2023/01/11

英検準2級のリスニングはどう対策する?合格ラインはどのくらい?

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バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

英検準2級の難易度は、高校中級レベルの英語試験となっています。

合格するためには、1次試験の筆記テストと2次試験の面接でそれぞれ合格点を超えなければいけません。

準2級の1次試験の合格率は約35%と言われ、合格率は半分以下の難関な試験です。

合格ラインは、リーディング・ライティング・リスニングの問題全体で65%以上です。

本記事では、準2級リスニングの勉強方法と上記のスコア獲得に役立つ英語学習テクニックを紹介しています。

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目次

英検準2級リスニングの合格ライン

英検準2級の1次試験全体では、合格点として83点満点中54点以上、得点率65%以上が基準となります。

各技能で、絶対に超えなければいけないボーダーラインはありません。

筆記試験全体で、65%以上を得点できれば良いです。

リスニングの目標点は30点満点中27点、得点率90%とされます。

リスニングで90%以上取れなければ不合格というわけではなく、あくまでも目安です。

目標点は高めに設定されているので、リスニングで安定して点数を取れるように学習計画を進めましょう。

また、英検受験者のスコアは、実際には英検CSEスコアで計算されています。

準2級のCSEスコアは、リーディング・ライティング・リスニングの3つの技能で600点ずつ均等に配分されており、合計1800点満点のスコアのなかで、合格点は1322点以上となっています。

実際、試験問題では技能分野ごとにそれぞれ問題数が異なりますが、CSEスコアの算定では3つの技能が同じ配点になるようにスコアが計算されます。

しかし、これでは純粋に問題の正答数だけで合格なのか、判断されにくくなっています。

そこで、試験の問題数のみに着目し正答した数を点数化した合格基準が83点満点中54点以上という目安です。

ライティングは自由英作文形式で1問につきその内容について各観点から採点されるため、ライティングの配点は1問で16点分となっています。

それ以外のリーディング・リスニング問題は1問1点としてカウントすると、以下の配分で83点満点となります。

  • リーディング 37点(37問)大問1~大問4
  • ライティング 16点(1問)大問5
  • リスニング 30点(30問)リスニングパート第1部~第3部

詳細は以下の表を参考に確認してみてください。

測定技能 形式・課題 形式・課題詳細 問題数 問題文の種類 解答形式
リーディング 短文の語句 空所補充 文脈に合う適切な語句を補う。 20 短文 会話文 4肢選択 (選択肢印刷)
会話文の文 空所補充 会話文の空所に適切な文や語句を補う。 5 会話文
長文の語句 空所補充 パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う。 5 物語文 説明文
長文の内容 一致選択 パッセージの内容に関する質問に答える。 7 Eメール 説明文
ライティング 英作文 質問に対する回答を英文で書く。 1 (英作文なので問題文はない) 記述式
リスニング 会話の応答文選択 会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。(放送回数1回) 10 会話文 3肢選択 (選択肢読み上げ)
会話の内容 一致選択 会話の内容に関する質問に答える。 (放送回数1回) 10 4肢選択 (選択肢印刷)
文の内容 一致選択 短いパッセージの内容に関する質問に答える。 (放送回数1回) 10 物語文 説明文

