英検を受験する上で、避けては通れないのがスピーキングテストです。
しかし、学校で学んだりする機会も少なく、苦手意識を持っている人が多いのではないでしょうか。
- 「私に英語なんて話せるわけがない」
- 「やっぱり英会話スクールに通わなきゃダメかな?」
なんてことを考えている方もいると思います。
しかし、英検は対策をすることで合格することができます。
今回は、英検2級のスピーキングテストの内容、対策や勉強方法について紹介していきます。
英検2級のスピーキングテストの特徴
英検2級では、二次試験に面接試験があります。
面接試験は英語でおこなわれ、スピーキングテストという呼ばれ方もしています。
一般的に合格ラインは8割と言われています。
筆記試験などを含む英検2級の詳しい説明は、以下のページで紹介しています。
スピーキング試験とは
面接官は一人で、面接時間は7分間です。
個人面接形式でのスピーキングがおこなわれます。
出題される問題は決まっており
- 音読
- パッセージについての質問
- イラストについての質問
- あるトピックに関する受験者自身の意見など
- 日常生活の一般的な事柄に関する受験者自身の意見など
以上、5つです。
採点基準には応答内容や語彙力だけではなく、意欲や態度といった、「アティチュード」も含まれます。
つまり、英語を用いたコミュニケーションがどれほど使えるかを試されているのです。
英検アティチュードは重要?
聞き慣れない単語が出てきたと思いますので、紹介します。
アティチュード “Attitude” は姿勢という意味で、文字通り面接官と積極的にコミュニケーションを取っているかを数値化したスコアです。
具体例としては、アイコンタクトや挨拶といった礼儀などが挙げられます。
英検アティチュードの詳しい説明は以下のページで紹介しています。
スピーキングテストの試験構成、流れを紹介!
次に、スピーキングテストの流れを紹介します。
入室時
まず、受付で面接カードをもらい、名前や番号を記入します。
この時点で、頭を英語脳に切り替えてから試験に挑みましょう。
持っている携帯電話の電源を切り、収納ケースに入れることを忘れないでください。
なお、収納ケースは試験会場で配布されますので持参する必要はありません。
係員の指示を待ってから入室します。
このとき、忘れずドアをノックし、面接官へ挨拶しましょう。
好印象を与えることができるかもしれません。
“May I come in?” “Good morning / evening.” などのフレーズが使えますが、簡潔に “Hello.” だけでも問題はありません。
面接カードを渡す
入室後、着席する前に面接カードを面接官に手渡しします。
面接官は英語で話しかけてくるので、先述の通り、入室前に頭のスイッチを切り替えておく必要があります。
着席のタイミング
面接官に着席を促されてから着席しましょう。
自己紹介、面接官と挨拶
面接官が名前や受験級について質問をしてきます。
あせらずに答えましょう。
また、簡単な挨拶をされるので、面接官の目を見てはっきりとした声で答えることを意識してください。
問題カードを受け取る
面接官がテストを始める旨を伝え、問題カードを手渡ししてくるので受け取りましょう。
そこで、 “Thank you.” などと軽く挨拶するだけでもアティチュード点に対してプラスに働きますから、余裕があれば言っておきましょう。
問題カードの黙読と音読
問題カードに書かれた内容を黙読、音読するように指示されます。
きちんと問題を理解できるよう、できるだけリラックスしてから黙読・音読することをおすすめします。
黙読
面接官に20秒で黙読するように指示されます。
20秒というのはとても短いです。
文構造や単語が分からなくなると、あっという間に過ぎてしまいます。
英検の勉強しておくのはもちろんですが、効率よく黙読するためには文章のまとまりを常日頃から意識して学習をしましょう。
音読
黙読が終わると、音読の指示があります。
黙読とは異なり時間制限はありませんので落ち着いて取り組むことが可能です。
英語のタイトルから読み始めることに注意してください。
意味の句切れにポーズを置く、強弱をつけるなどしてメリハリのある音読をしましょう。
落ち着いて音読をすることで英語をより、理解しやすくなります。
Q&A
No.1
音読したパッセージについて “Why〜?” “How〜?” といった質問がされますので、問題カードを見ながら回答します。
もちろん、答えに該当する部分はパッセージ中にありますから文章に沿って回答するようにしてください。
この設問に関しては、あまり準2級との違いはありません。
もし一度で聞き取れなくてもアティチュード点の減点が軽微で済むように、“Pardon me.” “Could you say that again?”など、聞き返すためのフレーズを瞬時に出せるようにしておくとよいでしょう。
