就職、留学や移住に必要などの理由からTOEICやTOEFLを多くの方が受験していますが、それぞれ試験の違いを理解し学習しなければいけません。
本記事では、自分に役立つ試験はどちらなのか悩んでいる方に向けて、それぞれの特徴や違いがわかるように解説します。
それぞれの勉強法やレベル比較に役立つスコア換算表についてもあわせて解説しますので、参考にしてください。
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TOEICとTOEFLは、どちらも英語力を測る資格試験で、ともに世界最大の非営利テスト開発機関でアメリカに本拠があるETSが運営しています。
英語力を測る試験は他に、日本英語検定協会が運営する英検やベネッセコーポレーションが運営するGTEC、ブリティッシュ・カウンシルのIELTSなどさまざま存在します。
目的や受験する理由によって、どの英語試験を受けるべきなのかを決めましょう。
たとえば、就職を希望している会社、留学希望の大学やビザ申請では以下のような条件を求められる場合があります。
- 「TOEICのスコア〇点以上」
- 「TOEFLスコア〇点以上」
- 「IELTS O.Aスコア○.○点以上」
上記のスコアを希望先に提出しなければなりません。
- 1.当該資格を受験
- 2.必要となるスコアを取得
- 3.希望先に提出する
このような流れとなります。
次に、特徴や多くの方が気になる、試験ごとの違いについて詳しく解説していきます。
TOEICとは
TOEICは、アメリカの非営利テスト開発機関ETSが運営する試験です。
TOEIC Programと呼ばれる中に、TOEIC Listening & ReadingとTOEIC Speaking & Writingの2つのテストブランドがあり、組み合わせることで4技能(聞く・読む・話す・書く)すべてを測定できます。
ただし本記事内の説明でTOEICと言った場合は基本的には聞く・読む(リスニングとリーディング)の2技能を測る種類のテストを指します。
TOEICはビジネスシーンや日常生活に活かせる英語力があるかを測定する英語資格で、日本においては高い支持率・受験率を誇る資格です。
国内で就職試験を受ける際に企業がスコアをチェックする場合や、外資系企業など応募資格にTOEIC◯点以上と規定する企業もあります。
TOEFLとは
TOEFLも、TOEICと同様にETSが運営する試験で、国際的な指標であるCEFRに連動したスコアで評価される、世界共通の英語資格です。
アカデミックな場面で必要とされる英語4技能(読む・聞く・話す・書く)を測り、英語圏の大学や大学院に入学して学ぶ際に必要な英語力があるかどうかを見極めるために作られています。
そのため、学校生活に関するものや学術的なことが多く出題されます。
TOEFLにはiBTとITPの2種類があります。
iBTが個人向けの公開テスト、ITPは企業や教育機関などの団体向けテストですので、本記事でのTOEFLはTOEFL iBTを指します。
採用している国や教育機関が多く、日本国内での大学・大学院受験や公務員試験、国際機関の採用の場などでもスコア活用が広がっています。
国によっては留学ビザ申請に使える場合があります。
留学する大学や国によってはIELTSのスコアが必要になる場合もある
先に紹介したIELTSもTOEFL同様に海外への留学や進学、移住の際に英語力を認めてもらうための資格試験です。
IELTSのスコア提示が必要になる国もあるためTOEFLのスコアが必要か、IELTSのスコアが必要かを確認してから勉強し始めたほうがいいでしょう。
IELTSはイギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどイギリス文化圏、TOEFLはアメリカ、カナダなどアメリカ文化圏とおおざっぱに区切れば分かりやすいかもしれません。
日本国内の大学受験などへの活用もあります。
TOEICとTOEFLの違い
TOEICとTOEFLの2つの運営元は同じですが、試験内容は大きく異なります。
双方の差異を理解し、自分の目的にあった試験を選ぶことが大切です。
本記事では下記5つの観点からTOEICとTOEFLの違いを解説します。
1.受験目的の違い
2.問題傾向の違い
3.難易度の違い
4.試験内容の違い
5。試験概要の違い
1.受験目的の違い
まず、受験目的の違いを理解しましょう。
TOEIC:主に国内での就職や昇進に役立てることが目的
TOEFL:主に留学に役立てることが目的
TOEICはビジネスシーンや日常会話でのコミュニケーション理解度を測る試験です。
国内で就職、転職する際に応募条件としてTOEIC◯点以上、昇進する際に管理職はTOEIC◯点以上と規定されている場合があります。
一方、TOEFLは現地大学の授業についていける英語力を持っているかを測ります。
