みなさん、留学したい気持ちを抱えながらも、もっとも大きな壁となっているのが費用のはずです。
- 留学に必要な費用を細かく知りたい!
- 留学の費用って節約できないかな?
- 円安で物価が高いけど、留学に影響ってあるの?
また、上記のような疑問もお持ちのはずです。
留学にかかる費用は、学費や生活費以外にも準備に必要なビザ申請や健康診断など、合計するとかなり高額です。
意外にも、留学費用は節約できることを知っていますか?
今回は、アメリカ留学にかかる費用の総額と詳細な内訳、また費用の節約方法について解説します。
留学費用の詳細を知りたい方やできるだけ節約したい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
期間別、アメリカ留学にかかる費用
近年では1週間ほどの超短期から2年以上まで、さまざまな留学プログラムが存在します。
留学する期間によって、費用も変化します。
留学費用を1ヶ月間と1年間にわけて比較をしていきましょう。
1ヶ月留学
アメリカへ1ヶ月留学する場合、目安として30〜80万円かかります。
内訳は、以下の通りです。
学費 | 5〜30万円 |
渡航費 | 10〜20万円 |
生活費 | 3〜10万円 |
滞在費 | 5〜10万円 |
海外留学保険料 | 1〜3万円 |
その他の費用(交通費・交際費など) | 3〜5万円 |
1年間留学
アメリカへ1年留学する場合、目安として230〜730万円かかります。
- 留学期間
- 渡航先
- 学校の種類
- 生活スタイル
上記の項目によっても、年間の費用が変動します。
費用の目安は、以下の通りです。
学費 | 60〜360万円 |
渡航費 | 10〜20万円 |
生活費 | 40〜120万円 |
滞在費 | 60〜120万円 |
海外留学保険料 | 10〜40万円 |
健康診断料 | 2〜3万円 |
諸手続き費用(パスポート・ビザ申請など) | 7〜10万円 |
その他の費用(交通費・交際費など) | 40〜60万円 |
アメリカ留学の学費
留学費用の中でも、大きな割合を占めるのが学費です。
学校によって特徴やサポートもさまざまなので、学費には差があります。
また、留学期間や滞在都市によっても、学費は大きく変動します。
留学の目的を明確にして、自分の学びたい分野や予算に合わせて留学先を慎重に考えましょう。
次に、学校別に学費の違いを説明します。
渡航先や制度による、学費の節約方法もご紹介します。
語学学校の場合
語学学校に通う場合、1ヶ月の学費の目安は5〜20万円です。
- 授業時間
- 授業内容
- レベル
- クラス編成(日本人のみなど)
- サポート体制やサービス
上記の項目だけでも学校によって値段が異なるので、よく調べておきましょう。
値段が一番安いという理由だけで選んでしまうと、質の悪い学校を選んでしまうかもしれません。
かならず、学校のカリキュラム内容や口コミなどを確認してから申込みましょう。
一日体験入学などを実施している学校ありますので、しっかりとチェックしましょう。
適切な留学先と時期を選び、費用を節約
学費を少しでも節約したいのなら、留学期間と渡航先を見直してみるといいでしょう。
ニューヨークやボストン、シアトルといった有名な都市部は、物価が高く学費も高い傾向にあります。
以下の記事では、上記の都市で留学した際のメリット・デメリットを解説しています。
こちらも、参考にしてみてください。
また、場所にこだわりがなければ、他の都市も考慮に入れましょう。
- ソルトレイクシティ
- オクラホマシティ
- コロンバス
- ナッシュビル
- アトランタ
- インディアナポリス
上記の都市はアメリカの中でも比較的物価の安い都市なので、学費もある程度抑えられるでしょう。
大学・大学院の場合
大学や大学院への留学は、英語のスキルアップよりも専門的な知識を学ぶことを目的としています。
学費は語学学校よりも高額になりますが、多くの学生が奨学金を利用しているので、費用面でもサポートを受けやすいです。
アメリカの大学は州立大学と私立大学にわかれており、それぞれ学費も違います。
州立の場合
州立大学とは現地州内の学生に広く大学教育を与えることを目的とした大学です。
ほとんどの州立大学は入学試験のハードルが低く設定されています。
また、1万人を超える学生数を抱えているのも州立大学の特徴です。
州立大学の学費は1年で20,000〜50,000ドルです。
1ドル140円の換算では、最低でも年間で約280万円が必要となります。
最大でも、700万円の学費が必要になるでしょう。
※2023年5月時点でのレートとなります。
私立の場合
私立大学は州立大学と異なり、入学難易度が高く、小規模で内容の濃い授業をおこなっています。
