2021/11/30

英検®の二次試験(面接)では何を聞かれる?具体的な内容と対策とは?

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バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

英検®の二次試験は自分のペースで取り組める一次試験とは違い、面接という特殊な状況で行われるため、苦手意識を感じる方も多いのではないでしょうか。試験対策を行うときでも、本番に近い状況を用意しにくいので不安を感じてしまうかもしれません。そこで今回は、まず二次試験の概要と流れを紹介し、級位別の試験内容と試験対策について解説していきます。

目次

英検®における二次試験とは

英検®こと「実用英語技能検定」には、1級・準1級・2級・準2級・3級・4級・5級の7つの級があります。二次試験である面接形式で行われるスピーキングがあるのはこのうち1~3級だけで、4級・5級の試験では一次試験が合格になると、受験した級位を取得できます。

1級~3級の一次試験で行われるリーディング・ライティング・リスニングの3技能筆記試験に合格した方のみ、二次試験のスピーキングを受けられます。英検®の二次試験は約7~10分間、面接委員と対面でスピーキング試験が行われ、受験する級位によって題材や面接委員の人数が異なります。準1級~3級の面接委員は1名で、1級のみ2名です。準1級~3級の評価項目は以下の内容になります。

  • ● 応答の内容
  • ● 語彙
  • ● 文法
  • ● 発音の正確さ
  • ● アティチュード(コミュニケーションに積極的な態度)
  • ● 語法
  • ● 情報量

アティチュードはあいさつや聞き取りやすい声、アイコンタクトなどが評価対象です。この他、準1級には4コマのイラストを説明するナレーション課題があります。

1級の評価項目は「応答の内容・語彙・文法・発音の正確さ」で、難解な社会問題を題材にしたスピーチ課題があります。傾向として、1級は英語力の他、難解な社会問題や時事問題に対する知識と見解が求められるので、やはり一番難易度は高めです。

二次試験ではどのような服装で行けば良いのか迷う方も多いですが、特に指定はありません。試験当日の服装によって減点や不合格にされることはないので、私服でも問題ないでしょう。しかし、試験としての面接である以上、面接委員が不快になるような派手な服装や過度に着崩した服装は避けるべきです。

面接委員はたいていスーツで試験を行いますから、どうしても迷う方は学生なら制服、社会人ならスーツが無難です。ちなみに、二次試験の日程変更は原則受け付けていないので、スケジュールや体調管理は万全にしておきましょう。

二次試験はどのような流れで行われる?

英検®の二次試験は級位別で内容こそ異なるものの、試験のフロー自体はおおむね同じです。試験会場に到着したら、まず会場で配布される「受験者証兼携帯電話等収納ケース」を受け取って首からさげます。

スマートフォンや携帯電話は電源をオフにしてケースに入れておきましょう。どのような理由であっても、スマートフォン・タブレット・携帯電話などを使用すれば失格になるので注意が必要です。会場の外に出るまでは必ず電源をオフにしておきましょう。

受験者控室で行う内容は、以下の通りです。

  1. 受験する級位の受験者心得と面接カードが配られているか確認する。
  2. 面接カードに必要事項を記入する(鉛筆かシャープペンシルを使う)。
  3. 係員の指示にしたがって面接待機席に移動する
    (移動後は控室に戻れないので、面接カードと所持品は残らず持っていく)。

面接試験の一連の流れは以下のようになります。

  1. 係員の指示にしたがって面接室に入る(自分の受験する級と面接室が合っているかを入口の掲示で確認する)。
  2. 面接カードを係員に渡す。
  3. 面接委員の指示にしたがって着席する。
  4. 面接委員が氏名・級の確認を行う。その後、簡単なあいさつや質問がある。1級は日常会話がある。
  5. 1級ではトピックカード、準1級~3級では問題カードを受け取る。
  6. 1級はスピーチ課題とQ&A、準1級はナレーション課題とトピックに関する質問、2級では題材に関する4つの質問に解答。準2級と3級では題材に関する5つの質問に解答。
  7. トピックカード、問題カードを面接委員に返す。
  8. 退室する。

面接終了後に待機している受験者と話すことは禁止されています。控室に戻れないので、すみやかに会場を後にしましょう。

英検®の二次試験内容は?どうやって対策する?

