社会人になってから、海外に留学したいと考える方は珍しくありません。
海外留学したい気持ちがあっても、お金がないという理由で諦める方も多いのではないでしょうか。
しかし、奨学金を活用することで、財政的な障壁を克服できる可能性があります。
本記事では、社会人が海外留学時に利用できる奨学金について解説します。
海外への留学を検討している社会人の方は、ぜひ参考にしてください!
また、下記の記事ではオーストラリア留学の奨学金について解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
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奨学金制度とは
海外留学は大きく分けて、大学や大学院への正規留学と語学留学の2種類があります。
奨学金制度は、成績が優秀であっても、財政的な理由で学費を捻出するのが難しい学生に支援を提供する仕組みです。
この奨学金制度は、大きく分けて、返済の必要がない給付型と返済の必要がある貸与型の2つに区分されます。
留学に関連する奨学金は、政府や自治体、民間団体などが運営しており、とくに大学院留学においては、返済不要の給付型奨学金を利用することが可能です。
ただし、審査は厳しく、奨学金の種類によっていくつかの制約があるため、応募前に要件を確認しましょう。
留学には多くの費用が必要ですが、奨学金制度を有効活用することで、財政的に余裕がない方でも海外留学の実現が可能です。
社会人向けの奨学金制度は少ない
学生を対象にした奨学金はさまざまな種類がありますが、社会人を対象にした奨学金制度は比較的少ないです。
社会人が留学する場合、仕事を辞める必要があったり、高額な費用がかかったりと金銭的な問題が障壁になることもあります。
そのため、近年では、社会人の留学を促進するために、奨学金制度を提供する団体が増加しています。
社会人向けの奨学金は、種類が少ないうえに、取得には高い英語力が求められます。
給付型奨学金のメリット・デメリット
社会人留学で奨学金を得る際には、いくつかの条件があります。
とくに、返済が不要な給付型奨学金は、誰でも利用できるものではないため、注意しましょう。
給付型の奨学金は、以下のようなものがあります。
給付型奨学金の種類
- アメリカフルブライト奨学金
- 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)
- 国際ロータリー財団
- 伊藤国際教育交流財団
- 中島記念国際交流財団
- 留学先大学での奨学金
給付型奨学金のメリット
給付型奨学金の最大のメリットは、留学費用を返済しなくて良い点です。
通常、留学期間が長くなるほど多額の費用がかかりますが、給付型奨学金であれば資金の心配をせずに留学が可能です。
ただし、現地での必要なお金をすべてカバーしてくれるわけではないため、奨学金で賄える範囲と、不足する資金がいくらなのかを確認しておきましょう。
給付型奨学金を受けると、帰国後の返済義務がないため、取得できるように十分な準備をおこなうことが重要です。
給付型奨学金のデメリット
給付型奨学金のデメリットは、取得の際に満たさなければいけない条件が定められている点です。
条件としては、年齢制限や最終学歴(大学卒業や大学院以上)、最終学歴の成績の提出を求められることもあります。
そのほかにも、TOEICやTOEFL、IELTSなどでの一定以上のスコアが求められます。
留学は専門知識の向上が目的であるため、留学前の時点で高度な英語力が重要です。
貸与型奨学金のメリット・デメリット
社会人留学において、貸与型奨学金は、給付型奨学金よりも取得のハードルが低いです。
ただし、種類が多く、制度が複雑である点に注意しましょう。
貸与型奨学金のメリット
貸与型奨学金のメリットは、一般的な借り入れと比べて低金利で借りられる点です。
さらに、団体によっては返済の猶予が提供されることもあり、特別な事情によっては返済の免除を申請できることがあります。
奨学金を借りる際の条件も給付型と比べて比較的緩く、資金力がなくても借りられます。
留学費用を賄うために民間金融機関で学費を借りるよりも、貸与型奨学金の方がメリットが大きいため、留学資金を必要とする場合は、貸与型奨学金の利用がおすすめです。
貸与型奨学金のデメリット
貸与型奨学金のデメリットは、返済期間が長期にわたるため、30代や40代まで家計に負担をかける可能性がある点です。