2.問題傾向の違い
試験の受験目的が違うため、出題される問題の傾向にも違いがあります。
TOEIC:主にビジネスシーンや日常生活に関するテーマが出題される
TOEFL:主に大学での講義や会話、学術的な話に関するテーマが出題される
TOEICはビジネス寄り、TOEFLはアカデミック寄りの出題傾向と理解しましょう。
3.難易度の違い
TOEICもTOEFLも合否が出る訳ではなく、それぞれ狙うスコアによって難易度は異なりますが、全体的な難易度はTOEFLのほうが高いです。
理由は、実施される技能数と試験時間にあります。
以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。
技能数 | 試験時間 | |
---|---|---|
TOEIC | L / R | 120分 |
TOEFL | L / R / S / W | 180分(途中休憩有) |
TOEICは聞く、読む、2技能です。
TOEFLでは聞く、読む、話す、書く、4技能をテストされます。
また、試験時間はTOEICが120分であるのに対して、TOEFLは途中休憩を挟んで180分あります。
より長時間集中して各技能を発揮することが求められるので、TOEFLの方が難しいと言えるでしょう。
4.試験内容の違い
試験内容にも違いがあります。
TOEICは990点満点でリーディングとリスニングの2パートが各495点満点で構成されています。
TOEFLは合計120点でリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4パートが各30点満点の構成です。
5.試験概要の違い
試験内容が異なりますので、試験概要も違う内容になります。
TOEIC | TOEFL | |
---|---|---|
セクション別試験時間 | 約2時間 リスニング約45分・100問 リーディング75分・100問 | 約3時間 リーディング54−72分 リスニング41−57分 スピーキング17分 ライティング50分 |
受験料 | 7,810円(税込) | US$245(国により異なる) |
TOEICとTOEFLのレベルを比較する方法
TOEICで取得したスコアがTOEFLに換算するとどれくらいのスコアなのか、と疑問に思う方もいると思います。
公式スコア換算表はなく、試験の特徴の違いによってかならず同じ点数が取れるという訳ではありません。
ですが、スコア換算表を使って判断する方法があります。
スコア換算表
TOEIC | TOEFL |
– | 111 ~ 120 |
880 ~ 990 | 100 ~ 110 |
800 ~ 879 | 90 ~ 99 |
730 ~ 799 | 79 ~ 89 |
665 ~ 729 | 71 ~ 78 |
590 ~ 664 | 61 ~ 70 |
490 ~ 589 | 61 ~ 70 |
490 ~ 589 | 51 ~ 60 |
299 ~ 409 | 31 ~ 40 |
0 ~ 298 | 0 ~ 30 |
詳細は下記サイトでも解説しているので、参考にしてください。
こちらではTOEFLとTOEICだけでなく、IELTSや英検との比較も記載しています。
海外留学に必要なTOEFLのスコアはどれくらい?
海外留学を希望するのであればTOEFLで少なくとも80点は必要でしょう。
トップクラスの大学では100点を最低スコアとしている学校もあります。
求められる必要なスコアは大学や学部によっても異なるので、希望の留学先が指定するTOEFLスコアを各大学のホームページから確認しましょう。
「大学名 TOFLE Requirement」などのキーワードで検索すれば確認できます。
TOEICの勉強法
大前提として、目標にするスコアによって勉強方法は異なります。
こちらの表を参考に、目標スコアを設定しましょう。
レベル | TOEIC L&R スコア | 企業が期待する TOEIC L&R スコア | コミュニケーション能力レベル |
---|---|---|---|
A | 860 | 810 ~ 570 | Non-nativeとして十分なコミュニケーション能力がある |
B | 860 ~ 730 | どんな状況でも、ある適切なコミュニケーションが可能 | |
C | 730 ~ 470 | 日常生活のニーズを充足し、限られた範囲であればコミュニケーションが可能 | |
D | 470 ~ 220 | 日常会話で最低限コミュニケーションができる | |
E | 220 | コミュニケーションがままならない |
次に、受験日を決めて勉強スケジュールを立てます。
初心者は土台として中学から高校レベルの語彙や文法の理解を深める、発音練習をするなどの基礎学習も重要です。
基礎知識を身に着けた上で、目標スコアに合わせた勉強をしましょう。
