なにかとIELTSにスポットの当たりがちなBHブログですが、今回は、IELTSと似てるようで似てない「TOEFL(トフル)」という英語試験について、ご説明していきたいと思います。
日本では、どちらかというと「TOEFL」の方が知名度が高いかもしれません。「TOEFL」について知りたい!という方は一読ください。
TOEFLとは?他英語試験と徹底比較!
TOEFLと他試験の違いについて表でまとめました。
以下を参考に、試験内容を確認しましょう。
TOEFL iBT | IELTS | 英検 | |
試験内容 | 4技能すべて | ||
受験日 | 4技能同日 | 会場によって スピーキング別日 |
スピーキングが別日 |
形式 | コンピューター | コンピューター/ペーパー | ペーパー/コンピューター(3級~準1級) |
受験料 | $245 | ¥26,400(コンピューター) ¥25,380(ペーパー) |
¥3,900 ~ ¥11,800 |
スコア | 0 ~ 120点 | 0 ~ 9.0 | 全7級(合否判定) |
スコア有効期限 | 受験日から2年 | 受験日から2年 | 期限なし |
目的・用途 | 留学・進学 | 留学・進学・移住 | 国内進学・就職 |
上記の表を見ると、留学したい人は「TOEFL iBT」「IELTS」「英検」の3つどれを受けても良いのでしょうか。
次に、各試験の比較を見ていきましょう。
TOEFL・IELTS・英検を比較
TOEFL・IELTS・英検をしっかり比較したうえで、どの試験を受けるのか決めます。
しっかりと、各英語試験の内容を確認しましょう。
どのような利点や、隠れたメリットがあるのか、見ていきましょう。
TOEFL
・海外での認知度が高い
TOEFLは160ヵ国以上、11,500を超える教育機関で採用されています。
海外で多く採用されており、留学はもちろん海外で就職をする際にも役立ちます。
・試験が1日で終わる
試験時間は長いですが、4技能を同じ日に受けられるので予定を組みやすいです。
・海外大学留学の準備ができる
海外大学に留学した際、必要になってくるのが英語の実践的スキルです。
TOEFLは試験内容がアカデミックなので、対策勉強をすることで準備にもなります。
IELTS
・海外認知度が高い
TOEFLよりも若干少ないですが、140ヵ国、合計11,000以上と、多くの教育機関で採用されています。
・スピーキングが一対一
IELTSのスピーキングテストでは、会話形式でどんな答えや考えを伝えても問題ありません。
純粋なコミュニケーション能力を判断します。
OO秒以内に答える必要もないですし、試験官の表情も見られるので、少し気持ちが楽です。
・紙とコンピューター受験が選択できる
自分の好みに合わせて、受験形式を選ぶことができます。
英検
・受験への抵抗が低い
留学や進学などの目標が無くても、今の自分の実力に合わせて受験級を選べます。
さらに、受験料も他の2つと比べると半額以下で受けられるので、力試しに受けやすいです。
・問題を持ち帰れる
試験が終わった後、問題用紙を持ち帰り復習をすることができます。
もちろん自分のある程度の点数も確認することができます。
・通訳ガイド試験に有効
英検1級に合格すれば、筆記試験の英語科目が免除となります。
通訳ガイド試験だけでなく、大学入試などにも活用している国内の教育機関も多数あります。
運営団体はどこの国?
・TOEFL iBT = アメリカ ・IELTS = イギリスとオーストラリア ・英検 = 日本
リスニングの英語の発音は?