また、有利子奨学金を借りた場合、借りた金額を超える金額を返済しなければならないこともあります。
奨学金の返済が滞ると、個人信用情報機関に登録される可能性があるため、利用する際は慎重に返済計画を立てることが大切です。
社会人が海外留学で使える給付型奨学金6種
奨学金を受ける際の条件は厳しいことがありますが、給付型奨学金を利用できれば、お金に余裕のない方でも社会人でも留学が実現でき、奨学金返済の負担も軽減されます。
以下で、社会人でも利用できるおすすめの6つの奨学金制度を紹介します。
1. 日本学生支援機構
日本学生支援機構は、文部科学省所管の独立行政法人であり、さまざまな奨学金制度を提供しています。
国内の大学進学時の奨学金以外にも、海外の大学や大学院へ進学するための奨学金制度もあります。
奨学金の対象者は、海外の大学院で修士号や博士号の取得を目指す方であるため、語学研修期間中は給付されません。
日本学生支援機構の奨学金は、条件が厳しいものの支援は手厚く、年齢制限も厳しくありません。
奨学金の支給期間は学位によって異なり、支給額も留学する国によって変わります。
また、社会人が奨学金を利用する場合の条件として、支援期間中に報酬などを伴う労働などをおこなわないことが条件にあるため、仕事を退職する必要がある場合があります。
大学院へ留学する場合の奨学金の具体的な条件は、以下のとおりです。
条件 | 内容 |
英語力 | TOEFL iBT 95点 またはIELTS 6.5以上 |
年齢制限・対象者 | 修士の学位取得目的の留学は35歳未満 博士の学位取得目的の留学は40歳未満 |
採用人数 | 未定 (2023年度採用実績:151人) |
給付額 | 月額15万円~35万円程度を予定 |
給付期間 | 修士課程:2年間 博士課程:3年間 |
2. エラスムス・プラス
エラスムス・プラスは、欧州連合が提供する留学支援プログラムで、外国政府と関係機関などが直接募集しています。
日本人も応募でき、対象者は大学生や博士号候補者、大学職員などとしています。
給付金には、授業料だけでなく渡航費や生活費、保険料なども含まれ、手厚い支援が特徴的です。
コースが豊富にあるため、自身に適したものを選べます。
具体的な条件は、以下のとおりです。
条件 | 内容 |
英語力 | 大学院レベルの英語力 (コースによって条件が異なる) |
年齢制限・対象者 | 4年制大学卒業 |
募集人数 | コースによって異なる |
給付額 | 年額最大 16,800ユーロ |
給付期間 | 修士課程は12〜24か月 (コースによって異なる) |
3. フルブライト奨学金
フルブライト奨学金は、1946年に発足した学者や研究者、教育者などの専門家を対象とした奨学金制度です。
日本政府およびアメリカ政府の資金で運営され、現在は日本を含む160か国以上と提携を結んでいます。
社会人でも利用できるプログラムは、大学院留学プログラム、ジャーナリストプログラム、フルブライト語学アシスタントプログラムの3種類です。
アメリカの大学院へ進学する方を対象とし、授業料のほかに旅費や滞在費も給付されるのが特徴です。
給付にあたり、「政府スポンサーの交流訪問者」の査証でアメリカに入国することとなるため、帰国後は2年間の自国滞在義務があります。
大学院留学プログラムの奨学金の場合の具体的な条件は、以下のとおりです。
条件 | 内容 |
英語力 | TOEFL iBT 80点以上 またはIELTS 6.0以上 |
年齢制限・対象者 | 大学院在籍者または博士号を持たない日本の大学教員・研究者 もしくは社会人として培った経験・知識を大学院レベルの勉強に生かせる者 |
募集人数 | 約20名 |
給付額 | 1年目は授業料 $40,000が上限。別途生活費・家賃手当も支給 2年目はすべて含め上限 $25,000まで |
給付期間 | 原則2年間 |
4. チーヴニング奨学金
チーヴニング奨学金は、イギリスの大学院へ留学したい方に向けた奨学金制度です。
イギリス政府が運営しており、さまざまな分野の次世代のリーダーを育成することを目的としています。
対象分野は、気候変動や環境問題、防衛、経済などがあり非常に幅が広いです。
給付金には、授業料のほかにビザ申請費や渡航費、生活費などがあるのが特徴です。
具体的な条件は、以下のとおりです。
条件 | 内容 |
年齢制限・対象者 | 2年間以上の社会人経験がある者 帰国後2年間は自国へ滞在できる者 |
