IELTSのスコアで6.5が取得できれば、イギリスやアメリカなどの一部トップ大学を除けば、ほとんどの海外大学への進学が可能性です。
本記事では海外留学を目指している方に向けて、IELTSでOverall 6.5を達成するために知っておきたい難易度や学習方法について書いていきます。
未受験のIELTS初心者の方はもちろん、6.5から7.0以上を目指す方にもスコア獲得のための目安として参考にしてみてください。
IELTS 6.5の難易度やレベル感とは?
まずは以下の換算表を参考に、IELTS 6.5の難易度を見ていきましょう。
CEFR | IELTS | 英検 | TOEIC | TOEFL iBT |
---|---|---|---|---|
B2 | 6.0 | 準1級 | 740-820 | 60-78 |
5.5 | – | 600-740 | 46-59 | |
B1 | 5.0 | 2級 | 550-600 | 35-45 |
4.5 | – | 500-550 | 32-34 | |
4.0 | 準2級 | 450-490 | -31 |
IELTS、英検、TOEIC、TOEFLあたりのメジャーな英語試験を比較すると、だいたいこのような換算になります。
IELTS 6.5は英検では1級と準1級の間、TOEFLでは80点前後というようなイメージでしょうか。
この3つの試験はいずれも4技能試験のため、ある程度換算は正しいと言えますが、TOEICはLRのみのため、換算表から大きくはずれた点数になることも珍しくありません。
いずれもの試験もしっかりと試験形式にあった対策をしていくことが重要でしょう。
換算表の左側のCEFR(セファール)とは、語学力を測るために世界中で使用されている基準です。
IELTS6.0-6.5というのは「B2」にあたり、中級程度の学習者を指します。
B2レベルの学習者についての説明は以下のようなものになります。
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。
(ブリティッシュ・カウンシル、ケンブリッジ大学英語検定機構より引用)
つまり、自身が得意とする分野以外でもある程度の自己表現ができるレベルというようなイメージです。
ちなみに、IELTS 6.5があればケンブリッジやオックスフォードなど海外の一部トップ大学を除いた多くの大学に入学することができます。
また、大学院の正規課程での留学を考えておられる方にとっては最低ラインというイメージをお持ちください。
IELTS 6.5達成に必要な学習時間
目標スコア到達までに求められる学習時間は前述のCEFRから割り出すことができます。
目安として、一つ上のレベルにいくためには200時間程度の学習が必要といわれています。
つまり1日2.5時間勉強するのであれば3ヶ月で約225時間なので、3ヶ月あればOverallスコアを1.0上げられるとされています。
ただ、これは監督者がいる状態で学習を行う”guided study”の場合であるとされているため、限りなく学習効率が高い状態の話です。
自習で学習を積む場合はさらに時間がかかると考えたほうが良いでしょう。
結局、いちばん大事なのは学習における「質」だと思うので、学習時間はあまり気にしないで良いと思います。
本当に目標を達成したければ時間があるだけ学習に費やすべきです。
どの技能をどのくらい勉強するか戦略を決める
IELTSで6.5を取るためにはまず「どの技能で6.5を取るか」を決める必要があります。
なぜならOverallスコアは4技能の平均値を0.25ずつ切り上げしたスコアであるため、得意な2技能で6.5を取り、残りの2技能で6.0を取ることができれば、最終スコアは平均値である6.25を切り上げた6.5になるからです。
日本人の平均的なスコアでいうと、やはりLRのほうがSWに比べて得意な方が多いので、最もメジャーな得点方法はLRで6.5を取り、SWで6.0という形です。
(スコアの提出先によっては各技能の最低点を設けている場合もあるので、その点は注意が必要です。)
得意な技能を上げれば良いというと、LR7.0でSW5.5でもいいのかと思うかもしれませんが、これはあまり現実的なシナリオではないので避けたほうが良いでしょう。
なぜなら、LRで安定して7.0を取得するのはそれなりにハードルが高いからです。
現状でよっぽど突出してどこかの技能ができるわけではない場合、4技能のスコア配分は0.5の差で考えておきましょう。