- ■ TOEFL iBT = アメリカ英語。かなり会話的で日本人には聞き取りにくい
- ■ IELTS = イギリスとオーストラリア英語中心。北米も時折入る
- ■ 英検 = アメリカ英語。実際のネイティブより明瞭な発音
おすすめの英語試験
各英語試験の違いを読んできましたが、一体どの試験を受けるべきなのか迷っている方は多いはずです。
以下、試験ごとにおすすめな人をまとめましたので、見ていきましょう。
英検に向いている人
・入学試験の加点or免除をしたい方
・大学の単位取得に使いたい方
・履歴書に書いてアピールしたい方
・通訳ガイド試験を受験したい方
英検は日本で作成されているため、日本国内の認知度はNo.1と言っても過言ではありません。
ただし、海外での認知度はかなり低いので、日本国内で進学・就職を考えている方に最適です。
TOEFLに向いている人
・大学や大学院など、英語圏の国に留学したい方
・MBAを取得したい場合
TOEFLは、英検とは違い海外での認知度は抜群です。
以前は北米圏の大学や大学院が多かったのですが、今では世界各国のほとんどの大学で採用されています。
また、全ての大学のMBAプログラムでTOEFLが受け入れられています。
IELTSも今では広がっていますが、TOEFLしか採用していない学校もまだあるので、要注意です。
IELTSに向いている人
・英語圏の国への留学をしたい方
・海外での就職を希望している方
・海外へ移住したい方
IELTSは、TOEFLと比較すると若干認知度は落ちるものの、海外、特にイギリスやその影響下にあった国々でよく知られています。
また、IELTSはいくつかの国で、移民ビザを取得するためにも利用されています。
各試験の対象となる方を紹介してきましたが、これらはあくまでも「目安」となります。
自分が出願する学校や就職を希望する企業によって求められているものが違います。
なので、進路や目標に応じて、どの英語試験を受験しなければならないのか、しっかり確認をすることから始めましょう。
TOEFL・IELTS・英検の問題内容を比較!
TOEFL、IELTS、英検1級の3つの試験内容を比べてみましょう。
4技能別にそれぞれの試験の形式を見ていき、またそれぞれの試験で他の2つとは違う点を確認していきます。
リーディング
TOEFL iBT | IELTS | 英検1級 | |
問題数 | 30問(or 40問) | 40問 | 41問 |
パッセージ数 | 3パッセージ (or 4パッセージ) | 3パッセージ | 3セクション |
時間 | 54分 | 60分 | 100分 (ライティング含む) |
問題タイプ | 選択問題 | 選択・穴埋め問題 | 選択問題 |
- TOEFL iBT
「ダミー問題」が入ることがあります。
ダミー問題が入った場合、パッセージが1つ多くなり問題数と試験時間が変わってしまいます。
- IELTS
選択問題だけでなく、穴埋め問題も出題されます。
穴埋め問題でスペルミスをするともちろん、減点となるので、細心の注意が必要です。
- 英検1級
リーディングとライティングが合わせて、100分の筆記試験となっているため、時間配分が重要になってきます。
また、英検のみ単語のセクションが含まれます。
リスニング
リスニングは各試験で違いが出てくるセクションです。
TOEFL iBT | IELTS | 英検1級 | |
問題数 | 28問 | 40問 | 27問 |
試験形式 | 会話 レクチャー | 会話・説明文・レクチャー | 会話・レクチャー 説明文・インタビュー |
問題形式 | 選択問題 | 選択・穴埋め問題 | 選択問題 |
質問の先読み | できない | できる | できる |
- TOEFL iBT
質問の先読みができません。
つまり、音声を聞いている間にメモを取らなければなりません。
- IELTS
リーディング同様、選択問題だけでなく、穴埋め問題があります。また、イギリスやオーストラリアなどの話者がいるので、アクセントに慣れておくと良いです。
- 英検1級
状況に合わせた対応ができるか、インタビューを聞いて問題に答えるなど、様々な問題が含まれています。
