリッジ英検の試験時間は、レベルによって少々異なりますが、リスニング、グラマー(Use of English)、リーディング、ライティングで合計3時間程、スピーキングで15分程です。

スコアの算出方法

IELTSには合格や不合格ではなく、テストのスコアで英語力を判断します。

ケンブリッジ英検は、全体の60%(180~200ポイント)を正解していないと合格できません。

ケンブリッジ英検とIELTSはどっちが難しいの?

IELTS では、学業か移住いずれかの目的別に「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」で難易度が異なりますが、英語能力だけではなく、時事ニュースや経験・知識が問われます。

英語能力とともに、社会的関心や政治、経済、環境などの理解も必要になります。

ケンブリッジ英検では、主に日常生活の中で起りえる内容が出題されます。

スピーキング試験に関しては、IELTSの場合は、面接官と対面方式で行い、面接官からの質問に答えるスタイルです。

ケンブリッジ検定の場合は、面接官と記録者が各1人に対し、受験者2~3人で行います。

面接官との受け答えはもとより、会話ができるかを判断されます。

ケンブリッジ英検とIELTSはどちらを受けるのが正解?

結論から言えば、正解はありません。

しいて正解を挙げるのであれば、自分の英語力を何に活かしたいか目的で決まります。

例えば、進学を検討している学校が、英語力の評価にIELTSを採用していればIELTSを、ケンブリッジ英検を採用していればケンブリッジ英検を選ぶと良いでしょう。

ただし、日本ではIELTSのほうがケンブリッジ英検より知名度が高く、IELTSは、試験対策の参考書やスクールも充実しています。

また、IELTSのコンピューター受験であれば、試験開催はほぼ毎日行われています。

試験結果も試験日から2週間程で分かるので、取得したスコアが低い場合でも、すぐに受験し直すことが可能です。

一方、ケンブリッジ英検は年に4回の開催で、試験結果が出るまでに6週間程かかるので、一度で合格できるよう十分に事前対策が必要になります。

以上の点を踏まえれば「IELTSのほうが学習を進めやすい」、「IELTSのほうが受験はしやすい」と言えるでしょう。

先の項では試験の難易度の比較は困難と記述しましたが、日本における「試験の受けやすさ」に関しては、ケンブリッジ英検ではなくIELTSに軍配が上がります。

繰り返しになりますが、いずれにしても「どの英語試験を受けるか」は目的に合わせて決めるのが賢明です。

受験する英語試験が決まっていれば、学習スケジュールを立てやすくなりますし、目標が明確になる分「学習を続けるモチベーション」も維持しやすくなります。

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