そのためIELTS 6.5を目指す方は、まず全技能で安定して6.0を取れる英語力を身に着けていく必要があり、そこがスタートラインだと思います。
LRの正答数とスコアの関係は以下のリンクを参考にしてください。
IELTS 6.5取得のための学習法
以降では、各技能6.0のレベルからプラス0.5するための学習法を見ていきます。
Reading(リーディング)
リーディングを6.0から6.5に上げるためには、まず自身のリーディングの欠点を明らかにしましょう。
主に以下の要素が部分的、あるいは複合的に欠けていると思われます。
- ①語彙
- ②文法
- ③読解のスピード
- ④問題タイプへの慣れ
語彙
まず①の語彙ですが、これはシンプルに単語帳をしっかりとやっていきましょう。
リーディングでは、パッセージの語句と問題文の語句がほとんどすべての場合において言い換わってくるので、単語力は点数に直接的に影響します。
しかしながら、リーディングのパッセージに出てくる単語をすべて覚える必要はありません。
なぜなら、中にはネイティブでもあまり使わないような単語も含まれているため、すべて覚えてしまうと効率が悪いからです。
それよりもまずは、得点に直結するような必須単語を覚えていきましょう。
どの単語が必要で、どれが不必要なのかを見極めるのは難しいですが、一つの基準として単語帳を使用することができます。
IELTS用の単語帳であれば、ほとんどの場合バンドスコア毎にセクションが別れているので、6.5を目標とする時は対象の単語がそこまでのセクションに入っているかどうかで重要度を判断しましょう。
もし7.0以降のセクションに出てくるようであれば、その単語はひとまず無視しても構わないでしょう。
文法
次に②の文法ですが、これは練習問題がついている文法書を一通りやって文法知識の穴がないか確認し、埋めていきましょう。
とくに関係詞や分詞構文は頻出の文法表現で、リーディングではもちろんのこと、残りの3技能でも必須の文法なので必ずカバーしておきましょう。
文法をしっかりと理解した状態でパッセージの読解をすると3~4行にまで渡る長大なセンテンスも理解しやすくなります。
読解の際は、どこに文の幹となる要素(5文型の要素)があるのかに注目すると精読練習として十分な効果を発揮します。
スラッシュなどを入れてチャンク(意味のかたまり)ごとに分割していってみましょう。
正しい場所にスラッシュが入っていない場合は、まだどこか文法理解が曖昧だということです。
たとえば、以下のセンテンスの意味がとれるでしょうか?
Chronobiology is actually a field of study that concerns one of the oldest processes life on this planet has ever known.
(British Council公式サイトより抜粋)
後半の”processes life on”の部分で関係詞の省略に気付けなかった人は注意です。
“processes”と”life”の間に関係詞のwhich (that)の目的格が省略されているため、そこをスルーしてしまうと読解を誤ってしまいます。
大まかな訳は「時間生物学とは、この惑星の生命が古くから知っている最古のプロセスの一つについて研究する学問である」という意味になります。
読解スピード
③の読解スピードですが、単純に読むスピードが上がれば時間内で読める文章量が増え、結果的に読解の精度が上がるため、問題の正答率を上げることができます。
読解のスピードは、やはり正しい文法知識がないと上がりません。
そのため、文法は前述のように文の要素を正しく把握する練習をしておきましょう。
あとは、日頃どれだけ英文を読んでいるかにかかっています。
スピードを上げる練習は、精読力を上げるのではなく、英語を処理するスピードを高めるのが目標なので、IELTSほど難易度の高いパッセージを使用する必要はありません。
それよりも、自分が無理なく読めるレベルのテキストが最適です。
もし3語以上わからない単語が含まれている、あるいは意味が理解できないセンテンスが連続して出てくるようであればレベル的に厳しいと思います。
コンテンツは自分が興味を持てれば何でも良いと思いますが、以下の書籍は多読におすすめです。
問題タイプへの慣れ
④問題タイプへの慣れも得点には大きくかかわるところです。6.0は正答数として最低23問取れればよいですが、6.5になると27問になるので、少しハードルが上がります。