しかし、問題も先読みできますし、すべて選択問題なので他の2つと比較すると対策がしやすいです。
ライティング
形式の箇所を見てもらうとわかる通り、3つの試験すべてに共通しているのが、
「opinion essay」と言われるもので、与えられたトピックに対して自分の意見を述べていくものです。
TOEFL iBT | IELTS | 英検1級 | |
問題数 | 2問 | 2問 | 1問 |
形式 | ①要約する ②意見を述べる | ①グラフや図の説明 ②意見を述べる | 意見を述べる |
文字数制限 | ①150~225字程度 ②300字程度 | ①150字以上 ②250字以上 | 200-240 Words (エッセイに3つ理由を書く必要有り) |
時間 | ①20分 ②30分 | 合計60分 | 100分 (リーディングを含む) |
英検はこの1題だけですが、TOEFL iBT・IELTSと、その他の問題タイプを見ていきましょう。
- TOEFL iBT
「Integrated」と言われる問題がTOEFL iBT独特で、英文を読み、レクチャーを聞き、聞いた内容をエッセイとしてまとめるものです。
- IELTS
グラフや工程図、地図などの視覚的情報を文章でまとめて書いていきます。
- 英検1級
上記でも述べた通り、100分の筆記試験にリーディングとライティングの両方が含まれているので、時間配分としては最低でも25分はライティングに時間を取りたいです。
スピーキング
TOEFL iBT | IELTS | 英検1級 | |
問題タイプ | 2タイプ ①自分の意見を述べる ②要約する それぞれ準備時間有り | 3タイプ ①自分自身について ②1~2分スピーチ ③一般社会について | 3タイプ ①自分自身について ②2分スピーチ ③スピーチに対するQ&A |
形式 | コンピューターに 向かって声を吹き込む | 外国人面接官と1対1の インタビュー形式 | 日本人と外国人の面接官2人と インタビュー形式 |
- TOEFL iBT
ライティングと同じく「Integrated」問題があり、英文を読み、トピックに関する音声を聞き、内容を口頭でまとめるものです。
それぞれの問題に準備時間はありますが、スクリーンに向かって話すので、制限時間とのプレッシャーが一番感じられます。
- IELTS
試験官とのインタビュー形式で行われるので、回答時間の制限はありません。
テスト会場によって、対面かビデオ形式かのどちらかで行われ、全体で12分ぐらいかかります。
- 英検1級
面接官が2名いて、それぞれの試験官から質問されます。
2分スピーチがありますが、5つのトピックから自分の好きな(答えやすい)トピックを1つ選べるのがGoodポイントです。
どの英語試験が一番難しい?
私個人の感想ですが以下の4技能比較してみましたので、参考にしてみてください。
リーディングの難易度
■ TOEFL iBT ★★★★☆ ■ IELTS ★★★★★ ■ 英検1級 ★★★★☆ リーディングに関しては、おそらくIELTSが最高難度です。何が難しいかというと、本文と選択肢の英語表現が、完全に言い換えられているので、両者が同じことを語っていることに気づきにくい。英検1級も、最後の長いパッセージの難しさはIELTS並みといっていいですが、最初の方のパッセージは文が短いので、★4つにしました。TOEFLは、問題自体は比較的簡単です。本文と選択肢がほぼ同じ言い回しをすることもあります。ただ、時間が足りない。焦らずに最後まで全て解き切る難しさは、恐らくTOEFLが3者の中で最高です。
リスニングの難易度
■ TOEFL iBT ★★★★☆ ■ IELTS ★★★★☆ ■ 英検1級 ★★★★☆ 「点の取りにくさ」は3者平等ではないでしょうか。まずTOEFLは、問題自体は非常に簡単です。答えではない選択肢は、本文と明らかに違うことを述べてるので、消去法は楽勝なはず。ただ、TOEFLは音声を聞き終わるまで問題を見ることが出来ません。つまり5分近い音声を、どこを問われるかも分からず聞き続けないといけないので、途中で気が抜けて「あ、聴いてなかった」となりがちです。IELTSと英検は、聞きながら問題を見ることが出来ますが、TOEFLより問題が難解なので、4択や3択の場合「2つまで絞れるけど、どっちだろう・・」という状況が多く発生するでしょう。
