
- TOEFL iBTはどこで受験できる?
- 申し込みはどうすればいい?
- 試験当日の流れや持ち物は?
海外留学や大学進学、英語力証明に広く活用されているTOEFL iBTですが、はじめて受験する人にとっては不安や疑問も多いものです。
本記事では、TOEFL iBTの基礎知識から試験日程、申し込み方法、受験当日の流れ、スコア確認の手順までをわかりやすく解説します。
TOEFL iBTとは?受験前に知りたい基礎知識

まずは、TOEFL iBTの概要や試験の特徴、スコアの仕組みについて詳しく解説します。
効率的に対策を進めるためにも、「どんな試験なのか」「スコアはどのように評価されるのか」をしっかり押さえておきましょう。
TOEFL iBTってどんな試験?
TOEFL iBT(Test of English as a Foreign Language Internet-Based Test)は、英語を母語としない人を対象に英語力を測定する試験です。
世界150か国以上で受け入れられており、とくに海外の大学や大学院への進学を目指す人にとって欠かせない英語試験のひとつです。
4技能(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)を総合的に評価する点が特徴で、アカデミックな場面を想定した設問が中心となっています。
そのため、単なる語彙や文法知識だけでなく、実践的な英語運用力をバランスよく測定できる試験です。
試験はすべてオンライン形式で行われ、世界各地のテストセンターに加え、自宅で受験できる「Home Edition」も選択可能です。
将来的に英語圏での留学や就職を考えている人にとって、英語力を証明する上で非常に重要な資格といえるでしょう。
スコアの仕組みと有効期限
TOEFL iBTは4つのセクション(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)それぞれが0〜30点で評価され、合計120点満点でスコアが算出されます。
各セクションの得点は、試験を運営するETS(Educational Testing Service)が定める評価基準に基づき、正答数や回答の質に応じて決まります。
スコアの有効期限は原則2年間で、多くの大学や機関ではこの期間内のスコアしか受け付けません。そのため、早めの準備は大切ですが、出願や入学時期から逆算して受験日を設定することが重要です。
スコアは試験後およそ8日でETSアカウント上に表示されます。志望校の提出締切に間に合うよう、スケジュール管理を徹底しましょう。
また、過去2年間の中でもっとも高い各セクションスコアを組み合わせられる「MyBestスコア制度」もあり、他の英語試験にはない大きな特徴です。
TOEFL iBTはどこで受験できる?
TOEFL iBTは、「会場受験」と「自宅受験(Home Edition)」の2つの形式から選択できます。
自分のライフスタイルや環境に合わせて受験できる点が大きな魅力ですが、それぞれ特徴や注意点があるため、事前の確認が重要です。
会場受験
TOEFL iBTの会場受験は、全国各地の公式テストセンターで実施されます。
自宅の通信環境や機器に不安がある場合でも、安定した設備と監督体制が整っているため、集中して受験できるのがメリットです。
年間50日以上、午前・午後を合わせて120回以上開催されていますが、地方では回数が限られることもあります。
会場によって実施曜日や時間帯が異なるため、希望日程がある場合は早めの予約がおすすめです。
とくに大学出願期(秋〜冬)は混雑する傾向があるため、余裕を持ったスケジュール調整が必要です。
また、試験当日は本人確認や厳格なセキュリティチェックが行われ、公平性・信頼性の高い環境で受験できます。
自宅受験(Home Edition)
自宅受験(TOEFL iBT Home Edition)は、2020年以降に導入された新しい受験形式で、自宅のPCと安定したインターネット環境があれば世界中どこからでも受験可能です。
週4〜5日、24時間対応で実施され、柔軟に日程を調整できるほか、移動や交通費が不要なため、社会人や遠方の受験者にも便利な選択肢です。
ただし、試験中はAIと人によるリモート監視(ProctorU)が行われるため、受験環境には厳しい条件があります。
自宅で受験する条件
- 静かな個室であること、使用するパソコンのスペックやOSのバージョンの条件を満たすこと、ウェブカメラ・マイク・スピーカーの事前動作確認などが求められます。
- さらに、スマートフォンや他の電子機器は手元に置かないなど、細かなルールも定められており、テスト前には受験する机を含んで360度、部屋全体を試験管に見せる必要もあります。
これらを満たさない場合、受験が無効になる可能性があります。
また、通信トラブルで試験が中断した場合は再受験が必要になることもあるため、必ず公式チェックリストに沿って準備を整えましょう。
さらに、申請先の大学や機関によってはHome Editionのスコアを受け付けない場合があります。
受験前にかならず提出先の要件を確認してください。
TOEFL iBTの試験日程はいつ?
