2022/01/18

英検準1級のライティングに出題される問題とは?勉強方法と解答時のポイントをご紹介!

この記事を書いた人

バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

英検準1級の取得に向けて勉強している方の中には「ライティングをどう攻略していったらいいかわからない」という方もいると思います。今回は、そんな方に向けて、英検準1級のライティング問題の傾向やその対策、ライティング能力を上げる方法について解説していきます。
この記事では以下のことを中心に紹介します。

  • 英検準1級のライティングの問題
  • 英検準1級のライティングの勉強方法
  • ライティング能力の上げ方
目次

英検準1級のライティングの問題について

英検準1級のライティングは、短い文章のトピックが1つ提示されて、さらにそれに関するポイントが4つ提示されます。その中から2つのポイントを選んで、それに沿ったトピックにまつわる自分の意見とその理由をライティングしていきます。文字数は約120文字から150文字です。

採点基準

採点基準としては、以下の4つが重要になってきます。

  1. 内容
  2. 構成
  3. 語彙
  4. 文法

【内容】
まず、提示されたトピックの内容に沿った文章を書くことが大切です。そして、その内容が浅いと、エッセイの内容が乏しいとして減点されてしまいます。なるべく内容に筋が通っていて、かつ具体性のある文章を書くことを意識しなければなりません。

構成
構成は「導入→本論→結論」という流れで書けていれば高得点が見込めます。構成は内容と連動していることが多いため、まずは内容をしっかり決めてから、導入→本論→結論の流れで書くことを意識してみてください。

語彙
語彙はスペルミスや使う単語を間違えると減点されますが、その一方で同じ単語を何度も使わずに、幅広く単語を使用すると得点が上がりやすい項目となっています。しかし、無理にいろいろな単語を使おうとして読みにくい文章になると内容の項目に響いてしまうので注意が必要です。

文法
文法も語彙と同じ仕組みで配点されます。伝わりにくい文章にならないように、さまざまな文法を使うことが大切です。英検準1級のライティングで高得点を取るには、語彙や文法よりも内容や構成をしっかりさせることが、一番の近道です。完璧を狙おうと語彙や文法に力を入れ過ぎると、かえってマイナスになってしまうこともあるので、内容や構成に重きを置いてライティングをしてみてください。

出題される問題の傾向

英検準1級は新聞やニュースで取り上げられるような、社会的なトピックが出題されることが多いです。たとえば、教育や社会、テクノロジー、環境、健康、経済が頻出トピックとして挙げられます。

そのため、英字新聞を読む習慣をつけておくと、自然に知識も身についてどういった語彙を使えばいいのかもわかってくるためおすすめです。英検1級では専門的なトピックも出題されますが、準1級は1級ほど専門的な話題は出てきません。

前述の頻出トピックの分野について基礎的な知識だけでも知っておくことで、ライティング試験では焦らずに解答が可能になります。

問題例と解答例

以下では、英検準1級のライティングの問題例と解答例を紹介しますので、問題の傾向と解答方法の参考にしてみてください。

【問題例】
● Write an essay on the given TOPIC.
● Use TWO of the POINTS below to support your answer.
● Structure: introduction, main body, and conclusion
● Suggested length: 120-150 words
● Write your essay in the space provided on Side B of your answer sheet.
Any writing outside the space will not be graded.

TOPIC
Is it beneficial to bring extinct species back to life?

POINTS
● Conscience
● Medicine
● The ecosystem
● World hunger

【解答例】

‘YES’ VersionTOPIC対してYESの場合):
In my opinion, if some extinct animals and plants came to life, they might give us a hint for developing new medicines and a solution to world hunger.
We humans have used various plants as medicines. However, some of them cannot grow on the farm. If there are similar extinct species which could do so, we could cross them to produce hybrids which have medical effects and can be cultivated.
Moreover, some extinct animals have the great potential to solve world hunger. Many people in the world eat beef and drink milk. For example, if we could revive a much larger cow species that has long been extinct and cross it with the existing cow, then there would be more ‘beef’ and ‘milk’.
In conclusion, revived extinct wildlife can be used as medicines and a solution to world hunger, and they would keep humans prosperous for more generations to come.
(150 words)
‘NO’ VersionTOPICに対してNOの場合):
I do not necessarily agree that reviving extinct wildlife would bring us advantages, in terms of our conscience and the ecosystem.
First, humans are selfish by nature. Some people may use those creatures for wrong purposes. For example, some dangerous germs that have come to life might be used to kill people. Our conscience is tested.
Second, revived species may be a danger to the ecosystem. If they have escaped from us, some of them may breed with living species, which would contaminate those living ones genetically. This may imbalance the ecosystem.
Therefore, revived extinct species are harmful, as they may question our conscience and some people may use them for wrong purposes. They can also pose a threat to the ecosystem.
(122 words)