ここで苦手な問題タイプがあると正答数を落とす原因になってしまうので、しっかりと各タイプに対処できるようになっておきましょう。
とくに「見出しを選ぶ問題」や「パラグラフの内容マッチング問題」は苦手な方が多いので要注意です。
「見出し問題」については各パラグラフのメインアイディアについて聞いてきている問題なので、それらのアイディアが含まれている確率の高い、各パラグラフの「最初と最後のセンテンス」だけを読んで大まかなアイディアを掴んで選択肢を当てはめていく練習をしてみましょう。
パラグラフリーディングという、各パラグラフの概要を掴んでいく読み方の練習がこの問題タイプには効果的です。
「マッチング問題」に関しては、パラグラフのメインアイディアというよりは細かい部分について聞いてきている場合が多いので、しっかりと問題のセンテンスからキーワードを特定し、それがパッセージ内でどのように言い換えられているかを確認していきましょう。
たとえば、問題文のセンテンスに”climate”という単語があれば、パッセージの中では”weather”であったり、もう少し具体的に”snow”や”rain”と言っている可能性があります。
復習をする際には答え合わせをするだけではなく、こういった単語の言い換えに注目してみましょう。
Listening(リスニング)
リスニングの学習はとにかく「聞き取れていない部分を見つけ出してその理由を明確にすること」です。そのためにはディクテーション(聞こえてくる英文を一語一句同じように書き取る練習)を行いましょう。
そこで抜けている部分に知らない単語や文法表現があればそれをカバーする必要があります。
ちなみに、リスニングで使用されている単語はリーディングよりもかなり難易度が下がるのでパート1~3で使用されている単語は全て覚えてしまいましょう。
多くの場合、聞き取れない理由は「発音が思っている音と違う」ということだと思います。
それは単語レベルでもそうですし、センテンスになった時に音がつながったり消えたりしている場合も含みます。
たとえば”with her”という語があった場合、発音はあえてカタカナで言うならば「ウィズ ハー」ではなく「ウィザー」というように音が連結して発音されます。
このような音声変化がリスニングのスクリプトの至るところで行われているので、自分がカバーできていないところを見つけ出して、その部分の音源をスクリプトを見ながら繰り返し何度も聞きましょう。
そうすることによって正しい発音のされ方を脳にしっかりとインプットすることができ、次回同じような発音が出てきた時に正しくキャッチできるようになります。
穴埋め問題を攻略
パート1と4の典型問題である「穴埋め問題」の正答率を高めましょう。文章選択式の問題は読む文章量が多く、なかなか高得点保持者でも安定して正答を選ぶのが難しい問題タイプです。
とくにパート3は飛び抜けて文量が多いので、難易度は一番高いように思われます。
しかし、穴埋め問題は流れを掴みながら品詞や文脈からある程度ワードを特定すれば正答を導き出すことはそれほど難しくありません。
うまくパート1の穴埋めを8問以上正解で切り抜けて、他で6問ずつ取ることができれば、6.5に必要な正答数である26問を叩き出すのはそれほど難しくないと思います。
パート1で8問以上取るためには「曜日」や「月」のスペリングは頻出なので必ずすべて正しくスペルできるようにしておきましょう。
Writing(ライティング)
ライティングは6.5を取得するのが最も難しいセクションだと思われます。その理由は以下のライティング採点基準を見ていただければ分かります。
IELTS ライティング評価基準
【タスク1】
段階評価 | 課題の達成度 | 一貫性・とまとまり | 語彙力 | 文法知識と正確さ |
---|---|---|---|---|
9 | 課題の要件を完全に満たしている | 目立つことなく自然に接続詞を使用している | 幅広い語彙を単語の特徴を生かして自然かつ洗練された方法で使用でき、軽微な誤りがまれに「うっかり起こる」 | 様々な構文を非常に柔軟かつ正確に使いこなすことができ、まれに軽微な誤りが「うっかり起こる」 |
詳細説明を含む回答が明確に記述されている | 段落分けをうまく行っている | |||
8 | 課題の要件を十分にカバーしている | 情報や意見を論理的に配置している | 正確な意味を伝達するために幅広い語彙を流暢かつ柔軟に使用できる | 様々な構文を使用できる |