教育水準が高い分、授業料も高くなっていますが、多額の寄付金を受けているため奨学金として学生に還元される金額も大きいです。
私立大学での一般的な学費は1年で30,000〜55,000ドルです。
1ドル140円の換算では、最低でも年間で約420万円が必要となります。
最大でも、770万円の学費が必要になるでしょう
交換留学や奨学金を活用して、学費を抑えよう
現在、日本の大学に在籍しているのであれば、交換留学制度があるかどうかを確認しましょう。
交換留学とは、大学を休学することなく海外留学できる制度です。
在籍している日本の大学の授業料をそのまま留学先の授業料として使用できるので、学費を抑えたい人には大きなメリットになります。
また、留学先の大学でしっかりと単位を収めれば、それを日本の大学の単位として認められるので、卒業が遅れる心配もありません。
アメリカは学費が高額なため、奨学金制度が充実しています。
スカラーシップと呼ばれ、実に学生の7割が利用しています。
返済義務のある日本の奨学金制度と違い、アメリカは返済義務のないものが多いです。
留学生が利用できる奨学金制度もあるので、渡航先の学校を一度調べてみてください。
まずは、日本の海外留学奨学金制度について調べてみることをおすすめします。
アメリカ留学、事前に必要なお金
アメリカへ留学するには、事前準備の段階で約20〜30万円必要です。
費用が必要となるのは、以下の通りです。
- パスポート
- ビザ申請費
- 健康診断受診料
- 渡航費
上記のどれも留学するうえで欠かせないものです。
詳細を見ていきましょう。
パスポート・ビザ申請費
パスポートは最低でも滞在予定期間プラス、6ヶ月の有効期間が必要です。
有効期限が不足している場合は、更新する必要があります。
パスポートには2種類あり、申請費は以下の通りです。
- 10年間有効のパスポート:16,000円
- 5年間有効のパスポート:11,000円
20歳未満は5年間有効のパスポートのみ申請可能です。
留学期間が90日以上の場合は、ビザの申請が必要です。
ビザ申請費以外にも、SEVIS費用や返送料もかかります。
SEVISとは、学生・交流訪問者情報システムのことです。
留学先の学校で卒業、またはプログラムを終えるまで、学生やその家族の情報の管理費として支払う必要があります。
- ビザ申請料:$160(1$=140円換算で22,400円)
- SEVIS費用:$350(1$=140円換算で49,000円)
- パスポート/*書類の返却郵送料金:3,190円
※為替レートによって支払額が変動します。
※SEVISはクレジットカードでの支払いが必要です。
※東京のCGI Federal文書配達センター受領の場合は不要です。
航空券代
事前準備費用の中でも、とくに値段が大きいのが航空券代です。
行き先や航空会社によって差がありますが、日本からアメリカへの渡航費の相場は往復で10〜20万円です。
アメリカは国内で時差があるほど広い国なので、東へ行くか西へ行くかだけでも飛行時間は大きく変わり、燃油代なども変動します。
海外留学保険費用
海外留学保険は1ヶ月で1〜3万円、年間10〜40万円が相場です。
滞在先での事故や病気、トラブルに対して補償してくれます。
海外留学保険はプランがさまざまあり、それによって費用も変わります。
節約したい人は最低限の補償だけを選んで加入しましょう。
渡航先の国や学校によっては、海外保険の加入が必須条件となっている場合もありますので、事前に確認が必要です。
たとえ保険の加入が必須条件ではなかったとしても、海外留学保険には入りましょう。
自分は大丈夫、と過信するのは禁物です。
急病や事故から自分を守るためにも、かならず保険に加入しましょう。
アメリカ留学の際に選ぶべき保険を以下にまとめています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
健康診断費用
大学によっては入学前に特定の健康診断や予防接種を受け、英文の診断書の提出が求められます。
費用は1万5千円〜3万円ほどです。
医学用語の多い英文を読みとき、必要な診断を受けて正確に記入します。
主な診断項目は以下の通りです。
- 血液検査
- 尿検査
- 血圧
- 脈拍
- 視力検査
予防接種には、MMRワクチンや結核検査のツベルクリン反応検査などがあげられます。
そのほかは州や教育機関によって変わります。
MMRワクチンとは
- はしか、おたふく風邪、風疹に対するワクチンのこと
予防接種にはすぐに受けられるものや、1ヶ月の間隔をあけて2回接種するものなどがあるので、早めに受けるようにしましょう。
節約のポイントは、渡航時期
また、事前準備費用の中でも節約しやすいのが、航空券代です。
オフシーズンで観光客の少ない1月〜3月は通常より安くなるので、この時期は狙い目です。