TOEFL iBTは年間を通じて複数回開催され、会場受験・自宅受験ともに自分のスケジュールに合わせて日程を選択できます。
会場受験は、年間50日以上、午前・午後を合わせて120回以上実施されますが、試験日は地域によって異なります。
受験希望日が決まったら、公式サイトで必ず空席状況を確認しましょう。
自宅受験(Home Edition)は、週4〜5日、24時間対応で実施され、柔軟な日程調整が可能です。
留学や出願の締切に間に合わせるには、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。
出願期限間際の申し込みは、希望の会場や日程が満席になったり、スコアが間に合わないリスクがあるため、最低でも出願の2か月前までに受験を済ませるのが理想です。
また、TOEFL iBTは中3日以上空けないと再受験できないルールがあります。
再受験を視野に入れている場合は、この間隔も考慮して計画を立てましょう。
TOEFL iBT受験の申し込み方法は?
TOEFL iBTの申し込みは、ETS公式サイトからオンラインで手続きが可能です。
ただし、申し込みにはいくつかの準備や締め切りがあるため、事前に把握しておく必要があります。
ここでは、申し込みに必要なものや各ステップの流れを丁寧に解説します。
申し込みに必要なもの
TOEFL iBTの受験申し込みには、事前に以下を準備しておきましょう
- 有効なパスポート TOEFLでは本人確認のためパスポートの提示が必須です。申し込み時にもパスポート情報を入力する必要があります
- ETSアカウント
ETSアカウントを通じて申し込みやスコア確認、成績送付先の指定を行います。登録情報はパスポートと完全一致させる必要があります
※誤入力があると受験できない可能性があるため、慎重に登録しましょう。 - 支払い手段 クレジットカードまたはPayPalアカウントを準備します。支払い完了後に申し込みが確定します。
また、試験形式(会場受験/自宅受験)を事前に決めておくと、希望日程をスムーズに選択できます。
申し込みの締め切り日
TOEFL iBTの申し込みは、試験日の2日前(中1日)まで可能ですが、通常は試験日の7日前(中6日)が締め切りです。
それ以降でも空席があれば申し込めますが、追加手数料(40米ドル)が発生します。
人気の受験日や会場は早期に満席になるため、とくに出願シーズン(秋〜冬)は早めの手続きがおすすめです。
自宅受験の場合はPCスペックやテスト環境の確認が必要となるため、最低でも2〜3週間前には準備を始めましょう。
締め切り情報はETS公式サイトで随時更新されるため、最新情報を確認してください。
Webでの申し込み方法
TOEFL iBTの申し込みは、ETS公式サイトから行います。
- ETSアカウントにログイン
- 「TOEFL」→「Register / Find Test Centers, Dates」を選択
- 受験形式(会場/自宅)、地域、日程を選択
- パスポート情報や連絡先を入力
- スコア送付先(最大4か所まで無料)を登録
- クレジットカードやPayPalで受験料を支払い、申し込み完了
完了後には確認メールが届くため、必ず内容を確認しましょう。
マイページから日程変更やキャンセルも可能ですが、期限を過ぎると変更はできません。
自宅受験(Home Edition)申し込みの注意点
自宅受験には会場受験と異なる注意点があります。
- 受験に使用するPCやインターネット環境がETSの要件を満たしているか事前確認が必要
- 試験中は「ProctorU」による監督が行われるため、Webカメラやマイクの事前チェックが必須
- 申し込み後、「ProctorU」サイトでアカウント作成・日程予約が必要(未実施だと受験不可)