ライティングの難易度
■ TOEFL iBT ★★★★☆ ■ IELTS ★★★★★ ■ 英検1級 ★★★☆☆ ライティングは、IELTSが最難関ということでほぼ異論は無いと思います。質問で問われること自体はさほど難しくないのですが、「話を充分広げているか」「様々な文法を自然に駆使しているか」などの採点が異常なほど厳しく、満点を取ることはほぼ不可能です。TOEFLの採点はそこまで厳しくなく、英語話者から見て自然な英語で書けていれば、話の内容の不十分さやスペルミスが多少あっても高得点は取れます。英検は、いわば日本人による日本人のための英語試験ですから、日本人がよく犯すミスがあっても、ある程度は大目に見てくれます。とりあえず、質問に答えて文字制限以上の英文が何か書けていれば合格できるはずです。
スピーキングの難易度
■ TOEFL iBT ★★★★☆ ■ IELTS ★★★★★ ■ 英検1級 ★★★★☆ まず英検は、質問の内容が難しいです。社会問題のような、日本語でも答えるのが難しい質問が出ます。とはいえ、面接官には日本人が含まれるので、ライティングと同様、日本人特有の文法ミスや発音の訛りは寛大に見てくれます。これの真逆がTOEFLです。TOEFLは問われること自体は難しくありませんが、発音や言い回しが「ネイティブっぽいか」が高得点の鍵になるので、日本育ちの日本人が泣かされる所です。英検とTOEFLの難しさを両方備えているのがIELTS。Part 3では、身近な内容であっても今まで考えたこともないような質問をされ、答えに窮します。且つ、発音や言い回しがネイティブから見ても自然な英語になっている必要があり、高得点を取るのは至難の業です。
TOEFL vs IELTS vs 英検1級!1番難しいのはズバリどれ?
独断になってしまいますが、難易度の順番としては以下のようになりました。
1位:IELTS << 2位:TOEFL << 3位:英検
TOEFLはどうやって申し込むの?
申し込み方法は、電話や郵便も可能ですが、ネット経由で予約が一般的かつ簡単です。
「TOEFL find test centers」などで検索すると「ets.org」と入ったページが見つかります。
そのページから受験地域を選び、はじめての人はアカウントを作成して予約します。
支払いはクレジットカードが一般的です。
料金は日本国内の場合235ドルで、日本円に直した受験料は、支払いを済ませた当時の為替相場によって変わることになります。
受験日の数日前に予約すると、late feeとして数十ドル余分に払うことになります。
予約時にパスポートは必要?
パスポート番号が必須ですが、原本の写真を送るなどは必要ありません。
はじめての受験で不安な場合は、パスポートを身近なところに置いておくか、持っておきましょう。
受験時期はいつ?
1月から12月まで毎月、ほぼ毎週末に試験がおこなわれています。
受験回数にも制限はないので、自分が希望する回数を受験しても大丈夫です。
また、試験会場も全国各地に存在しているので、できるだけ近い地域のセンターを選ぶと、移動する際に苦労しなくて済みます。
試験開始はいつ?試験時間はどのくらいかかる?
いつ試験がスタートされるかは、会場によって異なるので、事前に確認をしましょう。
今まで受けた試験を思い返すと、午前10時スタートが多かったと思います。
試験時間はおおよそですが、3時間程度です。
まとめ
TOEFL iBTとは? ■ 4技能全てのテストがあり、英語圏の大学・大学院への入学に使用(用途はIELTSと同じ) ■ 受験はすべてコンピューター受験(ペーパーは無し) ■ IELTSや英検と違い、スピーキングテストはPCに自分の音声を吹き込む(面接官は無し) ■ IELTSや英検と違い、リスニングテストは音声再生中は問題を見ることが出来ない ■ スコアは2年間有効