参照:英検公式

英検準2級のレベルと試験問題について詳しくは、以下のページで紹介しています。

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準2級リスニングパートの問題構成

準2級のリスニング問題は、前述したように第1部から第3部、10問ずつの問題数で構成されています。

試験時間は25分で、リーディングとライティングの解答時間75分が経過したあとに流れる放送に従って解答を進めていきます。

すべて3択もしくは4択で、選択肢のなかから解答を選ぶ形式となっています。

リスニングの問題内容は大きく3つに分かれているため、それぞれの詳細を紹介します。

大問1:会話の応答文選択

大問1は全部で10問、2人の人物の短い会話のなかで、放送された最後の発言に対する適切な応答を選ぶ問題です。

家族・友人・お店などの場面を想定した会話ですが、かならず男性と女性の会話となっています。

英検5級から3級との違いは、問題用紙にイラストが印刷されていないことです。

会話文から問題文まで問題用紙には何も書かれていないため、すべて音声から聞き取る必要があります。

会話が1人2回ずつの会話として放送され、選択する会話の応答が1~3の選択肢として流れます。

登場人物のA(男性)とB(女性)がいると、A→B→A→Bの順で必ず音声が流れます。

2回目となるBの発言が解答部分です。

2回目のAの発言に注目し、応答を選ぶ必要があります。

以下の例題では、☆が1人目の発言、★が2人目で交互に発言をしています。
2回目の☆(1人目)の発言に対し、適切な★(2人目)の応答を3択で選びます。

☆Would you like to play tennis with me after school, Peter?
★I can’t, Jane. I have to go straight home.
☆How about tomorrow, then?

★1 We can go today after school.
★2 I don’t have time today.
★3 That will be fine.
参照:英検公式

ここでは放課後にテニスに誘われて、帰宅しなければならないと答えたところ、「明日はどう?」と誘われています。

よって、今日のことを答えている選択肢ではなく、「明日なら良いです。」と答えている選択3が正しい答えです。

選択肢のなかでは、自分や他人の行動を示す表現で、過去のことや未来のことなどの時制や、助動詞に関する文法も多用されています。

具体的な場面をイメージしながら聞き、すばやく判断し解答することが求められます。

大問2:会話の内容一致選択

大問2は、会話の内容に関する質問に対して、正しい内容を選択肢のなかから答える問題で、計10問出題されます。

男女2人の短い2~3回ずつの会話文が放送されます。

会話と問題文は問題用紙に印刷されていませんが、4択の答えとなる部分のみ記載されています。

会話が一通り完結したあとに、質問文が放送され、適切な答えを問題用紙の文のなかから選択します。

場面は、家族間の会話・友人との会話・レストラン、お店、病院などの日常生活に関するものです。

たとえばおすすめのレストランを友人に教えてもらっている会話で、何について話しているかが問題として問われることがあります。
「何について話しているか。」「(会話中の)登場人物が何をする予定か」「なぜ登場人物がそう思っているか」などの問われ方がされています。

” What・Why・How ”など、質問文に疑問詞が多用される傾向があります。

以下の問題では、おすすめのレストランを★(1人目)の男性が☆(2人目)の女性に教えてもらい、新しいイタリアンを勧められている会話が展開されています。

以下の例題では、男性が女性に何を聞いているか質問されています。
★Alison, I want to invite my girlfriend out for dinner. Can you recommend a good restaurant? ☆Sure. What kind of place are you looking for?
★Well, something a little different would be good. I want our meal to be special.
☆There’s a great new Italian restaurant downtown on Third Street. You could go there.

Question: What is the man asking the woman about?
1 A kind of pasta to buy.
2 A bakery on Third Street.
3 A place to go for dinner.
4 A supermarket downtown.

大問3:文の内容一致選択

大問3は1と2に引き続き10問で構成され、会話ではなく1人のナレーションが流れます。

内容に関する英文と質問が流れ、答えとなる4択の選択肢のみ問題用紙に印刷されています。

解答の流れは大問2と似ています。

ナレーションのため、会話よりも話のテンポが早い傾向があります。

さらに、関係代名詞なども使用され英文の長さが会話に比べて長いです。

場面としては、ある人物の日常の出来事を動詞の時制を使用して順番に話していく、駅でのアナウンスなどです。

海外の食べ物を説明した文が出題されることもあり、聞きなれない固有名詞が出てくることも多いでしょう。

☆After working until late last night, Sophia fell asleep on the train and missed her stop. She woke up when the train arrived at the last station. There were no more trains, so she had to walk home with her heavy bag. It took more than one hour. Her co-workers could see that she was tired this morning.

Question: What is one reason Sophia was tired this morning?
1 She had to walk for a long time.
2 She stayed up late watching TV.
3 Her train was very crowded.
4 Her office is far from her house.