- 試験当日は開始30分前にログインし、監督者との接続や本人確認、部屋の確認を実施
自宅受験は利便性が高い一方で、環境不備や通信トラブルによる失格のリスクもあります。
公式のシステムチェックツールを活用して事前準備を徹底しましょう。
受験料・キャンセル・日程変更について

TOEFL iBTの受験には一定の費用がかかりますが、万が一の変更やキャンセル時には追加料金が発生します。
ここでは、受験料の金額や支払い方法、変更やキャンセルにかかる手数料の目安について詳しく解説します。
受験料と支払い方法
日本でのTOEFL iBTの受験料は、2025年4月1日から改定され、試験日の7日前まで(中6日)の通常申込期間に申し込んだ場合は195米ドルです。
通常申込の締め切り以降でも、残席があれば試験日の2日前(中1日)まで申し込み可能ですが、追加手数料49米ドルが発生し、合計244米ドルとなります。
受験料は申し込み時に一括で支払う必要があり、支払い方法としてはクレジットカード(Visa、Mastercard、JCBなど)やPayPal、デビットカード、電子チェック(米国内の銀行のみ)が利用できます。
日本在住の受験者はクレジットカードかPayPalを使用するのが一般的です。
支払い完了と同時に申し込みが確定しますが、カードの有効期限や利用限度額に不備があると予約が成立しないため、事前に必ず確認しておきましょう。
キャンセル・日程変更のルールと手数料
TOEFL iBTのキャンセルや日程変更は、すべてETSアカウントのマイページから手続き可能ですが、変更する場合には手数料が発生します。
キャンセルは試験日の4日前(中3日)までに手続きをおこなえば、受験料の50%が返金されます。
試験日の3日前以降は返金されません。
日程変更も4日前(中3日)までであれば可能ですが、変更手数料として60米ドルが必要です。
また、試験直前のキャンセルや体調不良などによる欠席は、返金や振替が一切認められません。
予定変更の可能性がある場合は、早めにキャンセルや日程変更を検討しましょう。
試験当日の流れと持ち物
試験当日はスムーズに受験できるよう、集合時間や必要な持ち物を事前に確認して準備しておくことが重要です。
ここでは、会場受験・自宅受験それぞれの当日の流れや注意点、必要なアイテムについて解説します。
会場受験の集合時間と当日の流れ
会場受験の場合、試験当日は開始時間の30分〜1時間前には会場に到着することが推奨されます。
- 受付で本人確認のためパスポートを提示し、チェックインをおこなう
- 次に、ロッカーなど指定場所に荷物を預け、名前を呼ばれたら再度身分証と本人確認、写真撮影
- 持ち込み禁止物の確認のため、金属探知機でのボディチェックを受ける場合もある
- チェック後は、試験用の筆記用具を受け取り、座席へ移動します。
- 試験開始前には簡単な説明や音声テストがあり、質問があればこのタイミングで対応される
試験時間は約2時間で、途中に10分間の休憩があります。
試験中は試験官の監視下で実施され、カンニング防止のための厳格なルールが適用されます。
集合時間を過ぎると受験できない場合があるため、交通手段や天候の影響も考慮し、事前にルートや所要時間を確認して余裕をもって行動しましょう。
必要な持ち物
TOEFL iBT会場受験で必須となる持ち物は「有効なパスポート」のみです。
パスポートを持っていない場合、会場受験では原本かつ有効期限内の顔写真付き運転免許証、マイナンバーカード、住民基本台帳カードなども有効ですが、自宅受験(Home Edition)の場合はパスポートのみが認められます。
筆記用具、スマートフォン、飲食物などは原則持ち込み禁止で、会場のロッカーや指定場所に保管します。腕時計も着用できないため、時間確認は画面表示で行います。