明確かつ適切に重点/要点を記述、強調、説明できている | 全ての観点から文章を上手にまとめている | 一般的でない語句をうまく使用できるが、単語の選択や組み合わせに時おり不適切さがみられる | 総じて間違いのない文章を書くことができる | |
段落分けを十分かつ適切に行っている | 単語のスペルや語形成(またはその両方)に間違いがほとんどない | 間違いや不適切さがまれに見られる | ||
7 | 課題の要件をカバーしている | 情報や意見が論理的に整理されており、全体を通じ明確な連続性がある | 十分に幅広い語彙を使用でき、柔軟性や正確さも認められる | 様々な複雑な構文を使用できる |
(A)主要動向、差異、段階の明確な要旨が記述されている | 一般的でない語句を使用でき、表現や組み合わせにも配慮している | 間違いの全くない文章を書けることが多い | ||
(GT)意図が明確に記述されており、統一性のある適切な文調になっている | 適切に様々な接続詞を使用しているが、使用の仕方に過不足がみられる | 単語の選択・スペルや語形成(またはその両方)に間違いが散見される | 文法と句読点をうまく使いこなすが、依然として間違いが存在する | |
重点/要点が明確に記述され、強調できているが、詳述の余地がある | ||||
6 | 課題の要件に取り組めている | 情報や意見の配置に一貫性があり、概ね明確な連続性がある | 課題に対する十分な範囲の語彙を使用できる | 簡単な構文と複雑な構文の両方を使用する |
(A)適切に選択された情報を含む要旨が記述されている | 接続詞を効果的に使用しているが、文書中や文章間(またはその両方)の接続詞が機能していなかったり、機械的であったりする | 一般的でない語句の使用を試みるが、不正確さが見られる | ||
(GT)文調に統一性が見られない場合もあるが、概ね明確に意図を記述している | 参照が明確でなかったり、適切でなかったりする | 単語の選択・スペルや語形成(またはその両方)に間違いが散見されるが、コミュニケーションを阻害するほどではない | 文法と句読点に間違いもあるが、コミュニケーションに支障の出るようなことはめったにない | |
重点/要点を記述し、十分に強調できているが、詳細部分が関連性を欠いたり、不適切であったり、不正確であったりする | ||||
5 | 課題の要件に大体取り組めてはいるが、所々の書式が不適切であったりする | 情報がある程度整理されて記述されているが、全体的な連続性を欠く | 語彙の使用範囲は限定的であるが、課題に最低限必要なレベルである | 複雑な構文の使用は限定的である |
(A)明確な要旨がなく機械的に詳細を記述し、記述を裏付けるデータが含まれていない | 接続詞の使用が、不十分であったり、不適切であったり、多用しすぎであったりする | 複雑な構文の使用も試みるが、簡単な構文と比較して不正確になるきらいがある | ||
(GT)手紙は時おり不明瞭であるが意図が記述されている、文調に統一性がなく、不適切な箇所もある | 参照や置換が不十分なために重複が見られる場合もある | スペルや語形成(またはその両方)にかなりの間違いが見られ、読み手の理解が困難な場合もある | 文法や句読点の間違いが多く、間違いのため読みづらいこともある | |
重点/要点を記述しているが、十分にカバーしきれておらず、詳細にこだわる傾向がある場合もある | ||||
4 | 課題の要件に取り組もうとしているが、重点/要点をカバーしておらず、書式が不適切であったりする | 情報や意見は記述されているが、一貫性を持って配置されておらず、回答に明確な連続性を欠く | 基本的な語彙のみを重複して使用したりし、課題に不適切な場合もある | 極めて限定的な構文の使用で、複文構成はめったにない |
(GT)手紙の意図を明確に説明できておらす、文調が不適切な場合もある | 基本的な接続詞が使用されているが、不正確であったり、重複していたりする | スペル、語形成(またはその両方)の使用は限定的である | 正確な構文もあるが、間違いが多見され、句読点にもしばしば間違いがある | |
重点/要点と詳細を区別できていない場合もあり、不明瞭、無関連、重複、不正確な部分がある | 間違いが読み手に負担を与える場合がある | |||
3 | 課題の要件に取り組めておらず、課題を全く理解できていない場合もある | 意見を論理的に整理できていない | 使用する語彙と表現が極めて限定的で、語形成やスペル(またはその両方)をうまく操作できない | 文章の構成を試みるが、文法と句読点の間違いが多見され、意味が歪曲されてしまう |