英検準1級のライティングの勉強方法

英検準1級のライティングを攻略するためには、以下の点を意識して勉強することが大事です。

英論文を書き写して分析する

過去問などを活用して、模範解答の英文を書き写し、その内容や構成などを分析します。まずは、模範解答の英文を書き写すことで、高得点が取れる文章を書くという感覚を身につけてから、次にその文章を細かく分析して得点につながる要因を洗い出します。

そうすることで自分がどんな文章を書けば良いのかがある程度見えてくるはずです。すでにある程度英文が書けるという自信がある場合でも、自分の書く文章が本当に適切なライティングになっているのか振り返るために、最初にこの作業を行っておくと良いです。

時事問題への知識を身につける

ライティングの問題は時事問題が出題されやすい傾向にあるので、ニュースを読んで知識をつけておくことが大事だといえます。

始めから英語圏のニュースを読むのはハードルが高いという方は、日本のニュースを読んでから英語表記に切り替えて、段階的に時事問題に慣れていきましょう。

また、ただ読んで終わりではなく、読んだ記事に対する意見をアウトプットすることで、ライティングのスキルが身につきやすくなります。

時間配分通りに書く練習をする

ライティングの解答時間は、できるだけ30分を目安に文章を完成させることを意識してください。配分としては、構想を考えて執筆を終えるまでを25分、誤字や脱字、不適切な表現がないかチェックするのを残りの5分で行いましょう。

練習を始めたばかりの頃は、なかなか30分で執筆するのは難しいかもしれません。構想に時間がかかっていると感じた場合は、もっと時事問題の知識のインプットを行う必要があります。

執筆に時間がかかっている場合は、時事問題のアウトプットの練習が必要です。自分の苦手とするところがどこかを特定して、それに合った対策に取り組みましょう。

表現パターンを覚える

ある程度、時間内に英文が書き終えられるようになったら、表現の幅を増やしていく練習をすることで、さらに高得点を狙えます。

たとえば、意見を主張する書き出しの表現、意見に対する理由やまとめを書くために必要な接続詞の表現を使い分けられるようになるだけでも、かなり効果的です。例としては、以下の表現が挙げられます。

  • I feel (that)~:私は~だと感じる(意見)
  • In my opinion~:私の考えでは~(意見)
  • Most importantly~:最も重要なこととしては~(理由)
  • In addition~:加えて~(理由)
  • As a result~:結果として~(まとめ)
  • For these reasons~:これらの理由により~(まとめ)

意見だとつい「I think~(私は~だと思う)」、理由を記述する時は「because~(なぜならば~)」、まとめだと「in conclusion(結論は)」を使ってしまいがちですが、上記のような表現を使って書き方を変えることで単調でない英文が完成します。

英検準1級のライティングで解答する時のポイント

英検®準1級のライティングで解答するうえで、以下のポイントは押さえなければなりません。

文章構成をわかりやすくする

何よりも「自分の意見→理由→結論」の流れをしっかり構成させることが重要です。この流れが乱れていると、同じ意見や理由を列挙していても読み手への伝わりやすさはまったく違ってきます。
よくあるのが理由を先に並べてから、意見を結論づけるケースです。最後まできちんと読めば話はつながりますが、最初にその人の主張がわからないと見えない道を進み続けていくような感覚に陥り、読みにくさを感じてしまいます。最初に自分の意見を述べて明確な道を示してから、その理由づけをしていく流れで書くことを心がけてください。

矛盾のない主張や正しい英語表現で記述している

筋の通った主張とその理由づけ、そしてそれを主張するために正しい英語表現を使って記述することが大事です。意見の賛否は採点に一切関係ありませんので、トピックに対して否定的な意見をぶつけても構いません。