さらに、他の受験者のマイクテスト音が気になる場合は耳栓、会場の空調が心配な場合は防寒具を持参すると安心です。
規則違反は失格につながるため、事前にETS公式サイトで最新ルールを確認し、当日に慌てることがないよう準備しておきましょう。
自宅受験(Home Edition)の当日の準備
自宅受験の場合は、試験当日の準備がとくに重要です。
- まず、試験前にシステムチェックを行い、PCの動作、カメラ、マイク、ネット環境が基準を満たしているか確認
- 部屋は静かな個室にし、受験中に第三者が入室しないようにする
- 机の上の不要物は片付け、監督者の指示に従いやすい環境を整える
- 試験開始30分前には「ProctorU」にログインし、本人確認、部屋の確認、システムテストを実施
不備があると受験がキャンセルされたり、スコアが無効になる可能性があるため、万全な状態で臨む必要があります。
また、騒音やネットの不安定さがスコアに影響する場合があるため、できるだけ静かで安定した環境を確保しましょう。
試験終了後は、画面上で試験完了の確認が表示され、「ProctorU」の案内に従って退室すれば受験完了です。
いつ届く?受験後のスコア確認
TOEFL iBTのスコアは、試験後約8日でオンライン確認が可能です。
また、「MyBestスコア」や「リスコア(再採点)」の制度を活用すれば、より高いスコアで出願できる可能性もあります。
ここでは、スコア確認の手順や各制度の特徴についてわかりやすく紹介します。
スコアの確認方法
TOEFL iBTのスコアは、通常試験日から約4〜8日後にETSアカウントで確認できます。
スコアが利用可能になると、登録メールアドレスに通知が届くため、見逃さないようにしましょう。
スコアはPDFとしてダウンロードでき、大学や奨学金申請にも使用できます。
また、試験申込時に指定すれば、最大4校までETSから直接スコアを無料送信可能です。
受験後に追加送信する場合は、1校あたり30米ドルの追加料金が発生します。
MyBestスコアとは?
「MyBestスコア」とは、過去2年間の複数回のTOEFL iBTスコアから、各セクションでもっとも高い点数を組み合わせた形式です。
たとえば、ある試験でリーディングとリスニングが高得点、別の試験でスピーキングとライティングが高得点だった場合、それらを組み合わせたスコアが表示されます。
この仕組みにより、一度の試験結果に左右されず、自分の実力を最大限にアピールできる点がメリットです。
多くの大学や教育機関がMyBestスコアを受け入れていますが、採用していない学校もあるため、事前確認が必要です。
スコアレポートには通常スコアとMyBestスコアが併記されるため、追加申請は不要です。
リスコア(再採点)の申請方法
スピーキングやライティングのスコアに納得できない場合は、「リスコア(再採点)」を申請できます。
申請はスコア公開後30日以内にETSマイページからおこない、1セクションにつき80米ドル(2セクションで160米ドル)の手数料が必要です。
再採点後、スコアが変更された場合は新スコアがすべてのスコアレポートに反映され、過去のスコアは無効となります。
ただし、上がる可能性もあれば下がる可能性もあり、依頼後のキャンセルはできません。結果は再評価後が最終決定です。
また、提出期限が迫っている場合は、リスコアに2〜3週間かかることを考慮しましょう。
スピーキングやライティングに自信がある人、または明らかに低く評価されたと感じる場合には有効な手段です。
まとめ
TOEFL iBTは、海外の大学・大学院や奨学金申請にも利用される重要な英語試験です。
試験形式や申込方法、当日の流れ、スコア確認方法、リスコア制度まで把握しておくことで、より有利に活用できます。
この記事を参考に、準備から受験、スコア活用までをスムーズに進め、自信を持って試験に臨みましょう。