先述の通り、二次試験では会場に入るとスマートフォンは使用できません。復習のためであっても、文章作成したドキュメントファイルを見るためにスマートフォンを使用することはできないので気をつけてください。直前になって「復習できない!」と慌てないよう、ノートやメモを用意しておきましょう。ちなみに、英検®の二次試験は試験終了後から3週間以内に合格書や成績証明書が届く仕組みになっています。

以下では、二次試験が行われる各級の二次試験の試験内容と対策方法を解説します。一次試験に合格した後、二次試験を実施する1級、準1級、2級、準2級、3級、いずれかの級の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1級の二次試験の内容と対策方法

1級の二次試験内容

英検®1級の二次試験は、英語での面接を約10分間行います。具体的な内容は以下の通りです。

  • ● 自由会話:面接委員と簡単な日常会話でやり取りする。
  • ● スピーチ:5つのトピックの中から1つ選んで2分間でスピーチを行う。
  • ● Q&A:スピーチの内容やトピックに関する質問に4分間で答える。

過去のトピックでは「科学・芸術・経済・選挙権・遺伝子組み換え技術・治安」など、社会問題について幅広く出題されています。2分のスピーチ課題の前に1分間スピーチ内容を考える時間があります。

1級の二次試験の対策方法

1級の二次試験は社会問題・科学・芸術・経済など、テーマは多岐に渡ります。ただ、トピックは5つ出されるものの、スピーチで使うテーマは1つだけです。対策を行うときは、思い切ってジャンルを5つくらいに絞り込むことをおすすめします。過去問や参考書を確認すると頻出しているテーマがわかるので、得意分野で、かつ汎用性の高そうなジャンルを選びましょう。

1級の面接ではアティチュードの評価項目はありませんが、やはり面接の練習を行うときは大きな声を出してアイコンタクトを意識することが大事です。可能であれば先生や友人に面接委員をやってもらい、本番に近い状況で回数をこなしてください。タイマーは本番の120秒より短めの100秒くらいに設定しておいて、短い時間でのスピーチに慣れておきましょう。そうすると、面接本番でも心理的余裕が生まれます。

準1級の二次試験の内容と対策方法

準1級の二次試験の内容

英検®準1級の二次試験は、英語での面接を約8分間行います。具体的な内容は以下の通りです。

  • ● 自由会話:面接委員と簡単な日常会話でやり取りする。
  • ● ナレーション:4コマのイラストを2分間で説明する。
  • ● 受験者の意見を問う質問①:イラストに関する質問に答える。
  • ● 受験者の意見を問う質問②:カードのトピックに関する2つの質問に答える。
  • ● 受験者の意見を問う質問③:カードのトピック・社会性のある内容に関する質問に答える。

トピックや社会性のある内容については、過去に「在宅勤務・レストランでの喫煙・護身術・住民運動」などが出題されています。2分間で4コマのイラストを説明するナレーション課題の前に1分間ナレーション内容を考える時間があります。

準1級の二次試験の対策方法

1級ではトピックのテーマをある程度予想できますが、準1級のテーマは範囲が広すぎる傾向にあるので、絞り込むのは難しいでしょう。そのため、基本的には1級と同じようにしっかり声を出してアイコンタクトを取る練習が中心になります。特に準1級にはアティチュードの評価項目があるので、声の大きさやアイコンタクトは重要です。そのうえで、スピーキング力を向上させるためにライティングに取り組むことをおすすめします。面接委員の質問にしっかり答えるためには、頭の中で論理的に考えて話す力を養う必要があります。ライティングで多くのフレーズをおぼえつつ、応用しながらアウトプットできるように訓練しておくのが得策です。

2級の二次試験の内容と対策方法

2級の二次試験の内容

英検®2級の二次試験は、英語での面接を約7分間行います。具体的な内容は以下の通りです。

  • ● 音読:60語くらいのパッセージを読む。
  • ● パッセージについての質問:音読したパッセージについての質問に答える。
  • ● イラストについての質問:3コマのイラストの展開に関する質問に答える。
  • ● 受験者の意見を問う質問①:ある事象・意見、カードのトピックに関する意見を述べる。
  • ● 受験者の意見を問う質問②:日常生活に関することや一般的な事柄について意見を述べる。

過去に出題された題材には、「サプリメント・新しいエネルギー・ペット産業・オンライン会議」などがあります。パッセージの音読の前に20秒間の黙読があり、イラストに関する質問の前にも20秒間の考える時間があります。

2級の二次試験の対策方法

2級は準1級と同様、アティチュードの評価項目があります。そのため、大きな声でアイコンタクトを取る面接の練習は必須です。伏し目がちにならず、胸を張って声量とアイコンタクトを意識しましょう。イラストに関する質問の対策については、シンプルな英文を使って、日常で目にしたワンシーンを英語で実況する訓練が効果的です。

準2級の二次試験内容と対策方法

準2級の二次試験内容

英検®準2級の二次試験は、英語での面接を約6分間行います。具体的な内容は以下の通りです。

  • ● 音読:50語くらいのパッセージを読む。
  • ● パッセージについての質問:音読したパッセージについての質問に答える。
  • ● イラストについての質問①:イラストに描かれている人物の行動を説明する。
  • ● イラストについての質問②:イラストに描かれている人物の状況を説明する。
  • ● 受験者の意見を問う質問①:カードのトピックに関する質問に答える。
  • ● 受験者の意見を問う質問②:身近な日常生活に関する質問に答える。

