TOEFLはIELTSや英検とどう違う?全ハイスコア取得の竹林講師が徹底解説!

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皆さん、こんにちは!
なにかとIELTSにスポットの当たりがちな弊社のブログですが、今回は、IELTSと似てるようで似てない「TOEFL(トフル)」という英語試験について、ご説明していきたいと思います。日本では、どちらかというと「TOEFL」の方が知名度が高いかもしれません。「TOEFL」について知りたい!という方は一読ください。
TOEFLとは? 他のテストと徹底比較!
では先生、そもそも「TOEFL」とはどんなテストなのでしょうか?

竹林先生
英語テストといえば「英検」や「IELTS」などがありますが、何が違うのですか?

竹林先生
Q. 4技能すべてのテストがある?
- ■ TOEFL iBT = ある
- ■ IELTS = ある
- ■ 英検 = ある
Q. 4技能すべて同じ日?
- ■ TOEFL iBT = 同じ日
- ■ IELTS = 基本、同じ日。会場によってスピーキングだけ別日
- ■ 英検 = リスニング、リーディング、ライティングは同日で、合格した者のみ後日スピーキング(面接)の試験に進む
Q. 用途は?
- ■ TOEFL iBT = 英語圏への留学、および日本国内進学・就労
- ■ IELTS = 英語圏への留学、および日本国内進学・就労
- ■ 英検 = 日本国内進学・就労
Q. 運営団体はどこの国?
- ■ TOEFL iBT = アメリカ
- ■ IELTS = イギリスとオーストラリア
- ■ 英検 = 日本
Q. 受験料は? (*2020年7月現在)
- ■ TOEFL iBT = 235ドル。カード決算時の為替で日本円に換算
- ■ IELTS = 25,380円(*2020年8月より26,400円に改定)
- ■ 英検 = 級により異なる。最も高い1級は10,300円
Q. ペーパー受験とコンピューター受験どっち?
- ■ TOEFL iBT = コンピューターのみ
- ■ IELTS = 選べる
- ■ 英検 = 基本、ペーパー。3級~準1級はコンピューターもあり
Q. スコアに有効期限はある?
- ■ TOEFL iBT =受験日から2年
- ■ IELTS = 受験日から2年
- ■ 英検 = 級に合格した場合、永遠に有効
Q. 合否はある? スコアの最高点は?
- ■ TOEFL iBT = 合否は無い。0~120点内で1点刻みでスコアが出る
- ■ IELTS = 合否は無い。0.0~9.0内で0.5点刻みでスコアが出る
- ■ 英検 = 全部で7つの級。合格点に達した者が合格認定
Q. リスニングの英語の発音は?
- ■ TOEFL iBT = アメリカ英語。かなり会話的で日本人には聞き取りにくい
- ■ IELTS = イギリスとオーストラリア英語中心。北米も時折入る
- ■ 英検 = アメリカ英語。実際のネイティブより明瞭な発音
なるほど。上の表を見ると、「TOEFL iBT」というのは、海外留学したい人が受けてそのスコアを行きたい大学に提出する、という点では「IELTS」と用途は似てるということでしょうか。

竹林先生
では留学したい人は「TOEFL iBT」と「IELTS」どっちを受けても同じなのでしょうか?

