2022/11/30

英検1級のリスニング対策!勉強法やおすすめの参考書も紹介

英検1級_リスニング対策

この記事を書いた人

バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

英検1級の試験の中でも、リスニングパートは多くの学習者が「難易度が高い!」と感じていることでしょう。

ネイティブの自然な会話や、社会性の高いモノローグやインタビューを聞き取り、短時間で正解を選ぶ必要があります。

しかし、一度コツをつかめば、リスニングパートは大きな得点源になります。合格者の中でも、語彙パートで正答率を落としたが、リスニングパートで挽回して合格した」という方は多くいます。

リスニングパートの試験内容、レベル、対策方法や参考書を合わせてお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

英検1級リスニングパートの試験内容

リスニングパートの構成は以下のとおりです。

パート1(10問):会話の内容一致選択問題
二人の会話を聞き、1つの質問に対する答えを選ぶ。
内容はやや複雑な日常会話が多いが、合格のためには正解しておきたい。
例:購入したものの返品、大学の入試課と学生の対話、など

パート2(2問×5=10問):モノローグ
やや高度な内容のショートパッセージを聴き、問題に答える。
内容はマーケティングなどのビジネス分野から生物、歴史などのアカデミック分野まで幅広い。

パート3(5問):モノローグ
与えられた場面に関するショートパッセージを聴き、問題に答える。
与えられる場面は、出張先、買い物途中、仕事中、車の運転中など多岐に渡る。質問文も書かれているので、速読力が必要になる。

パート4(2問):インタビュー
内容はビジネス関係で、働いている人へのインタビューであることが多い。
仕事の魅力、内容、大変さなどが話される。
問題はわずか2問だが、質問文も聞き取る必要がある。

英検1級の概要については、以下のページでも紹介していますので、参考にしてください。

各パートの難易度や内容を解説

パート1:会話の内容一致選択問題

会話に登場する男女ペアの役割や立場を推測しながら聞く必要があります。

admission officeやcustomer serviceなどの表現がヒントになります。
場面と登場する人物の立場がわかると、内容もグッと推測しやすくなります。