ここでは、話のなかの登場人物がなぜ今朝疲れていたのか、理由を聞かれています。

理由は文中で明言されている内容になりますが、質問文では疑問詞が使われることが多いです。

”What” “Why” “How”など、大問2と同じく疑問詞で問われることが多く、理由や登場人物の行動の手段など、アナウンスの内容について問われます。

内容に関しては、話の展開を具体的にイメージして大枠を捉えながら聞き取り、要点を理解する必要があります。

準2級に合格するためにはどうすればいい?

リスニングの目標点は9割と高い割合に見えますが、リスニングは問題を解くときに活用できるテクニック・コツを使いましょう。

ポイント
①答えとなる選択肢の部分を先読みすること
②会話の流れと話している人物に着目すること
③内容をイメージしながら聞くこと
以上、3点です。

選択肢を先読みする

リスニング問題では、先読みというテクニックが重要です。

うまく活用できれば、リスニングスコアを大幅にアップすることも夢ではありません。

ちなみに、大問1の会話応答文はすべて問題と解答は音声で流れるため、先読みは不要です。

大問2と大問3は、会話やアナウンスのあとに質問も読まれ、答えの選択肢のみ問題用紙に印刷されています。

大問2と3は、先に選択肢に目を通して、本文と質問の内容をある程度予測することで、聞き取るポイントを絞ることができます。

先読みをするタイミングは、リスニング問題の説明が日本語で流れている間と、大問が始まるごとに説明が日本語で流れている間です。

序盤と大問ごとの間の日本語での説明は、問題の解答方法を過去問で練習していれば聞かなくて問題ありません。

1つずつ丁寧に選択肢を読んでいると時間が足りなくなるため、素早く何が聞かれそうか、キーワードとなる単語を見ながら話題を予測しましょう。

ここは、何となくで答えても構いません。

問題数が多いため、内容を予測し問題用紙にメモをしておくのも良いでしょう。

選択肢の難しい単語にマークをしておくのも、あとから問題を解くときに目印となります。

たとえば、スーパー・レストラン・食べ物関連の単語が選択肢に並んでいれば、買い物や食事に関する場面だと予測ができます。
選択肢に”to+動詞”から始まる英文が並んでいれば、「〜のために」という意味で、問題文が理由を問うものと予測しやすくなります。

