
留学を検討している方のなかには、TOEFLに関して、以下のような疑問をもっている方もいるのではないでしょうか。
- 留学にTOEFLが必要な理由は?
- どのくらいのスコアが求められる?
- スコアアップの効果的な方法は?
本記事では、TOEFLが留学に必要とされる理由や目的別スコアの目安、そして高得点を取るための対策法を詳しく解説します。
TOEFLとは?留学に必要な理由を解説

TOEFLは、英語を母国語としない方を対象にした、英語力を測る試験です。
アメリカの非営利教育団体「ETS(Educational Testing Service)」が運営しており、世界中で広く利用されています。
TOEFLにはいくつかの試験形式がありますが、留学に必要とされるのは、インターネット形式の「TOEFL iBT(Internet-Based Test)」です。
このテストでは、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能がバランスよく測定されます。
留学には語学力証明として英語試験のスコア提出が必要
海外の大学や教育機関に留学するには、多くの場合、英語力の証明として試験スコアの提出が求められます。
これは、現地の授業についていけるだけの英語力があるかを示すためで、とくに英語を第一言語としない留学生にとっては、ほとんどのケースで必須条件となっています。
なかでもTOEFLは、世界的に広く認知されている英語能力試験の一つです。
英語圏の大学への進学を目指す方にとって、TOEFLスコアの提出は避けて通れない重要なステップといえるでしょう。
\こちらもあわせてチェック!/TOEFLの特徴は?
TOEFLの最大の特徴は、英語圏の大学や大学院での学業に必要な「アカデミック英語」に特化している点です。
TOEFL iBTの試験は、すべてオンライン形式で実施され、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能がバランスよく評価されます。
出題内容は、実際の大学の講義や資料をもとにしており、たとえば講義内容の要約や、資料を読み取って自分の意見を述べる問題などが中心です。
そのため、必要なのは英語力だけでなく、論理的思考力や情報整理力も問われます。
また、TOEFL iBTのスコアは、世界150か国・11,000以上の教育機関で認められており、その信頼性の高さも大きな魅力です。
TOEFLとIELTSの違い
TOEFLとIELTSは、どちらも世界的に認知されている英語能力試験ですが、それぞれに異なる特徴があります。
TOEFLはアメリカ発祥の試験で、大学や大学院で使われるアカデミックな英語に特化しているのが特徴です。
一方、IELTSはイギリス発祥で、アカデミック版(Academic)と一般版(General Training)の2種類があり、進学・就労・移住など幅広い目的に対応しています。
以下のとおり、試験形式の違いもポイントです。
項目 | TOEFL iBT | IELTS |
試験時間 | 約3時間(個別開始) | 約3時間(全員一斉に開始) |
試験方式 | パソコンによる受験 | ペーパーまたはコンピューター式 |
スピーキング | マイクに録音(録音形式) | 試験官によるインタビュー |
スコア形式 | 0〜120点 | 1.0〜9.0のバンドスコア |
TOEFL、IELTSともに約3時間の試験ですが、それぞれ時間配分が異なります。
TOEFLは試験会場に到着した人から順に試験を開始する「個別スタート形式」ですが、IELTSは全員一斉に試験を開始する形式です。
さらに、スピーキングの方法も異なり、TOEFLはマイクに向かって回答を録音しますが、IELTSは試験官と対面でおこなう面接形式が採用されています。
なお、TOEFLはアメリカの大学で広く採用されており、アメリカ留学を目指す場合に有利とされています。
一方IELTSは、イギリス、オーストラリア、カナダなどの教育機関での提出が一般的です。
アメリカの大学はTOEFL重視
アメリカの大学に出願する場合、TOEFLスコアの提出が必須となるケースがほとんどです。
これは、TOEFLがアメリカの大学制度に合わせて設計された試験であり、現地の授業に対応できる英語力を測る指標として広く信頼されているためです。
実際に、ハーバード大学やスタンフォード大学をはじめとする多くの大学が、出願要件としてTOEFLスコアの提出を明記しています。
そのため、アメリカの大学への進学を目指すなら、TOEFL対策を中心に進めるのが現実的です。
また、志望校によって求められるスコアやセクションごとの最低点が異なる場合もあるため、各大学の公式サイトで最新の情報を確認し、早めに準備を始めましょう。
【留学の目的別】TOEFLスコアはどれくらい必要?