No.2
問題カードに印刷されたイラストの内容を説明します。
考える時間は20秒間で、20秒が経過した後に与えられた文章からスピーキングをはじめます。
準2級との違いは、準2級では回答を自由に始められる一方で、2級では1文目が決められていることです。
また、状況がやや複雑であり、1文や2文では詳細を欠いた説明にしかならない点も差異と言えるでしょう。
言葉が詰まったとき、 “Let me see.” や “Well.” といったつなぎ言葉で間を持たせつつ、解答することがアティチュード点を稼ぐためのコツです。
回答後、問題カードを裏返すよう指示があります。
No.3
問題カードの話題と関連のある内容について、受験者自身の意見を問われます。
具体的には、 “Some people say that〜” というように意見が紹介され、 “What do you think about that?” と質問されます。
自身の意見を端的に述べましょう。
準2級と違いYes/Noで答えられず、また自由度がある分、難易度も高くなってしまいます。
アティチュード点のため、つなぎ言葉を意識しましょう。
下を向いたりせず、面接官の目を見て話すことも重要です。
No.4
問題カードとは関連のない質問で、現在の社会現象が説明され、 “Do you think〜?” と問われるのが典型的です。
落ち着いて自身の意見を述べ、説明しましょう。
この設問もNo.1同様にあまり準2級との違いはありません。
アティチュード点についても同じです。
たとえ英語がたどたどしくとも、前向きに、意見を伝えようとする姿勢を大事にしてください。
問題カードを面接官に返す
面接官に試験終了を告げられたのち、問題カードを返却します。
このとき、 “Here you are.” などコミュニケーションを取りながら手渡しするとよいでしょう。
退室
席を立ち、退室します。
忘れ物などがないように気を付けましょう。
また、面接官から簡単な挨拶があるので、以下のように返答できるとよいでしょう。
面接官:Have a nice day. 受験者:You too.
スピーキングテストでのポイント解説
続いて、スピーキングテストで意識するべきポイントについて解説します。
入室~退室について
上にも記載したような、アティチュード点を取るためのポイントは常に意識しておく必要があります。
アティチュードで高評価を得るためのキーワードは「積極性」です。
積極的なコミュニケーションのためには使えるフレーズが多いに越したことはありません。
そのため、テスト内で使えるフレーズを紹介していきたいと思います。
問題の回答前後で使えるフレーズ例
以下の表現は質問を聞き返したいときに使うことができます。
Pardon. Pardon me. Could you repeat please? Would you mind saying that again?
緊張から上手く質問を聞き取れない、というときのため是非とも覚えておきましょう。
何回も同じフレーズを使うのは芸がありませんから、2、3個のフレーズを瞬時に出せるようにしておくとよいと思います。
会話を繋げるためのフレーズ例
“Well…” “Let me see…” “You know…” といった表現は「つなぎ言葉」とよばれ、会話の間を持たせるために使用されます。
日本語で言うところの、「ええと」や「ほら」に当たる言葉です。
言葉が出てこないという時点であまり好ましくはないのですが、流暢に話せることのが珍しいですし、沈黙よりかははるかに良いです。
積極的にこれらのフレーズを使っていきましょう。
問題カードの黙読と音読
黙読
黙読では、最初にタイトルに注目しましょう。
何についての話なのかを理解しているのといないのとでは読解力に雲泥の差がつきます。
そして、パッセージを要約してから本文に目を通すようにしてください。
また、ピリオドやコンマの位置、接続詞・副詞・前置詞に注意しておくと、音読がしやすくなります。
音読
音読では正しい発音・抑揚を意識しましょう。
また、発音の強弱も重要です。
強調するべきところは強く読むことでアピールしていきましょう。
コンマやピリオドといった区切れの「間」も留意できると良いです。
もし知らない単語が出てきたとしても、音読を止めず、堂々と読むことを心掛けましょう。
No.1
質問が “Why〜?” で始まるならば理由、 “How〜?” ではじまるならば方法を軸に答えを探すと効率が良いです。
前者は “by doing so” “in this way” “todo” などが、後者は “therefore” “so” などがそれぞれ手掛かりになります。
答えに当たる箇所の文章を参考に、正しい回答文を考え、面接官に伝えましょう。
このとき、与えられた文章から該当部分を抜き出すのではなく、次のようなアレンジを加えて適切な回答にすることを忘れないでください。
