TOEICのPart7は長文問題です。
「時間が足りなくて最後まで解けなかった」という経験がある方も多いのではないでしょうか。
かつては、私も最後の問題までたどり着くことができず、時間が足りないことに焦って空回り…を繰り返していました。
ぜひPart7の概要、効果的な解き方、学習方法を頭に入れて正答率・得点アップにつなげていきましょう。
TOEICのPart7とは
Part 7の問題数は54問、 リーディングセクション全100問の過半数を占めるパートです。
Part 7で出題される問題は、全体を通して文章量が多く、情報処理のスピードが求められます。
英語力はもちろん、情報を素早く整理していけるかがとても重要!
問題形式
Part 7の問題形式は、以下の3種類です。
- シングルパッセージ
- ダブルパッセージ
- トリプルパッセージ
いずれも長文読解問題で、パッセージとは長文の個数を表しています。
文の内容と設問の順序は一致しているので、文の流れに沿って問題を解いていけます。
問題数
Part 7の問題数は、全部で54問です。
問題を種類別に分けると、おおよそ以下のような配分で出題されます。
内容把握問題 | 約20問 | 文中の内容について正しい選択肢を選ぶ |
選択肢問題 | 約12問 | 文中の情報からわかる内容を選ぶ |
推測問題 | 約8問 | 文中の情報から推測できる内容を選ぶ |
テーマ問題 | 約5問 | 文中の主題について適切なものを選ぶ |
語彙問題 | 約3問 | 文中の単語ともっとも意味の近いものを選ぶ |
NOT問題 | 約2問 | 文章の内容に合わないものを選ぶ |
意図問題 | 約2問 | 文中の表現の意味について適切なものを選ぶ |
文挿入問題 | 約2問 | 文章が入るのに適切な位置を選ぶ |
合計 | 54問 |
時間配分
TOEICのリーディングセクションを解くうえで、理想的な時間配分の目安は、以下のとおりです。
Part 5 | 10分 |
Part 6 | 10分 |
Part 7 | 55分 |
合計 | 75分 |
Part 7にかけられる時間の目安は、全体で約55分です。
55分のうち、シングルパッセージは25分、ダブルパッセージは10分、トリプルパッセージは20分を目安にしましょう。
もし、悩んでしまった場合は諦めて、次に進むのがおすすめです。
解けない問題に時間をかけるのではなく、最後まで解き終えることを目指しましょう。
あくまでも目安なので、演習の中で自分に合った配分を知ることが大切!
Part7の出題パターン
TOEICで出題される文章は「英語圏で生活している人が、日常生活や仕事で見るような文体」を想定しています。
Eメールや請求書のようなビジネス文章はもちろん、新聞記事、広告、予定表などの日常的な文章も多数出題されます。
以下では、Part 7の出題パターンと解く際のポイントを紹介します。
メール
メールは、Part 7でもっとも出題される問題です。
毎回出題されており、目安としては5~9文程度です。
記事
TOEICでは、新聞や雑誌の記事を想定した問題が出題されます。
記事は、Part 7の中でも出題頻度の高いタイプの問題です。
ほぼ毎回出題されており、目安としては1~6文程度です。
セリフは、”…” said Mr. Kim.と反転するパターンもあるので注意!
Webサイト
Webサイトは、Part 7の中でもよく登場する問題です。
記事と同様にほぼ毎回出題されており、目安としては1~4文程度です。
手紙
手紙は、Part 7の中でときどき出題されます。
まったく出題されないときもあり、目安としては0~3つ程度です。
チャット
チャットは、Part 7の中でときどき出題される問題です。
手紙と同じくらいの頻度で出題されており、目安としては1~3つ程度です。
チャットは”text message chain”と呼ばれることも覚えておきましょう。
広告
広告には、商品の広告と求人広告があります。
それぞれチェックすべきポイントが違うので注意しましょう。
求人広告では、以下の単語も頻出!