ここでは、留学の目的に応じて必要とされるTOEFLスコアの目安を紹介します。
大学学部・大学院で求められるスコアの目安
アメリカの大学へ進学を希望する場合、TOEFLスコアは最低でも60点以上、可能であれば80点以上のスコアが望ましいとされています。
Point
- 60〜70点:4年制大学へ出願するための最低ライン( ※選択肢を広げるためには70点以上が理想)
- 70〜80点:多くの一般的な大学が求める基準
- 90〜100点以上:難関大学で求められるスコア帯(※アイビーリーグなどトップ校では、100点以上が求められることもある)
文系の専攻では、ライティングやスピーキングのスコアが重視される傾向があるため、4技能すべてのバランスが求められます。
大学ごとに設定されているスコア基準は異なるため、かならず志望校の公式サイトを確認して最新情報をチェックしましょう。
また、トータルスコアだけでなく、各セクションの最低スコアが設定されている場合もあるため注意が必要です。
なお、大学院への進学を目指す場合は、さらに高度な英語力が必要とされ、100点以上を出願条件とするケースも少なくありません。
語学留学・短期留学で求められるスコアの目安
語学留学や短期留学では、大学進学ほど高いTOEFLスコアは求められないのが一般的です。
多くの語学学校では、TOEFL iBTで40〜60点程度を目安とされており、そもそもスコア提出が不要なプログラムも数多く存在します。
語学力の向上自体が目的のため、現在の英語レベルに関係なく参加できる柔軟さが魅力です。
ただし、ある程度の語彙力やリスニング力があれば、現地での授業や生活がスムーズになるというメリットがあります。
出発前に模擬テストなどでスコアを確認しておくと、自分に合ったレベルのクラスに配属されやすくなるため、おすすめです。
交換留学で必要なTOEFLスコアの目安
日本の大学から海外の提携校へ一定期間留学する「交換留学」では、所属大学からTOEFLスコアの提出が求められます。
必要なスコアは、提携先大学の水準によって異なりますが、一般的にはTOEFL iBTで60〜80点程度が目安です。
たとえば、英語圏の大学との交換留学では、「TOEFL iBT 72点以上」など具体的に基準を設けているケースもあります。
さらに、専攻分野や授業内容によっては、リーディングやライティングの各セクションスコアに最低基準が設けられることもあります。
なお、交換留学では、語学力に加えて成績や志望理由書なども選考対象となります。
早めにTOEFLスコアを取得しておくことで、全体の準備をスムーズに進められます。
\あなたの英語力はどれくらい?/スコアが足りない場合は?TOEFLで高得点を目指す勉強法
TOEFLでスコアアップを目指すために効果的な方法を、3つのステップに分けて解説します。
1. 公式問題集で傾向を把握する
TOEFL対策でもっとも基本かつ効果的なのが、公式問題集を活用して出題傾向や試験の流れに慣れることです。
公式問題集を繰り返し解くことで、以下のようなメリットがあります。
- 出題のパターンや試験の流れが身につく
- 苦手なセクションや問題形式が把握できる
- 本番に近い環境で練習できる
とくにTOEFL iBTはパソコンで解答するため、普段からタイピングや画面操作に慣れておくことが重要です。
初めて受験する方は、操作に戸惑って実力を発揮できないこともあるため、本番を想定した練習環境を整えることをおすすめします。
また、DVD-ROM付きの公式問題集を活用すれば、本試験に近い画面・時間設定で模擬体験が可能です。
まずは、公式問題集を一冊しっかりやり込むことからスタートし、自分の現在地と課題を把握しましょう。
2. アメリカ英語の聞き取りに慣れる
TOEFLではアメリカ英語が中心に使われているため、発音やスピードに慣れておくことがリスニング対策のカギとなります。
たとえば、アメリカ英語とイギリス英語では同じ単語でも発音が大きく異なることがあり、慣れていないと聞き取りに苦労する場面もあります。
試験で戸惑わないよう、アメリカ英語の音声に日常的に触れておくことが重要です。
また、TOEFLのリスニング問題では、大学の講義形式や学生同士の会話文など、実際の授業に近いスクリプトが使われます。
そのため、英語の学術的な語彙や論理展開に慣れておくことも求められます。
なお、TOEFLでは基本的にアメリカ英語が使われますが、一部ではイギリス、オーストラリア、ニュージーランドのアクセントが含まれることもあります。
さまざまな発音を聞いて耳を鍛えておくと、どんなアクセントにも対応しやすくなります。
3. よく使う定型文を覚える
TOEFL iBTでは、スピーキングとライティングが総合スコアの約4分の1を占めるため、アウトプット力の強化が欠かせません。
ただし、限られた時間のなかで英作文やスピーチをゼロから構成するのは非常に難しく、練習なしでは高得点は狙えません。
そこでおすすめなのが、よく使う定型表現をあらかじめ覚えておくことです。
以下のような表現をあらかじめテンプレートとして覚えておくことで、構成に悩まずスムーズに回答できます。
覚えておきたいテンプレート表現
- 導入句:In my opinion, / It is often said that…
- 論拠を示す表現:This is because / One reason is that…
- 結論のまとめ方:In conclusion, / Therefore…
これらの表現は、TOEFL専用のフレーズ集やスピーキング対策書籍を使って効率的に学べます。
自分用の「使える型」をいくつか準備しておくことで、本番でも落ち着いて対応できるようになります。
スコアが足りなくても諦めないで!条件付き入学制度とは?
TOEFLのスコアが目標に届かなかったとしても、留学をあきらめる必要はありません。
多くの海外大学では、一定の条件を満たすことで仮入学が認められる「条件付き入学制度(Conditional Admission)」を導入しています。
この制度は、学力や成績などの一般的な出願条件を満たしている学生に対し、英語スコアが基準に達していない場合でも、英語プログラムの受講を条件に仮入学が認められるというものです。
まずは大学附属の語学プログラムなどで英語力を集中的に強化し、一定の基準をクリアすれば、そのまま正規課程へ進学できるという流れです。
スコアに不安がある場合でも、志望校がこの制度に対応しているかを事前に調べておくことで、出願の可能性を広げることができます。
まとめ

今回は、留学にTOEFLスコアが必要な理由や、海外大学で求められるスコアの目安について紹介しました。
TOEFLは、正しい対策をすればスコアアップが期待できる試験です。
渡航までに必要なスコアを取得しておけば、留学後の授業や現地での生活もスムーズに進められるでしょう。
もしスコアが基準に届かなくても、条件付き入学制度を活用できる大学もあるため、あきらめる必要はありません。
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