過去に出題された題材には、「プリペイドカード・映画祭・食品フェア・ホームシアター」などがあります。パッセージの音読の前に20秒間の黙読の時間がありますが、イラストに関する質問に答えるとき、2級とは違って考える時間がないことに注意してください。

準2級の二次試験の対策方法

準2級も準1級と2級同様、アティチュードの評価項目があるので、アイコンタクトや声の大きさを意識した面接の練習は必ずしておきましょう。準2級のイラストについての質問は、人物の行動や状況を説明する問題なので、周囲にいる人物の様子を英語で表現する練習が効果的です。

自分が思い出せる単語をフル活用して、現在進行形で人物の行動や状況を言い表せるように練習して、文のつながりを自然な形にするために「and」や「because」も積極的に使ってください。

3級の二次試験の内容と対策方法

3級の二次試験の内容

英検®3級の二次試験は、英語での面接を約5分間行います。具体的な内容は以下の通りです。

  • ● 音読:30語くらいのパッセージを読む。
  • ● パッセージについての質問:音読したパッセージについての質問に答える。
  • ● イラストについての質問:イラストに描かれている人物の行動や物の状況について、2問質問に答える。
  • ● 受験者の意見を問う質問:日常生活や身近な内容について2問質問に答える。

過去に出題された身近な話題については、「四季・朝市・ラジオを聴く・冬のスポーツ」などが出題されています。準2級と同様、パッセージの音読の前に20秒間の黙読時間がありますが、イラストに関する質問の答えを考えるための時間はありません。

3級の二次試験の対策方法

3級を受験する方は、4級に合格して次のステップとして挑戦するケースが多いでしょう。そのため、二次試験の面接形式のスピーキングは初体験の方がほとんどです。3級にもアティチュードの評価項目があるため、声量やアイコンタクトなどを重視した対策が必要です。

まずはスピーキングに慣れるため、面接の練習を録音するのが効果的です。録音した自分の声は客観的に聞けるので、発音やアクセント、イントネーションを正しく分析できます。自分の弱点を把握して改善していけば、自然とスピーキング力が向上するでしょう。

また、面接という特殊な環境に慣れるために、積極的に人前で練習を行うことも大切です。大きな声で発音する、アイコンタクトを意識する、などの訓練を積み重ねておくと本番でも安心です。

独学でも二次試験の対策はできる?

英検®の二次試験は「面接形式」であるため、独学だとなかなか上達を実感できないのがネックです。1人で面接の練習を繰り返しても、「相手に英語が伝わっているか」や「まちがっている箇所はどこか」が把握しづらいからです。そのため、二次試験は独学ではなく英会話に精通した方と一緒に行うことが一番の近道といえます。

バークレーハウス語学センターなら、ネイティブの講師と一緒にマンツーマンで面接の対策ができます。また、日本人向けにカスタマイズした学習効率の高い教材を使用できることも大きなメリットです。英検®対策についても、1級~5級まですべての級位の対策コースが用意されています。レッスンスタイルはマンツーマンのプライベートレッスン、グループレッスン、自宅でも受講可能なオンラインレッスンにも対応しています。

英検®対策コースの内容や受講料など詳しくはこちらの「実用英語技能検定」でご覧いただけます。実際の英検®対策のレッスンがどのような内容なのか体験できる無料体験レッスンもご用意していますので、ぜひお試しください。

二次試験を受ける際の注意点はある

最後に、英検®の二次試験における注意点をまとめます。

  • 二次試験は発音や文法、語法、情報量などを基準に採点される。
  • 面接であることを忘れない。面接委員や係員の指示には必ずしたがう。
  • 「コミュニケーションを図ろうとする態度(アティチュード)」も評価対象となる。
  • 「自分のこと」や「自分の考え・意見」をしっかり伝える。
  • 試験当日だけでなく、学習をするうえでも「正しい発音」や「積極性」などを意識することが重要。

1人で勉強しづらいときはどうすれば良い?

英検®の二次試験は、級位によるレベルの差があるものの、「英語のコミュニケーションに慣れる」ことが求められます。そのため、これまで解説してきたように、先生や友人たちの協力が必須です。とは言うものの、練習のたびに先生や友人にスケジュールの調整をお願いするのは心苦しいという方もいるでしょう。このようなときは、やはり自分のスケジュールに合わせて利用できる英語スクールが役立ちます。

バークレーハウス語学センターでは英検®の二次試験を熟知したネイティブ講師と面接の練習を行っていくので、二次試験の本番でも面接委員に気後れすることなく力を発揮することができます。

「万全の状態で二次試験に臨みたい!」という方はこちらの「実用英語技能検定」をご覧のうえ、お気軽にお問い合わせください。

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