十分に意見を記述できておらず、大半が関連性がない/重複である | 接続詞の使用は非常に限定的で、使用している場合でも、意見間に明確な関連性を示すことができていない | 間違いによってメッセージが大きく歪曲される | ||
2 | 回答がほとんど課題と関連性がない | 文章を整理する能力がほとんどない | 極端に限定的な語彙で、基本的に語形成やスペル(またはその両方)をうまく操作できない | 暗記しているフレーズ以外に文章構成ができない |
1 | 回答が課題と全く関連性がない | メッセージのコミュニケーションができていない | 片言の言葉しか使用できない | 文章構成が全くできない |
0 | 暗記した回答を記述している | – | – |
【タスク2】
段階評価 | 課題への回答 | 一貫性・まとまり | 語彙力 | 文法知識と正確さ |
---|---|---|---|---|
9 | 課題の全ての部分に完全に取り組んでいる | 目立つことなく自然に接続詞を使用している | 幅広い語彙を単語の特徴を生かして自然かつ洗練された方法で使用でき、軽微な誤りがまれに「うっかり起こる」 | 様々な構文を非常に柔軟にかつ正確に使いこなすことができ、まれに軽微な誤りが「うっかり起こる」 |
回答に対し、関連性のある、詳細で十分な裏づけのある理由を提示し、確固とした見解を示すことができる | 段落分けをうまく行っている | |||
8 | 課題の全ての部分に十分取り組んでいる | 情報や意見を論理的に配置している | 正確な意味を伝達するために幅広い語彙を流暢かつ柔軟に使用できる | 様々な構文を使用できる |
回答に対し、関連性のある、詳細で十分な裏づけのある理由を提示し、熟考された回答ができている | 全ての観点から文章を上手にまとめている | 一般的でない語句をうまく使用できるが、単語の選択や組み合わせに時おり不適切さがみられる | 総じて間違いのない文章を書くことができる | |
段落分けを十分かつ適切に行っている | 単語の選択や語形成(またはその両方)に間違いがほとんどない | 間違いや不適切さがまれに見られる | ||
7 | 課題の全ての部分に取り組んでいる | 情報や意見を論理的に整理しており、全体を通じ明確な連続性がある | 十分な幅の語彙を使用でき、柔軟性や正確さも認められる | 様々な複雑な構文を使用できる |
回答全体を通じ終始明確な見解を示すことができている | 様々な接続詞を適切に使用しているが、使用の仕方に過不足がみられる | 一般的でない語句を使用でき、表現方法や組み合わせにも配慮している | 間違いの全くない文章を書けることが多い | |
主旨を示し、詳細と理由を提示できるが、一般化しすぎたり理由の論旨が明快ではなかったりする(またはその両方である) | 各段落には明確な中心主題が存在している | 単語の選択スペルや語形成(またはその両方)に間違いが散見される | 文法と句読点をうまく使いこなすが、エラーは依然として存在する | |
6 | 課題の全ての部分に取り組んでいるが、詳述されている部分とそうでない部分がある | 情報や意見の配置に一貫性があり、概ね明確な連続性がある | 課題に対する十分な範囲の語彙を使用できる | 簡単な構文と複雑な構文の両方を使用する |
関連性のある見解を示すことができるが、結論が不明瞭もしくは重複していたりする | 接続詞を効果的に使用しているが、文書中や文章間(またはその両方)の接続詞が機能していなかったり、機械的であったりする | 一般的でない語句の使用を試みるが、不正確さが見られる | ||
5 | 関連性のある主旨を示すことができるが、詳細に欠けたり、不明瞭であったりする | 参照が明確でなかったり、適切でなかったりする | スペルや語形成(またはその両方)に間違いが散見されるが、コミュニケーションを阻害するほどではない | 文法と句読点に間違いもあるが、コミュニケーションに支障の出るようなことはめったにない |
段落分けがされているが、必ずしも論理的ではない | ||||
4 | 課題の要件には最低限しか取り組んでしておらず、回答が的外れで、形式も不適切であったりする | 情報や意見は記載されているが、一貫性を持って並べられておらず、回答に明確な連続性を欠く | 基本的な語彙のみを重複して使用したりし、課題をこなすのには不十分である | 極めて限定的な構文の使用で、複文構成はめったにない |