模試や過去問を繰り返し解く、頻出単語を勉強するなど、繰り返し学習することが非常に重要です。
TOEFLの勉強法
留学を希望する大学での受験要項を参考に、目標となるスコアを明確にしましょう。
まずは、過去問を解いて問題傾向を把握すると良いです。
受験したことがなければ1度は受験して、現状のレベルを確認するのもおすすめです。
初心者はTOEICと同様に中学から高校レベルの文法力を身につける、頻出単語を勉強する、といった基礎学習からはじめていき知識を固めましょう。
その後、技能ごとに対策を進めます。
リーディングの対策
TOEFLのリーディングは一節のボリュームが多いため、読み進めるスピードを速めることが非常に大切です。
語彙力を増やし、ボリュームのある文章を読みながら理解するトレーニングを積みましょう。
理解しながら読むとスピードが上がるからです。
また、問題パターンを理解することも重要です。
パターンごとに解き方が決まっているので、解き方を覚えてしまえば文章をすべて読まなくても解き進めることが可能です。
リスニングの対策
4つのパートで一番難しいのがリスニングです。
リスニングのトレーニングに有効なのがシャドーイングです。
流れてくる英文を、スクリプトを見ず聞こえてくるまま影のように追いかけて発音します。
最初はうまく聞き取れなくても、繰り返しシャドーイングすることで英語のリズムを体感し、聞き取れるようになります。
英語を日本語に訳さず、英語のまま理解出来るようになることもポイントです。
なお、シャドーイングはスピーキングにも有効なので、どんどん取り組みましょう。
スピーキングの対策
スピーキングではIndependent TaskとIntegrated Taskの2つのパートがありますが、重要なのはアウトプットする瞬発力です。
質問された内容に対し、答えとともに根拠を解答するIndepent Task、音声や文章から得た英文情報をもとに内容を要約してスピーキングするIntegrated Task、ともに理解した内容をすぐに頭の中でまとめてアウトプットすることが求められます。
アウトプットするスキルを鍛えるには練習が不可欠ですが、独学では厳しいでしょう。
TOEFL対策を行っている英会話スクールなどで、ネイティブスピーカーに添削してもらいながら練習することが上達への近道です。
バークレーハウス語学センターでは無料体験レッスンを行っていますので、気軽に試してみてはいかがでしょうか?
ライティングの対策
ライティングパートでは、問題に対する自分の考えを300語以上で論理的にまとめるIndependent Writingと、テーマに関する英文を読み、音声を聞き、最後に150〜225語で要約してエッセイを書くIntegrated Writingの2題が出題されます。
ライティングで重要なのは英文独特の型を覚えることです。
最初に結論を書き、そして根拠となる事例を2,3点挙げ、最後にもう一度結論を書きます。
繰り返し復習することで、論理的な文章の構成がわかるようになります。
TOEICとTOEFLはどのような方におすすめか
TOEICとTOEFLは、自分の目標によってどちらを選択するか決めるといいでしょう。
それぞれの試験に適している方は、以下の通りです。
- TOEIC:日本国内の就職活動や会社内での昇進や昇給に役立てたい方
- TOEFL:留学、海外移住に興味がある方、今後英語を使って仕事をしたいと考えている方、実践的な英語を学びたい方、TOEICのスコアをあげたいがきちんとした英語の能力も身につけたいと考えている方
ただ、いずれにしても英語力を測る試験であることには変わりありません。
将来的にTOEFLやIELTSのスコアを取得したいと考えた場合、TOEICの対策をしておくと、基礎知識となり効率良くスコアを取得できる可能性があります。
一方、留学しなくても実用的な英語を身につけるという点でTOEFLを受験するメリットはあります。
1つの試験対策をおこなうと、他の試験対策にもなることを忘れないでください。
まとめ
今回はTOEICとTOEFLの違いや勉強方法、TOEIC・TOEFLそれぞれ向いている方を紹介しました。
どんな資格試験でも、合格ラインに到達するには対策や学習を通して英語力を身につけていく以外ありません。
しかし、独学ではどうしても限界があります。
バークレーハウス語学センターは英語スクールとして50年のノウハウを持ち、日本ではじめてアメリカへの正規留学を実現させた語学スクールです。
バークレーハウスではIELTS、TOEFL対策レッスンのほか、英会話(一般&ビジネス)、外国語(40言語)、留学支援、IELTS公式テストセンターの運営をおこなっています。
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