主張が正しいかどうかより、書きやすい主張を選ぶことが大切です。そして、主張と理由に矛盾がないように気をつけましょう。

また、英語でライティングをさせることは、正しい英語表現で文章を伝える能力を測るためにあります。無理をして難しい表現を使おうとして間違った表現を使ってしまうより、今の自分が無理なく書ける範囲で正しい英語表現を使うようにしましょう。

1つでも多くの表現パターンを出す

無理に難しい表現を出す必要はありませんが、同じ意味の言葉をいくつものパターンで使えるとそれだけ高く評価されます。

たとえば日本語でも、理由を主張するのに毎回「だから」という言葉を列挙するのではなく、「なので」や「そのため」といった言葉をうまく使用したほうが文章に読みやすさが出ます。

英語では同じ日本語の意味でも、いくつもの英単語で表現できる場合があるため、日本語よりも表現パターンを増やしやすいといえます。自分の主張とその理由づけ、結論という流れが明確になっている文章を書く際は、その3つに関する表現パターンを覚えておきましょう。

この表現パターンの数には限りがあるので、英単語を覚えるよりも難しくありません。その表現を1つでも多く覚えて、文章内で使えるように練習してみてください。

英検準1級のライティングの学習におすすめの参考書

英検準1級のライティングの学習には以下の参考書がおすすめです。

  • 最短合格!英検準1級 英作文完全制覇
  • 英検準1級 ライティング大特訓

最短合格!英検準1級 英作文完全制覇

最短合格!英検準1級 英作文完全制覇(ジャパンタイムズ)」は、ライティングの基礎から学習したい方におすすめの1冊です。

ライティング自体は3級から出題されるので、英検準1級から初めて英検を受けるというわけではない場合は、どういった書き方をしたら良いのかある程度把握しているでしょう。しかし、いきなり英検準1級から受験する方は、基礎的なところをまとめた参考書があると良いといえます。

英検準1級 ライティング大特訓

英検準1級 ライティング大特訓(アスク)」は、英検準1級レベルの問題を正しい構成で書くためのコツやノウハウが詰め込まれた1冊です。

この1冊を徹底的に活用することで、スピーディにどういった主張をすれば良いのか頭の中で考えて、具体的にどう英語で表現するのかを書きながら頭の中で組み立てていくことができます。巻末に出題されやすいトピックごとのアイデアリストも載っているので、参考にしてみてください。

ライティングの能力の上げ方

ライティングのコツがわかっても、ライティングの能力を上げていくのが難しい方もいるかもしれません。どうしても難しいという方は、以下のことを試してみてください。

  • 日常的に英語の新聞やニュースに触れる
  • 第三者に添削してもらう
  • スクールに通う

日常的に英語の新聞やニュースに触れる

準1級であれば教材での学習で十分な点数を取ることが可能なトピックの内容が出題されますが、英語の新聞やニュースに日常的に触れることをおすすめします。特に、よく出題されやすい教育や社会、テクノロジー、環境、健康、経済といった分野を読むようにするだけでも、かなり変わってくるので試してみてください。

第三者に添削してもらう

ライティングには押さえておきたいポイントがありますが、自分で文章の良し悪しを判断するのは難しいため、第三者の知り合いや友人などに添削してもらう方法を取り入れましょう。できれば、英検®での実績を持っている方や英語に自信のある方に、添削してもらうのをおすすめします。

スクールに通う

もし、知り合いや友人の中に添削してもらえるような方がいなければ、英検ライティングの添削指導を行っている英検対策専門のコースが用意されているスクールに通うのもおすすめです。

バークレーハウス語学センターでは、英文のライティングスキルが磨けるエッセイ添削プログラムを実施しています。英検対策に精通した日本人とネイティブ講師の指導のもと、英検準1級合格へ導きます。また、全ての級に対応している英検対策に特化したプログラムを受講することにより、必要となるスキルを身につけられるだけでなく、試験の攻略方法やテクニックなども習得できます。バークレーハウス語学センターの英検対策に関する詳しい情報は、こちらの「実用英語技能検定」でご覧いただけます。

ライティングはコツを押さえれば高得点が狙える

英検準1級のライティングは、しっかりとその書き方やコツを押さえて、自分にできる英語表現を正しく使えていれば誰でも高得点を狙うことが可能です。

まずは、トピックの内容を理解して自分の意見を持てるように、出題されやすいジャンルの知識を身につけるところから始めてみてください。そして、第三者からの客観的な意見を取り入れて、自分のライティングスキルを高めていきましょう。

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