- Bachelor’s degree(学士号)
- Master’s degree(修士号)
- Doctoral degree / Ph.D(博士号)
Part7を解くうえでのコツ・ポイント
Part 7は解くうえでいくつかのコツやポイントがあります。
とくにTOEICはテクニック的な対策をしやすい試験です。
以下では、Part 7対策として有効なコツやポイントを紹介します。
頻出パターンをおさえる
Part 7の問題は、問題形式だけでなく、設問にも一定のパターンがあります。
「質問文の型」に慣れておくと、質問文を読む時間を節約できます。
以下では、よく出題される質問文の型を紹介します。
- What is indicated about …? 「…について何が示されていますか?」
- What is suggested about…? 「…について何がわかりますか?」
- What is the purpose of …? 「…の目的は何ですか?」
- What most likely is true about …? 「…について正しそうなことは何ですか?」
- What does Mr. A imply about …? 「Aさんは…について何を示唆していますか?」
- What does Mr. A mention about …? 「Aさんは…について何を述べていますか?」
そのほか、問題形式によって頻出のフレーズもあるのでチェックしておきましょう。
- In which of the positions marked [1], [2], [3], and [4] does the following sentence best belong? 「[1], [2], [3], [4]と記載された箇所のうち、次の文が入るのにもっともふさわしいのはどれですか?」
※文挿入問題で頻出 - The word “XX” in paragraph A, line B, is closest in meaning to… 「第A段落・B行目にある”XX”に最も意味が近いのは…」
※語彙問題で頻出 - At XX: YY A.M.[P.M.], What does Mr. A most likely mean when he writes, “…”? 「午前[午後]XX時YY分のAさんの”…”という発言は、何を意味していると考えられますか?」
※チャット問題で頻出
簡単な問題を優先する
TOEICは、問題の順番と難易度は関係なく、Part 7の1問目よりも54問目の方が簡単なこともあります。
時間が足りない方は、最後の方の簡単な問題を落としてしまうケースが多くなります。
そのため、時間が無くなりそうだったら、簡単な問題を優先して、最後まで解き終えることを目指すのも有効です。
以下では、Part 7の中でも速く解きやすい問題を紹介します。
解きやすい問題は人によって違うため、演習の中で把握するのも大切!
4問のシングルパッセージ
Part 7で最初に出てくるシングルパッセージ4問は、文章が短く、内容もわかりやすいものが多いです。
Part 5とPart 6が終わったら、すぐに解き始めましょう。
語彙問題
語彙問題とは、 文中に出現する特定の単語ともっとも近い意味の語を選ぶ問題です。
語彙問題を判断するポイントは、質問文の“The word X in paragraph ○ line △ is closest in meaning to…”「○段落△行目のXという語にもっとも近い意味は、以下のどれですか?」です。
チャット問題
チャット問題は、文章が口語的で短く、読みやすくなっています。
ほかの問題に比べて内容を把握しやすいため、解きやすい傾向です。
チャット問題は「問題発生→相談→解決」のパターンが多いと覚えておきましょう!
選択肢が短い問題
選択肢は、文章のこともあれば、短いフレーズや単語のみのこともあります。
選択肢が短い問題は、文中から該当する場所を見つけるだけで解ける問題がほとんどです。
中には難しい問題もありますが、優先的にトライする価値があるでしょう。
マルチパッセージ=難しいは間違い
文章量の多いダブルパッセージやトリプルパッセージは、苦手と感じている方も多いでしょう。
集中力の切れやすい終盤に、長い英文を読むのはたしかに大変です。
しかし、マルチパッセージの中にも、語彙問題や選択肢が短い問題はあります。
一度は目を通してみて、解けそうな問題にはかならず手をつけましょう。
難しい問題への対処法
Part7は、時間との戦いです。
少し考えてわからない問題は、マークシートの回答欄にチェックをつけて先の問題に進みましょう。
最後に時間があればもう一度取り組み、時間がなければそのまま塗りつぶしてください。
空欄で提出するよりは、点数につながる可能性が高まります。
Part7対策におすすめの勉強法
Part 7の対策をする際は、本番を想定して学習することが大切です。
とくに、以下の3つを意識しながら学習できると、試験対策として効果的です。
- 時間配分を徹底する
- 返り読みをしない
- 出題パターンに慣れる
本番の時間配分で演習する
TOEICのリーディングは、時間配分がとてもシビアです。
単純計算でPart 7の問題にかけられる時間は、1問あたり50秒程度です。
演習の段階から時間配分を徹底して、簡単な問題はスピーディーに解けるようにするのがポイントです。
また、時間配分の目安を厳守することも大切です。
「もうすこし時間があれば…」と考えるのではなく、見切りをつけて切り替えるメンタルも重要!