質問文も聞き取る必要がありますが、選択肢の内容からある程度推測しておきましょう。

後述しますが、リーディングパートを早めに切り上げ、事前に目を通しておくとさらに場面推測しやすくなります。

もし与えられた時間内に答えられない場合は、頭を切り替えて次の問題に集中しましょう。

1問の解答に掛けられる時間はおよそ10秒ほどです。

パート2:文の内容一致選択

200語程度のパッセージ(説明文)が読まれます。

時間にするとおよそ1分半です。

内容は、医療・健康、科学、社会、テクノロジー、歴史、生物など多岐に渡ります。

パート1と比較すると、高度な用語が登場しますので、苦手とする人が多いパートです。

ただ、専門用語なども登場しますが、きちんと説明がされていたり、論理的な内容が多いので推測しやすくなっています。

また、パート1同様に事前に選択肢に目を通しておきましょう。

その際は、名詞を中心に印をつけておくと、登場人物やメイントピックが推測しやすくなります。

また、集中力維持がカギになりますので、メモをとりながら聴くことをおすすめします。

注意点としては、「選択肢を見ながら聴かない」ことです。

音声と文字の2つの情報を同時に処理することは非常に高度な言語活動で、母語でも難しいとされています。

メモを余白に取りながら聴き、短い解答時間で速読、即決して解答を選択しましょう。

パート3:Real-Life形式の内容一致選択

実生活のある場面設定が与えられます。その英文を読む時間は約10秒です。

カウンターでの説明、留守番電話、ラジオ、館内放送を聞く、など様々な場面が設定されます。

実生活の自然な対話を想定して作られていますので、解答に直接関係のないやり取りも含まれることがあります。

「必要な情報が何か」を、事前にチェックした上で要点をおさえて聞き取りましょう。

パート3では質問文も書かれていますので、必ず目を通しておきましょう。

パート4:インタビューの内容一致選択

長めのインタビューの内容を聞き取り、質問に答えます。

問題数は2問となっています。

インタビューの時間は長く、5分〜6分間あります。

また、質問内容は、仕事の概要、きっかけ、困難なこと、成功の要因などバリエーションに富んでいます。

4〜5つの質問に答えるインタビューであることが多いです。

自然なネイティブ同士の会話ですので、スピードも早く、言い淀みも含んでいます。

集中力を維持することがポイントになりますので、メモを必ずとりましょう。

メモを取る際には、単語のすべてを書く必要はありません。

頭文字や記号をうまく使いましょう、たとえば、increaseは↑、decreaseは↓、successはsに○などになります。

メモはあくまで集中力維持のためです。あとで見返す時間はありませんので、スピード重視で考えてください。

リスニングで高得点を取るコツ

次に、リスニングパートで高得点を取るのに役立つテクニックを紹介していきます。

先読みテクニックを身につける

リーディング・ライティングパートを早めに切り上げ、できれば10分以上はリスニングパートの質問文や選択肢に目を通しましょう。

たとえば、ライティングを先に15分程度で仕上げてしまい、その後リーディング、語彙問題、リスニングパートに目を通す、という順番もおすすめです。

ライティングを先に終えておくと、落ち着いてリーディングに取り組めますし、語彙問題は知らない単語が2つ以上含まれていれば時間をかけても仕方がないので、短時間で切り上げましょう。

リスニングパートに目を通す際は主なトピックに関わりそうな、

名詞、登場人物、肯定的な動詞や形容詞:increase, succeed, permit, positive, affirmative
否定的な動詞や形容詞:diminish, downsize, bad, worse などに丸をつけておきましょう。

内容が予測できますし、その選択肢がそもそも肯定的か否定的かある程度分かりますので、のちに瞬時に判断できる手助けになります。

ただし、選択肢の読み込みはせず、「10分でパート4まで目を通す」ことを重視してください。

不正解の選択肢をしっかり読み込みすぎると、誤認バイアス(不正解が正解に思えてくること)が生じる危険性があります。

速読力を鍛える

リスニング対策だけではなく、速読力は英語の総合的な力を高める上でとても重要なスキルになります。

速読力があれば、リーディングパートの時間も節約できますし、余裕を持ってリスニングパートに望むことができます。速読力をあげるトレーニング方法は沢山ありますが、一部を紹介します。

・フレーズ読みを習慣化する
・高速サイトラ(フレーズ読み→日本語訳)を声に出して実践する
・スピードチェンジャーで易しめの英文を速聴する
・やや易しめの英文を読み、理解したのちに、高速で音読する
・英文を聴く、または読みながら頭の中で映像化する
・単語を暗記するときはチャンクで覚える
(depletionで覚えるのではなく、ozone depletionオゾン層破壊で覚える、など)

集中力を鍛える

英検1級の試験時間は、筆記が100分、リスニングが36分程度です。

かなりの長丁場になり、集中力維持するが合格の鍵です。

リスニングは筆記の後に続けて行われますので、約140分間(2時間20分)、集中を途切らせることなく取り組みましょう。

集中力を高めるには、時間制限を設けることが必要です。

たとえば、ライティングパートは15分で仕上げる、語彙問題は12分までにしよう、などトレーニングの時から時間制限を設けてタスクを完了することを習慣化しておきましょう。

インタビューなどAuthentic Materialに聴き慣れる

学校の授業で使用する教科書音声、学習教材として販売されているCD音声などは、Modified Material(調整された教材)と呼ばれます。

英検1級のリスニングパートでは、Authentic Material(本物の教材)に近い素材が使われます。

つまり、ネイティブ同士が普段話している内容をそのまま問題にしているということです。

Authentic Materialの特徴は、スピードが早く、言い直しや言い淀みが含まれているなど、Modified Materialでは見かけない単語が使用されているということです。