見解を記述しているが不明瞭である | 基本的な接続詞が使用されているが、不正確であったり、重複していたりする | スペルや語形成(またはその両方)の使用は限定的である | ||
要旨を記載しているが、特定することが困難であったり、重複、無関係、理由づけが不十分であったりする | 段落形式で記述されていなかったり、されていても混沌としている | 間違いによって読み手が負担を感じる | 正確な構文もあるが、間違いが多見され、句読点にも間違いがある | |
3 | 課題のどの部分にも十分取り組んでいない | 意見を論理的に整理できていない | 使用語彙と表現が極めて限定的で、語形成やスペル(またはその両方)をうまく操作できない | 文章の構成を試みるが、文法と句読点の間違いが多見され、意味が歪曲されてしまう |
明確な見解を示していない | 接続詞の使用は非常に限定的で、使用している場合でも、意見と意見の間に論理的な関連性を示すことができていない | 間違いによってメッセージが大きく歪曲される | ||
ほとんど意見の記載がなく、多くが詳細と関連性を欠く | ||||
2 | 課題にほぼ回答していない | 整理する能力がほとんどない | 極端に限定的な語彙で、基本的に語形成やスペル(またはその両方)を操作できない | 暗記しているフレーズ以外に文章構成ができない |
見解を示していない | ||||
意見をひとつふたつ記載しようと試みているが、詳細が記載されていない | ||||
1 | 回答は課題と全く関連性がない | メッセージのコミュニケーションができていない | 片言の言葉しか使用できない | 文章構成が全くできない |
0 | 受験していない | – | – | – |
課題に取り組んでいない | ||||
暗記した回答を記載している |
IELTS Writing testの採点方法より引用
https://ieltsjp.com/get-ielts-results/ielts-bandscores/
ライティングはTASK1・2ともに、4つの採点項目によってマーキングされていますが、各採点項目は1刻みという設定になっています。
これら4つの項目の平均値を「0.25ずつ切り下げ」したものが各TASKのスコアとして算出されます。
ネット上には切り上げと書いてあることもありますが、Overallスコアの計算法と混同していると思われるので注意です!
以上を踏まえると、4つある採点基準のうち1つでも5を取ってしまうと、ほかの項目すべてで7を取らないと6.5というスコアは出ません。
● 例1
TA/TR(課題の達成度/課題への回答) = 5
CC (一貫性とまとまり) = 7
LR (語彙力) = 7
GA (文法知識と正確さ) = 7
= 26÷4 = 6.5
● 例2
TA/TR = 5
CC = 6
LR = 7
GA = 7
= 25÷4 = 6.25 ⇒ 6.0
3つの項目を7に乗せるのはかなりハードルが高いので、ほぼイーブンに2つの項目で7、残り2つで6を取ることを目標とするイメージになります。
そのためには、まず各採点項目で最低6を取れている必要があります。
しかし、IELTSのスコアレポートではTASK別、採点項目別のスコアは見られず、どのTASKのどの項目で点数を落としているのかがわからないため、現状ライティングで6.0を持っている人でも、もしかしたら全項目で6は出ていないかもしれません。
6.5を目指すためには、まず2つのTASKそれぞれにおいて、4つの採点項目のどの部分で点数を落としているのかを明確にする必要があります。
そのためには、IELTSの採点基準に精通したプロの手助けを借りるのが最適でしょう。
文法や語彙の「精度」に関しては一般的な添削サービスでも修正可能ですが、前述のようにいくら文法や語彙の精度が高くとも他の2つの項目で点数を落としてしまえば6.5には届きません。
とはいえ、一般的な6.0のスコアを持つ学習者のライティング傾向としては、文法や語彙において複雑なものや一般的でないものも使用できるが、少しエラーが目立つというようなイメージなので、そこの精度を高められるとその2つの採点項目において7を取ることも望めます。
あとは、TASK2のTRにおいて「トピックの発展」が不十分だという可能性もあるので、しっかりと主張をサポートするのに適切な理由や例を提示できるように、日頃から様々なトピックに対するアイディアを練っておく必要があります。その方法については以下のSpeakingの学習法で触れます。
