TOEFLの勉強を始める方、留学に行きたい方、英語の資格試験について知りたい方からよく聞かれる質問は、「TOEFLって1種類だけだっけ?」「何種類あるの?」「色々あるけど、どれを受験すればいい?」などなどです。
いざ留学に行こう!TOEFLを受けるぞ!と決心した方でも、TEOFLの公式のウェブサイトへ行くと、たくさん種類があって驚いた方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、TOEFLの種類と基本情報、そして、具体的な選び方について詳しく解説していきます。
■TOEFLテストにはどんな種類があるの?
TOEFLには4種類の試験タイプがあります。
TOEFLの受験を検討している方の中でも、どのテストを受験したらいいのか、迷っている方もいらっしゃると思います。
ここでは、まずはTOEFLにどんな種類があるのかを簡単に見ていきます。
TOEFLの種類
試験名 | 概要 |
① TOEFL iBT | 一般的に普及しているTOEFLのこと 単純にTOEFLというとこのTOEFL iBTを指すケースがほとんど |
② TOEFL ITP | 大学や企業で行われる団体向けのTOEFLのこと 英語力の測定や留学の選考によく使われる |
③ TOEFL Junior | 中高生向けのTOEFL、学校の入試試験の優遇制度に使われるケースもあり |
④ TOEFL Primary | 小中学生向けのTOEFL、難易度によってStep1とStep2に分かれている |
試験概要
次にそれぞれがどんな試験なのかを紹介していきます。
- ①TOEFL iBTは「Internet-based Test」の略になっています。こちらからも分かる通り、コンピューターで受験し、4技能を総合的に測定できます。大学入試、留学、就職など幅広い用途で使われます。内容は主に海外の大学生活をベースにしており、キャンパス内での会話や大学の講義などアカデミックなものも出てきます。
- ②TOEFL ITPは団体向けのテストで、国内外の教育機関で利用されています。ペーパー版テスト(TOEFL PBT)で使われていた問題を使用しています。Level 1とLevel 2に分かれていて、Level 2は難易度が少し下げられていて、時間も短くなっています。
- ③TOEFL Juniorは、中高生向けに作られています。読むと聞く、の2技能にフォーカスしており、内容には学校生活はもちろん、自然科学や人文科学などの少しアカデミックな題材も用いられます。
- ④TOEFL Primaryは小中学生向けのテストでStep 1とStep 2の2つのレベルに分かれています。Step 1は、英語初級学習者向けのテストで、Step 2では、英語で少しコミュニケーションが取れる方に向けられたテストです。内容は、学校で起こり得る状況が題材として使われています。
こちらの4つがTOEFLの種類になりますが、「PBT」ってテストを昔受けたような…と思っている方もいると思います。
実は、以前「PBT」や「CBT」といった種類もありました。
現在は受験不可、廃止されたTOEFLテストとは?
TOEFL PBTは(Paper-based Test)で文字通り紙のテストで、以前は受けられたのですが、2007年に日本国内での受験ができなくなっています。
さらにTOEFL CBT(Computer-based Test)は、コンピューターで受験をするものですが、iBTが2006年に導入されたことをきっかけに廃止されています。
今回の記事では、こちらの2つを除いた上記の4つについて詳しく見ていきます。
そもそもTOEFLとはどんな試験なのか知らない、という方は、
TOEFLの概要を紹介したページがありますので、そちらをご覧になってみてください。
■試験ごとの具体的な違いは?