英検1級のリスニング対策として、Authentic Materialにも慣れておく必要があります。

英語ニュースのメモをとりながら聞く(Japan Timesなどは音声も聞けます)、実際に同じスピードで音読するなどのトレーニングが必要です。

もちろん、英検1級の過去問をやりこむことも重要です。

音声は公式HPから無料で手に入りますので、オーバーラッピング(同時に読む活動)やシャドウイング(スクリプトを見ないでついていく音読活動)も効果的です。

色々なトピックに取り組む必要はありません。自分が「面白い!」と感じるトピックの素材を、しっかり理解して、音読したりすることが効果的です。

たとえば、通勤電車の中ではかならず英語ニュースを聴きながら頭の中で映像化してみましょう。

そういった活動を日常の中に組み込んでいきましょう。

学習テクニックが身につく英語勉強法

音声の聞き取り練習をする

まず、対策を始める前に、現状を確認しましょう。

英検1級の過去問を入手し、リスニングで何%くらい正解できるか計測してみましょう。

試験本番と同じように、先に目を通してから、メモをとりながら聞いてください。

正答を選んで、マークするところまで練習しておきましょう。

英検全級で言えることですが、正答率8割を超えると、ほぼ合格ラインです。

語彙問題が苦手な方は、リスニングで取り返す必要がありますので、対策をよりしっかりとおこないましょう。

また、英検1級のリスニングは、インタビュー形式で5分を超える聞き取りが要求されます。

聴きながらトピックが変わったら線を引く、などのメモ整理術も磨いておきましょう。

過去問・問題集を繰り返し解く

英検1級の英文素材は、とてもよく作り込まれています。

試験対策としてだけではなく、内容も時事的でアカデミック・ビジネス関連なものがほとんどですので、やり込むにはとても良い教材です。

一度解いて終わりにせず、解説を参考にしながら意味をきちんと把握し、音読素材としても活用しましょう。

リーディングパートの音読をし、自分の音読をスマホで録音、リスニング素材を自分で作る、という手法も可能です。

リスニング教材を紹介

旺文社「英検1級リスニング問題150(英検分野別ターゲット)」

リスニングパートに特化した学習教材です。

パート1〜4までの分野別に学習できますので、自分の得意・苦手なパートを知ることもできます。

過去問も含まれていますが、本試験より若干難易度がやさしめに作られていますので、これから英検1級のリスニング対策を始めようとする方におすすめです。

ジャパンタイムズ「最短合格!英検1級リスニング問題完全制覇」

本試験の過去問分析をおこない、オリジナル問題を作成した対策本です。

過去問を一通りやり込んだ方には、おすすめの一冊です。

リスニング対策にとどまらず、速聴や音読素材として活用したい内容に仕上がっています。

「TED」

すでにこのアプリをご存知の方が多いと思いますが、こちらはAuthentic Materialで、かつ内容も最先端の濃いものをお探しであれば、この一択です。

TED派生のアプリも登場し、その学習効果が高いことは知られています。

英検1級リスニング対策としてはもちろん、海外の最先端事情やライフレッスン、人生のあり方など心に刺さる内容が多いので、日常的な学習ソースとして活用しましょう。

「mikan」

英検5級から上級の英検1級やTOEFLまで対応しています。

ネイティブ音声も収録されていますので、リスニング対策にも役立ちます。

知らなかった単語が自動で記録され、繰り返し登場しますので、覚えるまで何度も出会うことができ効率の良い学習が可能です。

英検1級のリスニングパートも過去問が収録されていますので、気軽に過去問に取り組めます。正解数なども記録してくれます。

こちらのアプリは基本無料ですが、課金することで学習教材が大幅に増加します。

値段は年齢によって変動し、U18プランですと500円程度です。

「Duolingo」

mikan同様に、可愛いキャラクターが誘導してくれます。

最初にレベルテストを受けることができ、レベルに合わせた学習が可能です。

やさしめの語彙が中心ですが、リスニングでもよく使われる日常表現ですので、確認学習として使えます。

また、このアプリで学習した表現はスピーキングやライティングに応用していきましょう。

Duolingo試験について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

まとめ

英検公式HPによれば、英検1級の4技能全てにおいて、「社会性の高い」という冠言葉がついています。

つまり、英字新聞や英語ニュースの内容を理解して、咀嚼、テーマに対して自分の意見を述べたりすることができるレベルです。

社会性の高い内容で英語を使える人、もっとわかりやすく言えば、「超上級」もしくは「準ネイティブ」です。

先述のように、英検1級の教材は、どの教本もよく作られています。

英検1級合格を目指す方は、TEDや英字新聞などのAuthentic Materialも学習へ積極的に取り入れていきましょう。

自然なネイティブ同士の対話を学習素材に使えるリスニングは、とてもやりがいがあり、また英検1級の対策にもなります。

本記事を参考にし、英検1級のリスニング各パートにしっかりと取り組み、ネイティブ並へ、そして合格へ一歩ずつ歩んでいきましょう。

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