ただし、アメリカの学校は一般的に9月が入学時期ですので、オフシーズンの渡航ではズレてしまいます。
中には、年に数回の入学や編入時期を設けている学校もあるので、入学と渡航のタイミングを調べてみましょう。
ほかにも、直行の便よりも経由便の方が渡航費は安くなります。
しかし、経由便はトランジットに数時間の待ち時間が発生する場合があります。
慣れない言語での案内で疲れが出やすく、荷物のトラブルなども起こりやすいです。
どこに節約ポイントを置くかをよく考えて、賢く節約しましょう。
アメリカ留学の生活費
留学における生活費には、居住費(家賃・光熱費)、食費、交通費や交際費などが挙げられます。
それぞれ、どのような生活スタイルをとるかによって、かかる費用も大きく異なります。
また地域によって物価も異なるので、滞在先によっても費用は変わりやすいです。
次に、生活費を項目ごとにわけて紹介します。
居住費
アメリカ留学の滞在方法としては、主に以下の3つとなります。
- ホームステイ
- 寮
- シェアハウス
次に、サンフランシスコを例にそれぞれの居住費(家賃・光熱費)の目安を紹介します。
寮(月8〜12万円)
- 寮には朝・夕食付きのものや、部屋にキッチンが付いていて自炊するタイプなどがあります。
手厚いサポートが付帯している寮は必然的に高くなる傾向にありますので、費用が変動します。
ホームステイ(月15〜20万円)
- 現地の家族と一緒に暮らせるホームステイは留学生に人気です。
他と比べて費用が高くなりがちですが、ホームステイでしかできない体験もたくさんあります。
ホストファミリーと一緒に会話をしながらご飯を食べたり、週末に出かけるなど、家族として受け入れてもらえる体験はホームステイの醍醐味です。
ホームステイについては、以下の記事で詳細に解説しています。
シェアハウス(月10〜15万円)
- 長期滞在の留学生にはシェアハウスが人気で、シェアハウスはアメリカでは一般的な生活スタイルです。
現地で友人ができたら部屋を借りて、一緒に住むことで家賃を抑えられます。
ただし、環境や文化が違う相手と一つ屋根の下で生活をするのは、何かとトラブルの原因にもなりやすいです。
気の合う仲間であれば毎日楽しく過ごせますが、ルームメイトが帰国すると、新しい人が入るまで家賃の負担が続くことがあります。
費用面だけを見れば、一番費用を抑えられるのは寮かシェアハウスです。
どのような留学をしたいのか、どのような経験をしたいのか、また学生であれば安全面も考慮して考えましょう。
食費
アメリカ留学をする場合、毎日自炊をすれば食費は月に3万円ほど、頻繁に外食をする場合は約7万円ほどかかります。
アメリカでの外食は、相場が日本よりもやや高めです。
レストランで食事をする場合、1回で5千円〜1万円かかります。
ファストフードやフードコートでの食事でも1,000円以上かかるのが普通です。
アメリカのチップ文化
- レストランで外食するときは、支払い合計額の15〜20%のチップを支払わなければなりません。
ファストフードやフードコートでは、チップを支払う必要はありません。
ただし、ファストフードのような店構えであってもレストランやダイニングの可能性もあります。
その場合には、チップなどが発生しますので注意して支払いましょう。
基本的には、お金を先払いし自分で食べ物を受け持つ場合はチップが発生しません。
逆にレストランなどは後払いであり、担当のウェイターにおすすめの料理を教えてもらったり、運んでもらうので、チップが発生します。
交通費、交際費
交通費は滞在場所から学校までの距離や交通手段によって変動します。
バスで通う定期券を購入した場合おおよそ月に5千円〜1万円程度です。
交際費は現地でできた友達と遊んだり、旅行をしたり、イベントに参加するときにかかる費用です。
こちらも興味や時期によって変わりますが、平均して月に約2万円かかります。
生活費は、物価や為替変動に注意
生活費は、物価や為替変動に大きく影響します。
できるだけ費用を節約したいなら、物価の安い地域に住むのが一番です。
他にもシェアハウスにして家賃を節約したり、外食を控えて自炊することも節約になります。
為替の値動きを逐一調べる必要はないですが、シャンプーなどの生活必需品を安い時期にまとめ買いするのも生活の知恵です。
まとめ
アメリカ留学は、誰でも気軽にチャレンジできるほど値段は安くはありません。
日本の円安が続いている現代では、費用面はかなり厳しいです。
しかし、それだけで留学の夢を諦めるにはまだ早いです。
渡航時期や渡航先、留学期間などを見直し、生活費や学費を節約できれば費用は抑えられます。
留学の目的をよく考えて、自分の夢に向かって取捨選択をしましょう。
お金をかけるべきところは、出し惜しみせずにかけましょう。
一方で、不要な部分は節約することで、費用を抑えて満足のいく留学体験をしましょう。