2022/05/24

イギリスの大学院留学はどれくらい大変?授業や課題、試験の内容を紹介

この記事を書いた人

Y.D
学習院大学文学部卒業
吉田 大輝 Yoshida Daiki
大学卒業後、バークレーハウスでスクールカウンセラーとして勤務。
IELTS対策を中心に、各種試験対策に励む生徒たちをサポートする中で渡英を決意。現在はイギリスのリーズ大学大学院にて翻訳コース、異文化コミュニケーションを専攻。

大学院留学を検討している方のなかには、授業や課題、試験がどれくらい大変なのか気になっている方も多いと思います。

とくに海外の大学は「入学は簡単、卒業は難しい」と言われています。

この記事では、実際の体験談をもとに、海外大学院の授業、課題、試験の内容について解説します。

吉田さん
吉田さん

現役留学生の視点からできるだけ詳しく解説していきます!

目次

イギリスの大学院の授業内容

イギリスの大学は、1つの授業に対して、レクチャーとセミナーという2つの授業形式が設けられています。

そのため、日本の大学では1授業は週1コマですが、イギリスの大学では1つの授業が週に2コマあります。

つまり、1学期に4つの授業を履修していた場合、1週間の授業回数は8回です。

吉田さん
吉田さん

週8回の授業と聞くと、それほど大変ではないようにも思えますが、日々の授業に加えて大量の課題が出されます。

レクチャーとは

レクチャーは、日本の大学でもよくみられる講義形式の授業です。

レクチャーにおいて、生徒は先生の話を聞いて学習します。

セミナーとは

セミナーは、ディスカッション形式の授業です。

セミナーにおいては、生徒どうしが話し合ってそれぞれの意見を交換します。

レクチャーで先生の説明を聞いたあと、セミナーで話し合う流れが授業の基本になっています。

授業で出される課題の量

イギリスの大学院では、授業ごとに沢山の宿題がでます。

たとえば、1授業あたりの課題の量はこれくらいです。

  • 次回レッスンのReading List
  • 論文:3~7つ
  • 本:1~3章
  • 新聞記事、動画、ラジオなど

さらに、これらの課題とは別に試験やエッセイもあります。

吉田さん
吉田さん

前期は4つの授業を履修していたので、毎週上記の4倍くらいの課題が出されていて、毎日とても忙しかったです…!

試験の内容

イギリスの大学院では、試験やエッセイによって成績が評価されます。

基本的に論述問題となっており、オンラインで実施されるものがほとんどです。

吉田さん
吉田さん

私が実際に出題された試験問題を紹介します!

試験問題:10の質問から3つ選択し、それぞれ1,000ワードで論じなさい。(48時間)

試験時間は48時間となっていますが、食事や就寝の時間も含まれているため、解答に使える時間はもっと少なくなります。

また、オンライン試験であっても、参考文献や引用のルールは論文と同様です。

そのため、著者の名前や出版年、ページ数なども記載しなければならず、オンラインでも非常に大変だと感じました。

エッセイの内容

エッセイとは、レポートのようなもので、決められた期日までに提出しなければいけません。

授業やテーマによって求められる文字数は異なりますが、だいたい2,000~4,000ワードが一般的な文字数です。

多くの場合、エッセイは学期末に出されるため、提出期限が重なることもしばしば起こります。

吉田さん
吉田さん

試験・エッセイは成績に直結するため、とてもストレスフルでした…

成績評価の方法

イギリス大学院の成績は、以下の4段階で評価されます。

  • Fail:~49点
  • Pass:50~59点
  • Merit:60~69点
  • Distinction:70点~

Fail(不可)

基本的に50点以上の成績をとれないとFailの評価となり、単位の取得は認められません。

選択授業の場合、別の授業で単位を取得すれば問題ありませんが、必修授業で不合格になってしまうと有料の再試験を受ける必要があります。

Pass(可)

50~59点の成績を取得できるとPassの評価となり、単位の取得が認められます。

Passを取得しておけば、最低限卒業単位を取得することはできますが、イギリス国内での就活や外資系企業においてはPassは評価されません。

Merit(良)

60~69点の成績を取得できるとMeritの評価となります。

イギリスの多くの企業は、大学の成績評価でMerit以上を条件としているため、多くの学生はMeritを目指して必死に勉強しています。

Distinction(優)

70点以上の成績を取得できるとDistinctionの評価となります。

Distinctionの評価を得るのは非常に難しく、ネイティブの学生でもなかなかとれません。

一般的にDistinctionを取得できるのは、全体の約3%といわれています。

吉田さんの前期の成績を公開

私が前期に受講していた4つの授業は、以下のような成績でした。

パーセンテージは、授業全体としての成績評価の割合を示しています。

授業A

  • エッセイ (33%):Merit
  • オンライン試験 (67%):Merit

授業B

  • エッセイ (100%):Merit

授業C

  • エッセイ (30%):Merit
  • 発表 (40%):Merit
  • エッセイ (30%):Distinction

授業D

  • エッセイ (40%):Distinction
  • エッセイ (60%):後期
吉田さん
吉田さん

自分で言うのはすこし恥ずかしいですが…

留学生にしてはなかなかよい成績を取得できました!

【現役留学生が教える】期末試験の対策方法

期末試験の対策で力を入れたことは、前年の過去問題と解答の分析です。

多くの先生は、前年の試験で出題された問題と模範解答を共有してくれます。

そして、ほとんどの試験では過去問題と似た内容が出題されます。

そのため、過去問と解答をもとに出題内容を推測して、本番までに自分なりの解答を用意しておくことがポイントです。

また、エッセイの対策方法は、早く書き始めること、構成をしっかり練ることの2つです。

一般的にエッセイは〆切の2か月前に発表されるため、早々にトピックと章立てを決めてエッセイプランをたてましょう。

エッセイプランを先生に提出してフィードバックをもらうのもおすすめです。

吉田さん
吉田さん

試験もエッセイもとにかく準備が大切です!

まとめ

イギリスの大学院では、授業の数はそれほど多くありませんが、大量の課題が出されるため、基本的に毎日忙しいです。

とくに試験前や学期末は、テスト対策とエッセイに追われて大変に感じた場面もありました。

しかし、しっかりと対策しておけば一定以上の成績をとれるため、あまり過度な心配をする必要はありません。

ぜひ勉強も遊びも充実した留学生活を楽しんでください。

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