Speaking(スピーキング)
スピーキングも採点項目が4つあり、スコアの計算法はライティングと同じ「平均値の0.25ずつ切り下げ」なので考え方は基本的に同じです。
なんとか2つの項目で7を取って、残り2つで6を取るというイメージです。
スピーキングの各採点項目で7を取るのはライティングほど難しくないですが、それでもそれなりに高い文法や語句の精度、流暢さが求められるため、やはりLRの6.5よりもハードルは高めといえると思います。
スピーキング評価基準
段階評価 | 流暢さと一貫性 | 語彙力 | 文法知識と正確さ | 発音 |
---|---|---|---|---|
9 | 繰り返しや言い直しをほぼすることなく流暢に話し、言いよどむ際は、言葉や文法を考えるというより、内容が理由の場合のみである。 | 全てのテーマにおいて、非常に柔軟かつ正確に語彙を使用できる | 様々な構文を自然にかつ適切に使いこなすことができる | 幅広い発音の特性を正確かつ巧妙に使用できる |
最も適切な接続詞を使用して理路整然と話すことができる | 熟語を自然かつ正確に使用できる | ネいティブスピーカーの会話に見られるような「うっかり」を除き、総じて正確な構文が使用できる | 特性を一貫して柔軟に使用できる | |
テーマを幅広く適切に展開できる | 無理なく理解できる | |||
8 | 時折繰り返しや言い直しをするが流暢に話し、言いよどむ際は、言葉や文法を考えるというより、内容が理由の場合のみである。 | 正確な意味を伝達するために幅広い語彙をすぐに柔軟に使用できる | 様々な構文を柔軟に使用できる | 幅広い発音の特性を使用できる |
テーマを理路整然と適切に展開できる | 不正確さも散見されるが、一般的でない熟語もうまく使いこなすことができる | 不適切さや軽微な/非体系的な間違いがまれに見られるが、総じて間違いのない文章を話すことができる | 特性を柔軟に使用できるが、時おりうっかり間違うこともある | |
必要に応じ言い換えができる | 無理なく理解でき、L1 アクセントが明瞭さに与える影響はほぼない | |||
7 | 目立った努力を行わずもしくは一貫性を失わずに詳細に話すことができる | 様々なテーマを論じる際に柔軟に語彙を使用できる | ある程度の柔軟性を持って幅広い複雑な構文を使用できる | バンド6の全てのプラスの特徴と、バンド8のプラスの特徴を部分的に備えている |
言葉が理由で時折言いよどむことがあり、繰り返しや言い直しがある | 一般的でない熟語も使用でき、表現や単語同士の組み合わせにも配慮できるが、不適切な選択をする場合もある | 間違いの全くない文章を話せることも多いが、文法エラーは依然として存在する | ||
幅広い連結詞や談話標識(文と文との論理的関係を示すことば)を柔軟に使用できる | 必要に応じ効果的に言い換えを行える | |||
6 | 時折繰り返し、言い直し、ためらいが見られ、そのため一貫性を失うことがあるものの、すすんで詳細に話す | テーマについて詳細に論じることができる幅広い語彙力を持っており、不適切な場合でも意味を明確にすることができる | 柔軟性に欠けるが、簡単な構文と複雑な構文の両方を使用できる | 幅広い発音の特性を使用できるが、コントロールは不安定 |
幅広い連結詞や談話標識を使用できるが、不適切な使用もある | 概ね正しく言い換えができる | 複雑な構文では間違いも多いが、理解に支障の出るようなことはめったにない | 特性を効果的に使用できる場合もあるが、一定していない | |
概ね理解しやすいが、個々の単語の発音の間違いや不明瞭な音が時おり混じる | ||||
5 | 通常は途切れることなく話せるが、繰り返し、言い直しや、ためらいが見られ、かつ/または、話し続けようとするとスピードが落ちる | 身近なテーマ、そうでないテーマについても話すことができるが、語彙の使用は柔軟性に欠ける | ある程度の正確さで基本的な構文を作成できる | バンド4の全てのプラスの特徴と、バンド6のプラスの特徴を部分的に備えている |
特定の連結詞や談話標識を過度に使用する | 言い換えが正しくできるときとそうでないときがある | 複雑な構文の使用は限定的で、たいてい間違いが含まれており、理解の障害となることもある | ||
簡単な話は流暢だが、複雑なコミュニケーションとなると流暢さに問題がみられる | ||||