選択肢が“ He ”から始まる文であれば、文中に出てくる人物のうち男性の行動が聞かれることになるので、放送中の男性の行動に注意となります。

会話全体の流れと話している人物に注目

大問1と大問2の会話文では、1は適切な応答を、2は会話の内容に関する質問が出題されます。

会話の流れを把握し、話している人物が何を言っているのかに注意して音声を聞く必要があります。

“ May I help you? ” なら、店員とお客の会話だと推測できます。

文の1つ1つの意味を深く考えて和訳するのではなく、会話全体の流れを押さえる聞き方をしましょう。

多少、英文や単語の意味が分からなくても、話している人物が何を言いたいのか、反対か賛成なのか、全体の意図を抑えましょう。

大問1であれば、どんな場面か流れで押さえつつ、AとBが交互で話す順番のうち、2回目となるAの発言に注目し、それに対する応答を考えます。

音声を聞くときは内容をイメージ化する

最後に、リスニングの音声を聞くときに重要なポイントですが、和訳をせずに内容を絵や頭のなかのイメージとして捉えることです。

試験中に問題文の意味が分からずに引きずってしまうと、次の文の内容を聞き逃してしまう可能性が高くなります。

リスニング問題全体として、具体的にイメージをする練習をしましょう。

たとえばアナウンスで電車が遅延した、というような内容があるとします。

ここで「面倒だなぁ。」「困ったな。」と、何でもよいので主観的な感想を持つと良いでしょう。

英検準2級リスニングのおすすめ勉強法

英検準2級レベルのリスニングは、コツコツと問題を聴くこと、解く感覚を身につける勉強方法が重要なポイントとなります。

一朝一夕でリスニング力が伸びるものではないので、可能であれば毎日英文を聞くようにしましょう。

問題を解いたら答え合わせをして終わりではなく、問題文を見直したり音読をすることでより効果的に学習することができるでしょう。

過去問、問題集を繰り返し学習

英検の公式ホームページから、最新の過去問は3回分ダウンロードでき、あわせてリスニングの音声と答えの原稿も確認ができます。

過去何年分かの過去問題集を1冊こなすのも良いでしょう。

問題で現在の完成度や合格ラインに点数が届くのか把握することも重要ですが、解説を読んで理解することに時間をかけるべきです。

リスニングの問題文や解答で出てきた知らない単語やフレーズは何回も聞き、口ずさみながら都度覚えていくようにしましょう。

問題演習をこなしながら、単語や表現を暗記していく方法で構いません。

また、準2級で設定されている場面は、家族や同僚・友人、お店での会話、アナウンス、ある人物や地域や文化について紹介するナレーションなど、ある程度パターンが決まったものになります。

回数をこなすことで、どのような設定で英文が流れるのか慣れることもできます。

音声を聞いてイメージを膨らませる練習をする

過去問や問題集で問題を解くときには、まずは答えを見ずに一通り音声を聞いて、全体の話題をイメージ化(頭のなかで音声の映像化)する練習をしましょう。

音声を中断せずに一通り聞くことで、聞き取る英文の長さや、そのなかでどのように場面をイメージするかの感覚を掴む訓練になります。

すべての英文を日本語に訳してから理解しようとすると、音声のテンポに追いつかなくなります。

例えばお店での会話で服を買おうとしているのであれば、服屋や試着のイメージを頭のなかで映像として思い浮かべます。

問題は解かずに問題音声を繰り返し聞く

問題を解くだけではなく、英語の音声だけを繰り返し聞くことが、リスニング力アップに繋がります。

まず、問題文となる音声は、答え合わせをしたあとに繰り返し理解できるまで聞きましょう。

10回以上繰り返し聞いても問題ありません。

放送されたすべての英文が、原稿なしで聞き取れるようになるまでに仕上げるのが理想です。

解いたらすぐに次へ進んでしまうのは、良くありません。

英検全体の勉強方法については、以下のページでも詳しく紹介しています。

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参考書・テキストを紹介

上述の参考書を使った勉強法を見た上で、英検準2級リスニング対策におすすめの参考書を紹介します。

リスニングは反復したトレーニングが鍵となるので、実践的な問題集を用いて問題を解き、音声を繰り返し聞くことが効果的です。

DAILY20日間 英検準2級 集中ゼミ 新試験対応版

こちらの対策本では1日30分、20日分として解説と実践問題が展開され、毎日少しずつ計画的に試験対策を進めることができます。

解き方の解説も掲載されているため、準2級の問題に触れておきたいという方にもおすすめです。

1冊でリーディング・ライティング・リスニングの筆記試験対策ができてしまいます。

リスニングは反復練習が重要ですので、リスニング練習用の音声としても活用が可能です。

英検準2級 過去6回全問題集

英検の過去問集としてメジャーな1冊です。

英検は知識だけで試験に合格はできません。

重要なのは、問題の時間を計測しながら解答することです。

試験本番の最低一ヶ月前までには、問題演習の期間を作りましょう。

また、学習をはじめてすぐに過去問を1度は解き、自己採点をしましょう。

自らの得手不得手を意識しながら、学習計画を立てることができます。

2022年度 英検準2級過去問題集

こちらは学研プラスが出版している、より解説が充実した過去問集です。

リスニングのCDも付属していますが、アプリとも連動しています。

アプリで毎日手軽に音声を聞きながらリスニング力アップに活用できる点でもおすすめです。

過去問5回分と実力テスト1回分がつき、問題量としても十分です。

本書を繰り返し復習することで、英語力の底上げも期待ができます。

まとめ

英検準2級合格のためには、リスニングで9割以上を取るようにトレーニングをする必要があります。

リスニング分野は、難しい語彙や複雑な内容の長文問題が出るリーディングや、すべて記述式のライティングとは違い、英語テクニックを活用しやすい問題となっています。

確実な合格を目指すためにも、リスニングは継続的な積み重ねで対策をおこないましょう。

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