それぞれの試験の大まかな概要は理解できたと思いますので、
次にTOEFLの種類ごとに、それぞれで異なる特徴をもう少し具体的に紹介していきます。
TOEFLの違い | ||||
iBT | ITP | Junior | Primary | |
セクション | 4セクション | 3セクション | 3セクション | 2セクション |
スコア | 120点満点 | Level1 677点満点 Level2 200-500点満点 | 900点満点 | Step1 218点満点 Step2 230点満点 |
試験形式 | コンピューター | ペーパー コンピューター | ペーパー | ペーパー |
受験時間 | 約3時間 | Level 1 115分 Level 2 70分 | 115分 | 60分 |
受験料 | $235 | ※団体受験のため各機関により異なる | 5500円 | 4000円 |
この表を見ると、テストの違いは分かりますが、レベル感が分かりません。
オフィシャルサイトにも「B1」とか「A2」とか書いてありますが、一体全体これはどれくらいの難易度なのか分からないので、一番馴染みのある英検と比べて見てみましょう。
英検 | TOEFL iBT | TOEFL ITP | Junior | Primary Step 1 | Primary Step 2 |
1級 | 95~120 | 627~677 | – | – | – |
準1級~1級 | 72~94 | 543~626 | 850~900 | – | – |
2級~準1級 | 42~71 | 460~542 | 745~849 | – | 227~230 |
準2級~2級 | – | 337~459 | 645~744 | 212~218 | 212~227 |
3級 | – | – | 600~644 | 204~211 | 204~211 |
4級~5級 | – | – | – | 200~203 | 200~203 |
こちらの表は、あくまでも目安となる換算表です。完全に同じテストではないので、英検2級に合格しているから、TOEFL ITPで500点近くは取れるとは限りません。
あくまでも難易度や自分の今の実力がどのあたりなのかを判断するための目安として参考にしてみてください。
■結局どのTOEFLを受ければいいの?
TOEFLのそれぞれの種類は理解できたかと思いますので、果たして自分にはどのTOEFLを受験すればいいのかを紹介していきます。
TOEFL iBT
海外への大学や大学院への進学を考えている方は、ほとんどの場合でTOEFL iBTの点数が要求されます。
就職や社内の昇進・昇給などを考えている方もTOEFL iBTは有効ですが、認知度はまだ低いので使用できるか確認をしましょう。
TOEFL ITP
こちらは自分の所属している企業や教育機関で、クラス分けや実力テストとして使用されるので、ご自身の学校や会社で団体受験を実施しているか確認してみてください。
TOEFL Junior
中学生、高校生で、将来留学を考えている方や、TOEFL iBT を受けたことがないが受ける予定のある人はTOEFL Juniorをうけてみましょう。
TOEFL Juniorは、TOEFL iBTへの橋渡しと言われているテストなので、自分の実力をチェックしたり、TOEFL iBTを受ける前の準備運動として受けてみましょう。
TOEFL Primary
小学生や中学生など、英語の勉強を始めたばかりの方は、TOEFL Primaryを受けてみましょう。
上記でも述べましたが、Step 1とStep 2の2種類あります。
Step 1は初級者向けでStep 2は少しコミュニケーションを取れる方向けなので、自分の実力と英語の学習経験に合わせて、どちらを受けるか決めましょう。
まとめ
- TOEFL iBT 海外留学や就職
- TOEFL ITP 勤め先、学校での団体受験
- TOEFL Junior 中高生、TOEFL iBTを受験予定の方
- TOEFL Primary 小中学生、英語学習初級者
■TOEFLは対策方法にも違いはあるの?
TOEFLの違いを把握できた、受験すべきTOEFLが決まったという方は、それぞれの種類の対策方法を知る必要があります。
ここまで読んでくださった方は、それぞれのTOEFLのテストは難易度も違いますし、出題される設問の内容やトピックも、ましてやセクションも異なります。
なので、それぞれのテストに合った対策をする必要があります。
TOEFL Juniorに関しては、教材がかなり限られています。
ETSが出している公式問題集を除くと、数冊ほどしかありません。TOEFL PrimaryはJuniorよりは少し多く教材がありますが、やはり少なめです。
それに比べて、TOEFL iBTとTOEFL ITPは、市販で売られている教材や参考書がたくさんあり、自分に合ったものを選ぶことができます。
目標スコアによって異なる対策本も出ています。
さらに、セクションごとに分かれた本もありますので、一度模試を受けてみて、自分の弱点のみを対策するということも可能です。
ただ、TOEFLの中でも難易度の高いTOEFL iBTは、高いスコアを出すのがかなり困難です。
特に留学用に必要と言った場合は、目標スコアを取得するのに時間もかかり、独学では限界があります。
独学では特に難しいものでも、バークレーハウスではTOEFLに精通した講師とともに、学習することができます。