日本社会のグローバル化が進むにつれ、言語教育にも変革が起きています。
小さい頃から英語を学ぶ機会の増加や、自身の英語力を証明するための試験の増加がその例で、「IELTS(アイエルツ)アカデミック」導入もそのひとつです。
本稿では、そんなIELTSアカデミックの特徴から試験内容、どんな人が受けたほうがよいのかといった内容まで幅広く解説しています。
英語圏に留学やホームステイを考えている人だけでなく、英語力を測る方法をお探しの方はぜひ参考にしてください。
近年、留学やホームステイの内定に有利にはたらくとして「IELTS(アイエルツ)」が注目を集めています。
IELTS1は英語圏であるイギリスとアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドを中心とした120ヶ国と約6,000もの教育や政府の期間が英語力の判断材料として採用しています。
「アカデミック」と「ジェネラル」というタイプに分かれており、そのタイプの事をIELTSではモジュールと呼んでいます。
目的によって受けるモジュールが異なるため、自身の受けるべきモジュールを把握する事は非常に重要です。
ここでは、そのうち「IELTSアカデミック」について説明します。
英語圏に留学を希望する学生や、大学院留学を目指す社会人の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
「IELTSアカデミック」とは?
「IELTSアカデミック」は、海外の大学に留学または進学、一定期間のホームステイを希望する人、英語圏の病院で医師や看護師として働こうとしている人が受けるとよいといわれている資格試験です。
受験者数は毎年伸びており、2019年度の数字で年間360万人です。
日本国内での受験者数は世界平均と比較しても、さらに急激な勢いで伸びています。
アカデミックに「学術的」という意味があるように、この試験には「英語圏の学校や職場で不自由なく過ごせるレベルか評価する」といった目的が設定されています。
英語圏の大学の多くで、入学基準として「IELTSアカデミック」のスコア提示を求めらるため、対象の大学に進学を希望する人は必ず受けることになります。
「IELTSアカデミック」試験の特長は以下のとおりです。
概要 | |
試験科目 | ・リスニング(全40問/時間30分) ・リーディング(全40問/時間60分) ・ライティング(Task1:20分/Task2;40分 計60分) ・スピーキング(3部構成) |
試験日程 | ペーパー受験は週に1日程度、コンピューター受験の場合はほぼ毎日開催。 ※会場によってはスピーキングのみ別日に開催される可能性あり |
受験資格 | 16歳以上推奨(それ以下の年齢でも受験自体は可) |
受験料 | 25,380円(税込) |
結果の有効期間 | 2年間 |
高いスコアを出すための「IELTSアカデミック」試験対策
IELTSアカデミックでハイスコアを狙うなら、試験対策で問題の傾向、各セクションの出題されやすいジャンルや、採点基準を知り、問題に慣れておきましょう。
リスニング対策
リスニング試験は少なくとも約半分は記述式(残り半分が選択式)であるため、「聞いた英語をそのまま書き出す対策」と「聞いた文章を同じように話す対策」を日ごろから行いましょう。
これら2つの対策を継続・反復することでリスニング力とスピーキング力を養えるため最初はうまくできなくても諦めずに続けてください。
リーディング対策
リーディング対策の特長は「本文の中に答えが書かれている」という点です。
したがって筆者の意見を「汲み取る」事や「行間を読む」必要はありません。
ただ長文自体がとても長く、問題数もそれに伴って多いため、タイムマネージメントに苦戦する方は多いです。
例えば規定の倍前後の時間がどうしてもかかってしまう場合、まずは本文を読む前に問題文に目を通してみましょう。
自分が得意な問題形式を理解したうえで、本文に答えだけ探しにいくと解答時間の短縮になります。
上級者であれば長文は全部読み、その後問題をみて普通に答えていくことをおすすめします。
ライティング対策
ライティング試験の特徴は、「タスクが『1』と『2』の2つに分かれている」点と「2の配点は1の2倍である」といった点です。
そのため、グラフや数値の問題が多いタスク1よりも、トピックに対して自身の意見を述べるタスク2に労力を割くような対策を投じる必要があります。
出題されるテーマが毎回大きく異なるため具体的な対策は出来ませんが、日ごろからグラフや数値の読み取りを速く行うように心がけ、残り時間をタスク2に振り分けられるように訓練しましょう。
また、タスク1に20分、タスク2に40分というのはあくまでも目安ですので、本番はきっちりその通りにする必要はありません。
解く順番も同じく受験者が決められていますので、タスク2から取り組むのも一案です。
スピーキング対策
スピーキングは試験官との対面インタビュー式で行われます。
TOEFLでは認められていない「聞き直し」や「言い換え」が、「IELTS」では可能ですので、それぞれに用いるフレーズは覚えておきましょう。
また、わからなくても沈黙は禁物です。「なぜ答えられないのか」を堂々と英語で説明するこ事を心がけましょう。
とにかく試験官に「今の自分の脳みそでどのような事が起きているのか」を明確にする必要があります。
まとめ IELTSアカデミックでハイスコアを出して留学や進学を有利に進めよう! IELTSでは、世界中の機関が英語力の判断材料として採用している資格試験です。 英語圏で言えば、英連邦圏(イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)のすべての大学に加えて、アメリカの4年制大学の99%以上で認められています。 非英語圏をみても、ヨーロッパの2,000以上の機関で認められている他、英連邦圏(シンガポール、マレーシア、インドなど)や旧英領植民地(香港など)を始めとしたアジア機関でも広範囲に用いられており、留学時の汎用性という意味では、英語試験として右に出るものがいない状況です。 それに伴い今後もIELTSアカデミックを受験する人は増えていくはずです。 海外大学への進学や留学を希望している人は、対策をしっかり練ってハイスコアを目指しましょう。