募集人数 | 未定 |
給付額 | 1年間の学費・生活費・渡航費 |
給付期間 | 1年間 |
5. 国際ロータリー財団
国際ロータリーのグローバル補助金は、国際ロータリー財団が提供する補助金制度で、大学院レベルの留学にも利用できます。
対象者は、以下のいずれかの分野を学ぶために留学する方となっています。
- 平和と紛争予防
- 紛争解決
- 母子の健康
- 教育
- 経済
- 地域開発
申し込みの際は、事前の参加資格認定が必要なため、早めに地区ごとのコーディネーターへ相談しましょう。
応募の際は、留学先の大学院や研究機関で対応できる語学力が必要です。
具体的な条件は、以下のとおりです。
条件 | 内容 |
年齢制限・対象者 | 年齢制限なし |
募集人数 | 各地区やクラブによる |
給付額 | 最低予算は $30,000 |
6. 伊藤国際教育交流財団
伊藤国際教育交流財団の日本人奨学金制度は、海外の大学で修士課程を目指す日本人向けの奨学金です。
研究テーマにもとづいて区分していた2種類のプログラム(一般プログラムと特別プログラム)がありましたが、こちらは統一されました。
応募条件には、海外の大学で大学院修士課程に入学予定、または社会人の場合、企業を退職している必要があるため注意しましょう。
具体的な条件は、以下のとおりです。
条件 | 内容 |
年齢制限・対象者 | 該当年の4月1日現在において、29歳以下が望ましい (30歳以上は希望する理由の提出が必要) |
募集人数 | 10名程度 |
給付額 | 月額 $1,500~ $2,000相当の円貨での生活費 |
給付期間 | 原則2年以内 |
奨学金制度を利用する際の注意点
奨学金制度を実際に利用する際には、さまざまな手続きが必要です。
奨学金の種類によって手続きの方法や内容がそれぞれ異なるため、注意しましょう。
必要な書類が多い
奨学金制度の利用には、パスポートや願書、英語力を証明するスコア表など、多くの書類を提出する必要があります。
一部の奨学金プログラムでは、留学計画や留学終了後の進路計画書や、上司からの推薦状を求められることもあります。
奨学金プログラムによって必要な書類が異なるため、提出前に漏れや不備がないよう、計画的に書類を用意し、確認することが大切です。
記入漏れや情報の不備がある場合、審査の対象外になることもあるため、早めに準備を始めましょう。
貸与型は利子が発生するものがある
貸与型の奨学金制度は、一時的に費用を貸してもらうもののため、奨学金によっては利子が発生するものもあります。
利率は奨学金によって異なりますが、無利子の貸与型奨学金制度もあるため、奨学金を申し込む際は利子が発生するか確認しましょう。
また、語学留学を主とする短期留学については、返済する義務が生じます。
しかし、給付型奨学金に比べて提出書類が少なく、審査が容易で迅速なメリットもあります。
したがって、奨学金の条件についてよく検討し、留学終了後の返済計画まで考えて選ぶことが大切です。
年齢制限のある奨学金制度も存在する
社会人が利用できる奨学金制度には、年齢制限が設定されているものも少なくありません。
ほかの要件を満たしているのにもかかわらず、年齢制限によって受給資格がなくなる方もなかにはいます。
ただし、年齢制限を超えて応募できるプログラムも条件付きで存在します。
内容をきちんと確認し、年齢が制約されていても、条件を満たす制度がないか調べてみるのも良いでしょう。
まとめ
グローバル化が進むなかで、社会人経験を積んだあとに海外留学を検討している方も増えています。
社会人向けの奨学金制度もさまざまな種類があり、給付型を受けられる可能性もあります。
大学院での長期留学の場合、TA制度を活用すれば、授業料の免除や奨学金の受給も可能です。
また、短期留学で専門学校へ留学する場合、有料インターンシップが備わっている学校やプログラムがあり、専門スキルを学びながら学びに関連する企業へ有料で働けます。
奨学金を借りる際は、奨学金の種類や内容、必要書類など事前の情報収集をきちんとおこない、自分に合ったものを利用しましょう。
また、奨学金制度によっては、高い英語力が求められる場合もあります。
現地の方と円滑にコミュニケーションをとるためには、留学前に英語力を磨いておく必要があります。
そのためには、語学学校の活用を検討しましょう。
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