竹林先生
「TOEFL」と「IELTS」それぞれの問題内容を比べてみる

リーディング
- ■ TOEFL iBT = 計30問。制限時間は54分。1パッセージ10問×3パッセージ。すべて選択問題。時折「ダミー」として4つ目のパッセージが入ることも。この場合、4つのうち1つのパッセージの回答はスコアに加算されない。ダミーがある時の時間制限は72分 計40問。
- ■ IELTS = 計40問。制限時間は60分。1パッセージ13~14問×3パッセージ。選択問題と空欄補充問題が両方出る。TOEFLのような「ダミー」は無し。
リスニング
- ■ TOEFL iBT = 計28問。全て4択式。音声を聞き終わるまで問題を見ることができない。問題により2つ答えを選ぶものもある。リーディング同様、スコアには加算されない「ダミー」が追加で出題されることも。
- ■ IELTS = 計40問。TOEFLのような「ダミー」は無い。音声が流れる前に問題に目を通す時間が与えられる。選択問題と空欄補充問題がある。空欄補充ではスペルを1文字でも誤ると不正解。
ライティング
- ■ TOEFL iBT = 「Integrated」と「Independent」1問ずつ。前者は、英文を読み、他の英文を聞き、その内容をまとめるもので、20分以内に150語以上。後者は与えられた問に自分の意見を述べるもので、30分以内に300語以上。Integratedを先に行う。
- ■ IELTS = 「Task 1」と「Task 2」1問ずつ。前者はグラフや工程図などの視覚的情報を文章でまとめ、150語以上。後者は与えられた問に自分の意見を述べ、250語以上。2つの問題は同時に開示され、どちらから始めても良い。時間は2つで計60分。
スピーキング
- ■ TOEFL iBT = 「Independent」1問と「Integrated」3問。前者はある質問に対する自分の意見を45秒で述べる(準備時間15秒)。後者のうち2問は英文を読み、他の英文を聞き、その内容を60秒で述べる(準備時間30秒)、残る1問は英文を聞きその内容を60秒で述べる(準備時間20秒)。面接官はおらず、マイク付きヘッドセットを使いPCに自分の声を吹き込む形式。
- ■ IELTS = Part ①、②、③から成る。①は自分のことに関する質問を複数問聞かれ、②は与えられたトピックに関して1~2分スピーチ(準備時間1分)、③は一般社会に関することを複数問聞かれる。①と③は準備時間は与えられないが、回答にかける時間に制限は無い。Part ①~③すべてで15分程度。英語話者である面接官と1対1で面接する形式。
こう見ると、TOEFLとIELTSは出題形式がだいぶ違うんですね。確かに人によって、どっちの方が合う合わないはあるかもしれませんね。
TOEFL vs IELTS vs 英検1級! 1番難しいのはズバリどれ?
気になるんですけれども、「TOEFL」「IELTS」「英検1級」は、どれが1番難しいんですか?

竹林先生
生まれも育ちも日本の竹林先生にとっては、どれが1番難しいですか?

竹林先生
リーディングの難易度
■ TOEFL iBT ★★★★☆ ■ IELTS ★★★★★ ■ 英検1級 ★★★★☆ リーディングに関しては、おそらくIELTSが最高難度です。何が難しいかというと、本文と選択肢の英語表現が、完全に言い換えられているので、両者が同じことを語っていることに気づきにくい。英検1級も、最後の長いパッセージの難しさはIELTS並みといっていいですが、最初の方のパッセージは文が短いので、★4つにしました。TOEFLは、問題自体は比較的簡単です。本文と選択肢がほぼ同じ言い回しをすることもあります。ただ、時間が足りない。焦らずに最後まで全て解き切る難しさは、恐らくTOEFLが3者の中で最高です。
リスニングの難易度
■ TOEFL iBT ★★★★☆ ■ IELTS ★★★★☆ ■ 英検1級 ★★★★☆ 「点の取りにくさ」は3者平等ではないでしょうか。まずTOEFLは、問題自体は非常に簡単です。答えではない選択肢は、本文と明らかに違うことを述べてるので、消去法は楽勝なはず。ただ、TOEFLは音声を聞き終わるまで問題を見ることが出来ません。つまり5分近い音声を、どこを問われるかも分からず聞き続けないといけないので、途中で気が抜けて「あ、聴いてなかった」となりがちです。IELTSと英検は、聞きながら問題を見ることが出来ますが、TOEFLより問題が難解なので、4択や3択の場合「2つまで絞れるけど、どっちだろう・・」という状況が多く発生するでしょう。
ライティングの難易度
■ TOEFL iBT ★★★★☆ ■ IELTS ★★★★★ ■ 英検1級 ★★★☆☆ ライティングは、IELTSが最難関ということでほぼ異論は無いと思います。質問で問われること自体はさほど難しくないのですが、「話を充分広げているか」「様々な文法を自然に駆使しているか」などの採点が異常なほど厳しく、満点を取ることはほぼ不可能です。TOEFLの採点はそこまで厳しくなく、英語話者から見て自然な英語で書けていれば、話の内容の不十分さやスペルミスが多少あっても高得点は取れます。英検は、いわば日本人による日本人のための英語試験ですから、日本人がよく犯すミスがあっても、ある程度は大目に見てくれます。とりあえず、質問に答えて文字制限以上の英文が何か書けていれば合格できるはずです。
スピーキングの難易度
■ TOEFL iBT ★★★★☆ ■ IELTS ★★★★★ ■ 英検1級 ★★★★☆ まず英検は、質問の内容が難しいです。社会問題のような、日本語でも答えるのが難しい質問が出ます。とはいえ、面接官には日本人が含まれるので、ライティングと同様、日本人特有の文法ミスや発音の訛りは寛大に見てくれます。これの真逆がTOEFLです。TOEFLは問われること自体は難しくありませんが、発音や言い回しが「ネイティブっぽいか」が高得点の鍵になるので、日本育ちの日本人が泣かされる所です。英検とTOEFLの難しさを両方備えているのがIELTS。Part 3では、身近な内容であっても今まで考えたこともないような質問をされ、答えに窮します。且つ、発音や言い回しがネイティブから見ても自然な英語になっている必要があり、高得点を取るのは至難の業です。