・主語を代名詞に置き換える
・疑問詞に対して文頭に付ける表現を加える( “Why〜?” に対して “That’s because” “How〜?” に対して “By doing” でそれぞれ回答する)
というようなものです。
とっさの判断で変換するのは少し難しく感じるかもしれませんが、慣れればほとんど考えずに変換できますから安心してください。
No.2
最初の20秒間で回答内容を考える必要があります。
指定された1文を手掛かりに登場人物の名前とイラストのトピックを理解しましょう。
冒頭で指定される1文は過去時制の英文なので、回答も過去形を用いなければなりません。
コマの中で時間経過を表す表現がされているため、時間経過の説明も盛り込んでください。
説明の分量は1コマにつき2文程度が望ましいでしょう。
「書かれている人物の状況を説明する英文」+「人物の心理状態を説明する英文」のような形ですね。
No.3
回答を始める際には “I agree.” “I disagree.” などの意見を言い、自分の立場を明確にすると決めておくと、本番でも回答を考えやすくて良いと思います。
“I think that〜” “I don’t think that〜” で始めても構いません。
続けて、そう考えた理由を2文程度で述べましょう。
No.4
面接官の質問内容や疑問詞を注意深く聞き、適切な回答をおこなう必要があります。
疑問詞に則った回答をし、そのあとで意見を2分程度にまとめて口述してください。
英検2級、直前対策!合格するコツはある?
何をすればよいのかわからないうちに面接が近づいてきてしまったという方のために、英検2級の直前で何を対策するべきかご紹介します。
音読は速さにこだわらない
音読はゆっくりはっきり、発音とリズムを意識して読むようにしましょう。
ときどき流暢さと早口とを混同している方がいますが、流暢とは滑らかなことであり、矢継ぎ早に話せばいいというわけではありません。
音読に時間制限はありませんし、ペースを落としてでも奇麗な発音を目指しましょう。
回答する英文はシンプルにまとめる
難しい表現や、複雑な英文法などを使うと文法的に破綻する可能性が高くなり、危険です。
シンプルな文法や馴染んだ文法でまとめることを推奨します。
過去問・問題集を使って繰り返し練習する
過去問や問題集を通じて問題に慣れておきましょう。
また、演習を通じて回答時に使える熟語や表現を身に付けることができるという利点もあります。
声に出して練習する
イメージトレーニングでは効果が出にくいです。
恥ずかしくても、声に出して回答する習慣を付けましょう。
また、日頃からアティチュードを意識することも重要です。
積極性、声の大きさ・音色・しゃべり方などを意識して練習するようにしましょう。
英検対策に最適な学習教材
英検対策に使える学習教材を紹介します。
Duolingo
Duolingoは楽しみながら英語を学ぶことができるアプリです。
難易度はいくつか用意されていますが、全体的には初学者向けと言えます。
勉強の習慣をつけるためにまずやってみる、といった使い方がおすすめです。
また、「英語に対する苦手意識を取り除くためにインストールしてみる」というのもアリです。
10日でできる!英検2級二次試験・面接完全予想問題
一次試験への合格が発表されてから二次試験の当日までにやりきれるというコンセプトの問題集です。
10回分の予想問題が載っており、十分な練習を積むことができます。
また、面接の流れを動画で確認することができるというのも初めて英検を受験する人にとってはありがたいところですね。
日本英語検定協会推奨商品であることもあって、信頼のおける一冊となっています。
英検2級 面接・攻略ポイント20
攻略ポイントを詳しく解説した上で模擬試験8回分を回答することができる問題集です。
面接の流れを開設する動画も付属しています。
特徴として、完全な回答例と最低限の回答例とが用意されています。
「こんな回答ができれば苦労はないし、参考にならないな…」といった残念な気持ちになることはありません。
また、英検CSEスコアの解説が掲載されているのも、他の問題集にはないポイントですね。
※英検CSEスコアとは世界中で用いられている英語のスコア尺度であるCSE(Common Scale for English)を英検の級ごとに表記したものです。詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
英検2級のスピーキングテストでは、正確な解答はもちろんですが、試験に対する前向きな姿勢や態度も求められます。
また、問われる質問にはそれぞれ回答のポイントがあり、これらを踏まえて勉強することで短期間のうちに二次試験の合格することも可能です。
恥ずかしがらずに発声しながら勉強することを忘れずに、対策に取り組んでみてください。