4 | 顕著な間隔なしには受け答えができず、話す速度が遅く、繰り返しや言い直しが多々ある | 身近なテーマについては話すことができるが、そうでないテーマは基本的な意味のみ伝えることができ、言葉の選択にも間違いが多い | 基本的な構文を作成でき、単純な文章には間違いがないが、複文構成はめったにない | 発音の特性の使用は限定的 |
基本的な文章をつなげることはできるが、簡単な連結詞を多用し、一貫性が維持できない | 言い換えはめったにしない | 間違いも多く、誤解につながることもある | 特性をコントロールしようとするが、よく失敗する | |
発音の間違いが多く、聞き取りが困難な場合もある | ||||
3 | 途切れ途切れに話す | 個人的情報を伝える際に簡単な語彙を使用できる | 基本構文を試みても困難であったり、明らかにうろ覚えの表現に頼ってしまう | バンド2のいくつかの特徴と、バンド4のプラスの特徴を部分的に備えている |
簡単な文章をつなげる能力に限界がある | 余り身近でないテーマについては、語彙不足である | 暗記表現以外は、間違いが非常に多い | ||
簡単な受け答えのみができ、基本的なメッセージを伝えることさえもできないことが往々にしてある | ||||
2 | 言葉の前にたいてい長い間隔があく | 片言もしくは覚えた言葉のみを話す | 基本構文を作成できない | 話し言葉が不明瞭なことが多い |
コミュニケーションがほとんど取れない | ||||
1 | コミュニケーションが全く取れない | – | – | – |
評価できる言語を発しない | ||||
0 | 受験をしていない | – | – | – |
各項目について見ていくと、流暢さの観点で7のスコアを取るためには6の時よりも言い直しや沈黙を減らす必要があります。
そのためにはまず、幅広いトピックに対してアイディアを持っておくことが重要です。
とくに、パート3では日常では考えたこともないような質問をされることも少なくないので、そもそもアイディアを持っていないことも多いと思います。
その場合は英語の問題ではなく返答内容の問題なので、日本語でまずはブレインストームをしてみましょう。
おすすめはニュースを英語で見たり読んだりして、それに対して自分の意見を考えてみることです。
1日1トピックでも良いので毎日続けていれば着実にアイディアや表現のストックを貯めていくことができます。
文法と語彙は、とにかく精度を高めるということに尽きます。文法であれば6の時よりも複雑な構文をより精確に使用できるようになる必要があります。
とくに時制や関係詞などはしっかりと精度をもって使用できるようになりたいです。
とくに現在完了形と過去形の使い分けなどは曖昧な人が多いので要注意です。
また、関係代名詞だけではなく関係副詞の”where”なども使用していけるとベターです。
Part1で出身地など場所の話をする時は積極的に使用できるようにしておきましょう。
発音に関しては、自分の会話を録音するのが一番です。
しっかりと聞き直してみると発音が不明確になってしまっていたり、誤った発音をしたりしているところに気づくことができると思います。
とくにLとRやthとsの発音など、英語特有の発音が苦手な人は、それぞれの発音に対してしっかりとカバーしておいたほうが良いでしょう。
発音が原因で試験管の理解を妨げてしまうと、各採点項目のすべてに影響してしまいます。
発音の練習には、以下のテキストがオススメです。
これは『英語耳』という名前の通りリスニング力を鍛えるための教材なのですが、英語の子音や母音、音の変化をどのように発音するかという点にフォーカスされています。
それは「発音できない音は聞き取れない」という発想が元になっています。
また、逆に「発音できる音は聞き取れる」ということでもあるので、この教材をすれば発音とともにリスニング力も鍛えることができます。
僕自身、この教材を使用してからリスニング力と発音が大きく向上したように思うので、とてもオススメです。
IELTSで6.5を取るために
今回は「IELTSで6.5取得に向けて」というテーマで見ていきました。
ついつい6.5という数字が先行してしまいますが、まずはとにかく全技能で安定して6.0を取れることが最も重要なので、しっかりと文法や語彙の基礎を固めていきましょう。
また、IELTS 7.0を目指す方はこちらの記事も参考にしてみてください。
ライティングなどの改善点や学習法についてのより具体的なアドバイスが欲しい方は、ぜひ無料体験レッスンにお申込みください!