竹林先生
1位:IELTS << 2位:TOEFL << 3位:英検

竹林先生
TOEFLはどうやって申し込むの?
先生、TOEFLを受験したいと思ったら、どうすれば予約できるんですか?

竹林先生
予約時にパスポートは必要ですか?

竹林先生
受験はいつできますか?

竹林先生
試験自体は何時に始まり、何時間くらいかかりますか?

竹林先生
TOEFL iBT受験で絶対やってはいけないこと


竹林先生
万が一「スコアをキャンセル」しちゃった場合は、取り消せないんですか?

竹林先生
TOEFLテストの違いは?(iBT / ITP / CBT / PBT)
先生、これまでは留学したい人用の「TOEFL iBT」というテストに教えて頂きましたが、他にも「ITP」「CBT」「PBT」などのTOEFLが存在すると聞きます。これらは何なんですか?

竹林先生
「TOEFL CBT」と「TOEFL PBT」は日本では廃止済み。公式には受験できない。

竹林先生
ITPの特徴

竹林先生
- ■ ライティングとスピーキングが無い
- ■ 代わりに文法問題であるStructure and Written Expressionというセクションあり
- ■ 個人では受験できず、大学などの団体受験のみ受付
- ■ ペーパーテストのみ(コンピューターは無し)
- ■ 用途は、短期語学留学や、日本の大学の海外提携校などに利用(英語圏の大学入学には使用不可)
- ■ 過去問を再利用してるので、全ての過去問を解けば満点も可能?
- ■ 短期留学で求められるスコアは、一般的に450~550点くらいが多い(677点満点)
また、TOEFL ITPにはスピーキングとライティングが無いので、TOEFL iBTとのスコアの比較は難しいはずですが、TOEFLは公式に以下のようなスコア換算表を発表しています。
ITP | iBT |
640-677 | 110-120 |
600-637 | 100-110 |
577-597 | 90-99 |
550-573 | 79-89 |
527-547 | 71-78 |
500-523 | 61-70 |
467-497 | 51-60 |
437-463 | 41-50 |
■外国の大学または大学院に入学・編入したい時に受けるのは「TOEFL iBT」 ■短期の語学留学や日本の大学の海外提携校に行きたい時に受けるのは「TOEFL ITP」 **これらはあくまで目安です。ご自身が留学する際は、iBTとITPどちらが必要かは、各学校に確認しましょう。
TOEFL iBTのスコアを日本の大学進学に使えるか
先生、日本の大学受験をめぐっては、センター試験を廃止して民間の英語資格試験のスコアを提出してもらおうという動きがありますね。「TOEFL iBT」のスコアをこれに利用することは可能なのですか?

竹林先生
一般入試でも、推薦入試でも、どちらにもTOEFL iBTは使用可能ですか?

竹林先生
5年前の段階で、一般入試で民間試験のスコアを活用している日本の大学は6%ですか。まだ少ない印象ですね。

竹林先生
まとめ
TOEFL iBTとは? ■ 4技能全てのテストがあり、英語圏の大学・大学院への入学に使用(用途はIELTSと同じ) ■ 受験はすべてコンピューター受験(ペーパーは無し) ■ IELTSや英検と違い、スピーキングテストはPCに自分の音声を吹き込む(面接官は無し) ■ IELTSや英検と違い、リスニングテストは音声再生中は問題を見ることが出来ない ■ スコアは2年間有効 ■ 受験後に「スコアをキャンセル」のボタンを押さないよう注意! ■ TOEFLの「PBT」「CBT」というテストは日本では廃止済み ■ TOEFL ITPというテストは、短期留学や日本の大学の海外提携校などに使用されることが多い(外国の大学入学には使用できない) ■ 日本国内の大学一般受験で、TOEFL含めた民間試験のスコアを使用している大学は、平成27年時点で全体の6%ほど。ただ、今後増えていく可能性大
先生、ありがとうございました。次回は、TOEFL iBTの対策法などを伝授して頂く予定です! お楽しみに!