返り読みをしない
TOEICでは、英語を英語のまま理解していかないと、すべての問題に目を通すことはできません。
日頃の学習から英語の語順のまま、内容を把握していく癖をつけましょう。
そのためには、返り読みをしないことを強く意識してください。
返り読みをやめるだけで、リーディングスピードは圧倒的に速くなります!
出題パターンに慣れる
TOEICの出題形式は、毎回変わることはありません。
さまざまな問題形式を解いて、解きやすい問題、時間がかかる問題などを把握しておくのがおすすめです。
自分の得意や苦手の傾向を理解すると、適切な時間配分や、優先的に解くべき問題もわかりやすくなります。
「メールは得意だから早く解けるようにしよう」や「ウェブサイトは内容把握に時間がかかってしまうから、時間配分内で解けなかったら次の問題へ進もう」と、具体的に把握できるくらいまで問題を解きましょう。
Part7対策におすすめのスクール・教材
ここまで対策や演習のポイントをお伝えしましたが、Part 7の対策にあたりどんな教材を使えばいいのか悩んでしまう方もいるでしょう。
以下では、おすすめのスクールや教材について紹介します。
世界一わかりやすい TOEICテストの授業(Part 7読解)
著者の関正生氏は、スタディサプリでとても人気のある講師です。
特徴は「とにかく解説が詳しいこと」と「具体的なテクニックが学べること」です。
短時間でこなせるため、初めてTOEICを受けるけど何もできていない方にもおすすめです。
おすすめできる方
- TOEIC600点以下の初級者
- TOEICを初めて勉強する人
- TOEICには慣れてきたが、Part 7で伸び悩んでいる人
おすすめできない方
- TOEIC600点以上で、ほかの参考書でPart7の傾向や解き方のポイントをすでに把握している人
- スタディサプリTOEIC対策講座を利用している人
スタディサプリ(TOEIC対策コース)
スタディサプリのTOEIC対策コースは、以下の3つのコンテンツがメインです。
- パーフェクト講義
- 実践問題集
- TEPPAN英単語
Part 7対策をアプリ一つで完結させられるうえ、自分のレベルに合わせて効率よく学習を進められます。
単語の解答時間が決められていたり、正答率を見られたりと、クイズ感覚でテンポよく学習できる仕組みです。
おすすめできる方
- TOEIC初心者~上級者まで
- タブレットやスマートフォンで学習したい方
- 一人でコツコツ勉強できる人
おすすめできない方
- TOEICの市販の参考書を数冊やりこんだ方
→アプリに使用されている問題はオリジナルではなく、一般の参考書から引用していることが多い - 自分で勉強を進めていくのが難しい方
→スタディサプリのコーチングコースの方がおすすめ
TORAIZ
入学時の多角的な英語力テストによって、自分の足りない部分を現状把握し、優先順位をつけて学習を進めることができます。
TORAIZの学習スタイルを支えているのは、以下の3つです。
- 個人学習(1日3時間)
- オンライン・プライベートレッスン(週2回)
- 6つの英語力テスト
生徒のスケジュールをもとに、目標達成から逆算して、最適な学習計画をたててくれます。
ほかのコーチングサービスに比べて、価格が安い点も魅力の一つです。
おすすめできる方
- TOEICの勉強法が分からない人
- 短期間でTOEICスコアを確実に伸ばしたい人
- 忙しくて勉強する時間がないと思っている人
おすすめできない方
- 自分で計画を立てて勉強を進められる人
TOEICのPart7はコツをおさえて対策
長文読解のPart 7は、苦手とする人が多いパートですが、簡単なコツを知るだけで解きやすくなります。
それほど難しくない問題もあるため、優先順位をつけて解いていくのがポイントです。
また、演習の段階から時間配分や出題パターンを意識することも大切です。
自身に合った学習方法でスコアアップを目指しましょう。